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バスなんて嫌いだ!!!
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9月の終わりごろ。
やっと暑さも消えて、風も涼しくなってきている。
疲労の声が周りから嫌なほど聞こえてくる居心地のいいとはいえない教室に、響(ひびき)はさっき終わったばかりのテストの問題用紙を雑にカバンにしまいながら、呟いた。
「マジ、疲れた...」
高校に入ってから2回目のテスト、まぁ私の高校でいえば期末テストだったのだが、4日間もかけて12教科のテストなんて正直死ぬほど疲れる。
今のところ、赤点候補は数Aと生物だろうか。中間テストでギリギリ順位二桁を取り、家族の信頼その他もろもろを失わなくて済んだが、今回はどうだろうか。結構やばいかも...
期待も結構しつつ、また失望しながらも帰る用意を整えていると、仲の良いNちゃんが話しかけてきた。
「響ちゃん、おつかれー」
「お疲れさま、Nちゃんも」
彼女はとっても優しい子で、頭もいい。私とはいろんな意味で大違いだ。前のテストだって、この子1桁の上の方だったんじゃないかな...いや、もうテストの事は忘れよう。頭が痛くなる。
「もう、帰ろっか」
「そうだね、疲れたからかえってねたいし。Nちゃんは、今週末どっかでかけるんだっけ?」
ポケットからチャリ鍵を出してブラブラさせながら私は聞いた。
「うん、お婆ちゃんの家。会津なんだ」
「いいなー、私は今週もどこにも行けないね」
「いいじゃない、響ちゃんのお母さんご飯とっても美味しく作ってくれるんだから。あ、いただいたパン、すごーく美味しかったって伝えておいてください」
確かに、私の母が作る料理はとっても美味しい。
ご飯だけでなく、おやつや前彼女にあげたパンなどもだ。疲れている時に食べると、本当にリラックスできる。休日の何にもない日なんて、ご飯食べるために生きているような私だ。
いろんな話をしながら道を歩き、Nちゃんと別れるところまで来てしまった。
「じゃ、また明日ね」
「うん、席替え楽しみだね!じゃね!」
手を振ってお互いの道へ進む私たち。
テスト終わったから明日、席替えか...
たっのしみだなぁ!
ちょっとテンションが上がった私。
こんなんで明るくなれるなんて、まるで子供だな。ま、いいや。
ところで、私はいつも自転車登校だ。そんな私がなぜ今日歩きなのかと言うと、
朝、雨が降っていたから。
単純な理由ですね。かっぱを着てチャリをこぐ勇気がないだけです。いや、別にかっぱを着てチャリをこいでいたらかっこいいとか、そういうのは全然ないけど。と、いうわけで今日の帰りはバスなんです。え?!さっき歩きって言ったじゃんって思いましたよね。でも、歩くのはバス停まで。
そう、地獄のバス停まで...
やっと暑さも消えて、風も涼しくなってきている。
疲労の声が周りから嫌なほど聞こえてくる居心地のいいとはいえない教室に、響(ひびき)はさっき終わったばかりのテストの問題用紙を雑にカバンにしまいながら、呟いた。
「マジ、疲れた...」
高校に入ってから2回目のテスト、まぁ私の高校でいえば期末テストだったのだが、4日間もかけて12教科のテストなんて正直死ぬほど疲れる。
今のところ、赤点候補は数Aと生物だろうか。中間テストでギリギリ順位二桁を取り、家族の信頼その他もろもろを失わなくて済んだが、今回はどうだろうか。結構やばいかも...
期待も結構しつつ、また失望しながらも帰る用意を整えていると、仲の良いNちゃんが話しかけてきた。
「響ちゃん、おつかれー」
「お疲れさま、Nちゃんも」
彼女はとっても優しい子で、頭もいい。私とはいろんな意味で大違いだ。前のテストだって、この子1桁の上の方だったんじゃないかな...いや、もうテストの事は忘れよう。頭が痛くなる。
「もう、帰ろっか」
「そうだね、疲れたからかえってねたいし。Nちゃんは、今週末どっかでかけるんだっけ?」
ポケットからチャリ鍵を出してブラブラさせながら私は聞いた。
「うん、お婆ちゃんの家。会津なんだ」
「いいなー、私は今週もどこにも行けないね」
「いいじゃない、響ちゃんのお母さんご飯とっても美味しく作ってくれるんだから。あ、いただいたパン、すごーく美味しかったって伝えておいてください」
確かに、私の母が作る料理はとっても美味しい。
ご飯だけでなく、おやつや前彼女にあげたパンなどもだ。疲れている時に食べると、本当にリラックスできる。休日の何にもない日なんて、ご飯食べるために生きているような私だ。
いろんな話をしながら道を歩き、Nちゃんと別れるところまで来てしまった。
「じゃ、また明日ね」
「うん、席替え楽しみだね!じゃね!」
手を振ってお互いの道へ進む私たち。
テスト終わったから明日、席替えか...
たっのしみだなぁ!
ちょっとテンションが上がった私。
こんなんで明るくなれるなんて、まるで子供だな。ま、いいや。
ところで、私はいつも自転車登校だ。そんな私がなぜ今日歩きなのかと言うと、
朝、雨が降っていたから。
単純な理由ですね。かっぱを着てチャリをこぐ勇気がないだけです。いや、別にかっぱを着てチャリをこいでいたらかっこいいとか、そういうのは全然ないけど。と、いうわけで今日の帰りはバスなんです。え?!さっき歩きって言ったじゃんって思いましたよね。でも、歩くのはバス停まで。
そう、地獄のバス停まで...
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