79 / 84
78. 結ばれた心
しおりを挟む
エルドの瞳はいつもと同じように優しく、そして穏やかだった。だけど彼の表情はやはりかすかに強張り、緊張しているのが分かる。……こころなしか、耳朶が少し赤い。
「アリア様。あなたは以前、書庫で本をお選びになっている時に、俺にこう言いました。男は手に入れた女には興味を失くし、新たな女性に目が行くものなのだと。……覚えていらっしゃいますか?」
そのことなら、はっきりと覚えている。ジェラルド元国王の浮気を初めて目撃して衝撃を受けた後だったっけ。すでに彼が公務を放り出しフラフラと遊びはじめた頃だった。心細くて傷付いて、それを必死に隠しながら仕事と勉強に邁進していた。
一体、今から何の話が始まるの……?エルドは何を言うつもりなんだろう。
全身を期待と不安が駆け巡る。大きく脈打ち続ける心臓の音さえ煩わしく思えるほどに、私はエルドの言葉だけに全神経を集中させた。緊張のあまり今にもフラつきそうだったけれど、震える足に力を込めながらどうにか立っていた。
「……俺は違います。俺はそんな男じゃない。愛する人をこの手に得られるのなら、生涯その方への想いを貫くと誓います。……あなたさえ、得られるのなら」
「……エル、ド……」
私を、得られるのなら……?
本当に?
これは、今、現実に起こっていることなの……?
あなたも、私のことを……?
エルドはその大きく温かい手で私の両手をそっと包み込んだ。そして眦を赤く染めながら、私に言った。
「愛しています、アリア様。俺にはずっと、あなただけだった。身の程知らずの想いだと分かっていても、胸の奥から止めどなく溢れ出すこの熱を押し留めることなど、俺にはできませんでした。カナルヴァーラのあなたのご家族から正式に許可をいただき、今こうしてようやくあなたにこの想いを打ち明けております。……どうか、お願いです」
エルドはそう言うとその場に跪き、私の両手を優しく包み込んだままで私を見上げる。
気付けば私の頬を涙が伝い落ちていた。
「一人の護衛騎士としてではなく、これからはあなたの人生の伴侶として、おそばにいさせてください。俺はずっとあなただけを見ていたい。誰よりも一番近くで、あなたのことを支えていきたいのです」
「……エルド……ッ」
もう堪えきれなかった。エルドから両手を離し、くしゃりと歪んだ顔を急いで隠す。後から後から涙が溢れ、子どものように泣きじゃくる。胸がいっぱいで言葉が出ない。エルドが立ち上がり、取り乱す私を力強く抱きしめた。
まさかエルドがこの私のことを、こんなにも強く想ってくれていたなんて。その気持ちは、本当に嬉しい。私の方こそ、ずっと心の中でこの人だけを想い続けていたのだから。
だけど……素直にこの胸に飛び込むには、あまりにも……
「……わ……、私は……、あなたに相応しい相手では、ないでしょう……。だって、私は、あの男の妃だったのよ……」
私はもう、とうに清い体ではない。ファウラー侯爵家の令息であるエルドなら、私のような女でなくてもいくらでもお似合いの乙女がいるはずだ。過去に夫のいた女など、わざわざ選ぶ必要もないはずなのに。
だけど私の言葉を聞いたエルドはますます強く私を抱きしめ、切羽詰まった声で言う。
「それが何だと言うのですか!俺はあなたの過去の痛みも苦しみも、全てをこの身に受け止めたい。あなたが乗り越えてきた様々な経験が、今のあなたという美しい人を形作っているのです。あなたが一人でもがき苦しみながら、それでも必死に前に進んでいくお姿をずっと見てきました。もどかしくてならなかった。本当はただ見守っているだけじゃなく、隣に並び、あなたを支え、一緒に戦いたかった。どうか……、あなたに寄り添うその幸福な立場を、俺に与えてください、アリア様。あなたが苦しい時に、誰に遠慮することもなく真っ先に手を差し伸べる権利を」
エルドが止めどなく与えてくれる愛の言葉が、私の心に優しく降り積もっていく。傷や痛みを覆い隠すように、癒やすように、私の心を包み込んでくれる。
その大きな手がそっと私の手をとり、涙でぐしょぐしょになった顔がさらされる。恥ずかしくて、……何よりどうしようもなく嬉しくて。
彼は左腕で私の腰をしっかりと引き寄せたまま、もう片方の手で私の頬を優しく撫で、涙を拭き取っていく。
「……聞かせてください、アリア様。どうかあなたの口から、俺を受け入れると」
その口調は切実で、祈るような眼差しは真剣そのものだった。エルドの胸に飛び込むことを躊躇していた私の心は、愛情溢れるその眼差しの前に決壊した。
新たな涙を流しながら、私は震える声で必死に想いを伝える。
「わ……、私……、私こそ、あなたのことをずっとずっと想っていたわ……。決して誰にも知られてはいけないと、何も望んではいけないと自分を戒めながら、それでもこの想いを……断ち切ることなんてできなかった……」
「…………っ!」
エルドが息を呑み、その美しい翠色の瞳が見開かれる。わずかに揺れるその瞳を見つめながら、私は溢れ出した自分の想いの全てを伝える。
「エルド、あなたのことが大好きよ。傷付いて、孤独で心細くて、心が折れそうな時でも、あなたがそばにいてくれたから私はここで生きていられた。あなたは私の心も、ずっと守ってくれていたのよ。……ありがとう、エルド……」
「……アリア様……。これは……夢ではないのですね……」
エルドの声も震えている。私たちは言葉を失くし、ただ見つめ合った。これまで秘め続けた想いを伝え合うように。
やがて私たちはどちらからともなく、ゆっくりと顔を近づけた。夢見心地のまま静かに目を閉じ、エルドの唇が重なるのを受け入れる。
触れ合う体温は頭が真っ白になるほど甘美なもので、私は無意識にエルドの肩に手を伸ばし、指先に力をこめていた。それに呼応するように、エルドが一層強く私を抱き寄せる。
どれくらいの間でそうしていただろう。互いの想いを確かめ合うように何度も唇を重ねた私たちは、やがて名残惜しくもゆっくりと体を離し、再び見つめ合う。
もう迷いはなかった。私は自分の想いを噛みしめながら、目の前の愛する人に乞う。
「……私も、あなたの隣にいたい。いつかこの命が終わるその日まで、ずっと。……私と一緒に、生きていってくれる?」
「……もちろんです、アリア様。誰が何と言おうと、あなたのそばから決して離れません。どんなに長く苦しい道でも、一緒に歩いていきましょう。あなたの荷物を、俺にも背負わせてください」
その瞳を見つめれば、エルドの想いの強さが分かる。この国に来て以来初めて感じる幸福に浸りながら、私は彼の胸に顔を埋めて目を閉じた。柔らかな風がふわりと吹き、いくつもの花びらが私たちの周りに舞い上がる。
エルドは私の髪に何度も口づけながら、しっかりと私を抱きしめていた──────
「アリア様。あなたは以前、書庫で本をお選びになっている時に、俺にこう言いました。男は手に入れた女には興味を失くし、新たな女性に目が行くものなのだと。……覚えていらっしゃいますか?」
そのことなら、はっきりと覚えている。ジェラルド元国王の浮気を初めて目撃して衝撃を受けた後だったっけ。すでに彼が公務を放り出しフラフラと遊びはじめた頃だった。心細くて傷付いて、それを必死に隠しながら仕事と勉強に邁進していた。
一体、今から何の話が始まるの……?エルドは何を言うつもりなんだろう。
全身を期待と不安が駆け巡る。大きく脈打ち続ける心臓の音さえ煩わしく思えるほどに、私はエルドの言葉だけに全神経を集中させた。緊張のあまり今にもフラつきそうだったけれど、震える足に力を込めながらどうにか立っていた。
「……俺は違います。俺はそんな男じゃない。愛する人をこの手に得られるのなら、生涯その方への想いを貫くと誓います。……あなたさえ、得られるのなら」
「……エル、ド……」
私を、得られるのなら……?
本当に?
これは、今、現実に起こっていることなの……?
あなたも、私のことを……?
