幸せは食事の中に

やなぎ

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第1話 パエリア

謁見

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「気がきく子だな。」

「本当によく出来た子ですよ。可愛いですし、凛には勿体無いですよ。」

「凛くん!めっちゃいい匂いする!これってもう大丈夫なの?」

「ん?おぉ。いいんじゃね?じゃあ持って行くから、食器類出してもらっていい?」

「取り皿ちっちゃいのでいいかな?」

「いいと思うぞ。あとしゃもじも出しといて」

「わかったー。」

「なんか夫婦というか、仕事仲間みたいな感じだな……。」

「先輩それ褒めてるんですか?」

 俺はパエリア鍋をテーブルまで持って行く。

「そこ鍋敷敷いてもらっていい?」

 神奈に指示を出して鍋敷を置いてもらい、その上にパエリア鍋を置く。

「「おおー!」」

榊先輩と神奈の感嘆の声。

「これ遠山が作ったのか?すげぇな!黄色い米に2色のパプリカ、その上に円状に綺麗に並べられたアサリにエビ。見た目はすげぇ綺麗だな!香りも貝類の匂いに、コンソメ、にんにくの香ばしさが食欲をそそるな!」

 どうした先輩!あんた食レポ大好きか!?うまいもん食った時に言いたくなる気持ちは分かるが、これは俺が分量すら適当に作ったやつだぞ!?

「あ、そうそう。最後にバジルをふりかけて、お好みでレモンを絞って下さい。」

 パエリアに乾燥バジルをふりかけて、先輩と前にタッパーに入ったレモンをおく。

「先輩の饒舌っぷりも驚いたけど、凛も料理頑張りすぎだろ!パエリアとか普通作らんぞ?」

「ん?そうか?まぁ、そんな事よりさっさと乾杯しようや!奈々!冷凍庫からグラス出してー!」

「なんでうちをパシらせるの!?グラス人数分で良い?」

「文句を言いつつも取ってくれるところ好きだよー。」

「奈々ちゃん最高!」

「調子いいんだからぁ。」

「お前らいつもこんななのか?」

 呆れた様子の先輩。




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