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第1話 パエリア
調理!
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「来るなら事前に連絡欲しかったわ。今日作る料理ちょっと変更せんといけんくなったな。」
「ごめんねー。今日は何作るの?」
「んー。酒蒸しを作ろうと思ったけど、お前がいるんじゃちょっと量が少ないんだよな。パエリアでも作るか。」
「そんなの作れるの!?」
「ん?まぁ、パエリア鍋あるし出来るだろ。」
「一人暮らしだよね!?何でそんなのあるの!?」
「俺パエリア好きだから。」
「あれ、それ質問の答えになってるの?まぁいいや。」
「じゃぁ作り出すから手伝ってくれねぇか?」
「手伝うのは良いんだけど……。」
「ん?どうした?」
「なんか彼氏がメインで料理作るのってどうなのかなって思って。」
「女のプライドみたいな感じか?まぁいいんじゃねぇの?俺はやりたいからやってるだけだし。それに今更だろ。」
「まぁ確かにね。」
「じゃあまず玉ねぎ剥いでもらおうかな。」
「わかった!」
俺たちは作業に取り掛かった。
俺は、とりあえず砂抜きされたあさりをフライパンに入れ、軽く火を通す。そして酒を入れて蓋をし、蒸す。使った酒は普通の料理酒。分量は適当。
「玉ねぎ剥き終わったよー。」
綺麗に剥かれた玉ねぎを渡して来る。
「ありがと。じゃあ次はエビの背わたを取ってほしいな。」
「え?背わたって何?」
小首を傾げている。いちいち動作があざといんだよなぁ。狙ってるのか素なのか。どっちにしても可愛いからいいけど。
「料理できないアピールとかいいから。」
「え!?まじでわかんないんですけど!?」
なんだ、本気で背わたを知らないのか。背わたとか一般常識だろ。これだから女は。とか言っちゃダメなんだろうなぁ。
「エビの背中にこう、爪楊枝を当てて、ほら、出てきた。この黒い糸みたいなのが背わた。これを全部頑張ってほしいな。」
「えー。超めんどいじゃん。」
「グダるな。」
軽く頭を小突く。
「えへへ。がんばる。」
照れ臭そうに言う奈々。
奈々がエビを処理してくれている間にパプリカと玉ねぎ、にんにくをカット。
カットが終わったらパエリア鍋を用意して、火にかけ、オリーブオイルとにんにくを導入。
ある程度温度が上がったらみじん切りにした玉ねぎを入れる。
「エビ終わったよー。皮は剥かなくていいの?」
「んー?エビの殻から出汁とか出そうだし剥かなくていいんじゃないか?食べる時に剥くのは面倒かもしれんけど。」
「なんか色々考えて料理してるのすごい。」
「凄くはねぇよ。普通だって。」
「あ、玉ねぎとにんにくのいい匂いがしてきた!」
「本当だな。そろそろ米入れるか。」
俺は米を3合取り出し、鍋に入れる。
「あれ?洗わなくていいの?」
「洗わないのも美味さのポイント。」
「そうなんだ。」
米を入れた鍋を奈々が覗き込む。
「混ぜるか?」
ヘラを奈々に渡す。
「うん。」
料理をしている彼女の姿。彼女の手料理ではないのがなんだか悲しい。頼んだら作ってくれるんだけど俺が見ていられなくなって指示出したりしちゃうからなぁ。結局彼女の手料理感が薄れる。
何が言いたいかというと、料理をしている女の子は可愛いから写真に収めておこう、ということだ!
「いつまで炒めるの?」
「なんか透明な感じになるぐらいかな?」
「なんでお米のまま火を通してるの?」
「いい感じの硬さとパラパラ感を出すため、かな?」
「へぇ。そろそろいいかな?」
「んー。そうだな。そんじゃあパプリカどーん。」
「どーん。」
俺の合図で奈々が鍋に入れる。
「そしてエビをどーん。」
「どーん。」
「そして作っておいたスープを入れて、あさりの出汁も入れて、カットトマト缶も入れようか。」
スープは、お湯にコンソメと鳥だし、サフラン、塩、コショウを混ぜたものだ。
沸騰するのを待って、あさりを入れる。
そしてアルミで蓋をして待つ!
「だいたいこれで終わりだな。後は待つだけ。」
「こんなに簡単に作れるんだねー。」
「本来の作り方はどんなのか知らんけどな。」
「取り敢えず洗い物やっとくねー。」
「おう。ありがとう。」
さて俺は何をしようか。
鼻歌と水の音が聞こえる。取り敢えず寝ることにしよう。
「ごめんねー。今日は何作るの?」
「んー。酒蒸しを作ろうと思ったけど、お前がいるんじゃちょっと量が少ないんだよな。パエリアでも作るか。」
「そんなの作れるの!?」
「ん?まぁ、パエリア鍋あるし出来るだろ。」
「一人暮らしだよね!?何でそんなのあるの!?」
「俺パエリア好きだから。」
「あれ、それ質問の答えになってるの?まぁいいや。」
「じゃぁ作り出すから手伝ってくれねぇか?」
「手伝うのは良いんだけど……。」
「ん?どうした?」
「なんか彼氏がメインで料理作るのってどうなのかなって思って。」
「女のプライドみたいな感じか?まぁいいんじゃねぇの?俺はやりたいからやってるだけだし。それに今更だろ。」
「まぁ確かにね。」
「じゃあまず玉ねぎ剥いでもらおうかな。」
「わかった!」
俺たちは作業に取り掛かった。
俺は、とりあえず砂抜きされたあさりをフライパンに入れ、軽く火を通す。そして酒を入れて蓋をし、蒸す。使った酒は普通の料理酒。分量は適当。
「玉ねぎ剥き終わったよー。」
綺麗に剥かれた玉ねぎを渡して来る。
「ありがと。じゃあ次はエビの背わたを取ってほしいな。」
「え?背わたって何?」
小首を傾げている。いちいち動作があざといんだよなぁ。狙ってるのか素なのか。どっちにしても可愛いからいいけど。
「料理できないアピールとかいいから。」
「え!?まじでわかんないんですけど!?」
なんだ、本気で背わたを知らないのか。背わたとか一般常識だろ。これだから女は。とか言っちゃダメなんだろうなぁ。
「エビの背中にこう、爪楊枝を当てて、ほら、出てきた。この黒い糸みたいなのが背わた。これを全部頑張ってほしいな。」
「えー。超めんどいじゃん。」
「グダるな。」
軽く頭を小突く。
「えへへ。がんばる。」
照れ臭そうに言う奈々。
奈々がエビを処理してくれている間にパプリカと玉ねぎ、にんにくをカット。
カットが終わったらパエリア鍋を用意して、火にかけ、オリーブオイルとにんにくを導入。
ある程度温度が上がったらみじん切りにした玉ねぎを入れる。
「エビ終わったよー。皮は剥かなくていいの?」
「んー?エビの殻から出汁とか出そうだし剥かなくていいんじゃないか?食べる時に剥くのは面倒かもしれんけど。」
「なんか色々考えて料理してるのすごい。」
「凄くはねぇよ。普通だって。」
「あ、玉ねぎとにんにくのいい匂いがしてきた!」
「本当だな。そろそろ米入れるか。」
俺は米を3合取り出し、鍋に入れる。
「あれ?洗わなくていいの?」
「洗わないのも美味さのポイント。」
「そうなんだ。」
米を入れた鍋を奈々が覗き込む。
「混ぜるか?」
ヘラを奈々に渡す。
「うん。」
料理をしている彼女の姿。彼女の手料理ではないのがなんだか悲しい。頼んだら作ってくれるんだけど俺が見ていられなくなって指示出したりしちゃうからなぁ。結局彼女の手料理感が薄れる。
何が言いたいかというと、料理をしている女の子は可愛いから写真に収めておこう、ということだ!
「いつまで炒めるの?」
「なんか透明な感じになるぐらいかな?」
「なんでお米のまま火を通してるの?」
「いい感じの硬さとパラパラ感を出すため、かな?」
「へぇ。そろそろいいかな?」
「んー。そうだな。そんじゃあパプリカどーん。」
「どーん。」
俺の合図で奈々が鍋に入れる。
「そしてエビをどーん。」
「どーん。」
「そして作っておいたスープを入れて、あさりの出汁も入れて、カットトマト缶も入れようか。」
スープは、お湯にコンソメと鳥だし、サフラン、塩、コショウを混ぜたものだ。
沸騰するのを待って、あさりを入れる。
そしてアルミで蓋をして待つ!
「だいたいこれで終わりだな。後は待つだけ。」
「こんなに簡単に作れるんだねー。」
「本来の作り方はどんなのか知らんけどな。」
「取り敢えず洗い物やっとくねー。」
「おう。ありがとう。」
さて俺は何をしようか。
鼻歌と水の音が聞こえる。取り敢えず寝ることにしよう。
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