295 / 642
山頂の扉
しおりを挟む
「ここが次階へ続く扉ですか」
第三階層を囲う山嶺の一つ。その山頂は霞に覆われ、夜闇も合わさり、一寸先も見えない状態だった。そんな中を武田さんを先頭に進むと、頂上にポツンと、ゴシックな扉が立っていた。
夜霞に覆われた山の頂上に、扉だけが一つあると言うのは、何ともシュールな情景だ。
「これ、どうなっているんですか? いてッ!?」
扉の裏側に回ろうとして、俺は何かにぶつかった。なんだろう? と目を凝らしてもそこには何もない。手を伸ばすと、何もない空間が、まるで壁になっているかのように手が止まる。
「ここはこの階層の端なんだよ。そこから先はスクリーンだ」
と武田さんが教えてくれた。
「スクリーン!? 嘘でしょ!? 俺の共感覚でもこの先に空間が続いているって認識しているんですけど?」
「言ったでしょう? この塔は人外によって造られているって。人間の感覚くらい簡単に狂わせられるわよ」
驚く俺を、バヨネッタさんが落ち着くように説明してくれた。それにしても驚きだ。スクリーンの壁を両手で何度も触るが、触覚以外の感覚が、そこには何もない。と信号を送ってくるので、なんだか立っているだけで酔ってくる。
「そんな事よりも、先を急ぐのでしょう?」
言ってバヨネッタさんは扉のドアノブをひねって、無造作に扉を開けた。瞬間、突風が扉の先から吹き込んできた。
「大丈夫ですか? バヨネッタさん?」
「…………ええ」
大丈夫だけど不快ではありそうだ。俺はバヨネッタさんに代わって扉のドアノブを持ち、扉の外を見遣る。そこは外だった。扉の外と言うか、塔の外だった。風がびゅうびゅうと吹き荒び、見上げれば星空、見下ろせばアンゲルスタの街が見える。扉の外には人一人が通れる程度の、非常階段のような階段が備え付けられており、ここを上れ。と言う事なのは一目瞭然だった。
「ここにきて外階段かよ。これなら初めからこの階段まで、外を飛んで来れば良かったですね」
「どうかしら? 外からこの塔を見た時には、外階段なんて見受けられなかったけれど」
とバヨネッタさん。どうだっただろう? 俺は夜になっていた事もあって、そこまで細かく見ていなかったな。
ともかく、ここで立ち止まっていても仕方ないので、俺は先に進むべく外階段を上り始めた。
突風吹き荒ぶ外階段。少し身を乗り出して下を見るだけで、身が縮み込むような高さで、手すりに掴まっていないと落ち着かない。
「なんで皆来ないんですか?」
俺が振り返ると、皆扉を出た踊り場で足を止めていた。ちなみにゼストルスは扉を潜る事も出来なかったので、リットーさんの『空間庫』の中に入っている。
「あなたこそ、なんで律儀に階段を上っているの?」
言ってラズゥさんは自身の『空間庫』から、先程ゼラン仙者から下賜された飛行雲を取り出した。
あっ、そうか。別に空飛んで行けば良いのか。見上げればこの外階段はかなり長そうだ。これを歩いて上っていくのはそれなりに時間を要する。と俺はアニンの翼を背中に生やし、武田さん以外は飛竜を出したり飛行雲を出したり、トゥインクルステッキを出したりと、飛行の準備を始めた次の瞬間だった。
フッと足場となる外階段が消えたのだ。嘘だろ!? と直ぐ様背中の翼をはばたかせるが、浮かない!? 俺はそのまま地上に向かって落下していた。
パニックになりそうなところを、息を思いっ切り吐き出してなんとか冷静を取り戻すと、他の面子がどうなったかを確認する為、地面に対してうつ伏せになる。
周りも同様の状態だった。バヨネッタさんはトゥインクルステッキを抱えているだけで飛べておらず、飛行雲の面々も同様。ゼストルスに掴まるリットーさんも、ゼストルスごと落下していた。
「これは……! 魔法が使えないのか!」
『違う! 飛行系が禁止されているのだ!』
俺の間違いをアニンが素早く訂正してくれた。確かに、俺の背中にはまだアニンの翼が出ている。魔法が使えないのなら、これさえ出なくなっているはずだ。それなら!
俺は翼を引っ込めると、右手を鉤爪に変化させて塔に引っ掛けて落下の勢いを削ぐと、左手を網に変えて落下する皆を絡め取る。
そうしてなんとか踏ん張ろうとするものの、流石にそれで落下を停止させるには及ばす、勢いを殺して、落下を緩やかにするのが精一杯だった。
ズルズルズルと落下してきた俺たちは、あっという間に地上一階、門の手前まで落ちてきてしまった。
「はあ…………。なんとか生き残れましたね」
俺の言葉に、しかし誰も反応してくれない。皆が皆空を、自分が落ちてきたところを見上げて、歯噛みしている。してやられたのが余程腹に据えかねているらしい。
そんな俺たちなど邪魔でしかないかのように、一階では国連治安維持軍が忙しなくラズゥさんが眠らせたアンゲルスタ人たちを、塔から運び出していた。
「さっさと行くわよ!」
俺がそんな治安維持軍の姿に感心して見入っていたら、既に他の面子は塔内に再進入しており、バヨネッタさんに呼ばれて俺もアニンの翼を広げて塔内に再進入を果たす。
「もう! 何なのよ!」
「腹立つ!!」
「こう言うやり直し系が一番ムカつくんだよ!」
「立看板でも立てておけよな!」
塔内では皆無言だったと言うのに、第三階層から外階段に出るなり、皆の不満が爆発した。まあ、確かに、こう言う狡い罠って、分かっていれば回避が簡単だからねえ。ハメられた感があってハマった方は気分が良くないよな。
『恐らくこのカロエルの塔の周囲では、飛行系は魔法や物理関係なく、飛べない仕様なのだろう』
成程。俺たち仕様の罠だった訳じゃないのか。きっとマスコミのヘリなんかへの対策も兼ねて、塔周辺は飛行禁止区域になっているんだろうなあ。
「長いわね!」
「ここに来て体力削らされる身にもなりなさいよ!」
「ドミニク許すまじ!」
それを理解しているのかいないのか。皆の恨みつらみは根深そうだ。
ドゴンッ!!
長い長い、恐らく二階層分くらい上ったところに外階段の終着点はあった。流石に最上階まで続いていないか。次階の扉を蹴り開けるサブさん。その後を皆でゾロゾロ入っていくが、部屋は電灯が消されて暗くなっていた。
電灯の操作盤を探して、俺が壁に手を這わせている間に、パチンとバヨネッタさんが指を鳴らして光球を生み出し光源とした。そのすぐ後に俺も操作盤をタッチして部屋の電灯を点ける。
振り返ると、皆が顔をしかめていた。何事だろうと周囲を探れば、すぐに答えにぶち当たる。ガラス窓で区切られたいくつもある部屋の中で、何人何十人と言う人々が吊るされていたからだ。
第三階層を囲う山嶺の一つ。その山頂は霞に覆われ、夜闇も合わさり、一寸先も見えない状態だった。そんな中を武田さんを先頭に進むと、頂上にポツンと、ゴシックな扉が立っていた。
夜霞に覆われた山の頂上に、扉だけが一つあると言うのは、何ともシュールな情景だ。
「これ、どうなっているんですか? いてッ!?」
扉の裏側に回ろうとして、俺は何かにぶつかった。なんだろう? と目を凝らしてもそこには何もない。手を伸ばすと、何もない空間が、まるで壁になっているかのように手が止まる。
「ここはこの階層の端なんだよ。そこから先はスクリーンだ」
と武田さんが教えてくれた。
「スクリーン!? 嘘でしょ!? 俺の共感覚でもこの先に空間が続いているって認識しているんですけど?」
「言ったでしょう? この塔は人外によって造られているって。人間の感覚くらい簡単に狂わせられるわよ」
驚く俺を、バヨネッタさんが落ち着くように説明してくれた。それにしても驚きだ。スクリーンの壁を両手で何度も触るが、触覚以外の感覚が、そこには何もない。と信号を送ってくるので、なんだか立っているだけで酔ってくる。
「そんな事よりも、先を急ぐのでしょう?」
言ってバヨネッタさんは扉のドアノブをひねって、無造作に扉を開けた。瞬間、突風が扉の先から吹き込んできた。
「大丈夫ですか? バヨネッタさん?」
「…………ええ」
大丈夫だけど不快ではありそうだ。俺はバヨネッタさんに代わって扉のドアノブを持ち、扉の外を見遣る。そこは外だった。扉の外と言うか、塔の外だった。風がびゅうびゅうと吹き荒び、見上げれば星空、見下ろせばアンゲルスタの街が見える。扉の外には人一人が通れる程度の、非常階段のような階段が備え付けられており、ここを上れ。と言う事なのは一目瞭然だった。
「ここにきて外階段かよ。これなら初めからこの階段まで、外を飛んで来れば良かったですね」
「どうかしら? 外からこの塔を見た時には、外階段なんて見受けられなかったけれど」
とバヨネッタさん。どうだっただろう? 俺は夜になっていた事もあって、そこまで細かく見ていなかったな。
ともかく、ここで立ち止まっていても仕方ないので、俺は先に進むべく外階段を上り始めた。
突風吹き荒ぶ外階段。少し身を乗り出して下を見るだけで、身が縮み込むような高さで、手すりに掴まっていないと落ち着かない。
「なんで皆来ないんですか?」
俺が振り返ると、皆扉を出た踊り場で足を止めていた。ちなみにゼストルスは扉を潜る事も出来なかったので、リットーさんの『空間庫』の中に入っている。
「あなたこそ、なんで律儀に階段を上っているの?」
言ってラズゥさんは自身の『空間庫』から、先程ゼラン仙者から下賜された飛行雲を取り出した。
あっ、そうか。別に空飛んで行けば良いのか。見上げればこの外階段はかなり長そうだ。これを歩いて上っていくのはそれなりに時間を要する。と俺はアニンの翼を背中に生やし、武田さん以外は飛竜を出したり飛行雲を出したり、トゥインクルステッキを出したりと、飛行の準備を始めた次の瞬間だった。
フッと足場となる外階段が消えたのだ。嘘だろ!? と直ぐ様背中の翼をはばたかせるが、浮かない!? 俺はそのまま地上に向かって落下していた。
パニックになりそうなところを、息を思いっ切り吐き出してなんとか冷静を取り戻すと、他の面子がどうなったかを確認する為、地面に対してうつ伏せになる。
周りも同様の状態だった。バヨネッタさんはトゥインクルステッキを抱えているだけで飛べておらず、飛行雲の面々も同様。ゼストルスに掴まるリットーさんも、ゼストルスごと落下していた。
「これは……! 魔法が使えないのか!」
『違う! 飛行系が禁止されているのだ!』
俺の間違いをアニンが素早く訂正してくれた。確かに、俺の背中にはまだアニンの翼が出ている。魔法が使えないのなら、これさえ出なくなっているはずだ。それなら!
俺は翼を引っ込めると、右手を鉤爪に変化させて塔に引っ掛けて落下の勢いを削ぐと、左手を網に変えて落下する皆を絡め取る。
そうしてなんとか踏ん張ろうとするものの、流石にそれで落下を停止させるには及ばす、勢いを殺して、落下を緩やかにするのが精一杯だった。
ズルズルズルと落下してきた俺たちは、あっという間に地上一階、門の手前まで落ちてきてしまった。
「はあ…………。なんとか生き残れましたね」
俺の言葉に、しかし誰も反応してくれない。皆が皆空を、自分が落ちてきたところを見上げて、歯噛みしている。してやられたのが余程腹に据えかねているらしい。
そんな俺たちなど邪魔でしかないかのように、一階では国連治安維持軍が忙しなくラズゥさんが眠らせたアンゲルスタ人たちを、塔から運び出していた。
「さっさと行くわよ!」
俺がそんな治安維持軍の姿に感心して見入っていたら、既に他の面子は塔内に再進入しており、バヨネッタさんに呼ばれて俺もアニンの翼を広げて塔内に再進入を果たす。
「もう! 何なのよ!」
「腹立つ!!」
「こう言うやり直し系が一番ムカつくんだよ!」
「立看板でも立てておけよな!」
塔内では皆無言だったと言うのに、第三階層から外階段に出るなり、皆の不満が爆発した。まあ、確かに、こう言う狡い罠って、分かっていれば回避が簡単だからねえ。ハメられた感があってハマった方は気分が良くないよな。
『恐らくこのカロエルの塔の周囲では、飛行系は魔法や物理関係なく、飛べない仕様なのだろう』
成程。俺たち仕様の罠だった訳じゃないのか。きっとマスコミのヘリなんかへの対策も兼ねて、塔周辺は飛行禁止区域になっているんだろうなあ。
「長いわね!」
「ここに来て体力削らされる身にもなりなさいよ!」
「ドミニク許すまじ!」
それを理解しているのかいないのか。皆の恨みつらみは根深そうだ。
ドゴンッ!!
長い長い、恐らく二階層分くらい上ったところに外階段の終着点はあった。流石に最上階まで続いていないか。次階の扉を蹴り開けるサブさん。その後を皆でゾロゾロ入っていくが、部屋は電灯が消されて暗くなっていた。
電灯の操作盤を探して、俺が壁に手を這わせている間に、パチンとバヨネッタさんが指を鳴らして光球を生み出し光源とした。そのすぐ後に俺も操作盤をタッチして部屋の電灯を点ける。
振り返ると、皆が顔をしかめていた。何事だろうと周囲を探れば、すぐに答えにぶち当たる。ガラス窓で区切られたいくつもある部屋の中で、何人何十人と言う人々が吊るされていたからだ。
1
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる