52 / 641
昼休み
しおりを挟む
うちの学校に学食はない。なのでいつも昼は購買だ。校舎一階の奥にある購買で、大体アンパン、クリームパン、カレーパン、焼きそばパンのうちのどれか二種類を買って、教室に戻っては一人で食べている。タカシは女子と食べるのが恒例になっているからだ。
「よう、工藤」
購買でクリームパンとカレーパン、ココアを買い、ココアを飲みながら教室に戻っていると、声を掛けられた。祖父江兄妹だ。話があるそうだ。この前の続きだろう。
こう言う時、ラノベやマンガだと屋上で話したりするものだが、学校に屋上はあるが、普通に出入り禁止だ。なので教室から遠い、特別教室などがある側の階段で、昼食を摂りながら話をする事になった。
「結果から言えば、俺たち異世界調査隊は祝福の儀を受けられない、と言う事が分かった」
と祖父江兄。ほう、そうなのか。
「祝福の儀は神からの祝福を授ける神聖な儀式らしく、他の宗教に入っている俺たち地球人に、神聖な儀式を受けさせたくないそうだ」
まあ、そう言う事もあるか。俺も裏技的に祝福の儀を受けたしな。
「俺たちがデウサリウス教に改宗するなら考えるらしいが」
「え? デウサリウス教なの?」
思わず声に出してしまった。
「ああ。それか何か?」
「いや、俺が祝福の儀を受けたのもデウサリウス様だったから」
二人に、それはそうだろう。と言う顔をされてしまった。デウサリウス様は異世界ではメジャーな神様だったらしい。
「それで異世界調査隊の中には信仰心の厚い人間も多くてな、いくら異世界の調査の為とは言え、改宗は出来ないってのが仲間の半数を超えている」
そう言えばカナが今や異世界調査隊は、世界中から人が集まる一大プロジェクトだって言ってたな。日本人だけのプロジェクトチームだったら、多分改宗と言う意見も通っていたかも知れないが、世界となるとそうもいかないんだな。
「デウサリウス様以外の神様なら、どうにかなったりするんじゃないか?」
「は?」
「え?」
二人に驚かれてしまった。
「どう言う事だ?」
と祖父江兄に詰め寄られる。
「あれ? モーハルドはデウサリウス様の一神教オンリーなのか? 俺が祝福の儀を受けたクーヨンでは、一神教と多神教が混在していたぞ?」
なんか二人が頭抱えているな。まあ、一神教の国でだけ生活していれば、世界に神様は一柱だけ。と思い込んでしまうのも分かるな。
「モーハルドはデウサリウス教が国教でな。他にも神様がいるなんて話、耳に入ってこなかった」
「あいつら、わざと情報隠してたんじゃないの?」
祖父江兄妹が苦々しげに呟く。情報収集を得意とする忍者なら、色々調べておきたかっただろうが、相手が異世界である上に、言葉も通じないだろうから、情報収集も難儀しているのだろう。
「まあ、祝福の儀でスキルが手に入らなくても、スキル屋から買えば良いんだし。どうにかなるんじゃないか?」
「スキル屋って、やっぱり存在するんだな」
嘆息する祖父江兄。
「あれ? 桂木さんたちが滞在する町、デミスだっけ? にはスキル屋がないのか?」
「と言うか、スキルの売買自体禁止されているよ」
マジか?
「桂木さんもどうにかならないか考えてな。他者からの譲渡や売買なんかでどうにかならないか、と向こうに訴えたんだが、何でもスキルは神デウサリウスがお与え下さった神聖なもの。って考え方らしくてな。取り付く島もなかったよ」
モーハルド、意外とガッチガチの宗教国家なのかもなあ。それだけガッチガチだともっと排他的になって、他宗教の異世界人なんて迫害や追放されてもおかしくないのに。桂木の『魅了』のお陰かも知れないが、バレたら余計に立場を悪くしそうだよなあ。
「いっそモーハルドから出たらどうだ?」
「いや、それはどうだろうな」
渋る祖父江兄。
「今、モーハルドとの間で共同研究なんかも始まっているからな。結構な金が掛かっているし、物資の往来もそれなりの量になっている。今から他国に行きます。って言うのも難しいだろう」
金掛かっているなら仕方ないか。それにモーハルドとしても桂木たちを有用だと思っているって事だろうから、邪険には扱わないか。
金かあ。そうだ。俺も活動資金稼がないとなあ。
「小太郎くん」
「何だよ。初めて名前で呼ばれたな」
そうだったっけ?
「桂木さんに両替頼めないかな?」
「両替?」
「向こうの金をいくらか持っているんだけど、こっちじゃ両替も出来ないだろう? 俺も活動資金が欲しくてね」
下手にこっちの質屋にでも持ち込んだら、足がついて俺と言う存在が世間にバレる可能性があるからな。慎重にいきたい。
「いや、それなら工藤から対価を払う必要はないよ」
ん? どう言う事?
「桂木さんから情報料を渡すように言われているからな」
そう言ってスマホを取り出す祖父江兄。これで電子マネーのやり取りをするつもりらしい。
「……! こんなに!?」
情報料は十万円だった。情報が結構な値段になったな。
「それは前回の情報分だ。今回の情報も持ち帰って明日にでも払う」
おお! 桂木翔真気風が良いな!
「じゃあ、情報ありがとな」
「バイバイ」
と祖父江兄妹は自身の教室に戻っていった。俺はスマホに入った十万円と言う大金で、何を買おうか考えていたら、午後の授業に遅れてしまった。
「よう、工藤」
購買でクリームパンとカレーパン、ココアを買い、ココアを飲みながら教室に戻っていると、声を掛けられた。祖父江兄妹だ。話があるそうだ。この前の続きだろう。
こう言う時、ラノベやマンガだと屋上で話したりするものだが、学校に屋上はあるが、普通に出入り禁止だ。なので教室から遠い、特別教室などがある側の階段で、昼食を摂りながら話をする事になった。
「結果から言えば、俺たち異世界調査隊は祝福の儀を受けられない、と言う事が分かった」
と祖父江兄。ほう、そうなのか。
「祝福の儀は神からの祝福を授ける神聖な儀式らしく、他の宗教に入っている俺たち地球人に、神聖な儀式を受けさせたくないそうだ」
まあ、そう言う事もあるか。俺も裏技的に祝福の儀を受けたしな。
「俺たちがデウサリウス教に改宗するなら考えるらしいが」
「え? デウサリウス教なの?」
思わず声に出してしまった。
「ああ。それか何か?」
「いや、俺が祝福の儀を受けたのもデウサリウス様だったから」
二人に、それはそうだろう。と言う顔をされてしまった。デウサリウス様は異世界ではメジャーな神様だったらしい。
「それで異世界調査隊の中には信仰心の厚い人間も多くてな、いくら異世界の調査の為とは言え、改宗は出来ないってのが仲間の半数を超えている」
そう言えばカナが今や異世界調査隊は、世界中から人が集まる一大プロジェクトだって言ってたな。日本人だけのプロジェクトチームだったら、多分改宗と言う意見も通っていたかも知れないが、世界となるとそうもいかないんだな。
「デウサリウス様以外の神様なら、どうにかなったりするんじゃないか?」
「は?」
「え?」
二人に驚かれてしまった。
「どう言う事だ?」
と祖父江兄に詰め寄られる。
「あれ? モーハルドはデウサリウス様の一神教オンリーなのか? 俺が祝福の儀を受けたクーヨンでは、一神教と多神教が混在していたぞ?」
なんか二人が頭抱えているな。まあ、一神教の国でだけ生活していれば、世界に神様は一柱だけ。と思い込んでしまうのも分かるな。
「モーハルドはデウサリウス教が国教でな。他にも神様がいるなんて話、耳に入ってこなかった」
「あいつら、わざと情報隠してたんじゃないの?」
祖父江兄妹が苦々しげに呟く。情報収集を得意とする忍者なら、色々調べておきたかっただろうが、相手が異世界である上に、言葉も通じないだろうから、情報収集も難儀しているのだろう。
「まあ、祝福の儀でスキルが手に入らなくても、スキル屋から買えば良いんだし。どうにかなるんじゃないか?」
「スキル屋って、やっぱり存在するんだな」
嘆息する祖父江兄。
「あれ? 桂木さんたちが滞在する町、デミスだっけ? にはスキル屋がないのか?」
「と言うか、スキルの売買自体禁止されているよ」
マジか?
「桂木さんもどうにかならないか考えてな。他者からの譲渡や売買なんかでどうにかならないか、と向こうに訴えたんだが、何でもスキルは神デウサリウスがお与え下さった神聖なもの。って考え方らしくてな。取り付く島もなかったよ」
モーハルド、意外とガッチガチの宗教国家なのかもなあ。それだけガッチガチだともっと排他的になって、他宗教の異世界人なんて迫害や追放されてもおかしくないのに。桂木の『魅了』のお陰かも知れないが、バレたら余計に立場を悪くしそうだよなあ。
「いっそモーハルドから出たらどうだ?」
「いや、それはどうだろうな」
渋る祖父江兄。
「今、モーハルドとの間で共同研究なんかも始まっているからな。結構な金が掛かっているし、物資の往来もそれなりの量になっている。今から他国に行きます。って言うのも難しいだろう」
金掛かっているなら仕方ないか。それにモーハルドとしても桂木たちを有用だと思っているって事だろうから、邪険には扱わないか。
金かあ。そうだ。俺も活動資金稼がないとなあ。
「小太郎くん」
「何だよ。初めて名前で呼ばれたな」
そうだったっけ?
「桂木さんに両替頼めないかな?」
「両替?」
「向こうの金をいくらか持っているんだけど、こっちじゃ両替も出来ないだろう? 俺も活動資金が欲しくてね」
下手にこっちの質屋にでも持ち込んだら、足がついて俺と言う存在が世間にバレる可能性があるからな。慎重にいきたい。
「いや、それなら工藤から対価を払う必要はないよ」
ん? どう言う事?
「桂木さんから情報料を渡すように言われているからな」
そう言ってスマホを取り出す祖父江兄。これで電子マネーのやり取りをするつもりらしい。
「……! こんなに!?」
情報料は十万円だった。情報が結構な値段になったな。
「それは前回の情報分だ。今回の情報も持ち帰って明日にでも払う」
おお! 桂木翔真気風が良いな!
「じゃあ、情報ありがとな」
「バイバイ」
と祖父江兄妹は自身の教室に戻っていった。俺はスマホに入った十万円と言う大金で、何を買おうか考えていたら、午後の授業に遅れてしまった。
1
お気に入りに追加
328
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?
澤檸檬
ファンタジー
旧題 努力=結果
異世界の神の勝手によって異世界に転移することになった倉野。
実際に異世界で確認した常識と自分に与えられた能力が全く違うことに少しずつ気付く。
異世界の住人はレベルアップによってステータスが上がっていくようだったが、倉野にだけレベルが存在せず、行動を繰り返すことによってスキルを習得するシステムが採用されていた。
そのスキル習得システムと異世界の常識の差が倉野を最強の人間へと押し上げていく。
だが、倉野はその能力を活かして英雄になろうだとか、悪用しようだとかそういった上昇志向を見せるわけでもなく、第二の人生と割り切ってファンタジーな世界を旅することにした。
最強を隠して異世界を巡る倉野。各地での出会いと別れ、冒険と楽しみ。元居た世界にはない刺激が倉野の第二の人生を彩っていく。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる