幸せは食事の中に

やなぎ

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第2話 おでん

買い物

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「夕飯買うの?」

「そ。夕飯の材料をね。」

「クリスマスだからチキンとかクリスマスっぽいものにするの?」

「んや。おでんにしようと思ってる。」

「え?おでん?なんで!?」

「寒いからあったかいもの食いたくてなぁ。」

「だとしても今日やる必要あるの?」

「ダメか?」

「……想像したらうちも食べたくなっちゃったじゃん!」

「さすが俺の女!」

「えっへん!」

「あ、大根取って。」

 俺たちは今、スーパーに来ている。都会のスーパーってなんか狭い。もっとゆとりを持って欲しい。

「大根重たいやつ選んでー。ってか98円って安いな!」

「そうなの?うちは安いとかよく分かんないな。」

「次はこんにゃくとしらたきだな。」

「鍋の素色んな種類売ってるんだね!凄いね!」

 スーパーに来てはしゃぐ子供か!

「冷凍のロールキャベツある!凄い!これ買おうよ!」

 ふむ。入れてみるのもありかな?

「オッケー。じゃあかご入れといて。」

「あと何買うの?」

「んー。厚揚げ、がんもどき、ちくわ、もち巾着、昆布、牛すじ、ウインナー、ちくわぶ、つみれぐらいかな?」

「あれ?玉子は?」

「昨日買ってるから今日は買わなくていい。さて、今言ったやつを取って来てくれ!」

「え?うちが取りに行くの!?一緒に行こうよ!」

 急に寂しげな顔になったな。冗談のつもりだったんだが、信じちゃってるよ。信じちゃうあたりも、しゅんとした顔も可愛い。こんな表情豊かなところが俺が真似できない、こいつならではの魅力。

「冗談だって。ほら行くぞ?」

「うん!」

 そう言って奈々は俺の腕にひっつく。

「あんまひっつくな。動きづらい。」

 言葉とは裏腹に俺は奈々を振り払おうとはしなかった。

 奈々も言葉を聞いても離れようとしない。

 俺の天邪鬼な言葉を理解しているのだろう。心なしか少し嬉しそうに見える。





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