406 / 635
魔王軍の偉い人たち
しおりを挟む
一段落着いたところで、前庭で車座になる皆を見ながら、俺は『空間庫』からホワイトボードを取り出した。
「なんか立て続けに色んな奴らが出てきたから、現状把握がてらに羅列したいと思いまーす」
うん。誰も聞いていないな。
魔王軍━━。
当然その頂点は魔王である。現在その座に就いているのは魔王ノブナガ。その身一つに六人の魔王が内在している恐るべき魔王だ。
現在六人の内で判明しているのは四名。
一人は当然、織田信長。本物の信長が転生したものであるらしい。そのギフトは『狂乱』で、生まれつきの魔王だ。また『信仰』のスキルを持っている為、レベルが上がり易いと思われる。これは内在する他の五名の魔王にも影響があるのではないかと思われる。他にもスキルを持っているかも知れない。姿形に関しては分かっていない。カロエルの塔で会った時には、中国のお面のようなものを被っていたからね。
次に織田供則。俺の中学からの悪友の一人だ。織田性だが信長とは関係がない。『Play The Philosopher』。通称PTPと言われる攻略難易度が頭おかしい海外のVRゲームを遊んでいる内に、その知は世界の深淵を覗き、この世界の運営から魔王となる選択肢を提示されて、世界を改変すべく魔王となった男。こう表記するとなんか格好良い気がしてくるのがちょっとムカつくな。スキルはどうやら『音』が関係しているらしい。
ブラフマー。南アジア系の顔をした美丈夫。本人曰くインドの最高神三柱の一柱、本物のブラフマーであるらしい。流石に最高神が出てくるのは無理ゲー過ぎる。偽物であるか、もしくは何かしら行動に制限がかかっていると俺たちは踏んでいる。実際、会った感じ本人は静観モードだった。ただし何が切っ掛けで本気になるか分からないので動向には注意が必要だろう。使うスキルは『抹消』。その効果は対象を完全にこの世から抹消する。記録的にも記憶的にも。強過ぎるスキルなので、何かしら制約があると思われる。他にもスキルを保有している可能性あり。
バァ。古来中国より言い伝えられる魃。バァは魃の中国語読みのようだ。古代中国神話では黄帝の娘であり、今世でもその声は女性のものだった。そのスキルは『灼熱』と『疫種』。『灼熱』で世界に干魃を起こし、『疫種』で疫病をもたらす魔王。こちらの世界で何度も転生を繰り返し、その度に疫病を振り撒く為、こちらの世界の住民からは相当嫌がられているらしい。武田さんが前世で倒した魔王だが、その最期にポーションの材料となるベナ草だけが罹るウイルスを遺して転生した。『清塩』の事で俺は命を狙われている。
そして残る二人の魔王。少年と老爺だ。この二人がどんな魔王なのかは分かっていない。少年はカロエルの塔で声を聞いた限り、まだ声変わり前のようだった。分かるのはそれくらいで、老爺に関しては全く情報がない。
そして魔王軍で魔王に次いで注意すべきなのが六魔将だ。魔王軍において魔王の下の地位にある六人。
そんな六魔将で最初に会ったのが『狂科学者』のロコモコ。バヨネッタさんと同じ魔女島出身の魔女だ。見た目は黒いローブに黒い三角帽、眼鏡を掛け、黒髪は三つ編みで移動手段は箒。と正に魔女である。がその本性は悪い魔女だ。彼女のギフトは『解剖』。そしてスキルは『合成』。ロコモコはこの二つの力を使って、改造手術をするのを悦びとしている。後述するオリバー・グッドマンに改造手術を施したのも彼女のようだ。バヨネッタさん曰く、最悪な改造モンスターを造るのが趣味らしい。バヨネッタさん一家とは父親の事で過去に確執を持つ。
次に会ったのがクラウンベル。魔大陸でトモノリと話をした時、脇に控えてメイドをしていた。銀髪で青白い肌をしている。戦闘の様子は見ていないので何とも言えないが、いきなりどこからともなく現れるので、空間系能力のスキルを有していると思われる。彼女だけ六魔将の中で二つ名がないなあ。と思って聞いたら、ゼラン仙者とリットーさんから『血海』との二つ名を教えて貰った。そんな物騒なメイドさんにお世話されていたのか。
次に小太郎くんとの戦いで、名前だけ出てきたのが『魔天使』ネネエル。だが彼女は有名だ。古くから歴代の魔王に仕え続けている異質の天使。聞いた話では、褐色の肌に漆黒の翼を有しているそうだ。そのスキルの一つが『魔王召喚』である。どうやら魔王には二種類のパターンが存在するそうだ。己からこちらの世界へやってくるパターンと、ネネエルによって召喚されるパターン。前者の場合はトモノリなどが当てはまり、後者はバァのような転生パターンが多いらしい。後者の場合は、魔大陸や魔族が人間たちに攻め込まれた時に召喚するので、必然的に転生パターンが多くなるようだ。
そして直近で会った二人の内の一人が、『聖天四精』オリバー・グッドマン。俺たちの運命がねじ曲がったあの事故と言う名の、天使ネオトロンによる追突事件の被害者の一人であり、あの事故により異世界転移した人物。日本で英語教師をしていた。見た目は金髪碧眼で日本人が思い描く外国人と言った風体だ。しゃべり方の癖までそんな感じで、とても胡散臭い。スキルは『四元素』。これによって大概の事象を作り出す事が出来ると想像される。更にカラヅと言う国の守護獣、聖天大猿を倒して、その魔石を手に入れた事で、聖属性と『天駆』と言うスキルも獲得している。前述もしたが、この魔石を体内に埋め込む手術をしたのはロコモコらしい。グッドマンは最近六魔将に就いたらしく(恐らくは聖天大猿を倒し、魔石を手に入れる事で)、それ以前はラクズマと言う男がその地位にいた事をこちらは把握していた。
もう一人が『邪仙』ムーシェン。見た目は黒い道士服を着た黒髪の壮年の男で、なんとゼラン仙者の兄弟子だと言う。普段は魔大陸の奥、魔王の住む御殿に引っ込み、ほとんど外に出てくる事はないそうだ。以前シンヤを操りデレダ迷宮で激戦を繰り広げた、偵察部隊のギリードの親玉がこのムーシェンと言う人らしい。要するに権謀術数を張り巡らせるのが普段のお仕事のようだ。にしては戦力の逐次投入はどう言う事なのか? と尋ねたら、ゼラン仙者に「あいつら『狂乱』でおかしくなっているからな」と返された。成程。狂っている奴らをまとめ上げるのは大変そうだ。
そしてここまで話題に上げていないが、もう一人六魔将がいる。六魔将総代の『覇剣』ムンダイヤである。その剣の一振りは天を割り、その一振りは大地を裂き、その一振りは海を断つ。そんなおとぎ話の英雄の如きエピソードで彩られているのがムンダイヤだ。魔王よりも魔王である。と言われるこの男は、乱世においては魔王の剣として敵を挫き、魔王なき治世においては賢君として魔大陸を統治する。もうこの人がいれば魔王はいらないんじゃないの? と尋ねたら、ゼラン仙者もリットーさんも同意してくれたが、ムンダイヤ自身が強烈な魔王信奉者の為、そうはならないそうだ。
なんであれ、魔王六人に六魔将が揃っている魔王軍に対して、こちらは化神族とガイツクールを持っているのが、俺、バンジョーさん、バヨネッタさん、シンヤ、リットーさん、パジャンさんの六人と向こうの半分。出来るのならあと六人、ガイツクールの所持者を増やして魔王軍との戦争に備えておきたい。武田さん、どうするかなあ。
「なんか立て続けに色んな奴らが出てきたから、現状把握がてらに羅列したいと思いまーす」
うん。誰も聞いていないな。
魔王軍━━。
当然その頂点は魔王である。現在その座に就いているのは魔王ノブナガ。その身一つに六人の魔王が内在している恐るべき魔王だ。
現在六人の内で判明しているのは四名。
一人は当然、織田信長。本物の信長が転生したものであるらしい。そのギフトは『狂乱』で、生まれつきの魔王だ。また『信仰』のスキルを持っている為、レベルが上がり易いと思われる。これは内在する他の五名の魔王にも影響があるのではないかと思われる。他にもスキルを持っているかも知れない。姿形に関しては分かっていない。カロエルの塔で会った時には、中国のお面のようなものを被っていたからね。
次に織田供則。俺の中学からの悪友の一人だ。織田性だが信長とは関係がない。『Play The Philosopher』。通称PTPと言われる攻略難易度が頭おかしい海外のVRゲームを遊んでいる内に、その知は世界の深淵を覗き、この世界の運営から魔王となる選択肢を提示されて、世界を改変すべく魔王となった男。こう表記するとなんか格好良い気がしてくるのがちょっとムカつくな。スキルはどうやら『音』が関係しているらしい。
ブラフマー。南アジア系の顔をした美丈夫。本人曰くインドの最高神三柱の一柱、本物のブラフマーであるらしい。流石に最高神が出てくるのは無理ゲー過ぎる。偽物であるか、もしくは何かしら行動に制限がかかっていると俺たちは踏んでいる。実際、会った感じ本人は静観モードだった。ただし何が切っ掛けで本気になるか分からないので動向には注意が必要だろう。使うスキルは『抹消』。その効果は対象を完全にこの世から抹消する。記録的にも記憶的にも。強過ぎるスキルなので、何かしら制約があると思われる。他にもスキルを保有している可能性あり。
バァ。古来中国より言い伝えられる魃。バァは魃の中国語読みのようだ。古代中国神話では黄帝の娘であり、今世でもその声は女性のものだった。そのスキルは『灼熱』と『疫種』。『灼熱』で世界に干魃を起こし、『疫種』で疫病をもたらす魔王。こちらの世界で何度も転生を繰り返し、その度に疫病を振り撒く為、こちらの世界の住民からは相当嫌がられているらしい。武田さんが前世で倒した魔王だが、その最期にポーションの材料となるベナ草だけが罹るウイルスを遺して転生した。『清塩』の事で俺は命を狙われている。
そして残る二人の魔王。少年と老爺だ。この二人がどんな魔王なのかは分かっていない。少年はカロエルの塔で声を聞いた限り、まだ声変わり前のようだった。分かるのはそれくらいで、老爺に関しては全く情報がない。
そして魔王軍で魔王に次いで注意すべきなのが六魔将だ。魔王軍において魔王の下の地位にある六人。
そんな六魔将で最初に会ったのが『狂科学者』のロコモコ。バヨネッタさんと同じ魔女島出身の魔女だ。見た目は黒いローブに黒い三角帽、眼鏡を掛け、黒髪は三つ編みで移動手段は箒。と正に魔女である。がその本性は悪い魔女だ。彼女のギフトは『解剖』。そしてスキルは『合成』。ロコモコはこの二つの力を使って、改造手術をするのを悦びとしている。後述するオリバー・グッドマンに改造手術を施したのも彼女のようだ。バヨネッタさん曰く、最悪な改造モンスターを造るのが趣味らしい。バヨネッタさん一家とは父親の事で過去に確執を持つ。
次に会ったのがクラウンベル。魔大陸でトモノリと話をした時、脇に控えてメイドをしていた。銀髪で青白い肌をしている。戦闘の様子は見ていないので何とも言えないが、いきなりどこからともなく現れるので、空間系能力のスキルを有していると思われる。彼女だけ六魔将の中で二つ名がないなあ。と思って聞いたら、ゼラン仙者とリットーさんから『血海』との二つ名を教えて貰った。そんな物騒なメイドさんにお世話されていたのか。
次に小太郎くんとの戦いで、名前だけ出てきたのが『魔天使』ネネエル。だが彼女は有名だ。古くから歴代の魔王に仕え続けている異質の天使。聞いた話では、褐色の肌に漆黒の翼を有しているそうだ。そのスキルの一つが『魔王召喚』である。どうやら魔王には二種類のパターンが存在するそうだ。己からこちらの世界へやってくるパターンと、ネネエルによって召喚されるパターン。前者の場合はトモノリなどが当てはまり、後者はバァのような転生パターンが多いらしい。後者の場合は、魔大陸や魔族が人間たちに攻め込まれた時に召喚するので、必然的に転生パターンが多くなるようだ。
そして直近で会った二人の内の一人が、『聖天四精』オリバー・グッドマン。俺たちの運命がねじ曲がったあの事故と言う名の、天使ネオトロンによる追突事件の被害者の一人であり、あの事故により異世界転移した人物。日本で英語教師をしていた。見た目は金髪碧眼で日本人が思い描く外国人と言った風体だ。しゃべり方の癖までそんな感じで、とても胡散臭い。スキルは『四元素』。これによって大概の事象を作り出す事が出来ると想像される。更にカラヅと言う国の守護獣、聖天大猿を倒して、その魔石を手に入れた事で、聖属性と『天駆』と言うスキルも獲得している。前述もしたが、この魔石を体内に埋め込む手術をしたのはロコモコらしい。グッドマンは最近六魔将に就いたらしく(恐らくは聖天大猿を倒し、魔石を手に入れる事で)、それ以前はラクズマと言う男がその地位にいた事をこちらは把握していた。
もう一人が『邪仙』ムーシェン。見た目は黒い道士服を着た黒髪の壮年の男で、なんとゼラン仙者の兄弟子だと言う。普段は魔大陸の奥、魔王の住む御殿に引っ込み、ほとんど外に出てくる事はないそうだ。以前シンヤを操りデレダ迷宮で激戦を繰り広げた、偵察部隊のギリードの親玉がこのムーシェンと言う人らしい。要するに権謀術数を張り巡らせるのが普段のお仕事のようだ。にしては戦力の逐次投入はどう言う事なのか? と尋ねたら、ゼラン仙者に「あいつら『狂乱』でおかしくなっているからな」と返された。成程。狂っている奴らをまとめ上げるのは大変そうだ。
そしてここまで話題に上げていないが、もう一人六魔将がいる。六魔将総代の『覇剣』ムンダイヤである。その剣の一振りは天を割り、その一振りは大地を裂き、その一振りは海を断つ。そんなおとぎ話の英雄の如きエピソードで彩られているのがムンダイヤだ。魔王よりも魔王である。と言われるこの男は、乱世においては魔王の剣として敵を挫き、魔王なき治世においては賢君として魔大陸を統治する。もうこの人がいれば魔王はいらないんじゃないの? と尋ねたら、ゼラン仙者もリットーさんも同意してくれたが、ムンダイヤ自身が強烈な魔王信奉者の為、そうはならないそうだ。
なんであれ、魔王六人に六魔将が揃っている魔王軍に対して、こちらは化神族とガイツクールを持っているのが、俺、バンジョーさん、バヨネッタさん、シンヤ、リットーさん、パジャンさんの六人と向こうの半分。出来るのならあと六人、ガイツクールの所持者を増やして魔王軍との戦争に備えておきたい。武田さん、どうするかなあ。
0
お気に入りに追加
317
あなたにおすすめの小説
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる