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第7章 明莉
60 姉妹会議①
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「それで、これはどういうことかしら……?」
疑問を投げかけるように問うたのは月森千夜《つきもりちや》だった。
場所は千夜の自己主張の少ない整然とした部屋である。
そこに、相対するように日和と華凛が並ぶ。
「どうもこうも、あたしが帰ってきたら日和姉がとんでもない事をしようとしてて……!」
華凛は慌てたように身振り手振りを激しく動かす。
「わたしはありのままを打ち明けようと思っただけですけどねぇ?」
人差し指を頬に当て、首を傾げる日和の姿はこの中で唯一緊張感がない。
事の顛末は簡単だった。
◇◇◇
『ただいまー、って二人で何してんの!?』
華凛は息を荒く、肩を上下させて帰ってきた。
体育館で明莉に言われた言葉が気になり、いつも以上に早く部活を引き上げてダッシュで帰ってきたのである。
そこで居間に顔を出した時、違和感を感じ取る。
妹ゆえの感性だろう、姉である日和の空気感の違いを察したのである。
『あ、華凛さん、お帰りなさいです。さっき華凛さんに伺ったことを、日和さんにも聞いていた所です』
予感は的中した。
明莉は日和に対して、自分のことをどう想っているのかを聞いていたのである。
『え、日和姉にも?もう聞いたの?』
『……華凛さんにそこまで話す必要はありません』
明莉の方から一方的に話を切り上げるのはかなり珍しい。
当然、その事に気づく華凛の動揺はさらに激しさを増す。
『あ、明莉……?え、ちょっと、まだ怒ってるの?』
『怒ってません』
ぷいっとそっぽを向く明莉だが、その頬の膨らみは華凛の角度からもしっかり見えていた。
どうやら未だご立腹のようである。
『あ、明莉……?あの、ボールが欲しいならあたしの部屋に来たらあげるから……』
『要りません』
『あ、分かった。そしたら学校のボールと交換してくるから』
『わたし球技苦手です』
『そ、そんな……っ』
さっきと言っていることが全く違う。
そう思う華凛だったが、それをツッコんで更に明莉の機嫌を損ねるのではないかと心配になり、それ以上は踏み込めない。
惚れた弱みか、華凛にとって明莉に嫌われることがこんなにも恐ろしいのかと今ようやく知ったのである。
『うふふ。明ちゃんにはまだ伝えてはいませんよぉ?』
日和は代わりにあっけらかんとした態度で答える。
しかし、その眼差しがいつも違うことに華凛は気付く。
これは生まれた時から一緒に暮らし、血を分けた姉妹である華凛にしか分からない微細な変化だったろう。
ほぼ直感レベルだが、そこに女の艶を華凛は感じ取った。
『ちょーっと待って!それを答える前に姉妹会議じゃない!?』
させてはならない、と華凛の女の勘が阻止の方向へと駆り立てる。
明莉を不機嫌にさせている華凛にとって、この状況は不利にしか働かない。
そう結論付けた華凛は、場を改めるために苦肉の策に出る。
『姉妹会議、ですか……?』
はて、と首を傾げる日和。
『そうそうっ!千夜姉も交えて話ししないとっ、ちょっとそれ日和姉が勝手に言っていい事じゃないと思う!』
妹の華凛にとって、姉である日和を自力で止めるのは難しい。
勝手ながら長女である千夜の名を使い、一旦この場を凌ごうと画策する。
『姉妹会議なら、義妹も参加していいですよね?』
そこに、声のトーンが低い明莉の声が混ざる。
正直、華凛にとっては想定外の乱入である。
『や、これは本当の姉妹というか……血の繋がった、というか……』
確かに明莉も姉妹ではあるため、姉妹会議に参加できない理由はない。
しかし、明莉にこそ聞かせてはいけない会話になるため、無理矢理締め出そうとする華凛の歯切れはかなり悪かった。
『……へえ。やっぱり華凛さんはわたしのこと他人扱いなんですね』
地の底に響くような、初めて耳にする明莉の重低音だった。
『ちがうのよぉぉ……!!』
それに華凛は血の涙を流したのである。
◇◇◇
そして、帰宅した千夜を迎え入れ、現在に至る。
「あー、嫌われたっ。あたし明莉に絶対嫌われたっ」
事の顛末を思い出した華凛は頭を抱えて悲痛に暮れる。
日和の行動を阻止しようと思ってのことだったが、完全に悪手になってしまった。
今までにない明莉の反応に、華凛は心を引き裂かれていた。
「でも、あんな反応する明ちゃん初めて見ましたよ?可愛かったですね?」
可愛い者を愛でる、その心を日和は隠そうとはしない。
その素直さは、千夜にも華凛にもないものだった。
「日和姉は他人事だからそんなこと余裕で言えるのよっ……あたしの気持ちにもなってよね!」
日和の本心を感じ取っている華凛は、“明莉に嫌われることがどういう痛みを持つか分かるでしょ”と言わんとしていた。
「わたしは華凛ちゃんのように明ちゃんが聞きたがってることを後伸ばしにはしませんから。あんな怒られ方しないと思いますよ?」
「……や、やめて。もうあたしは死んだも同然なんだから」
核心を突かれた華凛は、これ以上の死体蹴りを拒絶することしか出来なかった。
「――つまり日和も華凛も、あの子に私達の関係性を問われたのね?」
妹たちの会話を分断するように千夜が言葉を発する。
「ええ、そうです。ですからわたしは答えようとしただけですよ?」
「……それに日和は、どう答えるつもりだったのかしら」
千夜は改めて、日和に問う。
「好きですよ、とそれだけをお伝えしようと思っただけです」
日和は照れることもなく、真摯に慎ましくその想いを姉妹に打ち明ける。
その在り方に華凛と千夜は息を呑む。
「日和……貴女、本気なの?」
「ええ、だって隠すことじゃありませんから」
「私達は、姉妹なのよ」
間違いを正すように千夜は語尾を強める。
けれど、日和の柔和な態度は微細の変化も生じない。
「義理じゃありませんか。それにそれを言うなら女の子同士の方が問題なのでは?」
「えっと……そうね」
「それがすぐに出ない当たり、千夜ちゃんが明ちゃんをどう想っているかも何となく透けてしまいますけどねぇ?」
くすくす、と日和は奥ゆかしく笑う。
「そ、それは……」
冷静さを保とうとする千夜であったが、その心の隙を突かれ内心は慌てていた。
本心を包み隠さない日和は言葉をストレートに吐き出す分、思考に淀みがない。
「華凛ちゃんも、本当のことを言わないから明ちゃんが拗ねちゃうんですよ?」
頭を抱えるばかりの妹に、日和は姉としてのアドバイスを送る。
「で、でもさ……。あたしたちって一度は明莉に告白してもらって断ったわけじゃん。なのに、そんなすぐに好きになるとかいいのかなって……」
もはや明莉を好きであるという前提を否定し忘れていることに気付かない華凛であったが、それよりも彼女が気になるのはそこだった。
一度は告白され、その想いを断っている。
それなのに、こうも手の平返しのように態度を翻すのは不誠実なのではないか。
その疑問が華凛の心の奥底にあったのだ。
「そう思うのなら、それで構いませんけど。わたしは本当の気持ちを隠したまま接する方が不誠実だと思いますよ?」
日和のスタンスは一貫している。
「いえ、千夜ちゃんも華凛ちゃんも今の距離感が大事だというのなら、それを否定する気はありませんよ?それも一つの答えなのですから。ただわたしはそうじゃないというだけです」
千夜も華凛も、かつてない程に自分の本心を包み隠さず吐露する日和の姿に言葉を失っていた。
「わたし、月森日和は花野明莉を愛している。ただ、それだけのことなのですから」
それが彼女の揺るぎないシンプルな答えだった。
疑問を投げかけるように問うたのは月森千夜《つきもりちや》だった。
場所は千夜の自己主張の少ない整然とした部屋である。
そこに、相対するように日和と華凛が並ぶ。
「どうもこうも、あたしが帰ってきたら日和姉がとんでもない事をしようとしてて……!」
華凛は慌てたように身振り手振りを激しく動かす。
「わたしはありのままを打ち明けようと思っただけですけどねぇ?」
人差し指を頬に当て、首を傾げる日和の姿はこの中で唯一緊張感がない。
事の顛末は簡単だった。
◇◇◇
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体育館で明莉に言われた言葉が気になり、いつも以上に早く部活を引き上げてダッシュで帰ってきたのである。
そこで居間に顔を出した時、違和感を感じ取る。
妹ゆえの感性だろう、姉である日和の空気感の違いを察したのである。
『あ、華凛さん、お帰りなさいです。さっき華凛さんに伺ったことを、日和さんにも聞いていた所です』
予感は的中した。
明莉は日和に対して、自分のことをどう想っているのかを聞いていたのである。
『え、日和姉にも?もう聞いたの?』
『……華凛さんにそこまで話す必要はありません』
明莉の方から一方的に話を切り上げるのはかなり珍しい。
当然、その事に気づく華凛の動揺はさらに激しさを増す。
『あ、明莉……?え、ちょっと、まだ怒ってるの?』
『怒ってません』
ぷいっとそっぽを向く明莉だが、その頬の膨らみは華凛の角度からもしっかり見えていた。
どうやら未だご立腹のようである。
『あ、明莉……?あの、ボールが欲しいならあたしの部屋に来たらあげるから……』
『要りません』
『あ、分かった。そしたら学校のボールと交換してくるから』
『わたし球技苦手です』
『そ、そんな……っ』
さっきと言っていることが全く違う。
そう思う華凛だったが、それをツッコんで更に明莉の機嫌を損ねるのではないかと心配になり、それ以上は踏み込めない。
惚れた弱みか、華凛にとって明莉に嫌われることがこんなにも恐ろしいのかと今ようやく知ったのである。
『うふふ。明ちゃんにはまだ伝えてはいませんよぉ?』
日和は代わりにあっけらかんとした態度で答える。
しかし、その眼差しがいつも違うことに華凛は気付く。
これは生まれた時から一緒に暮らし、血を分けた姉妹である華凛にしか分からない微細な変化だったろう。
ほぼ直感レベルだが、そこに女の艶を華凛は感じ取った。
『ちょーっと待って!それを答える前に姉妹会議じゃない!?』
させてはならない、と華凛の女の勘が阻止の方向へと駆り立てる。
明莉を不機嫌にさせている華凛にとって、この状況は不利にしか働かない。
そう結論付けた華凛は、場を改めるために苦肉の策に出る。
『姉妹会議、ですか……?』
はて、と首を傾げる日和。
『そうそうっ!千夜姉も交えて話ししないとっ、ちょっとそれ日和姉が勝手に言っていい事じゃないと思う!』
妹の華凛にとって、姉である日和を自力で止めるのは難しい。
勝手ながら長女である千夜の名を使い、一旦この場を凌ごうと画策する。
『姉妹会議なら、義妹も参加していいですよね?』
そこに、声のトーンが低い明莉の声が混ざる。
正直、華凛にとっては想定外の乱入である。
『や、これは本当の姉妹というか……血の繋がった、というか……』
確かに明莉も姉妹ではあるため、姉妹会議に参加できない理由はない。
しかし、明莉にこそ聞かせてはいけない会話になるため、無理矢理締め出そうとする華凛の歯切れはかなり悪かった。
『……へえ。やっぱり華凛さんはわたしのこと他人扱いなんですね』
地の底に響くような、初めて耳にする明莉の重低音だった。
『ちがうのよぉぉ……!!』
それに華凛は血の涙を流したのである。
◇◇◇
そして、帰宅した千夜を迎え入れ、現在に至る。
「あー、嫌われたっ。あたし明莉に絶対嫌われたっ」
事の顛末を思い出した華凛は頭を抱えて悲痛に暮れる。
日和の行動を阻止しようと思ってのことだったが、完全に悪手になってしまった。
今までにない明莉の反応に、華凛は心を引き裂かれていた。
「でも、あんな反応する明ちゃん初めて見ましたよ?可愛かったですね?」
可愛い者を愛でる、その心を日和は隠そうとはしない。
その素直さは、千夜にも華凛にもないものだった。
「日和姉は他人事だからそんなこと余裕で言えるのよっ……あたしの気持ちにもなってよね!」
日和の本心を感じ取っている華凛は、“明莉に嫌われることがどういう痛みを持つか分かるでしょ”と言わんとしていた。
「わたしは華凛ちゃんのように明ちゃんが聞きたがってることを後伸ばしにはしませんから。あんな怒られ方しないと思いますよ?」
「……や、やめて。もうあたしは死んだも同然なんだから」
核心を突かれた華凛は、これ以上の死体蹴りを拒絶することしか出来なかった。
「――つまり日和も華凛も、あの子に私達の関係性を問われたのね?」
妹たちの会話を分断するように千夜が言葉を発する。
「ええ、そうです。ですからわたしは答えようとしただけですよ?」
「……それに日和は、どう答えるつもりだったのかしら」
千夜は改めて、日和に問う。
「好きですよ、とそれだけをお伝えしようと思っただけです」
日和は照れることもなく、真摯に慎ましくその想いを姉妹に打ち明ける。
その在り方に華凛と千夜は息を呑む。
「日和……貴女、本気なの?」
「ええ、だって隠すことじゃありませんから」
「私達は、姉妹なのよ」
間違いを正すように千夜は語尾を強める。
けれど、日和の柔和な態度は微細の変化も生じない。
「義理じゃありませんか。それにそれを言うなら女の子同士の方が問題なのでは?」
「えっと……そうね」
「それがすぐに出ない当たり、千夜ちゃんが明ちゃんをどう想っているかも何となく透けてしまいますけどねぇ?」
くすくす、と日和は奥ゆかしく笑う。
「そ、それは……」
冷静さを保とうとする千夜であったが、その心の隙を突かれ内心は慌てていた。
本心を包み隠さない日和は言葉をストレートに吐き出す分、思考に淀みがない。
「華凛ちゃんも、本当のことを言わないから明ちゃんが拗ねちゃうんですよ?」
頭を抱えるばかりの妹に、日和は姉としてのアドバイスを送る。
「で、でもさ……。あたしたちって一度は明莉に告白してもらって断ったわけじゃん。なのに、そんなすぐに好きになるとかいいのかなって……」
もはや明莉を好きであるという前提を否定し忘れていることに気付かない華凛であったが、それよりも彼女が気になるのはそこだった。
一度は告白され、その想いを断っている。
それなのに、こうも手の平返しのように態度を翻すのは不誠実なのではないか。
その疑問が華凛の心の奥底にあったのだ。
「そう思うのなら、それで構いませんけど。わたしは本当の気持ちを隠したまま接する方が不誠実だと思いますよ?」
日和のスタンスは一貫している。
「いえ、千夜ちゃんも華凛ちゃんも今の距離感が大事だというのなら、それを否定する気はありませんよ?それも一つの答えなのですから。ただわたしはそうじゃないというだけです」
千夜も華凛も、かつてない程に自分の本心を包み隠さず吐露する日和の姿に言葉を失っていた。
「わたし、月森日和は花野明莉を愛している。ただ、それだけのことなのですから」
それが彼女の揺るぎないシンプルな答えだった。
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