414 / 642
それぞれ
しおりを挟む
『『記録』が更新されました』
いつもの寝起きのアナウンスとともに目が覚めた。これって蘇りでも流れるんだな。『超時空操作』に統合されても、『記録』はそのまま使えるらしい。身体に掛かるふんわりした物の圧力から、どうやら俺はベッドで横になっているようだ。これは、あの台詞が言えるんじゃなかろうか。
「見知らぬ天……」
「起きた!?」
いきなりシンヤが顔を覗き込んできて、ちょっとムッとしてしまった。
「ハルアキ大丈夫? 体調におかしなところない?」
しかしシンヤがあまりにも真剣に俺の心配をしているので、心のささくれは仕舞っておく事にした。
「分からないよ。蘇りなんて、サリィで神明決闘裁判をして以来だからな」
俺は上半身を起こし、手をグーパーしてみる。おかしなところはない。首をポキポキさせてからぐるりと回し、目もぐるりと回す。肩も回す。
(アニン)
『問題ない。こちらも身体に異常は検知出来なかった』
そうか。
「問題ないみたいだ」
俺がそう口にすると、心配そうだったシンヤの顔がパァと晴れる。そして直ぐ様部屋から外に飛び出し、
「ハルアキが目を覚ましたよ! 身体も心配ないって!」
と大声を出したので、ちょっと驚いてしまった。なんか恥ずかしい。
『そう邪険に思うな。あやつは本当に心配して、半日以上ハルアキの側に付いていたのだぞ』
それは心配させてしまったな。そんなに差が?
(もしかしてシンヤたちは結構早く目を覚ましたんだな)
『そうだ。ハルアキだけ七日ギリギリだった』
じゃあ皆、余分な買い物しなかったのか。なんか俺だけ貧乏性を発揮したみたいだ。
『買い物?』
アニンが疑問をこぼすので、俺が説明しようとしたところで、ガヤガヤと皆が部屋の中に入ってくる。
「だから言ったであろう。心配せずとも期限内に目を覚ますと」
飛行雲に乗ったゼラン仙者が、心配し過ぎなシンヤをたしなめている。
「皆さんお揃いで。そんなに心配掛けました?」
ゼラン仙者以外が首肯する。
「それはすみません」
「でもまあ、仕方ないんじゃないか。この中ではハルアキが一番レベルが低いんだ。あの試練を突破するにも時間が掛かっただろう」
とゴウマオさんが口にする。試練? 何それ? 首を傾げる俺と同じように首を傾げているのが、青龍偃月刀を持つサブさんだ。
「そんなに大変な試練だったかしら?」
長身で筋肉質な身体つきの男性のサブさんが、女言葉で話すのにも、もう慣れたものだ。こっちも試練か。
「大変だったろ? 迫りくる無数の獣を、触れずに倒すんだぞ? 感覚を掴むまで、何度死に戻った事か。思い出しただけでゾッとする」
と自身の身体を抱くゴウマオさん。これには全員ポカンである。
「何それ? 私が受けた試練とまるで違うんだけど?」
「マジか?」
驚くゴウマオさんに首肯するサブさん。
「私は広大な水田の中央にある大岩の上で座禅を組んで、魔力で稲を成長させるって試練だったわ」
へえ、全然違うな。それから皆がそれぞれ自分が受けた試練を話し始める。
シンヤは黒と白のマーブルカラーの玉が無数に浮かぶ広大な空間で、じんわり光った玉を割る。と言う試練だったそうだ。がこれが中々大変で、玉はじんわり光るので見付け難く、すぐに光が納まるので、全速力でそこまでたどり着かなければならない。更に見掛けに寄らず頑丈なので、全力の一撃を叩き込まなければならなかったんだそうだ。しかも一度でも失敗したら最初からだったそうだ。
ラズゥさんはお堂でひたすら呪符を作り続けていたそうだ。出されたお題の呪符の中には、知らない呪符もあった為、お堂の書庫で調べながら、心を無にしてひたすら書き続けたとか。写経かな? 余程大変だったのか、ラズゥさんが目覚めたのが俺の前だと言う話である。
ヤスさんは燃え上がる活火山の火口の中央で座禅である。それだとサブさんみたいに火山を更に燃え上がらせるのかと思うと、違うらしい。お題はその火山を鎮める事だったとか。炎熱をコントロールし、活火山を魔力によって鎮めるなんて、俺には無理だな。
リットーさんの試練は、やはりと言うべきか、巨大竜との対決だ。何でもゼストルスを召喚してのガチバトルだったとか。巨大竜はゼストルスよりも速く飛翔し、その力は当然ゼストルスよりも上。更には火炎放射に加えて状態異常を付与する煙まで吐いてきたそうだ。人竜一体となって挑むも、何度となく死に戻ったらしい。だがそのお陰で『有頂天』を修得しただけでなく、圧倒的にプレイヤースキルが上がったようだ。それはそうだろうなあ。
で、話は俺に振られた訳だが、
「いや、普通に買い物しただけなんだが?」
皆に絶句されてしまった。
「逆に聞きたいくらいだよ。なんでそんな事になっているの?」
何と言うか、俺と皆との達成感の隔たりが凄い。全員こちらを胡乱なものを見る目で見てくるし。
「べ、別に『有頂天』は獲得しているんだし? 更にはスキルなんかも獲得しているし? 良いじゃん! お得じゃん!」
「お得かも知れないけど……」
シンヤよ。そんな羨ましそうな目をされても困る。
「何の差なのかしら?」
首を傾げるサブさん。そう言われてもな。分からないので俺も首を傾げる。
「ハルアキの前に現れた神は、何と名乗ったのだ?」
とゼラン仙者に尋ねられた。
「え? そう言えば名前聞いていないです」
また皆から半眼を向けられてしまった。そう言えばネオトロンの時も同じ失敗をした気がする。
「皆聞いているの?」
全員首肯する。さいですか。何でもシンヤの前には極神教の最高神である元極神君が、他の勇者パーティの前にも極神教の神が現れたそうだ。リットーさんの前に現れたのはデウサリウス神だったとか。皆、所縁のある神が現れたらしい。俺はこちらの世界の神に縁も所縁もないからなあ。
「なんか、姿形は女神様でしたけど、格好はショップ店員でしたね」
「何だそれは?」
ゼラン仙者が呆れている。そんな態度取らなくても。
「なんか、この世界の運営側の人っぽかったです。それっぽい事も言っていましたし」
全員に嘆息されてしまった。解せぬ。
「それで、その女神から『有頂天』を買ったと?」
ゼラン仙者の問いに頷き答える。
「はい。そこではスキル、プレイヤースキルなど、様々なものが命秒と言う単位のポイントで買う事が可能でした」
「メイビョウ?」
「命の秒ですね。どうやら尸解仙法では七日分が上限らしく、それ以上は買えそうにありませんでした。ちなみに『有頂天』は五十万命秒。約五日から六日分の命秒と言う、破格の値段でした」
「それは破格だったのか?」
「はい。大体は1000命秒、2000命秒でしたから」
「成程、破格だな。だが七日分ならまだ余る。それで他にも何か買ってきた。と言う訳か」
俺が首肯すると、またも全員に嘆息されてしまった。ゼラン仙者とパジャンさん以外は、恨めしそうな視線である。あはは。まあ、そっち側なら俺もそんな目をするかな。
「心配して損した」
シンヤ、勇者がそんな事を言うもんじゃないよ。
いつもの寝起きのアナウンスとともに目が覚めた。これって蘇りでも流れるんだな。『超時空操作』に統合されても、『記録』はそのまま使えるらしい。身体に掛かるふんわりした物の圧力から、どうやら俺はベッドで横になっているようだ。これは、あの台詞が言えるんじゃなかろうか。
「見知らぬ天……」
「起きた!?」
いきなりシンヤが顔を覗き込んできて、ちょっとムッとしてしまった。
「ハルアキ大丈夫? 体調におかしなところない?」
しかしシンヤがあまりにも真剣に俺の心配をしているので、心のささくれは仕舞っておく事にした。
「分からないよ。蘇りなんて、サリィで神明決闘裁判をして以来だからな」
俺は上半身を起こし、手をグーパーしてみる。おかしなところはない。首をポキポキさせてからぐるりと回し、目もぐるりと回す。肩も回す。
(アニン)
『問題ない。こちらも身体に異常は検知出来なかった』
そうか。
「問題ないみたいだ」
俺がそう口にすると、心配そうだったシンヤの顔がパァと晴れる。そして直ぐ様部屋から外に飛び出し、
「ハルアキが目を覚ましたよ! 身体も心配ないって!」
と大声を出したので、ちょっと驚いてしまった。なんか恥ずかしい。
『そう邪険に思うな。あやつは本当に心配して、半日以上ハルアキの側に付いていたのだぞ』
それは心配させてしまったな。そんなに差が?
