397 / 639
干渉
しおりを挟む
「え? ベナ草って、人のいるところでは育たないんじゃありませんでしたっけ?」
「ああ。畑では育たない植物だからねえ。でも、ほぼ自然と変わらない環境を作り出せば、育てられなくはないんだよ」
「ほぼ自然と変わらない環境を作り出す?」
オルさんの発言に対して、俺は思わずオウム返ししていた。
「サンドボックスさ。あれなら様々な環境を作り出せるからねえ。丁度今は使っていなかったから、自然環境を再現して、ベナ草と『清塩』のシナジー効果の実験中だよ」
わあ、凄いなあ。まあ、ベナ草もポーションも、ないよりあった方が良いもんなあ。
「どうやら『清塩』単体だと、ベナ草とのシナジー効果でベナ草が活性化してウイルスに打ち勝つかたちだけど、『清塩』+『ドブさらい』だと、ウイルスが死滅するので、今後は、より効果の高いそっちでやっていきたいねえ」
成程ねえ。
「塩ですけど、他の植物が育たなくなったりしないんですか?」
「そこら辺は今後の研究次第かな。どのくらいの量なら自然環境に問題ないか実験して、結果が出たら向こうの世界で盛大にばら撒く事になるだろうから、ハルアキくんは、今のうちから大量に『清塩』を生成しておいた方が良いよ」
「あ、はい」
うう、向こうの世界で盛大にって、向こうの世界だって、地球と同じくらい大きいんですけど? ああ、駄目だ。話題変えよう。
「ブラフマーなんですけど……」
俺がその名を出した途端に、全員が頭を抱えた。
「何なのよ、その化け物は」
いや、俺を睨まないでくださいバヨネッタさん。
「化け物じゃなくて神様ですけどね。主にインドと言う国を中心に信仰されている主神の一柱です」
「なんで神様相手にしなくちゃいけないのよ」
また睨む。
「バァも魃ですけどね」
「バァとの戦いは、向こうの世界の歴史と言っても過言ではないが、そのブラフマーと言う神とは初対決だな」
とはゼラン仙者。そうなんだ。それでなんでブラフマーは今回表舞台に出てきたのだろうか。まあ、自分で言っていたように本物じゃない可能性もあるから、もしかしたらトモノリみたいな、今回初めて魔王になった人間なのかも知れないけど。
「それにしても、『抹消』ねえ。本当なのよね?」
俺に視線を向けるバヨネッタさん。これで何度目だろうか。そりゃあ疑いたくもなるだろう。すぐ側に知り合いがいました。でもその人物はご先祖様を一人抹消された事で、いなかった事とされたのです。証拠はありません。なんて話、俺だって他人から聞かされたら信じられない。
「理屈としては分かっているのよ。でも、記憶にいなかった者を、いたんだ。信じて欲しい。と言われても、私からしたら、ハルアキの脳を心配してしまうわ。もしくは何かしらのスキルによって幻術か何かに掛けられているんじゃないかと」
バヨネッタさんの言葉に、俺はどう反応すれば良かったのか。俺の顔を見るバヨネッタさんの顔は、段々と申し訳なさそうな顔へと変わっていった。こっちの方がなんだが申し訳ない気持ちになる。
「しかし、『抹消』か。初めて視たスキルだったな」
とは武田さん。『空識』を持つ武田さんでも見た事も聞いた事もないスキルか。
「どんなスキルだったんですか?」
あの場にいた武田さんなら、『空識』で看破出来ていたんじゃなかろうか。しかし武田さんは首を横に振るう。
「レベル差があったからな。『抹消』とそれ以外に複数個のスキルを所有している事しか分からなかった」
レベル差か。織田信長が『信仰』のスキルを持っているのだから、魔王がレベルを上げるのは簡単だっただろう。
「とりあえず、俺がブラフマーから直接聞いた話では、『対象をこの世から完全に抹消する』スキルだそうです」
「そんなの、『世界』に対して使われたら一発でお終いじゃない」
バヨネッタさんの言葉にぐうの音も出ないが、
「流石にそれは無理だろう。消費魔力が多過ぎる。魔力の消費量と効果範囲を考えると、人ひとり消すだけでも、魔力が空になるぞ」
とゼラン仙者が反論する。まあ、確かに『抹消』で世界を改竄出来るのなら、ブラフマー一人で事足りるもんなあ。
「使用に制約があるって事ですか?」
俺の問いにゼラン仙者が首肯する。バァの『疫種』も一生に一度と言う制約付きだもんなあ。そこまでの制限ではないにしても、何かしら条件はありそうだ。例えば、
「そう言えばブラフマーは、自分の事を過去を司る神だと言っていました」
「成程、『抹消』が使えるのは過去に対してだけ。と言う訳ね」
バヨネッタさんの言に俺は首肯する。それならば現代を生きる小太郎くんたちではなく、過去に遡ってジゲン仙者を抹消したのにも頷ける。
「それは確かに当たっているだろうが、それだとどこからを過去と定めるかが問題になってくるな。一秒後には全て過去だからな」
ゼラン仙者の言葉に納得してしまった。う~む。どこからが過去か。
「死んだ人の事を、過去の人って言うよなあ」
とぼそりと呟いたのはタカシだ。皆の視線がタカシに集まった。
「それはあり得る話だな。生者には未来がある。だが死者にはそれがない。『抹消』が未来のあるものに干渉出来ないならば、それは強力な制約として成立するだろう」
ゼラン仙者の発言に、タカシ以外が首肯する。なんで自分で言っておいて、タカシだけ分かっていないんだよ。
「まあ、それも憶測の域を出ないわね。何か他の制約かも知れないし、制約なんてそもそもないのかも知れないもの」
バヨネッタさんの言葉に、俺たちは気を引き締め直した。そうだ。武田さんの言では、ブラフマーを語る魔王は、まだ複数個のスキルを持っているらしい。そのスキルの組み合わせ次第で制約なんてどうとでもなるだろう。
魔王との戦いが今後更に苛烈になるだろう現実に、この場の誰もが溜息を吐かずにはいられなかった。
「ああ。畑では育たない植物だからねえ。でも、ほぼ自然と変わらない環境を作り出せば、育てられなくはないんだよ」
「ほぼ自然と変わらない環境を作り出す?」
オルさんの発言に対して、俺は思わずオウム返ししていた。
「サンドボックスさ。あれなら様々な環境を作り出せるからねえ。丁度今は使っていなかったから、自然環境を再現して、ベナ草と『清塩』のシナジー効果の実験中だよ」
わあ、凄いなあ。まあ、ベナ草もポーションも、ないよりあった方が良いもんなあ。
「どうやら『清塩』単体だと、ベナ草とのシナジー効果でベナ草が活性化してウイルスに打ち勝つかたちだけど、『清塩』+『ドブさらい』だと、ウイルスが死滅するので、今後は、より効果の高いそっちでやっていきたいねえ」
成程ねえ。
「塩ですけど、他の植物が育たなくなったりしないんですか?」
「そこら辺は今後の研究次第かな。どのくらいの量なら自然環境に問題ないか実験して、結果が出たら向こうの世界で盛大にばら撒く事になるだろうから、ハルアキくんは、今のうちから大量に『清塩』を生成しておいた方が良いよ」
「あ、はい」
うう、向こうの世界で盛大にって、向こうの世界だって、地球と同じくらい大きいんですけど? ああ、駄目だ。話題変えよう。
「ブラフマーなんですけど……」
俺がその名を出した途端に、全員が頭を抱えた。
「何なのよ、その化け物は」
いや、俺を睨まないでくださいバヨネッタさん。
「化け物じゃなくて神様ですけどね。主にインドと言う国を中心に信仰されている主神の一柱です」
「なんで神様相手にしなくちゃいけないのよ」
また睨む。
「バァも魃ですけどね」
「バァとの戦いは、向こうの世界の歴史と言っても過言ではないが、そのブラフマーと言う神とは初対決だな」
とはゼラン仙者。そうなんだ。それでなんでブラフマーは今回表舞台に出てきたのだろうか。まあ、自分で言っていたように本物じゃない可能性もあるから、もしかしたらトモノリみたいな、今回初めて魔王になった人間なのかも知れないけど。
「それにしても、『抹消』ねえ。本当なのよね?」
俺に視線を向けるバヨネッタさん。これで何度目だろうか。そりゃあ疑いたくもなるだろう。すぐ側に知り合いがいました。でもその人物はご先祖様を一人抹消された事で、いなかった事とされたのです。証拠はありません。なんて話、俺だって他人から聞かされたら信じられない。
「理屈としては分かっているのよ。でも、記憶にいなかった者を、いたんだ。信じて欲しい。と言われても、私からしたら、ハルアキの脳を心配してしまうわ。もしくは何かしらのスキルによって幻術か何かに掛けられているんじゃないかと」
バヨネッタさんの言葉に、俺はどう反応すれば良かったのか。俺の顔を見るバヨネッタさんの顔は、段々と申し訳なさそうな顔へと変わっていった。こっちの方がなんだが申し訳ない気持ちになる。
「しかし、『抹消』か。初めて視たスキルだったな」
とは武田さん。『空識』を持つ武田さんでも見た事も聞いた事もないスキルか。
「どんなスキルだったんですか?」
あの場にいた武田さんなら、『空識』で看破出来ていたんじゃなかろうか。しかし武田さんは首を横に振るう。
「レベル差があったからな。『抹消』とそれ以外に複数個のスキルを所有している事しか分からなかった」
レベル差か。織田信長が『信仰』のスキルを持っているのだから、魔王がレベルを上げるのは簡単だっただろう。
「とりあえず、俺がブラフマーから直接聞いた話では、『対象をこの世から完全に抹消する』スキルだそうです」
「そんなの、『世界』に対して使われたら一発でお終いじゃない」
バヨネッタさんの言葉にぐうの音も出ないが、
「流石にそれは無理だろう。消費魔力が多過ぎる。魔力の消費量と効果範囲を考えると、人ひとり消すだけでも、魔力が空になるぞ」
とゼラン仙者が反論する。まあ、確かに『抹消』で世界を改竄出来るのなら、ブラフマー一人で事足りるもんなあ。
「使用に制約があるって事ですか?」
俺の問いにゼラン仙者が首肯する。バァの『疫種』も一生に一度と言う制約付きだもんなあ。そこまでの制限ではないにしても、何かしら条件はありそうだ。例えば、
「そう言えばブラフマーは、自分の事を過去を司る神だと言っていました」
「成程、『抹消』が使えるのは過去に対してだけ。と言う訳ね」
バヨネッタさんの言に俺は首肯する。それならば現代を生きる小太郎くんたちではなく、過去に遡ってジゲン仙者を抹消したのにも頷ける。
「それは確かに当たっているだろうが、それだとどこからを過去と定めるかが問題になってくるな。一秒後には全て過去だからな」
ゼラン仙者の言葉に納得してしまった。う~む。どこからが過去か。
「死んだ人の事を、過去の人って言うよなあ」
とぼそりと呟いたのはタカシだ。皆の視線がタカシに集まった。
「それはあり得る話だな。生者には未来がある。だが死者にはそれがない。『抹消』が未来のあるものに干渉出来ないならば、それは強力な制約として成立するだろう」
ゼラン仙者の発言に、タカシ以外が首肯する。なんで自分で言っておいて、タカシだけ分かっていないんだよ。
「まあ、それも憶測の域を出ないわね。何か他の制約かも知れないし、制約なんてそもそもないのかも知れないもの」
バヨネッタさんの言葉に、俺たちは気を引き締め直した。そうだ。武田さんの言では、ブラフマーを語る魔王は、まだ複数個のスキルを持っているらしい。そのスキルの組み合わせ次第で制約なんてどうとでもなるだろう。
魔王との戦いが今後更に苛烈になるだろう現実に、この場の誰もが溜息を吐かずにはいられなかった。
0
お気に入りに追加
325
あなたにおすすめの小説
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる