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第2話 おでん
調理2
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後必要なのは、卵の殻向きとちくわのカットぐらいだろう。
卵の殻は冷水ですぐ冷やすと剥きやすいらしいのでまずは冷やすとしよう。
そのうちにちくわをカット。
「しらたきとかどうするのー?」
「あー、袋開けて鍋に入れちゃおうか。あ、先に大根入れちゃって。」
「りょーかい!」
さて俺は卵の殻を剥きますか。
全体的にヒビを入れて、剥く。
つるんっと簡単に剥けた。これは気持ちいいな。
数がなかなかに多かったから最後の方は作業になってたけど、卵が意外に綺麗に剥けて楽しかった。
鍋の中を覗く。
現在は大根、卵、こんにゃく、しらたき、牛すじが中に入っている。
「あとは昆布を入れて一旦放置しようか。」
「残りはどうするの?」
「残りは俺が帰る1時間ほど前に入れてくれればいいよ!」
「わかった。」
取り敢えず洗い物だな。洗い物ってマジで憂鬱だなぁ。
でもやんないといけないから頑張る!
「あ、洗い物やってるー。」
来たな!かまってちゃん!
心の中でだけ叫んでおこう!
「あんまひっつくな。洗いづらい。」
「えー。凛くんもうちが洗い物やってる時、たまにこうやって後ろからぎゅってしてくれるじゃん。」
「自分からやるのはいいの!されるのは照れるからなんかやだ。」
「なんだその自分勝手!?でもなんか可愛い!」
よし、やっと洗い物終わった。現在15時半。バイトは17時からなので微妙に時間がある。
ふむ。もふもふの服を着た少女を撫で回すとしよう。
ベッドに座り、奈々を呼ぶ。
奈々は俺を背もたれに座る。
身長差があまりないからバランスが悪いのは悲しい。
「なんでこういう座り方なんだ?」
隣に座るように合図したつもりだったのだが……。
「え?だって正面向いて座るのは、流石に……恥ずかしい。」
「あ、俺の上に座るのは前提なのな。」
「え?座るように合図したじゃん。」
あー。やっぱり勘違いしてた。
「きゃぁ。」
俺は奈々を巻き込んで横に倒れる。そしてぎゅっと抱きしめた。
「どうしたの?」
落ち着いた口調だが顔が少し赤い。
「ううん。なんかこうしたかった。」
奈々は抱きしめる俺の腕を握る。
「なんか、こういうのっていいね。暖かい。」
「あぁ。確かにいい。このもふもふ気持ちいい。」
「え?あ、うん。そういう事……。」
「あ、いや。これは違くて!」
「知らない!もうこの服着ないからいいもん。」
「え、脱いじゃうのかよ。」
「なんで落胆してるの!?男なら喜んでよ!脱いでるんだから!」
「そんな自発的に脱がれてもなぁ。あと俺今怒られてんのに喜ぶって……。」
「もぅ。せっかく最初は良かったのに、服が気持ちいいとか言うから……。」
「悪かったって思ってるよ。」
奈々はめちゃくちゃ泣きそうにしている。
俺は肩に手を置く。
あ、泣き出した。
俺が悪いのかな。まぁ、悪いか。
「あ、やば!バイトの時間。行かなきゃ!ごめん!この事はまた後で!おでんの具材の残り後で入れといて!じゃ、行ってきます!」
問題を先送りにしてバイトに向かう俺であった。
卵の殻は冷水ですぐ冷やすと剥きやすいらしいのでまずは冷やすとしよう。
そのうちにちくわをカット。
「しらたきとかどうするのー?」
「あー、袋開けて鍋に入れちゃおうか。あ、先に大根入れちゃって。」
「りょーかい!」
さて俺は卵の殻を剥きますか。
全体的にヒビを入れて、剥く。
つるんっと簡単に剥けた。これは気持ちいいな。
数がなかなかに多かったから最後の方は作業になってたけど、卵が意外に綺麗に剥けて楽しかった。
鍋の中を覗く。
現在は大根、卵、こんにゃく、しらたき、牛すじが中に入っている。
「あとは昆布を入れて一旦放置しようか。」
「残りはどうするの?」
「残りは俺が帰る1時間ほど前に入れてくれればいいよ!」
「わかった。」
取り敢えず洗い物だな。洗い物ってマジで憂鬱だなぁ。
でもやんないといけないから頑張る!
「あ、洗い物やってるー。」
来たな!かまってちゃん!
心の中でだけ叫んでおこう!
「あんまひっつくな。洗いづらい。」
「えー。凛くんもうちが洗い物やってる時、たまにこうやって後ろからぎゅってしてくれるじゃん。」
「自分からやるのはいいの!されるのは照れるからなんかやだ。」
「なんだその自分勝手!?でもなんか可愛い!」
よし、やっと洗い物終わった。現在15時半。バイトは17時からなので微妙に時間がある。
ふむ。もふもふの服を着た少女を撫で回すとしよう。
ベッドに座り、奈々を呼ぶ。
奈々は俺を背もたれに座る。
身長差があまりないからバランスが悪いのは悲しい。
「なんでこういう座り方なんだ?」
隣に座るように合図したつもりだったのだが……。
「え?だって正面向いて座るのは、流石に……恥ずかしい。」
「あ、俺の上に座るのは前提なのな。」
「え?座るように合図したじゃん。」
あー。やっぱり勘違いしてた。
「きゃぁ。」
俺は奈々を巻き込んで横に倒れる。そしてぎゅっと抱きしめた。
「どうしたの?」
落ち着いた口調だが顔が少し赤い。
「ううん。なんかこうしたかった。」
奈々は抱きしめる俺の腕を握る。
「なんか、こういうのっていいね。暖かい。」
「あぁ。確かにいい。このもふもふ気持ちいい。」
「え?あ、うん。そういう事……。」
「あ、いや。これは違くて!」
「知らない!もうこの服着ないからいいもん。」
「え、脱いじゃうのかよ。」
「なんで落胆してるの!?男なら喜んでよ!脱いでるんだから!」
「そんな自発的に脱がれてもなぁ。あと俺今怒られてんのに喜ぶって……。」
「もぅ。せっかく最初は良かったのに、服が気持ちいいとか言うから……。」
「悪かったって思ってるよ。」
奈々はめちゃくちゃ泣きそうにしている。
俺は肩に手を置く。
あ、泣き出した。
俺が悪いのかな。まぁ、悪いか。
「あ、やば!バイトの時間。行かなきゃ!ごめん!この事はまた後で!おでんの具材の残り後で入れといて!じゃ、行ってきます!」
問題を先送りにしてバイトに向かう俺であった。
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