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村再建編

第五話「涙と新魔法」

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異世界生活9日
村長生活4日

 体がだるい。
一晩に二回もしたせいかもしれない、とりあえず朝食を済ませてまずはイレイザの所に向かう、ガイレス村長に会いに行くのはキリングが昼過ぎに迎えに来てからだ。

「イレイザおはよう」

[コミュニケーションテリトリー発動 1]

「昼からガイレス村長に会いに行くみたいだが、私かケイランを連れていくのか?」

【ケイランを連れて行くよ】

【エリザさんと行くよ】

【イレイザについてきてほしいんだけど】

 さて、どうしようかな俺的にはケイランが一番気楽なんだが、ガイレス村に無書が売っているということなんで、エリザさんも連れていきたい。
だが村の守りを手薄にするわけには行かないからエリザさんにするか。

「エリザさんと行くよ」

【ケイランを連れて行くよ0】

【エリザさんと行くよ0】

【イレイザについてきてほしいんだけど-10】

[話術を使用します 魔力11 話術632]

[心守備力50/100]

「そうか、気を付けて行ってくれよ。君にこの村の存続がかかっているんだから、何かあったら困るからな」

「うん。わかってる」

「村長の葬儀はどうするんだ? 帰ってきてからやるのか?」

「そうだな、午前中に村民の葬儀を済ませて、ワンレスの葬儀は明日か明後日かな」

「そうか。傭兵はどうするんだ?」

【ガイレスの村で募集をかけるよ】

【しばらくは無理かな】

【俺と子作りしようか】

 うん。一番かな三番は絶対にない。

「ガイレスの村で募集をかけるよ」

「私達が食事をした店にたくさんの傭兵がいたな」

 俺もそれに気づいていたから店に許可を取って募集をかけよう。

【ガイレスの村で募集をかけるよ-10】

【しばらくは無理かな-5】

【俺と子作りしようか+15】

[話術を使用します 魔力10 話術582]

[心守備力0/100]

 無限空間を選びワンレスと過ごしたあの家に転移する。

「剣術は大丈夫そうだから弓術を教えよう」

「頼む」

 家に弓矢が二組あったので、イレイザに教えてもらいながら20日間無限空間で過ごした。

[弓術を習得しました。弓術レベル1]

 現実世界に戻ってきた。

「そういえば、弓矢ってあるのか?」

「弓は三張あるが、矢が10本ぐらいしかないな」

「そうか。矢が問題なんだな。矢って作るの難しいのかな?」

「矢羽根が必要なんだ」

「羽はそこらを飛んでる野鳥からとれないのか?」

「ある程度張がないと難しいな。鳥類の魔物からなら取れるが以外に手強いんだ」
「なるほど」

 ガイレス村の雑貨屋で探してみるか。

「ありがとう、イレイザ」

 昼食前にワンレスの家から、ワンレス以外の遺体を回収し村の広場に作った木の祭壇に並べる。
それぞれが、花を供え涙を流している。
特にオリーブちゃんは今まで見せることが無かった分、大きな声で泣いている。
カイナさんが頭を撫でて慰めている。
遺体を火葬し、この火は一日続くらしくオリーブちゃんは祭壇のそばに座ってじっと見ている。

「村長。私達が交代で見ているから、ガイレス村に行ってきておくれ」

 カイナさんにそういわれ、エリザさんと村の端でキリングを待つ。

「村長さん。ちょっといいか?」

 大工のチョーさんが声をかけてくる。

「どうしました?」

「あんた。矢が必要なんだろ?」

「ああ」

「矢のノまあ棒の部分だがそれと、矢じりはノを尖らせて作ることができる。それで問題の矢羽根については、この村のちょっと南に行った場所にゲイン鳥っていうモンスターがいてなそいつの羽なら使えるんだ」

「ゲイン鳥か。狩れるのか?」

「いや、ゲイン鳥は子供より小さくておとなしいから飼育ができるし簡単に捕まえれる」

 なるほど、なら何羽かつ構えて増やせばいいのか。

「それなら」

「それなら捕まえてきたいと思うと思うが、ゲイン鳥を餌にしているテルウルフという魔物がやっかいでな」

「なるほど」

「だから、ジュルに余裕があればガイレス村で買ってきてくれねえか?」

「売っているのか?」

「ああ、食用にもなるし村のはずれに飼育場があったのを見た」

「いいね。買えそうなら買ってくるよ」

「おう。期待してるぜ村長」

 がははと笑いながら、チョーさんは宿の方に戻って行った。

「弓ですか?」

「自衛の為に剣を覚えるより、遠距離から攻撃できる方がなにかと役に立つかなって。撃退にしても狩りをするにしても」

「なるほど。そういえば全員の能力はみたんですか?」

「それがまだなんです。葬儀が終わってからにしようかなって」

「そうですか」

 エリザさんと雑談していると、キリングと守護兵二人が村に到着する。

「お待たせしました。護衛は?」

「護衛は魔導士のエリザさんです」

「そうですか」

 特に問題なくガイレスの村に付き、再び村長と対峙する。

[コミュニケーションテリトリーを発動します0]

【この間の返事を聞かせてください】

【いいから来いよ】

【ワンレスが待っている】

「ワンレスが待っている」

「そうだな。正直兄貴の葬儀には参加したい、だがしばらくこの村を離れる余裕がないんだ」

 確かにこの村の発展状況をみるに暇はなさそうだ。

【この間の返事を聞かせてください-10】

【いいから来いよ+15】

【ワンレスが待っている-20】

[話術を使用します 魔力9 話術532]

[心守備力65/600]

「村の行き来だけでも二時間はかかりますからね」

「代わりの者を行かせようかとおもっている」

「代わりの者ですか」

「そうだ。キリングではどうだろうか?」

【できればガイレス村長に来てほしいです】

【キリングですか】

【それならこちらだけで行います】

 どれも選んでも微妙な感じがする。

「できればガイレス村長に来てほしいです」

「そうだな。どうしたものか」

【できればガイレス村長に来てほしいです+5】

【キリングですか+10】

【それならこちらだけで行います-5】

[話術を使用します 魔力8 話術482]

[心守備力20/600]

 強引に行き過ぎたか、何かいい方法はないだろうか、こういう時にいい選択肢がでればいいんだが。

【考えてもしかたないですね】

【なら、ワンレス村長の葬儀をこの村でするのは?】

【キリングでいいです】

 なるほどこういう考え方もできるな。

「なら、ワンレス村長の葬儀をこの村でするのは?」

「! それは考え付かなかったな」

 俺も考え付かなかったよ、選択肢様々だな。

【考えてもしかたないですね-10】

【なら、ワンレス村長の葬儀をこの村でするのは?-15】

【キリングでいいです+5】

[話術を使用します 魔力7 話術432]

[心守備力0/600]

 無限空間に転移した。

「君はまだまだ指導者としては未熟だ私が基礎を教えよう」

 俺とガイレスは40日間話し合い、支配者としての心構えを教えられた。

[支配者レベルが2になりました]

[ガイレスのディティールを更新します]

 そういえば、ガイレスの能力見てなかったな、更新をしたついでに確認するか。

[ディティール使用します。魔力6]

[ガイレス 村長 レベル52
HP578/578 魔力2 攻撃力258 守備力302 素早さ120 賢さ135
心守備力600/1200 信頼度1/5 信頼度ボーナス20000ジュル
支配者レベル7 統率力レベル7
剣術レベル15/次レベルまで0振り 弓術レベル15/次レベルまで0射
盾術レベル10/次レベルまで3005防御 槍術レベル12/次レベルまで475突
馬術レベル10/次レベルまで200キロ
雷魔法10熟練度マスター 時間加速魔法2熟練度10/50]

 くそ強村長だった。特に気になるのが時間加速魔法ってやつと、カンストしている技能だ。
 無限空間から戻ってきてガイレス村長といつワンレスを移送し、葬儀を行うか日取りを決め、二日後に移送と葬儀両方を行うこととなった。
その後、傭兵の募集の許可と、さらに無書が1000ジュルゲイン鳥はオス2匹、メス2匹を5000ジュルで買うことができた。

[33720ジュル]

 ゲイン鳥は雀を大きくした感じで可愛い、牧場というか柵ができるまでは宿の一室を使わせてもらおう。
牧場の人が言うには、寿命は5年、羽は毟っても1カ月で生え変わり、無性卵を毎日3個産み、半月に一度交尾し有精卵を産み10日程で卵が孵化するらしい、無精卵と有精卵の違いは色でわかるらしい、無精卵は異世界前の世界と同じで白、有精卵は灰色との事だ。
 有精卵は全て孵化させて大量に増やそう、肉の心配はこれでなくなる鳥肉に限るが。
余った肉は食堂で買い取ってくれると言ってくれたし。
 帰ってきてからエリザさんにお願いして時間加速魔法と、雷、風の魔法を無書に書き込んで貰った。

「はい。魔導書できたわよ」

「ありがとうございます」

 俺は3000ジュルを報酬として渡す。

[30720ジュル]

「ありがとう。でも最近ジュルの使い道がないんですよね。まあ、ガイレス村に新しい魔導書が入荷したら使うことになりますが」

「この村でもジュルを使えるように頑張ります」

 エリザさんが部屋に戻ったので俺は魔導書を読んだ。

[時間加速魔法1熟練度0/100、雷魔法1熟練度0/10、風魔法1熟練度0/15を習得しました]

 俺は鳥かごに入っている4匹のゲイン鳥を見る。

[魔力2]

[ゲイン鳥オスA、残り寿命892/2204日、次の繁殖期まで5日 肉質A+]

[ゲイン鳥オスB、残り寿命788/2088日、次の繁殖期まで3日 肉質A+]

[ゲイン鳥メスA、残り寿命1020/2580日、次の繁殖期まで5日、スキル産卵 肉質AA]

[ゲイン鳥メスB、残り寿命987/2412日、次の繁殖期まで1日、スキル産卵 肉質AA]

 この世界の1年が420日だからメスA以外はだいたい2年で死んじゃうな。
時間加速魔法を使ったらゲイン鳥の時間が進み、早く卵を産んでくれるようになるはず。

[魔力1 時間加速魔法は対象の時間を5日進める事ができます、状態異常時に使用すると状態異常が進行します。レベルや熟練度は成長しません。熟練度1毎に10日づつ加速できる時間が増えます。使用時の消費魔力以外に魔力を1消費することで使用する日にちを調整できます。調整を使用した場合でも熟練度が増あがります]

 この魔法はいろいろと使うことになりそうだからできる限り熟練度をあげよう。
俺の魔力が12だから全部使ったら60日分時間を進めることができるのか、制約もいろいろありそうだけど便利な魔法だな。
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