(もしかしてシンヤたちは結構早く目を覚ましたんだな)
『そうだ。ハルアキだけ七日ギリギリだった』
じゃあ皆、余分な買い物しなかったのか。なんか俺だけ貧乏性を発揮したみたいだ。
『買い物?』
アニンが疑問をこぼすので、俺が説明しようとしたところで、ガヤガヤと皆が部屋の中に入ってくる。
「だから言ったであろう。心配せずとも期限内に目を覚ますと」
飛行雲に乗ったゼラン仙者が、心配し過ぎなシンヤをたしなめている。
「皆さんお揃いで。そんなに心配掛けました?」
ゼラン仙者以外が首肯する。
「それはすみません」
「でもまあ、仕方ないんじゃないか。この中ではハルアキが一番レベルが低いんだ。あの試練を突破するにも時間が掛かっただろう」
とゴウマオさんが口にする。試練? 何それ? 首を傾げる俺と同じように首を傾げているのが、青龍偃月刀を持つサブさんだ。
「そんなに大変な試練だったかしら?」
長身で筋肉質な身体つきの男性のサブさんが、女言葉で話すのにも、もう慣れたものだ。こっちも試練か。
「大変だったろ? 迫りくる無数の獣を、触れずに倒すんだぞ? 感覚を掴むまで、何度死に戻った事か。思い出しただけでゾッとする」
と自身の身体を抱くゴウマオさん。これには全員ポカンである。
「何それ? 私が受けた試練とまるで違うんだけど?」
「マジか?」
驚くゴウマオさんに首肯するサブさん。
「私は広大な水田の中央にある大岩の上で座禅を組んで、魔力で稲を成長させるって試練だったわ」
へえ、全然違うな。それから皆がそれぞれ自分が受けた試練を話し始める。
シンヤは黒と白のマーブルカラーの玉が無数に浮かぶ広大な空間で、じんわり光った玉を割る。と言う試練だったそうだ。がこれが中々大変で、玉はじんわり光るので見付け難く、すぐに光が納まるので、全速力でそこまでたどり着かなければならない。更に見掛けに寄らず頑丈なので、全力の一撃を叩き込まなければならなかったんだそうだ。しかも一度でも失敗したら最初からだったそうだ。
ラズゥさんはお堂でひたすら呪符を作り続けていたそうだ。出されたお題の呪符の中には、知らない呪符もあった為、お堂の書庫で調べながら、心を無にしてひたすら書き続けたとか。写経かな? 余程大変だったのか、ラズゥさんが目覚めたのが俺の前だと言う話である。
ヤスさんは燃え上がる活火山の火口の中央で座禅である。それだとサブさんみたいに火山を更に燃え上がらせるのかと思うと、違うらしい。お題はその火山を鎮める事だったとか。炎熱をコントロールし、活火山を魔力によって鎮めるなんて、俺には無理だな。
リットーさんの試練は、やはりと言うべきか、巨大竜との対決だ。何でもゼストルスを召喚してのガチバトルだったとか。巨大竜はゼストルスよりも速く飛翔し、その力は当然ゼストルスよりも上。更には火炎放射に加えて状態異常を付与する煙まで吐いてきたそうだ。人竜一体となって挑むも、何度となく死に戻ったらしい。だがそのお陰で『有頂天』を修得しただけでなく、圧倒的にプレイヤースキルが上がったようだ。それはそうだろうなあ。
で、話は俺に振られた訳だが、
「いや、普通に買い物しただけなんだが?」
皆に絶句されてしまった。
「逆に聞きたいくらいだよ。なんでそんな事になっているの?」
何と言うか、俺と皆との達成感の隔たりが凄い。全員こちらを胡乱なものを見る目で見てくるし。
「べ、別に『有頂天』は獲得しているんだし? 更にはスキルなんかも獲得しているし? 良いじゃん! お得じゃん!」
「お得かも知れないけど……」
シンヤよ。そんな羨ましそうな目をされても困る。
「何の差なのかしら?」
首を傾げるサブさん。そう言われてもな。分からないので俺も首を傾げる。
「ハルアキの前に現れた神は、何と名乗ったのだ?」
とゼラン仙者に尋ねられた。
「え? そう言えば名前聞いていないです」
また皆から半眼を向けられてしまった。そう言えばネオトロンの時も同じ失敗をした気がする。
「皆聞いているの?」
全員首肯する。さいですか。何でもシンヤの前には極神教の最高神である元極神君が、他の勇者パーティの前にも極神教の神が現れたそうだ。リットーさんの前に現れたのはデウサリウス神だったとか。皆、所縁のある神が現れたらしい。俺はこちらの世界の神に縁も所縁もないからなあ。
「なんか、姿形は女神様でしたけど、格好はショップ店員でしたね」
「何だそれは?」
ゼラン仙者が呆れている。そんな態度取らなくても。
「なんか、この世界の運営側の人っぽかったです。それっぽい事も言っていましたし」
全員に嘆息されてしまった。解せぬ。
「それで、その女神から『有頂天』を買ったと?」
ゼラン仙者の問いに頷き答える。
「はい。そこではスキル、プレイヤースキルなど、様々なものが命秒と言う単位のポイントで買う事が可能でした」
「メイビョウ?」
「命の秒ですね。どうやら尸解仙法では七日分が上限らしく、それ以上は買えそうにありませんでした。ちなみに『有頂天』は五十万命秒。約五日から六日分の命秒と言う、破格の値段でした」
「それは破格だったのか?」
「はい。大体は1000命秒、2000命秒でしたから」
「成程、破格だな。だが七日分ならまだ余る。それで他にも何か買ってきた。と言う訳か」
俺が首肯すると、またも全員に嘆息されてしまった。ゼラン仙者とパジャンさん以外は、恨めしそうな視線である。あはは。まあ、そっち側なら俺もそんな目をするかな。
「心配して損した」
シンヤ、勇者がそんな事を言うもんじゃないよ。
0
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる