徒然子育て日誌〜兼業風味を添えて〜

千代に咲く

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46、スマートなドラマ的な展開は私達には難しいです

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 チュー助のバナナへの欲求がすごくて困っているウサギです。

 以前にも書いた気がしますが、チュー助はバナナにハマっています。
 台所へ子ども達が侵入できないように柵を設けているのですが、椅子に立ってこちらを偵察してバナナを探すチュー助。
 そして、チュー助はバナナを発見すると指をさして「んっ!んっ!」と訴えます。
 まだバナナと言えずに「んっ!」で表現するのが可愛いです。
 しかし、そこから先が大変で、食事をそっちのけでバナナを求めるので諦めさせるのが大変です。
 今日も、明日も、バナナを求めるチュー助との戦いが続くであろう私です。

 これはまだ私とクマ太郎が出会ったばかりの頃の話です。
 正式にお付き合いをする前に二人でお出かけをしました。
 クマ太郎も甘い物が好きだったので、一緒に喫茶店でホットケーキを食べたりと楽しいひと時を過しました。

 ……そして、事件は喫茶店を出ようと話した後に起こりました。

 喫茶店を出る前に一度化粧室へと席をたった私。
 用事を終わらせて化粧室から戻った私が見たもの。

 それは…………黒髪から金髪へとイメチェンしたクマ太郎でした。
 
 私は驚きで二度、三度と見直しました。
 後ろ姿なので男性の顔は見えません。
 背格好は似ていますが、服装や髪型は全然違います。
 その上、見知らぬ女性と一緒に座っています。

 「たぶん別人……?でも、会計が終わっていないから他人が座るはず無いし……?」とグルグル悩みました。
 確かに私が座っていた対面式の席ですし、クマ太郎は自分を置いて帰る人じゃ無さそうだったし……としばらく悩みに悩みました。

 あの時、とても戸惑って困ったことを今でも覚えています。
 悩んだ末に声をかけるべきかと迷って視線を彷徨わせた私の視界に、喫茶店の外で一生懸命に私へ向けて手を振る人が見えました。

 元の黒髪のクマ太郎でした。

 そのまま喫茶店から出てクマ太郎へ話を聞きました。
 すると、私が化粧室へと席を立った後にドラマとかでよく見る「もう払っといたから」みたいなスマートな格好良い事をやりたかったとのこと。
 しかし、私達が席を離れてすぐに別のカップルが案内されたことで、支払いが終わっていることを知らない私が戸惑う事態になったみたいです。

 顔がよく見えなかったとはいえ、髪の色がいきなり金髪に変わるなんてありえませんよね。
 そんなことに思い至らない自分は、デートというものに緊張していたんだと思います。
 
 そして、私とクマ太郎にスマートで格好良いという言葉はトコトン似合わないだなぁと思い出して笑ってしまう今日此の頃です。
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