エルドはその大きく温かい手で私の両手をそっと包み込んだ。そして眦を赤く染めながら、私に言った。
「愛しています、アリア様。俺にはずっと、あなただけだった。身の程知らずの想いだと分かっていても、胸の奥から止めどなく溢れ出すこの熱を押し留めることなど、俺にはできませんでした。カナルヴァーラのあなたのご家族から正式に許可をいただき、今こうしてようやくあなたにこの想いを打ち明けております。……どうか、お願いです」
エルドはそう言うとその場に跪き、私の両手を優しく包み込んだままで私を見上げる。
気付けば私の頬を涙が伝い落ちていた。
「一人の護衛騎士としてではなく、これからはあなたの人生の伴侶として、おそばにいさせてください。俺はずっとあなただけを見ていたい。誰よりも一番近くで、あなたのことを支えていきたいのです」
「……エルド……ッ」
もう堪えきれなかった。エルドから両手を離し、くしゃりと歪んだ顔を急いで隠す。後から後から涙が溢れ、子どものように泣きじゃくる。胸がいっぱいで言葉が出ない。エルドが立ち上がり、取り乱す私を力強く抱きしめた。
まさかエルドがこの私のことを、こんなにも強く想ってくれていたなんて。その気持ちは、本当に嬉しい。私の方こそ、ずっと心の中でこの人だけを想い続けていたのだから。
だけど……素直にこの胸に飛び込むには、あまりにも……
「……わ……、私は……、あなたに相応しい相手では、ないでしょう……。だって、私は、あの男の妃だったのよ……」
私はもう、とうに清い体ではない。ファウラー侯爵家の令息であるエルドなら、私のような女でなくてもいくらでもお似合いの乙女がいるはずだ。過去に夫のいた女など、わざわざ選ぶ必要もないはずなのに。
だけど私の言葉を聞いたエルドはますます強く私を抱きしめ、切羽詰まった声で言う。
「それが何だと言うのですか!俺はあなたの過去の痛みも苦しみも、全てをこの身に受け止めたい。あなたが乗り越えてきた様々な経験が、今のあなたという美しい人を形作っているのです。あなたが一人でもがき苦しみながら、それでも必死に前に進んでいくお姿をずっと見てきました。もどかしくてならなかった。本当はただ見守っているだけじゃなく、隣に並び、あなたを支え、一緒に戦いたかった。どうか……、あなたに寄り添うその幸福な立場を、俺に与えてください、アリア様。あなたが苦しい時に、誰に遠慮することもなく真っ先に手を差し伸べる権利を」
エルドが止めどなく与えてくれる愛の言葉が、私の心に優しく降り積もっていく。傷や痛みを覆い隠すように、癒やすように、私の心を包み込んでくれる。
その大きな手がそっと私の手をとり、涙でぐしょぐしょになった顔がさらされる。恥ずかしくて、……何よりどうしようもなく嬉しくて。
彼は左腕で私の腰をしっかりと引き寄せたまま、もう片方の手で私の頬を優しく撫で、涙を拭き取っていく。
「……聞かせてください、アリア様。どうかあなたの口から、俺を受け入れると」
その口調は切実で、祈るような眼差しは真剣そのものだった。エルドの胸に飛び込むことを躊躇していた私の心は、愛情溢れるその眼差しの前に決壊した。
新たな涙を流しながら、私は震える声で必死に想いを伝える。
「わ……、私……、私こそ、あなたのことをずっとずっと想っていたわ……。決して誰にも知られてはいけないと、何も望んではいけないと自分を戒めながら、それでもこの想いを……断ち切ることなんてできなかった……」
「…………っ!」
エルドが息を呑み、その美しい翠色の瞳が見開かれる。わずかに揺れるその瞳を見つめながら、私は溢れ出した自分の想いの全てを伝える。
「エルド、あなたのことが大好きよ。傷付いて、孤独で心細くて、心が折れそうな時でも、あなたがそばにいてくれたから私はここで生きていられた。あなたは私の心も、ずっと守ってくれていたのよ。……ありがとう、エルド……」
「……アリア様……。これは……夢ではないのですね……」
エルドの声も震えている。私たちは言葉を失くし、ただ見つめ合った。これまで秘め続けた想いを伝え合うように。
やがて私たちはどちらからともなく、ゆっくりと顔を近づけた。夢見心地のまま静かに目を閉じ、エルドの唇が重なるのを受け入れる。
触れ合う体温は頭が真っ白になるほど甘美なもので、私は無意識にエルドの肩に手を伸ばし、指先に力をこめていた。それに呼応するように、エルドが一層強く私を抱き寄せる。
どれくらいの間でそうしていただろう。互いの想いを確かめ合うように何度も唇を重ねた私たちは、やがて名残惜しくもゆっくりと体を離し、再び見つめ合う。
もう迷いはなかった。私は自分の想いを噛みしめながら、目の前の愛する人に乞う。
「……私も、あなたの隣にいたい。いつかこの命が終わるその日まで、ずっと。……私と一緒に、生きていってくれる?」
「……もちろんです、アリア様。誰が何と言おうと、あなたのそばから決して離れません。どんなに長く苦しい道でも、一緒に歩いていきましょう。あなたの荷物を、俺にも背負わせてください」
その瞳を見つめれば、エルドの想いの強さが分かる。この国に来て以来初めて感じる幸福に浸りながら、私は彼の胸に顔を埋めて目を閉じた。柔らかな風がふわりと吹き、いくつもの花びらが私たちの周りに舞い上がる。
エルドは私の髪に何度も口づけながら、しっかりと私を抱きしめていた──────
138
お気に入りに追加
2,317
あなたにおすすめの小説
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。
五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」
婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。
愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー?
それって最高じゃないですか。
ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。
この作品は
「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。
どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます
天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。
王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。
影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。
私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる