458 / 636
性懲りもなく
しおりを挟む
「へえ、流石は使徒様だ。勘が鋭くていらっしゃる」
「答えになっていないですね」
俺は言いながら曲剣をイヤルガムへ向けた。
「使徒様、ルールを作る時は、もっと厳格に定めないと駄目ですよ。でないと、俺みたいなのが現れる」
「ああ、イヤルガムさん自ら次期教皇候補者として、この戦いに参加したんですか」
「……分かっていたんですか?」
俺の返答に驚くイヤルガム。
「当然ですよ。そう言った人間も出てくるだろう想定で、あのルールは作成していますから。でなければ、デーイッシュ派だって締め出していました」
イヤルガムは俺の答えに黙り込む。だがその顔は納得していない事を如実に物語っていた。
「何故、次期教皇選出からデーイッシュ派を排除しなかったのか? って聞きたいですか?」
首肯するイヤルガム。
「東南部のデーイッシュ派に不穏な動きがある事は、イヤルガムさんなら知っていますよね?」
「ゴウーズから聞いたんですか? ならその情報をあいつに流したのは俺です」
でしょうね。
「現在、この世界は一丸となって魔王と対峙しなければなりません。それなのに国家の分裂なんてやっている場合ではないんですよ。それなら、自分たちにも主流派に返り咲くチャンスがあると思わせて、適度にガス抜きさせてやれば、今回だけでも独立国家設立は見送ってくれると思いまして」
「そんな理由ですか。デーイッシュ派は、あなたに手懐けられるような連中じゃあありませんよ。大体、デーイッシュ派の誰かに一撃入れられたらとか、考えなかったんですか?」
もっともな意見です。
「だから『聖結界』で囲ったんですよ。この結界は敵意や害意のある行動に対して、跳ね退けたり、弱体化させたりする効果がありますから。イヤルガムさんも馬鹿な行動して、結界外に弾き飛ばされていましたね」
俺の言にイヤルガムは歯軋りする。
「流石はレアスキルですね」
嫌味かな?
「まあ、敵意や害意にしか反応しないので、真っ当な心根で私に挑んでくる人間は結界を素通りしてしまうんですけどね。だから、イヤルガムさんが本当にコニン派の人々を憂いてこの戦いに臨んでいるのは分かります。だからって、お情けで一撃食らうつもりはありませんけど」
「それは残念です」
言ってイヤルガムは大剣を顔の横に立てて構えた。それに対して俺は海賊曲剣をくるくると回して重拳の威力を上げていく。この男は気絶でもさせないと諦めそうにない。それが難しいんだけど。
じりじりと俺とイヤルガムの距離が詰まり、一触即発とまで気合いが高まった時だった。
バキバキバキ……ッッッ!!!
思わぬ異音に俺たちの動きが止まる。原因は平原に張っていた『聖結界』にひびが入ったからだ。その思わぬ事態に俺は一気にイヤルガムから距離を取り、全合一で周囲を確認する。ひびは『聖結界』の外、取り残されたデーイッシュ派のいる辺りから広がってきていた。このままだと『聖結界』が壊れる。いや、張り直せば良いのだが、それよりも壊れる理由による。何度でも壊せるのなら、張り直す意味がない。
意識をデーイッシュ派のいる『聖結界』外縁に集中させると、そこにいたのは、身の丈が人間の二倍はある人型の何かだ。その背には三対六枚の翼が生えている。そんな巨人が千体はいる。
「何だあれ?」
思わずそのまんま声を漏らしてしまった。そして記憶がフラッシュバックする。
「人工天使か!」
俺がそう口にしたのと、『聖結界』が破壊されたのは同時だった。
「バヨネッタさん!」
『こちらでも確認出来ているわ。あいつら性懲りもなく未だあの研究を続けていたのね』
サングリッター・スローンから聞こえてくるバヨネッタさんの声は苦々しい。
人工天使━━。オルドランドの首都サリィで無実の罪を晴らす為に、神明決闘裁判に臨んだ時に、その黒幕だったムチーノ侯爵とノールッド大司教が融合して変貌したのが、顔が二つに手が四本ある天使だった。あの研究をしていたのがデーイッシュ派だったのだが、既に研究は廃止に追い込まれていたと思っていたが、まだ続けられていたのか。しかもあの時よりも強力になっているようだ。
俺は直ぐ様サングリッター・スローンに乗り込もうと動き出すが、その前にイヤルガムが立ちはだかる。
「邪魔だ!」
思わず語気が強くなってしまった。
「逃げるのか!」
「そんな場合じゃないんだよ! このままだとあんたの予想通りに戦いではなく、デーイッシュ派によるコニン派への蹂躙が始まる! それはなんとしてでも止めなければならない! この戦場にいる全員にそれを通達するだけだ!」
「そんな言い訳を!」
ああもう! 融通の利かない人間だな!
「だったらあんたも一緒に来い!」
言ってイヤルガムの腕を掴むと、俺はイヤルガムを引き摺りながらサングリッター・スローンへと入っていった。
「バヨネッタさん!」
操縦室に入ってくると、全面モニターには遠くで空中に浮いている千体の人工天使たちの姿があった。
「何だあれは?」
異形の姿を目にして、イヤルガムがそんな言葉をこぼす。
「あれはデーイッシュ派が秘密裏に研究していた人工天使です」
「人工……天使?」
俺の言葉に反応するが、イヤルガムの目はモニターに釘付けだ。
「ええ。人と人を融合させて、上位の存在へと昇華させる研究をデーイッシュ派は行っていました。俺とバヨネッタさんが潰した一体だけじゃなかったのか」
「そのようね。デーイッシュ派のいた辺りをスキャンして見たけれど、半分程の人影がなくなっていたわ。あの千体、恐らくは三千人の戦士を融合させて造り出したんでしょうね」
約三人で一体を造り出しているのか。三千人が犠牲になった事を悲しむべきか、五千人全員でなかった事を喜ぶべきか。
「デーイッシュ派は何考えているんだ?」
「逃げ惑う姿も見えるし、デーイッシュ派全体の総意ではなく。一部の候補者が暴走して人工天使を造り出したんだろう」
首を傾げる俺に、武田さんがモニターを操作して詳しく状況を見せてくれた。
「分かりました。バヨネッタさん、マイク使いますね」
俺は自分の席に座ると、デスクのマイクを使って戦場にいる全員に向けて、今回の次期教皇選出の試練は中止となった旨を伝え、己の身を守る事を最優先して行動するように伝えた。
「答えになっていないですね」
俺は言いながら曲剣をイヤルガムへ向けた。
「使徒様、ルールを作る時は、もっと厳格に定めないと駄目ですよ。でないと、俺みたいなのが現れる」
「ああ、イヤルガムさん自ら次期教皇候補者として、この戦いに参加したんですか」
「……分かっていたんですか?」
俺の返答に驚くイヤルガム。
「当然ですよ。そう言った人間も出てくるだろう想定で、あのルールは作成していますから。でなければ、デーイッシュ派だって締め出していました」
イヤルガムは俺の答えに黙り込む。だがその顔は納得していない事を如実に物語っていた。
「何故、次期教皇選出からデーイッシュ派を排除しなかったのか? って聞きたいですか?」
首肯するイヤルガム。
「東南部のデーイッシュ派に不穏な動きがある事は、イヤルガムさんなら知っていますよね?」
「ゴウーズから聞いたんですか? ならその情報をあいつに流したのは俺です」
でしょうね。
「現在、この世界は一丸となって魔王と対峙しなければなりません。それなのに国家の分裂なんてやっている場合ではないんですよ。それなら、自分たちにも主流派に返り咲くチャンスがあると思わせて、適度にガス抜きさせてやれば、今回だけでも独立国家設立は見送ってくれると思いまして」
「そんな理由ですか。デーイッシュ派は、あなたに手懐けられるような連中じゃあありませんよ。大体、デーイッシュ派の誰かに一撃入れられたらとか、考えなかったんですか?」
もっともな意見です。
「だから『聖結界』で囲ったんですよ。この結界は敵意や害意のある行動に対して、跳ね退けたり、弱体化させたりする効果がありますから。イヤルガムさんも馬鹿な行動して、結界外に弾き飛ばされていましたね」
俺の言にイヤルガムは歯軋りする。
「流石はレアスキルですね」
嫌味かな?
「まあ、敵意や害意にしか反応しないので、真っ当な心根で私に挑んでくる人間は結界を素通りしてしまうんですけどね。だから、イヤルガムさんが本当にコニン派の人々を憂いてこの戦いに臨んでいるのは分かります。だからって、お情けで一撃食らうつもりはありませんけど」
「それは残念です」
言ってイヤルガムは大剣を顔の横に立てて構えた。それに対して俺は海賊曲剣をくるくると回して重拳の威力を上げていく。この男は気絶でもさせないと諦めそうにない。それが難しいんだけど。
じりじりと俺とイヤルガムの距離が詰まり、一触即発とまで気合いが高まった時だった。
バキバキバキ……ッッッ!!!
思わぬ異音に俺たちの動きが止まる。原因は平原に張っていた『聖結界』にひびが入ったからだ。その思わぬ事態に俺は一気にイヤルガムから距離を取り、全合一で周囲を確認する。ひびは『聖結界』の外、取り残されたデーイッシュ派のいる辺りから広がってきていた。このままだと『聖結界』が壊れる。いや、張り直せば良いのだが、それよりも壊れる理由による。何度でも壊せるのなら、張り直す意味がない。
意識をデーイッシュ派のいる『聖結界』外縁に集中させると、そこにいたのは、身の丈が人間の二倍はある人型の何かだ。その背には三対六枚の翼が生えている。そんな巨人が千体はいる。
「何だあれ?」
思わずそのまんま声を漏らしてしまった。そして記憶がフラッシュバックする。
「人工天使か!」
俺がそう口にしたのと、『聖結界』が破壊されたのは同時だった。
「バヨネッタさん!」
『こちらでも確認出来ているわ。あいつら性懲りもなく未だあの研究を続けていたのね』
サングリッター・スローンから聞こえてくるバヨネッタさんの声は苦々しい。
人工天使━━。オルドランドの首都サリィで無実の罪を晴らす為に、神明決闘裁判に臨んだ時に、その黒幕だったムチーノ侯爵とノールッド大司教が融合して変貌したのが、顔が二つに手が四本ある天使だった。あの研究をしていたのがデーイッシュ派だったのだが、既に研究は廃止に追い込まれていたと思っていたが、まだ続けられていたのか。しかもあの時よりも強力になっているようだ。
俺は直ぐ様サングリッター・スローンに乗り込もうと動き出すが、その前にイヤルガムが立ちはだかる。
「邪魔だ!」
思わず語気が強くなってしまった。
「逃げるのか!」
「そんな場合じゃないんだよ! このままだとあんたの予想通りに戦いではなく、デーイッシュ派によるコニン派への蹂躙が始まる! それはなんとしてでも止めなければならない! この戦場にいる全員にそれを通達するだけだ!」
「そんな言い訳を!」
ああもう! 融通の利かない人間だな!
「だったらあんたも一緒に来い!」
言ってイヤルガムの腕を掴むと、俺はイヤルガムを引き摺りながらサングリッター・スローンへと入っていった。
「バヨネッタさん!」
操縦室に入ってくると、全面モニターには遠くで空中に浮いている千体の人工天使たちの姿があった。
「何だあれは?」
異形の姿を目にして、イヤルガムがそんな言葉をこぼす。
「あれはデーイッシュ派が秘密裏に研究していた人工天使です」
「人工……天使?」
俺の言葉に反応するが、イヤルガムの目はモニターに釘付けだ。
「ええ。人と人を融合させて、上位の存在へと昇華させる研究をデーイッシュ派は行っていました。俺とバヨネッタさんが潰した一体だけじゃなかったのか」
「そのようね。デーイッシュ派のいた辺りをスキャンして見たけれど、半分程の人影がなくなっていたわ。あの千体、恐らくは三千人の戦士を融合させて造り出したんでしょうね」
約三人で一体を造り出しているのか。三千人が犠牲になった事を悲しむべきか、五千人全員でなかった事を喜ぶべきか。
「デーイッシュ派は何考えているんだ?」
「逃げ惑う姿も見えるし、デーイッシュ派全体の総意ではなく。一部の候補者が暴走して人工天使を造り出したんだろう」
首を傾げる俺に、武田さんがモニターを操作して詳しく状況を見せてくれた。
「分かりました。バヨネッタさん、マイク使いますね」
俺は自分の席に座ると、デスクのマイクを使って戦場にいる全員に向けて、今回の次期教皇選出の試練は中止となった旨を伝え、己の身を守る事を最優先して行動するように伝えた。
0
お気に入りに追加
318
あなたにおすすめの小説
突然シーカーになったので冒険します〜駆け出し探索者の成長物語〜
平山和人
ファンタジー
スマートフォンやSNSが当たり前の現代社会に、ある日突然「ダンジョン」と呼ばれる異空間が出現してから30年が経過していた。
26歳のコンビニアルバイト、新城直人はある朝、目の前に「ステータス画面」が浮かび上がる。直人は、ダンジョンを攻略できる特殊能力者「探索者(シーカー)」に覚醒したのだ。
最寄り駅前に出現している小規模ダンジョンまで、愛用の自転車で向かう大地。初心者向けとは言え、実際の戦闘は命懸け。スマホアプリで探索者仲間とダンジョン情報を共有しながら、慎重に探索を進めていく。
レベルアップを重ね、新しいスキルを習得し、倒したモンスターから得た魔石を換金することで、少しずつではあるが確実に成長していく。やがて大地は、探索者として独り立ちしていくための第一歩を踏み出すのだった。
おじさんが異世界転移してしまった。
月見ひろっさん
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる