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お犬様の去就(後編)
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「じゃあ、帰りますね」
黒犬の寝床亭。俺とオルさんの部屋で、転移門を開き、後ろを振り返ると、バヨネッタさん、オルさん、アンリさんがニコニコと笑って送り出してくれている。
「さっさと帰りなさい」
バヨネッタさんはいつにも増して辛辣だ。その腕にはがっちりとミデンが抱き締められ、「ク~ン」と小さく鳴いていた。
その鳴き声が抱き締められている苦しさからなのか、俺との別れを惜しんでなのか分からないが、なんとも切なくなる鳴き声だ。
でもごめんな。連れていけないんだよ。俺はその惜別を断ち切るように転移門を潜り抜けた。日本は雨だった。降り始めのようだ。俺は『空間庫』からビニール傘を取り出すと、パッと開く。
「ワンッ」
すると足元から元気な犬の鳴き声が聞こえてきたので、ハッとして見遣ると、ミデンが嬉しそうに尻尾を振っていた。
はっ!? 何でいるんだよ!?
俺は慌ててミデンを連れて転移門を潜り直し、バヨネッタさんに渡そうとしたら、部屋から出ようとするバヨネッタさんの腕には、がっちりとミデンが抱きしめられている。
え? どう言う事? 首を傾げる俺の腕の中にもミデンがいる。……ああ、分身か。と納得するが、たとえ分身であっても連れて行く事は出来ない。
俺は驚いている三人に、無理矢理ミデンを預けると、とんぼ返りで転移門を潜った。
「ワンッ」
だから何でいるんだよ? 俺は、もう一度返しに行かないとなあ。とミデンを抱き上げる。
「お兄ちゃん?」
と突然声を掛けられてビクッとした。見ればそこには妹のカナがいたからだ。振り返ると転移門は消してあった。セーフ。だよな?
「カナ、どうしたんだ?」
俺は戦闘時よりも心臓をバクバクさせながらカナに尋ねる。
「お母さんとの買い物帰りだけど……、お兄ちゃんこそ……」
くっ、やっぱり転移門を見られていたか。どう言い訳しよう。
「その犬どうしたの?」
「え? 犬? 気になったのこっち?」
「こっちって、どっち?」
カナは犬の鳴き声がしたから、公園の外れにある公衆便所まで来たのだそうだ。俺は転移門を見られなかった事にホッと嘆息するが、カナの追及は止まらない。
「ねえ、その犬どうしたの? 迷子犬? 捨て犬?」
グイグイくるな。さて、どう説明したものか。
「いやあ、知り合いが急に引っ越す事になってさあ、で、引っ越し先のマンションがペット禁止みたいで、一時的に預かってくれないか? みたいな?」
「…………」
苦しかったか?
「一時的?」
「そう! 明日にでも別の飼い主探し出して渡すから」
「その、新しい飼い主って、うちじゃ駄目かな?」
「は?」
何を言い出すんだ我が妹は。などと思っていると、カナの行動は早かった。公園の外で待っていた母を呼び出し、父に電話して車で迎えに来て貰い、そのままペットショップへ直行。室内犬を飼うのに必要な物を買い込み、四人と一匹で我が家に帰宅したのだった。
「わっはっは。でかしたぞ春秋! この半年くらい、何かペットが飼いたいなあ。と三人で話していたんだ」
と、父に思いっきり肩を叩かれた。リビングの一画には、既に小型犬用のゲージが作られている。
「ペット飼うだなんて、俺、聞いてないんだけど?」
ペットを飼うのは了承するが、俺抜きで話が進められていたのが腹が立つ。
「だってお兄ちゃん、この一年くらいゲームとコスプレで引き籠もってたじゃん」
成程。家族とのコミニュケーションを怠っていた俺にも責任の一端がある訳だな。だとしても、
「せめて一言欲しかった」
がっくり肩を落とす俺に、夕飯の支度をしている母が慰めるように声を掛けてきた。
「まあまあ、いいじゃない。決め手になったのは実際ミニピンを連れてきた春秋なんだし」
これは慰められているのか? と俺は母を手伝う為に台所に向かった。
「でもかわいいミニピンだよね?」
カナはさっきからミデンを抱き締めてずっと頬ずりしている。
「ああ。良いミニピンだ。小型犬のかわいさの中にも、賢さが窺えるな」
父もミデンを撫でながら、その利発そうな顔立ちを褒めていた。が気になる事が一つ。
「そのミニピンって、もしかしてそいつの名前? 悪いんだけどそいつにはもう名前が決まっていて……」
と俺がここまで言ったところで、三人に大笑いされてしまった。
「違うよお兄ちゃん。ミニピンは犬種。ミニチュア・ピンシャーの事だよ」
ミニチュア・ピンシャー?
「え? ドーベルマンじゃないの?」
「近種だけど違うよ。ドーベルマンはドーベルマン・ピンシャー。こっちはミニチュア・ピンシャー。レー・ピンシャーとも言うけど。明らかにドーベルマンよりも小さいじゃない」
「犬種としてはドーベルマンよりもミニピンの方が古いんだぞ」
へえ、そうなのか。ドーベルマンじゃなかったのか。と言うか、そもそも、そのミニピンでもドーベルマンでもなく、ミデンは魔犬だけどな。
「それで?」
とカナが何かを催促するような顔をする。見れば父と母もしていた。
「それで、って?」
「名前、決まってるんでしょ?」
ああ、そうだった。名前をまだ言っていなかった。
「ミデンだ」
「ミデン?」
三人ともに首を傾げられてしまった。ピンとこないのだろう。それはそうだろう。異世界の言葉なのだから。
「何語? どう言う意味なの?」
異世界語だよ。意味なんて知らない。
「ちょっと待って」
と俺はスマホを取り出して調べるフリをする。どうせ載ってないだろうから、前の飼い主が適当に付けたんだろう。とでも説明すれば良いだろう。
「え? あった!」
「え? 何なに? どう言う意味なの?」
「ギリシア語で零だって」
まさかあるとは思わなかった。調べてみれば他の言葉も出てくるのかな? 意味は違うだろうけど。
「へえ。中々洒落た名前付けられていたのね。ねえ、ミーちゃん」
とまたミデンに頬ずりカナ。もういきなり崩してるじゃないかよ。
「本当に、良い名前ねえ、ミーちゃん」
そこに母がやって来てカナからミデンを取り上げて頬ずりをする。カナも父も文句を言いたそうだが、母に夕飯の支度を押し付けていたので、文句も言えずにいた。
「明日私、仕事休みだから、ミーちゃん連れて、動物病院と役所に行ってくるわね」
「どう言う事?」
いきなりの母の話に、俺は首を傾げた。動物病院は分からんではないが、役所?
「犬を飼うには役所に届け出が必要なのよ。それと年一回の狂犬病の予防注射も」
へえ、そうなんだ。犬飼おうなんて思った事なかったから、知らなかったな。
「だから先に動物病院で狂犬病の予防注射受けてから、役所で手続きしてくるわね」
なんかお手数お掛けします。俺や父、カナは母にお礼を言って頭を下げ、その後四人と一匹で夕飯を食べたのだった。
黒犬の寝床亭。俺とオルさんの部屋で、転移門を開き、後ろを振り返ると、バヨネッタさん、オルさん、アンリさんがニコニコと笑って送り出してくれている。
「さっさと帰りなさい」
バヨネッタさんはいつにも増して辛辣だ。その腕にはがっちりとミデンが抱き締められ、「ク~ン」と小さく鳴いていた。
その鳴き声が抱き締められている苦しさからなのか、俺との別れを惜しんでなのか分からないが、なんとも切なくなる鳴き声だ。
でもごめんな。連れていけないんだよ。俺はその惜別を断ち切るように転移門を潜り抜けた。日本は雨だった。降り始めのようだ。俺は『空間庫』からビニール傘を取り出すと、パッと開く。
「ワンッ」
すると足元から元気な犬の鳴き声が聞こえてきたので、ハッとして見遣ると、ミデンが嬉しそうに尻尾を振っていた。
はっ!? 何でいるんだよ!?
俺は慌ててミデンを連れて転移門を潜り直し、バヨネッタさんに渡そうとしたら、部屋から出ようとするバヨネッタさんの腕には、がっちりとミデンが抱きしめられている。
え? どう言う事? 首を傾げる俺の腕の中にもミデンがいる。……ああ、分身か。と納得するが、たとえ分身であっても連れて行く事は出来ない。
俺は驚いている三人に、無理矢理ミデンを預けると、とんぼ返りで転移門を潜った。
「ワンッ」
だから何でいるんだよ? 俺は、もう一度返しに行かないとなあ。とミデンを抱き上げる。
「お兄ちゃん?」
と突然声を掛けられてビクッとした。見ればそこには妹のカナがいたからだ。振り返ると転移門は消してあった。セーフ。だよな?
「カナ、どうしたんだ?」
俺は戦闘時よりも心臓をバクバクさせながらカナに尋ねる。
「お母さんとの買い物帰りだけど……、お兄ちゃんこそ……」
くっ、やっぱり転移門を見られていたか。どう言い訳しよう。
「その犬どうしたの?」
「え? 犬? 気になったのこっち?」
「こっちって、どっち?」
カナは犬の鳴き声がしたから、公園の外れにある公衆便所まで来たのだそうだ。俺は転移門を見られなかった事にホッと嘆息するが、カナの追及は止まらない。
「ねえ、その犬どうしたの? 迷子犬? 捨て犬?」
グイグイくるな。さて、どう説明したものか。
「いやあ、知り合いが急に引っ越す事になってさあ、で、引っ越し先のマンションがペット禁止みたいで、一時的に預かってくれないか? みたいな?」
「…………」
苦しかったか?
「一時的?」
「そう! 明日にでも別の飼い主探し出して渡すから」
「その、新しい飼い主って、うちじゃ駄目かな?」
「は?」
何を言い出すんだ我が妹は。などと思っていると、カナの行動は早かった。公園の外で待っていた母を呼び出し、父に電話して車で迎えに来て貰い、そのままペットショップへ直行。室内犬を飼うのに必要な物を買い込み、四人と一匹で我が家に帰宅したのだった。
「わっはっは。でかしたぞ春秋! この半年くらい、何かペットが飼いたいなあ。と三人で話していたんだ」
と、父に思いっきり肩を叩かれた。リビングの一画には、既に小型犬用のゲージが作られている。
「ペット飼うだなんて、俺、聞いてないんだけど?」
ペットを飼うのは了承するが、俺抜きで話が進められていたのが腹が立つ。
「だってお兄ちゃん、この一年くらいゲームとコスプレで引き籠もってたじゃん」
成程。家族とのコミニュケーションを怠っていた俺にも責任の一端がある訳だな。だとしても、
「せめて一言欲しかった」
がっくり肩を落とす俺に、夕飯の支度をしている母が慰めるように声を掛けてきた。
「まあまあ、いいじゃない。決め手になったのは実際ミニピンを連れてきた春秋なんだし」
これは慰められているのか? と俺は母を手伝う為に台所に向かった。
「でもかわいいミニピンだよね?」
カナはさっきからミデンを抱き締めてずっと頬ずりしている。
「ああ。良いミニピンだ。小型犬のかわいさの中にも、賢さが窺えるな」
父もミデンを撫でながら、その利発そうな顔立ちを褒めていた。が気になる事が一つ。
「そのミニピンって、もしかしてそいつの名前? 悪いんだけどそいつにはもう名前が決まっていて……」
と俺がここまで言ったところで、三人に大笑いされてしまった。
「違うよお兄ちゃん。ミニピンは犬種。ミニチュア・ピンシャーの事だよ」
ミニチュア・ピンシャー?
「え? ドーベルマンじゃないの?」
「近種だけど違うよ。ドーベルマンはドーベルマン・ピンシャー。こっちはミニチュア・ピンシャー。レー・ピンシャーとも言うけど。明らかにドーベルマンよりも小さいじゃない」
「犬種としてはドーベルマンよりもミニピンの方が古いんだぞ」
へえ、そうなのか。ドーベルマンじゃなかったのか。と言うか、そもそも、そのミニピンでもドーベルマンでもなく、ミデンは魔犬だけどな。
「それで?」
とカナが何かを催促するような顔をする。見れば父と母もしていた。
「それで、って?」
「名前、決まってるんでしょ?」
ああ、そうだった。名前をまだ言っていなかった。
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「ミデン?」
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「え? あった!」
「え? 何なに? どう言う意味なの?」
「ギリシア語で零だって」
まさかあるとは思わなかった。調べてみれば他の言葉も出てくるのかな? 意味は違うだろうけど。
「へえ。中々洒落た名前付けられていたのね。ねえ、ミーちゃん」
とまたミデンに頬ずりカナ。もういきなり崩してるじゃないかよ。
「本当に、良い名前ねえ、ミーちゃん」
そこに母がやって来てカナからミデンを取り上げて頬ずりをする。カナも父も文句を言いたそうだが、母に夕飯の支度を押し付けていたので、文句も言えずにいた。
「明日私、仕事休みだから、ミーちゃん連れて、動物病院と役所に行ってくるわね」
「どう言う事?」
いきなりの母の話に、俺は首を傾げた。動物病院は分からんではないが、役所?
「犬を飼うには役所に届け出が必要なのよ。それと年一回の狂犬病の予防注射も」
へえ、そうなんだ。犬飼おうなんて思った事なかったから、知らなかったな。
「だから先に動物病院で狂犬病の予防注射受けてから、役所で手続きしてくるわね」
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