幸せは食事の中に

やなぎ

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第1話 パエリア

サークル

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 今は大学2年の春。

 俺の名前は遠山凛。学部は理工学部。学科は情報学科。サークルはメディアサークル。通称メディ研。

 燃える太陽の陽が熱い。春にしては気温が高いと思う。

「空見てないでチラシ配れよ!」

 隣から声をかけられた。

 背は俺より10センチほど高いかな?まぁ、俺が165センチぐらいしかないから、そこまで高くはないだろう。髪は短めで、自然色。ちゃんとセットもされていて、服装もレザーのジャケットって言えばいいのかな?を着こなしていて、男の俺から見てもカッコいいと思われる。

 こいつの名前は霧島神奈。学部は政経学部だったかな。学科は覚えてない。同い年、彼女はいないらしい。知り合ったきっかけはサークルだ。

「悪りぃ。ちょっとぼーっとしてた。」

 今は1年生の勧誘をいていたんだったっけな。

"今日の午後4時から4号館の204の教室で説明会を開くのでうちのサークルに興味がある方はぜひお越しください"

 みたいな事が書いてあるチラシを今配っている。

「なんか遠山久々に見た気がする。普通にサークルにも顔出せよ。」

 今度は先輩が声をかけてきた。髪は神奈と同じく短髪の自然色。違いは先輩はパーマを当てていて、髪がくるくるしている。筋肉質な身体は頼り甲斐がありそうだ。基本幽霊部員な俺にもこうして話しかけてくれる、優しくて面倒見のいい人だ。名前は……えーと。忘れた!

「会議とか面倒じゃないですか。こういうイベントは面白そうなので出てるんですよー。あ、これどうぞー。よかったら来てくださーい!」

 笑顔でチラシを配る。

 初々しさが微笑ましい。まだ大学に慣れていない感じ。俺らも去年はあんな感じだったのかなぁ。

「あ、先輩。そういえば今日新入生の説明会が終わった後、新入生と飲みに行くんですか?」

「んー。飲むのは新歓コンパの時になるんじゃないか?今日は多分行かねーな。」

「えー。じゃぁ今日はサークル休みますねー。」

「お前なぁ。まぁ代表には休む事言っといてやるよ。飲み会ないなら行きませんって言ってたって。」

「あ、ありがとうございまーす!」

「ちょっと榊先輩に凛!チラシ配ってくださいよ!ちょうど授業が終わった1年生が流れて来ているんですから!」

「「あ、悪りぃ悪りぃ。」」

 この先輩榊って言うのか。覚えておこう。

 神奈の指摘で再びチラシ配りをする。正直疲れたなぁ。かれこれ3時間ぐらいここに立って配ってるんだよなぁ。3人で。他の部員たちは授業やらで来ていない。授業にまともに出るとか真面目だなぁと思う。




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