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私、アミカ・オルブライト伯爵令嬢は、婚約者のミッチェル・ベルナップ伯爵令息と、今日結婚した。
皆に祝福されての、幸せな結婚式。婚約者だった頃からずっと優しかったミッチェルとなら、きっとこうしてずっと幸せな家庭を築いていけるだろう。私は横に並ぶ彼の笑顔を見つめてそう確信していた。
「アミカ、おめでとう!おめでとうございます、ミッチェル様!」
「ありがとうポーラ」
「ありがとう、リヴィングストン子爵令嬢」
貴族学園で友人になりずっと親しくしてきたポーラ・リヴィングストン子爵令嬢も、結婚式に来てくれて私たちを祝福してくれた。
今日は人生最高の一日だわ。私は幸せを噛みしめていた。
その夜、私はミッチェルと暮らすことになった屋敷の寝室で、彼がやって来るのを待っていた。
(きっ!……緊張するわ……!)
長年の婚約者ではあったけれど、ベッドを共にするのは今夜が初めて。私は深呼吸しながら汗ばんだ手をギュッと握りしめ、ドキドキと高鳴る鼓動を落ち着けようと必死だった。
ガチャ。
「っ!!」
ミッチェルが寝室のドアを開けて、ヒョコッと顔だけを覗かせた。
「?」
「今日はお疲れ様、アミカ。疲れただろう?」
「え、ええ。そうね。ミッチェルこそお疲れ様。……ど、…どうしたの?…入らないの?」
中に入ってくる気配のないミッチェルの様子が気になって尋ねると、ミッチェルは申し訳なさそうに言った。
「いや、それがね……どうも胃の調子が悪いというか……。式で旧友たちから随分と飲まされてしまったからね。それがよくなかったのかなぁ…。ごめんね、アミカ。ちょっと……今夜は奥の寝室で一人で休んでもいいだろうか」
「もっ!もちろんよミッチェル!大丈夫?私、横に付き添って…」
「いや、いいんだ。こういう時は一人の方が気が楽なんだ。見苦しい姿を君に見せたくないし…」
嘔吐してしまった時のことを心配しているのかしら。そんなこと気にしなくてもいいのに。夫婦なんだから。
そう思ったけれど、一人で休みたいと言っているミッチェルにしつこくするのも可哀相だ。私は今夜は引き下がることにした。
「分かったわ、ミッチェル。ゆっくり休んでちょうだいね」
「ああ、本当にすまない。新婚だというのに……情けないよ、我ながら。はは。……おやすみ、アミカ。君こそゆっくりと眠るんだよ。お疲れ様」
「ええ、ありがとう」
ミッチェルはドアを閉めて行ってしまった。
(ふふ。こんな時にまで私のことを気遣って……優しい人なんだから)
新婚初夜から別々に眠ることになってしまったけれど、彼の私を気遣う優しい言葉になんだか満たされて、幸せな気持ちのまま眠りについたのだった。
(明日こそ、隣に並んで眠れるわね)
皆に祝福されての、幸せな結婚式。婚約者だった頃からずっと優しかったミッチェルとなら、きっとこうしてずっと幸せな家庭を築いていけるだろう。私は横に並ぶ彼の笑顔を見つめてそう確信していた。
「アミカ、おめでとう!おめでとうございます、ミッチェル様!」
「ありがとうポーラ」
「ありがとう、リヴィングストン子爵令嬢」
貴族学園で友人になりずっと親しくしてきたポーラ・リヴィングストン子爵令嬢も、結婚式に来てくれて私たちを祝福してくれた。
今日は人生最高の一日だわ。私は幸せを噛みしめていた。
その夜、私はミッチェルと暮らすことになった屋敷の寝室で、彼がやって来るのを待っていた。
(きっ!……緊張するわ……!)
長年の婚約者ではあったけれど、ベッドを共にするのは今夜が初めて。私は深呼吸しながら汗ばんだ手をギュッと握りしめ、ドキドキと高鳴る鼓動を落ち着けようと必死だった。
ガチャ。
「っ!!」
ミッチェルが寝室のドアを開けて、ヒョコッと顔だけを覗かせた。
「?」
「今日はお疲れ様、アミカ。疲れただろう?」
「え、ええ。そうね。ミッチェルこそお疲れ様。……ど、…どうしたの?…入らないの?」
中に入ってくる気配のないミッチェルの様子が気になって尋ねると、ミッチェルは申し訳なさそうに言った。
「いや、それがね……どうも胃の調子が悪いというか……。式で旧友たちから随分と飲まされてしまったからね。それがよくなかったのかなぁ…。ごめんね、アミカ。ちょっと……今夜は奥の寝室で一人で休んでもいいだろうか」
「もっ!もちろんよミッチェル!大丈夫?私、横に付き添って…」
「いや、いいんだ。こういう時は一人の方が気が楽なんだ。見苦しい姿を君に見せたくないし…」
嘔吐してしまった時のことを心配しているのかしら。そんなこと気にしなくてもいいのに。夫婦なんだから。
そう思ったけれど、一人で休みたいと言っているミッチェルにしつこくするのも可哀相だ。私は今夜は引き下がることにした。
「分かったわ、ミッチェル。ゆっくり休んでちょうだいね」
「ああ、本当にすまない。新婚だというのに……情けないよ、我ながら。はは。……おやすみ、アミカ。君こそゆっくりと眠るんだよ。お疲れ様」
「ええ、ありがとう」
ミッチェルはドアを閉めて行ってしまった。
(ふふ。こんな時にまで私のことを気遣って……優しい人なんだから)
新婚初夜から別々に眠ることになってしまったけれど、彼の私を気遣う優しい言葉になんだか満たされて、幸せな気持ちのまま眠りについたのだった。
(明日こそ、隣に並んで眠れるわね)
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