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23.王宮へ
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「私はイェスタルア王国王妃陛下の名代で来た。来週末に行われる王妃陛下主催の茶会にて、貴殿らの手がけている衣装を、ぜひ披露していただきたいとの仰せだ。何でも一風変わったドレスが、若い令嬢たちの間で人気だとか」
「…………。」
「…………。」
「…………あ……、……はぅ……」
「ご婦人方の間でもずいぶん話題になっているというそれらの商品を、王妃陛下がぜひ見せて欲しいと仰せだ。……?……ご理解いただけておるか?」
「……あぅ……」
突然店先に現れた王家からの使者に、サディーさんもイブティさんも、そしてヤスミンさんも、ガチガチに固まってしまっている。緊張しているのだろうか。このままではマズい。私はしゃしゃり出て、挨拶することにした。
「承知いたしましたわ。大変光栄でございます。王妃陛下のご要望とあらば、喜んで馳せ参じます。最新のドレスを何点かお持ちいたしますので、ご覧いただければ嬉しいですわ」
「おお、そうか。ではよろしく頼む」
当日の参内時刻などについてしばらく打ち合わせした後、使者は帰っていった。
「ふふ、すごいですわ!ついに王家からまでお声がかかりましたよ、サディーさん!」
「…………。」
「ラモンさんもきっと驚くでしょうね。参内する際のお二人の衣装も、考えなくてはいけませんわね」
「…………。ぐふっ」
サディーさんは妙な声を上げると、突然後ろにひっくり返ってしまった。
「きゃあっ!だっ、大丈夫ですか?!サディーさん!」
「……ひ」
「お……、おう、……おうひ……さ、ま」
イブティさんとヤスミンさんまで、腰を抜かしてへたり込んでしまった。
「おっ?!おおおお王妃様の前で商品を披露?!ばっ、馬鹿言うなおめぇ!俺にゃ無理だよそんな、だだ大それたことととと」
買い付けから夕方帰ってきたラモンさんに今日の出来事を話すと、その顔面はたちまち真っ青になった。
「な、何言ってんだい!あんたも店主だろ?!い、行くしかないんだよここまで来たら!」
「おっ!お前が一人で行ってくれよ!いや、この子たちも連れてさ」
「ひぃっ!かっ!勘弁してくださぁい!!王妃様や貴族の人たちの前で商品を売り込むなんて……!卒倒しちゃうわ!!」
「あ、あた、あたしだってそんなことできないわよぉぉ!!」
……皆見事なまでにあわあわしている。誰も王宮に出向きたくないらしく、役目の押し付けあいだ。……そんなに嫌なのかしら。とても名誉なことなのに。
「せっかくですから皆で行きましょうよ!五人ぐらいならそんなに仰々しくもないし、きっと楽しい思い出になりますわよ!」
「いや……、楽しい思い出も何も、たぶん何一つ記憶が残らないと思うわ……」
「だってあたしたちただの平民よ?!一般人なのよ?!王宮なんて、一生縁もゆかりもない場所だと思っていたのに……。お、王族の人の前で、商品を見せたり喋ったりするなんて……!逆にどうしてリアさんは、そんなに平気そうなの?」
「そうよ!まるでこういうことにすごく慣れてる人みたい!」
……ぎく。
(し、しまったわ……。不自然だったかしら……。どうしよう、イブティさんとヤスミンさんが、なんかすごく疑うような目つきでこちらを見はじめた……)
今まであわあわしていた四人に急に注目され、私は焦った。そ、そうよね。たしかに私はジャレット殿下の婚約者だったから、王宮にもしょっちゅう出入りしていたし、ナルレーヌ王国の王妃陛下と言葉を交わすことだって何度もあったけれど……、普通の平民は、そんな機会は生涯ないのが当たり前なんだわ。
「お店に来てくれる貴族の人たちもさ、リアさんのことすごく気に入るじゃない?こないだも、あの子は品があって優雅だわ、なんて言ってるご婦人がいたし」
「うんうん。実は私も結構気になってはいたのよね。リアさん、ただすごくきちんとした喋り方するタイプなのかなーと思ってたけどさ、そうじゃなくて、もしかしてリアさんって、」
(……っ!!)
ど、どうしよう。何て言ってごまかすべきか。
私がパニックになりそうになった、その時。
「よしっ!!そうだな、たしかにリアちゃんの言うとおりだ!考えたら、こんな機会はめったにあるもんじゃねぇんだから、尻込みしねぇで思い出作ろうじゃねーか!なぁ?お前」
「うんうん、そうだね!リアちゃんは本当に肝が据わった子だよぉ!この子はそういうとこあるから。あたしらが一緒にイェスタルアに来ないかい?って声かけた時も、はーい行きまーす!だもんね。ガハハハ」
なぜかついさっきまであんなにごねていたラモンさんとサディーさんが、二人して突如前向きなことを言い出した。まるでイブティさんたちの私への疑問を打ち消すように、明るい声で私に同意してくれている。……だけど二人のその目は泳いでいる。やっぱり怖いのは怖いみたい。
(……今明らかに、私を庇ってくれた気が……)
「……うん、そうだよね。人生最大の思い出になるかもしれないもの!何かやらかしたら、その人生自体が終わるかもしれないけどね!行こう!」
「ちょっと……。怖いこと言わないでよ……。……でも、そうよね。別に殺されるわけじゃないんだもの。王妃様に飛びかかったりでもしない限り。大きなチャンスだものね。せっかくリアさんがここまで連れてきてくれたんだもの。リアさん考案の異国風ドレス、たくさんアピールしよう!」
「国中で流行らせよう!」
二人につられるように、イブティさんたちも途端にやる気を見せはじめた。よ、よかった……!
(……きっとラモンさんたちは気付いているのね。私が普通の平民ではないことに……)
それはそうよね。家もなくて行き倒れかかっていて、手に職はない、何もできない、そんな娘明らかにおかしいもの。
言えない事情を抱えた面倒な私のことを、何も聞かずに助けてくれて、ここまで連れてきてくださった。
(……ありがとうございます、ラモンさん、サディーさん。たくさん働いて、精一杯ご恩返しいたしますわ)
口には出せない感謝の思いを込めて、私は楽しそうにガハハと笑っている二人のことをそっと見つめた。
「…………。」
「…………。」
「…………あ……、……はぅ……」
「ご婦人方の間でもずいぶん話題になっているというそれらの商品を、王妃陛下がぜひ見せて欲しいと仰せだ。……?……ご理解いただけておるか?」
「……あぅ……」
突然店先に現れた王家からの使者に、サディーさんもイブティさんも、そしてヤスミンさんも、ガチガチに固まってしまっている。緊張しているのだろうか。このままではマズい。私はしゃしゃり出て、挨拶することにした。
「承知いたしましたわ。大変光栄でございます。王妃陛下のご要望とあらば、喜んで馳せ参じます。最新のドレスを何点かお持ちいたしますので、ご覧いただければ嬉しいですわ」
「おお、そうか。ではよろしく頼む」
当日の参内時刻などについてしばらく打ち合わせした後、使者は帰っていった。
「ふふ、すごいですわ!ついに王家からまでお声がかかりましたよ、サディーさん!」
「…………。」
「ラモンさんもきっと驚くでしょうね。参内する際のお二人の衣装も、考えなくてはいけませんわね」
「…………。ぐふっ」
サディーさんは妙な声を上げると、突然後ろにひっくり返ってしまった。
「きゃあっ!だっ、大丈夫ですか?!サディーさん!」
「……ひ」
「お……、おう、……おうひ……さ、ま」
イブティさんとヤスミンさんまで、腰を抜かしてへたり込んでしまった。
「おっ?!おおおお王妃様の前で商品を披露?!ばっ、馬鹿言うなおめぇ!俺にゃ無理だよそんな、だだ大それたことととと」
買い付けから夕方帰ってきたラモンさんに今日の出来事を話すと、その顔面はたちまち真っ青になった。
「な、何言ってんだい!あんたも店主だろ?!い、行くしかないんだよここまで来たら!」
「おっ!お前が一人で行ってくれよ!いや、この子たちも連れてさ」
「ひぃっ!かっ!勘弁してくださぁい!!王妃様や貴族の人たちの前で商品を売り込むなんて……!卒倒しちゃうわ!!」
「あ、あた、あたしだってそんなことできないわよぉぉ!!」
……皆見事なまでにあわあわしている。誰も王宮に出向きたくないらしく、役目の押し付けあいだ。……そんなに嫌なのかしら。とても名誉なことなのに。
「せっかくですから皆で行きましょうよ!五人ぐらいならそんなに仰々しくもないし、きっと楽しい思い出になりますわよ!」
「いや……、楽しい思い出も何も、たぶん何一つ記憶が残らないと思うわ……」
「だってあたしたちただの平民よ?!一般人なのよ?!王宮なんて、一生縁もゆかりもない場所だと思っていたのに……。お、王族の人の前で、商品を見せたり喋ったりするなんて……!逆にどうしてリアさんは、そんなに平気そうなの?」
「そうよ!まるでこういうことにすごく慣れてる人みたい!」
……ぎく。
(し、しまったわ……。不自然だったかしら……。どうしよう、イブティさんとヤスミンさんが、なんかすごく疑うような目つきでこちらを見はじめた……)
今まであわあわしていた四人に急に注目され、私は焦った。そ、そうよね。たしかに私はジャレット殿下の婚約者だったから、王宮にもしょっちゅう出入りしていたし、ナルレーヌ王国の王妃陛下と言葉を交わすことだって何度もあったけれど……、普通の平民は、そんな機会は生涯ないのが当たり前なんだわ。
「お店に来てくれる貴族の人たちもさ、リアさんのことすごく気に入るじゃない?こないだも、あの子は品があって優雅だわ、なんて言ってるご婦人がいたし」
「うんうん。実は私も結構気になってはいたのよね。リアさん、ただすごくきちんとした喋り方するタイプなのかなーと思ってたけどさ、そうじゃなくて、もしかしてリアさんって、」
(……っ!!)
ど、どうしよう。何て言ってごまかすべきか。
私がパニックになりそうになった、その時。
「よしっ!!そうだな、たしかにリアちゃんの言うとおりだ!考えたら、こんな機会はめったにあるもんじゃねぇんだから、尻込みしねぇで思い出作ろうじゃねーか!なぁ?お前」
「うんうん、そうだね!リアちゃんは本当に肝が据わった子だよぉ!この子はそういうとこあるから。あたしらが一緒にイェスタルアに来ないかい?って声かけた時も、はーい行きまーす!だもんね。ガハハハ」
なぜかついさっきまであんなにごねていたラモンさんとサディーさんが、二人して突如前向きなことを言い出した。まるでイブティさんたちの私への疑問を打ち消すように、明るい声で私に同意してくれている。……だけど二人のその目は泳いでいる。やっぱり怖いのは怖いみたい。
(……今明らかに、私を庇ってくれた気が……)
「……うん、そうだよね。人生最大の思い出になるかもしれないもの!何かやらかしたら、その人生自体が終わるかもしれないけどね!行こう!」
「ちょっと……。怖いこと言わないでよ……。……でも、そうよね。別に殺されるわけじゃないんだもの。王妃様に飛びかかったりでもしない限り。大きなチャンスだものね。せっかくリアさんがここまで連れてきてくれたんだもの。リアさん考案の異国風ドレス、たくさんアピールしよう!」
「国中で流行らせよう!」
二人につられるように、イブティさんたちも途端にやる気を見せはじめた。よ、よかった……!
(……きっとラモンさんたちは気付いているのね。私が普通の平民ではないことに……)
それはそうよね。家もなくて行き倒れかかっていて、手に職はない、何もできない、そんな娘明らかにおかしいもの。
言えない事情を抱えた面倒な私のことを、何も聞かずに助けてくれて、ここまで連れてきてくださった。
(……ありがとうございます、ラモンさん、サディーさん。たくさん働いて、精一杯ご恩返しいたしますわ)
口には出せない感謝の思いを込めて、私は楽しそうにガハハと笑っている二人のことをそっと見つめた。
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