9 / 642
格付けと魚
しおりを挟む
それからは穴掘りとモンスター退治の毎日だ。
ツルハシで穴を掘り、たまに出てくるカエルやスライム、ムカデを屠る。
カエルにもやはり魔石があった。腹を開くと、心臓部分にくっつくかたちで存在していた。スライムの魔石と大きさは変わらないが、色がやや濃かった。
手のひらに載せて、熱くなれ、と念じてみると、スライムの魔石よりも熱くなる。それでも熱くて持てなくなる程ではなかったが。
だが、なんとなく崖下の強さのランクは分かってきた。
カエルが一番強く、次にスライム、一番下なのがムカデだ。これは対処してみたり、観察してみて理解した。
観察対象はスライムだ。スライムはカエルが生きている時には姿を現さない。恐らく自分が狩られる側である事を本能で理解しているのだと思う。
スライムがカエルの前に姿を現すのは、俺がカエルを仕留めた後に限る。どうやら相性が悪いらしい。一度だけカエルの死骸を貪っていて逃げ遅れたスライムの前に、カエルが現れた事があったのだが、なんとカエルは、スライムを丸呑みにして食べてしまったのだ。あんな酸の塊のようなスライムを食べてしまうとは、カエル恐るべし!
対してスライムはムカデを良く捕食している。岩壁や地面にべちゃんと広がって罠を張り、自分の上を通り過ぎたムカデを、身体で包み込んで酸で溶かして食べている場面を、何度か目撃していた。
カエルがムカデを捕食している場面にも遭遇した事があるので、やはりこの崖下で最弱はムカデのようだ。
ただ気に食わないのは、スライムは俺の前に逃げずに姿を現すし、ムカデやカエルは俺に襲い掛かってくる。つまり俺はこの三者から最弱だと思われている節があるのだ。幾度となく撃退しているのに、解せん。
魔石にしても、カエルの魔石が一番色が濃く、次いでスライム、更に色も薄く小さいのがムカデだ。
どうやら色が濃く、大きな魔石の方が魔法の触媒として優秀なようなので、俺はカエルの魔石を中心に、死骸から抜き出して物置に保管していたのだが、一度スライムによって集めた魔石を捕食されてしまった事があった。それ以来魔石は俺の自室で管理している。
この崖下には湖がある。体育館程の広さがある崖下の四分の一を占める大きさで、その一面を岩壁に接している。
近付くとカエルが沸いてくるので、あまり近付いたりしていなかったが、湖の大きさからしたら、カエルの数が多すぎではなかろうか? と俺は常々考えていた。何故なら、既に俺はこの崖下で二ヶ月を過ごし、百匹近いカエルを葬ってきたからだ。
湖はそれなりの大きさだが、一メートルあるカエルが百匹以上いるのなら、溢れかえっていてもおかしくない。しかし湖はカエルが出現する時に少し音がするぐらいで、いつもは静かなものだ。
俺は湖に近付いて、そっとその中を覗き込んでみる。浮上しようとしているカエルと目が合った。
俺はカエルが湖から顔を出すタイミングに合わせて、持っていたツルハシでその頭を突き刺した。一発で絶命するカエル。カエルの対処にも慣れたなあ、俺。
カエルを湖岸に引き揚げ、魔石を取り出すとその場に放置。あとはスライムが処理してくれる。俺はもう一度湖を覗き込んだ。
湖は思ったよりも透明で、底の方までヘッドライトの灯りが届く。湖はかなり深く、そして広かった。その奥行きは崖下を取り囲む岩壁の向こうまで続いているようだった。
う~ん、もしかしたらこの湖、どこか外にある川か何かに繋がっていて、カエルはそこから来ているのかも知れない。そっちにカエル本来の生息地があるから、そっちで繁殖して、カエルは無限に沸いてくるのかも。などと考えてしまう。
ではこの湖を泳いでいけば、穴を掘らずに外に出られるって事だろうか? そうかも知れない。が、それは俺には無理だろう。
この湖が何処まで続いているのか知らないが、俺の息が続くとは思えない。スキューバダイビングの免許でも取るか? それでも無理だろう。途中カエルに襲われるのだ。スキューバの一式背負って対処出来ると思えない。
やっぱり俺には穴掘りしかなさそうだ。
と湖をじっくり見ていると、湖中がキラキラしているのが分かった。
(あれって、魚か?)
