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「…ぐわあああああ!!」
森を抜け、道が岩石地帯に入ってすぐのことだった。オレは牛のように大きいデメルに襲われ、風の盾をデメルに向けて展開する。
「仁さんッ!!」
「…ペガサスくん、早く逃げろ!」
慌てるペガサスくんにオレはそう指示したが、ペガサスくんはオレの後方から動かない。足がすくんで動けないのだろうか? 違うのなら早くこの場から離れてほしい。風の盾で防御しているが、いつ目標がペガサスくんに変わるか分からないのだ。オレが内心焦っていると、
「うわあああああ!!!」
と言うペガサスくんの叫び。牛のようなデメルはオレの目の前にいる。では別のデメルに襲われたのかと視線をペガサスくんに向けると、そうじゃなかった。
襲われてはいない。が、なんだあれ? ペガサスくんの上に目の前のデメルよりさらに二回りは大きい岩石が浮かんでいる。ペガサスくんが浮かせたのだろうか? だろうな。目を見ると、ペガサスくん完全にぶちキレてるし。
「うわあああああ!!!」
ペガサスくんが両手をこちらに向けると、その岩石が物凄い勢いでこっちへ向かって来る。ヤバいと思ったオレは、慌てて風の盾でデメルを殴り岩石の方へ、自分はすぐにその場から避難する。
哀れ、牛のようなデメルはブチッと言う音とともに岩石の下敷きとなってお亡くなりになりました。
「仁さんッ、大丈夫ですか!?」
駆け寄ってきたペガサスくんに抱きつかれ、どこか怪我をしていないか点検される。
「…ああ、大丈夫大丈夫。それにしても凄いねぇ。あんな大きいデメルを一撃で倒せてしまうなんて」
「え? いや、あれは無我夢中で…」
「…いやぁ、ペガサスくんの実力でしょう。これだけの実力があるなら、先の異世界に行ってもやっていけるねぇ」
「は、はぁ、ありがとうございます。…………なんか仁さんおかしくありません?」
「…え、なんのこと? オレには分からないなぁ」
怪しむペガサスくんの視線から目を逸らすオレ。
「…………風の盾? なんで水の盾じゃなかったんだ? ……! もしかして仁さん! わざと危なくなった振りをしたんじゃないでしょうねぇ!」
「ええ、なんのことか全然分からないなぁ(棒読み)」
「信っじられない。仁さんが死んじゃうんじゃないかって、本っ当に心配したんですよ! それが演技だったなんて…」
ペガサスくんはそれ以上何も言わず、無言で自転車を起こすと、さっさと先に行ってしまう。
「…ちょっ、ちょっとペガサスくん? 待ってよ」
オレも慌てて自転車を起こし、ペガサスくんの後を追う。
「もう知りません。ついてこないでください」
「…ついてこないでって、行き先一緒だろ?」
「知りませ~ん」
こんなことがありながら、オレ達二人は夜にはパンナタン遺跡のある街に無事たどり着いた。
森を抜け、道が岩石地帯に入ってすぐのことだった。オレは牛のように大きいデメルに襲われ、風の盾をデメルに向けて展開する。
「仁さんッ!!」
「…ペガサスくん、早く逃げろ!」
慌てるペガサスくんにオレはそう指示したが、ペガサスくんはオレの後方から動かない。足がすくんで動けないのだろうか? 違うのなら早くこの場から離れてほしい。風の盾で防御しているが、いつ目標がペガサスくんに変わるか分からないのだ。オレが内心焦っていると、
「うわあああああ!!!」
と言うペガサスくんの叫び。牛のようなデメルはオレの目の前にいる。では別のデメルに襲われたのかと視線をペガサスくんに向けると、そうじゃなかった。
襲われてはいない。が、なんだあれ? ペガサスくんの上に目の前のデメルよりさらに二回りは大きい岩石が浮かんでいる。ペガサスくんが浮かせたのだろうか? だろうな。目を見ると、ペガサスくん完全にぶちキレてるし。
「うわあああああ!!!」
ペガサスくんが両手をこちらに向けると、その岩石が物凄い勢いでこっちへ向かって来る。ヤバいと思ったオレは、慌てて風の盾でデメルを殴り岩石の方へ、自分はすぐにその場から避難する。
哀れ、牛のようなデメルはブチッと言う音とともに岩石の下敷きとなってお亡くなりになりました。
「仁さんッ、大丈夫ですか!?」
駆け寄ってきたペガサスくんに抱きつかれ、どこか怪我をしていないか点検される。
「…ああ、大丈夫大丈夫。それにしても凄いねぇ。あんな大きいデメルを一撃で倒せてしまうなんて」
「え? いや、あれは無我夢中で…」
「…いやぁ、ペガサスくんの実力でしょう。これだけの実力があるなら、先の異世界に行ってもやっていけるねぇ」
「は、はぁ、ありがとうございます。…………なんか仁さんおかしくありません?」
「…え、なんのこと? オレには分からないなぁ」
怪しむペガサスくんの視線から目を逸らすオレ。
「…………風の盾? なんで水の盾じゃなかったんだ? ……! もしかして仁さん! わざと危なくなった振りをしたんじゃないでしょうねぇ!」
「ええ、なんのことか全然分からないなぁ(棒読み)」
「信っじられない。仁さんが死んじゃうんじゃないかって、本っ当に心配したんですよ! それが演技だったなんて…」
ペガサスくんはそれ以上何も言わず、無言で自転車を起こすと、さっさと先に行ってしまう。
「…ちょっ、ちょっとペガサスくん? 待ってよ」
オレも慌てて自転車を起こし、ペガサスくんの後を追う。
「もう知りません。ついてこないでください」
「…ついてこないでって、行き先一緒だろ?」
「知りませ~ん」
こんなことがありながら、オレ達二人は夜にはパンナタン遺跡のある街に無事たどり着いた。
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