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席に着くと食事が出されるが、お菓子を食べたばかりだから食べきれないわ……。
と思いながらフルコースを完食いたしました。
フロマージュもいただきデザートも完食です。
和やかだったかって?
バカ言わないでちょうだい、皇帝は私を見つめてるし、ゾフィー皇太后は不機嫌そうだし、ママは喋りすぎになるし、ネネーは泣きそうになっていて、私とカール・ルートヴィヒだけがまともに会話をしていたわ。
でも、大丈夫よ、私とカール・ルートヴィヒの婚約を先に決めちゃえば皇帝もよもや弟の婚約者を奪うことはできないはずよ。
というわけでデザート後の席で爆弾を投下したのよ。
「母上、ご相談があるのですが」
そう切り出したのはカール・ルートヴィヒ殿下。
微妙なディナーの空気を断ち切るかのような爽やかな発言。
「なんでしょう?」
「実はシシィにプレゼントした指輪のサイズがまったくあっていなかったので新しい指輪をプレゼントしたいのですが、何かアドバイスをいただけませんか?」
そう言うと辺りはシーンと静まりかえった。
ゾフィー皇太后はすぐに意味がわかったらしく
先程までの不愉快そうな顔から満面の笑みで
「二人で指輪見て試してからプレゼントしたらどうかしら?素敵じゃないルドヴィカ?」
「なんて素敵なんでしょう!」
ルドヴィカお母さんも話を合わせます。
そこからは私とカール・ルートヴィヒ殿下が
カップルとして上手いこと切り抜けられたわ。
さすがの皇帝も弟の婚約者を奪うなんてこと
出来ないだろうから先手を打った訳。
これでイレーネと婚約が決まるでしょう。
一安心よ、明日からはスパ三昧で全ての社交は病欠させていただきます!
これで全てうまく行く。
私は微笑みながらベッドで横になるのでした。
そして気づいたら朝で、部屋にはトランクがいくつも運ばれていて無事に荷物も届いたみたい。
残念ながらほとんど着ないだろうけど。
さぁ、私は今日からスパ三昧よ、午前中に医師の診察を受けて、温泉に入ってのんびり過ごしましょ。
というわけできちんと診察を受けたら食べ過ぎと言われて、とりあえず散歩させられて、その後に温泉入ったんだけどぬるかったわ。
で、少し休んでのんびりして過ごしていたわ。
カール・ルートヴィヒ殿下が指輪選びしよって連絡きたから真面目に着替えてルドヴィカお母さん監視下の中二人で選んでシンプルなダイヤモンドにしました。
これで私の皇后になる道は潰えたからバッドエンド回避だわ!
やったね、自分で自分を褒めてあげたいな。
バートイシュルのカフェに行きたいけど多分一人で出歩いたら怒られるだろうし、どうしたものかしら。
まぁ、いけなくてもケーキとお茶くらいは用意してくれるわよね。
というわけで使用人にケーキとお茶をお願いして私はまったりソファでゴロゴロして過ごしていると召使の一人がみんな帰ってきたと告げたので急いでベッドで具合悪そうな顔で横たわることにした。
「シシィ、起きなさい」
ルドヴィカお母さんのめっちゃ通る声が部屋に鳴り響く。
「何?ママ?」
「悪いけど明日の晩餐…」
「欠席するから大丈夫よママ、もとからマナーも心配だし具合悪いから無理よ」
「いや、出席しなきゃダメよ」
「え?なんでよ?」
ママ、病人に鞭打つの反対よ。
私はそう思いながら何が起きたのか考えた。
一番ありそうなのは明日の晩餐会でカール・ルートヴィヒ殿下が私に正式なプロポーズをしたいということかしら?
皇帝がイレーネじゃなくて私がいいと言ったりしてもクギを刺しておけるものね。
「皇帝陛下の御命令です」
「だからなんでよ」
私は理由を知りたくて聞いた。
もしかしてカール・ルートヴィヒから皇帝に
お願いしたのかしら?この席は皇帝とイレーネのお見合いだから自分からは言えないものね。
「簡単よ、皇帝はあなたと結婚したいんだそうよ」
「なんでよ!一言もはなしてないのに何でそうなるの?無理無理」
「いや、そう言われてもシシィ、皇帝の言うことですもの、それにゾフィーからも頼まれちゃって」
「皇太后陛下が?なんで?私嫌われてそうなんだけど」
「え?そんなことないわよ、なんか気になっちゃう感じみたいよ」
「やめてよママ、なんとか断れないのかしら?伝染病だとか言って」
「無理よ、皇帝自らあなたを見たお医者さんに健康状態を確認した上で言ってるんだから」
「ちょっと、個人情報漏らしてるじゃないの」
「皇帝陛下相手よ?」
「ママ、私絶対にいやだからね」
「なんでよオーストリア皇帝の妻なんて皆の憧れじゃない?」
「誰があんな優柔不断なマザコン野郎を好きなるのよ」
「シシィ!!なんてこと言うの!!ダメよ」
ルドヴィカお母さんは私の暴言にびっくりして
静かにするようにジェスチャーを交えながら
話し出した。
「とにかく、皇帝陛下の言うことは絶対だから
明日の晩餐会は参加決定です」
「ママ、カール・ルートヴィヒと結婚するんじゃダメ?」
「私はその計画だったけど皇帝のご希望を退けることは誰にも出来ないわよシシィ」
ルドヴィカお母さんはそう言うとため息をついた。
「とにかく今日はもう寝なさい、私も疲れたわ、おやすみ」
そうあくびしながら出ていくのを見届けると私は頭を抱えるしかなかった。
ヤバいわヤバいわどうしたら結婚フラグを避けられるかしら?
イケメン探して破廉恥な振る舞いをしたらいい?
だめね捕まるわ。
色々な方法を考えながらも名案は浮かばず、なかなか眠れなく何度も寝返りをうつのでした。
と思いながらフルコースを完食いたしました。
フロマージュもいただきデザートも完食です。
和やかだったかって?
バカ言わないでちょうだい、皇帝は私を見つめてるし、ゾフィー皇太后は不機嫌そうだし、ママは喋りすぎになるし、ネネーは泣きそうになっていて、私とカール・ルートヴィヒだけがまともに会話をしていたわ。
でも、大丈夫よ、私とカール・ルートヴィヒの婚約を先に決めちゃえば皇帝もよもや弟の婚約者を奪うことはできないはずよ。
というわけでデザート後の席で爆弾を投下したのよ。
「母上、ご相談があるのですが」
そう切り出したのはカール・ルートヴィヒ殿下。
微妙なディナーの空気を断ち切るかのような爽やかな発言。
「なんでしょう?」
「実はシシィにプレゼントした指輪のサイズがまったくあっていなかったので新しい指輪をプレゼントしたいのですが、何かアドバイスをいただけませんか?」
そう言うと辺りはシーンと静まりかえった。
ゾフィー皇太后はすぐに意味がわかったらしく
先程までの不愉快そうな顔から満面の笑みで
「二人で指輪見て試してからプレゼントしたらどうかしら?素敵じゃないルドヴィカ?」
「なんて素敵なんでしょう!」
ルドヴィカお母さんも話を合わせます。
そこからは私とカール・ルートヴィヒ殿下が
カップルとして上手いこと切り抜けられたわ。
さすがの皇帝も弟の婚約者を奪うなんてこと
出来ないだろうから先手を打った訳。
これでイレーネと婚約が決まるでしょう。
一安心よ、明日からはスパ三昧で全ての社交は病欠させていただきます!
これで全てうまく行く。
私は微笑みながらベッドで横になるのでした。
そして気づいたら朝で、部屋にはトランクがいくつも運ばれていて無事に荷物も届いたみたい。
残念ながらほとんど着ないだろうけど。
さぁ、私は今日からスパ三昧よ、午前中に医師の診察を受けて、温泉に入ってのんびり過ごしましょ。
というわけできちんと診察を受けたら食べ過ぎと言われて、とりあえず散歩させられて、その後に温泉入ったんだけどぬるかったわ。
で、少し休んでのんびりして過ごしていたわ。
カール・ルートヴィヒ殿下が指輪選びしよって連絡きたから真面目に着替えてルドヴィカお母さん監視下の中二人で選んでシンプルなダイヤモンドにしました。
これで私の皇后になる道は潰えたからバッドエンド回避だわ!
やったね、自分で自分を褒めてあげたいな。
バートイシュルのカフェに行きたいけど多分一人で出歩いたら怒られるだろうし、どうしたものかしら。
まぁ、いけなくてもケーキとお茶くらいは用意してくれるわよね。
というわけで使用人にケーキとお茶をお願いして私はまったりソファでゴロゴロして過ごしていると召使の一人がみんな帰ってきたと告げたので急いでベッドで具合悪そうな顔で横たわることにした。
「シシィ、起きなさい」
ルドヴィカお母さんのめっちゃ通る声が部屋に鳴り響く。
「何?ママ?」
「悪いけど明日の晩餐…」
「欠席するから大丈夫よママ、もとからマナーも心配だし具合悪いから無理よ」
「いや、出席しなきゃダメよ」
「え?なんでよ?」
ママ、病人に鞭打つの反対よ。
私はそう思いながら何が起きたのか考えた。
一番ありそうなのは明日の晩餐会でカール・ルートヴィヒ殿下が私に正式なプロポーズをしたいということかしら?
皇帝がイレーネじゃなくて私がいいと言ったりしてもクギを刺しておけるものね。
「皇帝陛下の御命令です」
「だからなんでよ」
私は理由を知りたくて聞いた。
もしかしてカール・ルートヴィヒから皇帝に
お願いしたのかしら?この席は皇帝とイレーネのお見合いだから自分からは言えないものね。
「簡単よ、皇帝はあなたと結婚したいんだそうよ」
「なんでよ!一言もはなしてないのに何でそうなるの?無理無理」
「いや、そう言われてもシシィ、皇帝の言うことですもの、それにゾフィーからも頼まれちゃって」
「皇太后陛下が?なんで?私嫌われてそうなんだけど」
「え?そんなことないわよ、なんか気になっちゃう感じみたいよ」
「やめてよママ、なんとか断れないのかしら?伝染病だとか言って」
「無理よ、皇帝自らあなたを見たお医者さんに健康状態を確認した上で言ってるんだから」
「ちょっと、個人情報漏らしてるじゃないの」
「皇帝陛下相手よ?」
「ママ、私絶対にいやだからね」
「なんでよオーストリア皇帝の妻なんて皆の憧れじゃない?」
「誰があんな優柔不断なマザコン野郎を好きなるのよ」
「シシィ!!なんてこと言うの!!ダメよ」
ルドヴィカお母さんは私の暴言にびっくりして
静かにするようにジェスチャーを交えながら
話し出した。
「とにかく、皇帝陛下の言うことは絶対だから
明日の晩餐会は参加決定です」
「ママ、カール・ルートヴィヒと結婚するんじゃダメ?」
「私はその計画だったけど皇帝のご希望を退けることは誰にも出来ないわよシシィ」
ルドヴィカお母さんはそう言うとため息をついた。
「とにかく今日はもう寝なさい、私も疲れたわ、おやすみ」
そうあくびしながら出ていくのを見届けると私は頭を抱えるしかなかった。
ヤバいわヤバいわどうしたら結婚フラグを避けられるかしら?
イケメン探して破廉恥な振る舞いをしたらいい?
だめね捕まるわ。
色々な方法を考えながらも名案は浮かばず、なかなか眠れなく何度も寝返りをうつのでした。
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