どうやらこの湖、魚かいるらしい。そりゃあ湖だし、魚くらいいるか。
翌日。俺はホームセンターで釣竿を買ってくると、この異世界の湖で糸を垂らしてみた。釣りには詳しくないが、餌はルアーの、ルアーフィッシングである。
三十分程経過したが、全く釣れる気配がない。釣り、つまんないな。湖岸に立つとカエルが襲い掛かってくるばかりで、静かに釣りなんて出来ないし。魚はルアーには引っかからないし。
もうやめようと竿を引き上げ、ちらりと見るとカエルの死骸が山になっていた。
……そうだ。俺は糸からルアーを外すと、包丁でカエルの肉を削ぎ落とし、針に引っ掛け湖に垂らしてみた。
するとどうだろう! 入れた瞬間魚が掛かったではないか!
魚はばくりとカエル肉に食いつき、そこからは魚との戦いだ。糸が切れないように時に弛めながらリールを巻き上げる。
魚は思った以上の大物のようだ。俺は身体が何度も湖に引きずり込まれそうになりながら、それを踏ん張って耐え、リールをギリギリと回していく。魚の引きが強過ぎて、少しずつしかリールを巻き上げられない。
どれほど魚と格闘しただろうか? 少なくとも三十分は湖岸で中腰になりながら踏ん張り、リールを巻き続けた。そして、
「よっしゃ! 釣ったぞー!!」
俺はへとへとになりながら、湖岸に魚を打ち上げた。魚は全体が銀の鱗に覆われ、中央には金の線が入っていた。その全長は一メートル五十センチはある大物だ。口から針を取り外したいが、口に牙がびっしり生えているのでそれは出来ない。
俺はまだピチピチ湖岸で跳ねている魚を足で押さえると、包丁でエラのところを突き刺してトドメを刺した。血を流して大人しくなる魚。大人しくなったところで口から針を取り外した。
俺はピクリとも動かなくなった魚の腹を開くと、内臓を取り出し魔石を探す。しかし心臓に魔石はなかった。
(あれ? もしかしてこの魚はモンスターじゃないのか?)
不思議に思って首を傾げると、ヘッドライトの灯りで魚の額がキラリと光る。それを見ると、魔石だった。魔石がモンスターの心臓って訳でもないのか。
魔石は青色で、カエルのより一回り大きい。カエルより魚の方が強いのか。まあ、カエルの方が強かったら、湖の魚を食べ尽くしているかも知れないもんな。
(しかし魚か……。この魚、食べれるかな?)
魚だもんな。食べれるよね? 今度BBQセットでも買ってこようかな。俺の腹がぐぅ~と鳴った。
ツルハシで穴を掘り、たまに出てくるカエルやスライム、ムカデを屠る。
カエルにもやはり魔石があった。腹を開くと、心臓部分にくっつくかたちで存在していた。スライムの魔石と大きさは変わらないが、色がやや濃かった。
手のひらに載せて、熱くなれ、と念じてみると、スライムの魔石よりも熱くなる。それでも熱くて持てなくなる程ではなかったが。
だが、なんとなく崖下の強さのランクは分かってきた。
カエルが一番強く、次にスライム、一番下なのがムカデだ。これは対処してみたり、観察してみて理解した。
観察対象はスライムだ。スライムはカエルが生きている時には姿を現さない。恐らく自分が狩られる側である事を本能で理解しているのだと思う。
スライムがカエルの前に姿を現すのは、俺がカエルを仕留めた後に限る。どうやら相性が悪いらしい。一度だけカエルの死骸を貪っていて逃げ遅れたスライムの前に、カエルが現れた事があったのだが、なんとカエルは、スライムを丸呑みにして食べてしまったのだ。あんな酸の塊のようなスライムを食べてしまうとは、カエル恐るべし!
対してスライムはムカデを良く捕食している。岩壁や地面にべちゃんと広がって罠を張り、自分の上を通り過ぎたムカデを、身体で包み込んで酸で溶かして食べている場面を、何度か目撃していた。
カエルがムカデを捕食している場面にも遭遇した事があるので、やはりこの崖下で最弱はムカデのようだ。
ただ気に食わないのは、スライムは俺の前に逃げずに姿を現すし、ムカデやカエルは俺に襲い掛かってくる。つまり俺はこの三者から最弱だと思われている節があるのだ。幾度となく撃退しているのに、解せん。
魔石にしても、カエルの魔石が一番色が濃く、次いでスライム、更に色も薄く小さいのがムカデだ。
どうやら色が濃く、大きな魔石の方が魔法の触媒として優秀なようなので、俺はカエルの魔石を中心に、死骸から抜き出して物置に保管していたのだが、一度スライムによって集めた魔石を捕食されてしまった事があった。それ以来魔石は俺の自室で管理している。
この崖下には湖がある。体育館程の広さがある崖下の四分の一を占める大きさで、その一面を岩壁に接している。
近付くとカエルが沸いてくるので、あまり近付いたりしていなかったが、湖の大きさからしたら、カエルの数が多すぎではなかろうか? と俺は常々考えていた。何故なら、既に俺はこの崖下で二ヶ月を過ごし、百匹近いカエルを葬ってきたからだ。
湖はそれなりの大きさだが、一メートルあるカエルが百匹以上いるのなら、溢れかえっていてもおかしくない。しかし湖はカエルが出現する時に少し音がするぐらいで、いつもは静かなものだ。
俺は湖に近付いて、そっとその中を覗き込んでみる。浮上しようとしているカエルと目が合った。
俺はカエルが湖から顔を出すタイミングに合わせて、持っていたツルハシでその頭を突き刺した。一発で絶命するカエル。カエルの対処にも慣れたなあ、俺。
カエルを湖岸に引き揚げ、魔石を取り出すとその場に放置。あとはスライムが処理してくれる。俺はもう一度湖を覗き込んだ。
湖は思ったよりも透明で、底の方までヘッドライトの灯りが届く。湖はかなり深く、そして広かった。その奥行きは崖下を取り囲む岩壁の向こうまで続いているようだった。
う~ん、もしかしたらこの湖、どこか外にある川か何かに繋がっていて、カエルはそこから来ているのかも知れない。そっちにカエル本来の生息地があるから、そっちで繁殖して、カエルは無限に沸いてくるのかも。などと考えてしまう。
ではこの湖を泳いでいけば、穴を掘らずに外に出られるって事だろうか? そうかも知れない。が、それは俺には無理だろう。
この湖が何処まで続いているのか知らないが、俺の息が続くとは思えない。スキューバダイビングの免許でも取るか? それでも無理だろう。途中カエルに襲われるのだ。スキューバの一式背負って対処出来ると思えない。
やっぱり俺には穴掘りしかなさそうだ。
と湖をじっくり見ていると、湖中がキラキラしているのが分かった。
(あれって、魚か?)
どうやらこの湖、魚かいるらしい。そりゃあ湖だし、魚くらいいるか。
翌日。俺はホームセンターで釣竿を買ってくると、この異世界の湖で糸を垂らしてみた。釣りには詳しくないが、餌はルアーの、ルアーフィッシングである。
三十分程経過したが、全く釣れる気配がない。釣り、つまんないな。湖岸に立つとカエルが襲い掛かってくるばかりで、静かに釣りなんて出来ないし。魚はルアーには引っかからないし。
もうやめようと竿を引き上げ、ちらりと見るとカエルの死骸が山になっていた。
……そうだ。俺は糸からルアーを外すと、包丁でカエルの肉を削ぎ落とし、針に引っ掛け湖に垂らしてみた。
するとどうだろう! 入れた瞬間魚が掛かったではないか!
魚はばくりとカエル肉に食いつき、そこからは魚との戦いだ。糸が切れないように時に弛めながらリールを巻き上げる。
魚は思った以上の大物のようだ。俺は身体が何度も湖に引きずり込まれそうになりながら、それを踏ん張って耐え、リールをギリギリと回していく。魚の引きが強過ぎて、少しずつしかリールを巻き上げられない。
どれほど魚と格闘しただろうか? 少なくとも三十分は湖岸で中腰になりながら踏ん張り、リールを巻き続けた。そして、
「よっしゃ! 釣ったぞー!!」
俺はへとへとになりながら、湖岸に魚を打ち上げた。魚は全体が銀の鱗に覆われ、中央には金の線が入っていた。その全長は一メートル五十センチはある大物だ。口から針を取り外したいが、口に牙がびっしり生えているのでそれは出来ない。
俺はまだピチピチ湖岸で跳ねている魚を足で押さえると、包丁でエラのところを突き刺してトドメを刺した。血を流して大人しくなる魚。大人しくなったところで口から針を取り外した。
俺はピクリとも動かなくなった魚の腹を開くと、内臓を取り出し魔石を探す。しかし心臓に魔石はなかった。
(あれ? もしかしてこの魚はモンスターじゃないのか?)
不思議に思って首を傾げると、ヘッドライトの灯りで魚の額がキラリと光る。それを見ると、魔石だった。魔石がモンスターの心臓って訳でもないのか。
魔石は青色で、カエルのより一回り大きい。カエルより魚の方が強いのか。まあ、カエルの方が強かったら、湖の魚を食べ尽くしているかも知れないもんな。
(しかし魚か……。この魚、食べれるかな?)
魚だもんな。食べれるよね? 今度BBQセットでも買ってこようかな。俺の腹がぐぅ~と鳴った。
1
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる