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6 僕は君の名を知らない。
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僕と彼女は河川敷のサイクリングコースを二人で歩いていた。
朱い夕日が水面に反射してキラキラとガラス細工を散りばめたように光り輝く。
心地よい風と岩間を流れる水の音と匂い。誰もいない静かな河川敷のいつもの帰宅路を彼女は同じ歩調で歩いていく。
僕は彼女の華奢な背中と揺れる金色の髪を眺めながら、彼女の数歩後ろを騎士のように付いて歩く。いつも通り僕らの間に会話は特にない。
いつもの普遍的な光景、いつもの彼女のお気に入りの帰宅コース。
僕は彼女の家がどこにあるかは知らない。でも彼女が歩いているこの道の先にきっとあるのだろう。
今日も彼女は橋のたもとで立ち止まった。
僕らは両岸を渡す橋のたもとで立ち止まり、少しの時間だけ他愛もない会話をしてから別れる。
彼女との距離を数歩残して立ち止ると彼女は振り返った。
西日が彼女の瞳を細めて側めさせた。儚い夕日の茜色が幻想的な彼女の美しさをより際立たせる。
「その後はどうなったんですか?」
穏やかに流れる川を眺めながら彼女は、そう呟いた。
聴こえていたけど僕は聞こえなかったフリをして聴き返す。
「ん?」
「さっきのエロゲの話です……、その先輩の異能に堕ちた私は、先輩と……、せ……、せ、せ、性交……したのですか?」
「気になる?」
「あくまで先輩の妄想上の話ですが、自分が登場人物となれば気になってしまいます。一切の他意はありません」
強がる彼女の頬は燃えるように紅くなっていた。
これでも心の内を上手く隠しているつもりなのだろう。解りやすい子だなと僕は思う。
「……してないよ。あの後、僕は君を眠らせて夢を見せたんだ」
その答えに彼女は不思議そうに僕を見つめた。
「なんでそんなことをするのですか? 展開からすれば行為に及ぶのが当然かと思いますが……」
「不思議なことに僕はある種の罪悪感に駆られたんだよ。正直、やり過ぎたとも思った。今まで一度足りともそんなことを思ったり感じたりしたことはなかったけど、君に対してはそういう気持ちを抱いたんだ。それは僕にとってすごく衝撃的な出来事だったんだ。だから僕は困惑して、どうしていいか分からず君を眠らせた」
「眠らせてどうしたのですか?」
「家に連れて帰った」
「結局犯すルートじゃないですか……」
「いやいや、違うよ。僕は君を助けるために家に連れて帰ったんだ。自分でやっておいて助けるってのも変なんだけど、君は既に重度の麻薬中毒患者と同じくらい僕の異能に浸かってしまっていた。正常に戻すにはそれを取り除かなければいけなかった」
「……取り除くってどうやるんですか?」
「簡単に言えば記憶を消去するんだ。君の潜在意識と同期して、徐々に僕から受けた異能に関する体験を削除していく。でもこれはすごく繊細な作業が必要でね、ファストフードみたいにパッとすぐにできるモノじゃないんだよ。大雑把にやると後遺症が残ったり障害が出たりしてしまう。だから時間を掛けて少しずつ少しずつ、僕に関する記憶を消去していかなければならなかった。今では君の症状はかなり良くなって来ている。最初の頃はこっちの世界でも君は僕を求めてきたんだよ」
彼女は訝し気に眉をひそめる。
「あの……、先輩、さっきから何言っているのですか? これは先輩の妄想の話であって……、でも、まるで先輩の話ぶりは現実のことを話しているような……」
彼女の問いに一呼吸置いてから僕は答えた。
「胡蝶の夢って知っている?」
「え……ええ、まさか先輩はここが夢の世界で、先輩の話していた妄想が現実だとでも言うのですか?」
僕は首を縦に振る。
「もちろん夢の世界にいる君は現実世界のことを覚えていないし、現実世界の君は夢の世界のことを覚えてはいない」
彼女の表情には呆れと苛立ち、そして僅かな動揺が入り混じっていた。だけど、僕は臆することなく続ける。
「三か月だよ」
「?」
「僕は三か月間、君と一緒に暮らしている」
数秒間だけ茫然と僕の顔を見つめていた彼女は乾いた笑いを漏らしていた。
「アハハ……、それが事実なら世間は行方不明事件で大騒ぎでしょうね。それによく私も逃げ出さないものです」
「現実世界の君は僕に従順だから絶対逆らったりしないよ」
「それはきっと異能のせいですね」
きっぱりと彼女は言った。
「そうだね、僕に従うのは僕に異能があるからだ」
「まったく……、いい加減にしないと私も怒りますよ。いま観ているのが夢なら現実世界では先輩と私が裸で抱き合いながら寝ているとでも言うんですか?」
「お、良く分かったね」
虚を付かれた返事に彼女の顔が瞬時に沸騰する。
「だんだん現実と夢がリンクし始めているのかもしれない。ああ、それと心配しなくても大丈夫だよ。裸で抱き合って寝ているだけで手は出したりしてないから、誓ってもいい。君は処女のままだ。ただ、さっきも言ったけど記憶の操作や消去は繊細な作業でね。正確精密にやるには互いの距離が近く障害物がない方がいいんだ。虫歯の治療をするように少しずつ削っていくんだよ。でも、もう異能の影響は心配ないだろう。君が不自然に快楽を求めることもないはず。あとは君の中にある僕への想いを消すだけだ」
「……私が先輩のことを好きだとでも言うんですか?」
「好きは好きでも意味が違う。それは植え付けられたモノなんだ。本物じゃない。本当の君は僕に対してなんの感情も持っていない。他人以上でも以下でもない存在なんだ。今の君は性的な刺激による欲求を恋心に転換しているんだよ。言わば勘違いだ」
「……勝手なこと言わないでください」
彼女は少し俯いた。
ここが僕らの〝想い〟を断ち切るには良い機会だろう。
だから嘘偽りのない真実を口にする。
「僕は君の名前すら知らないんだよ」
彼女はハッと顔を上げて僕を見つめた。息を詰まらせる彼女はとても悲しそうな顔をしていた。溢れる〝何か〟を必死に堪えている様にも思えた。そして彼女の表情は怒りに変わっていった。
「もう結構です! 私のことが嫌いなら嫌いだってそう言えばいいじゃないですか! なんでそんな遠回しに……、私だって傷付きます……」
彼女は拳を握り締めて俯く。
僕は彼女を傷付けている。それでも僕は進まなくてはならない。
「……君のことは嫌いじゃないよ。たぶん、好きなんだと思う」
彼女に反応はない。ずっと俯いたままだ。
「僕は今まで誰かを好きになったことがないから分からないけど、これがきっと好きだっていう気持ちなんだと思う。だから僕は自分の異能に負けたくないんだ。もう一度やり直して、君に僕を好きになってもらいたい……」
「虫の良い話ですね」
切り捨てるように彼女は言った。まったくその通りだ。僕はただ彼女の罵りを受け入れるしかない。
それからしばらく二人の間に沈黙が続いた。
「なーんて冗談だよ。全部冗談さ、あれ? ひょっとしたら信じちゃった? そんな訳ないじゃないか、SFじゃないんだからさぁ、あはははっ……はは……」
僕を睨んだ彼女は何も言わずに踵を返して歩き始め、数歩進んだところで立ち止った。だけど振り返らなかった。
そして前を向いたまま、
「先ほどから私が先輩のことを好きだという前提で話していますけど、先輩なんか……、大嫌いですから」
「あ、あはは……、ごめんよ、ちょっとイタズラしたくなっちゃったんだ」
「さようなら。……それから……また、明日……」
彼女は再び歩き始める。
夕日を背中に浴びるその姿が小さくなって見えなくなるまで僕は彼女を見送っていた。
「また、明日……」
それから、さようなら―――……。
朱い夕日が水面に反射してキラキラとガラス細工を散りばめたように光り輝く。
心地よい風と岩間を流れる水の音と匂い。誰もいない静かな河川敷のいつもの帰宅路を彼女は同じ歩調で歩いていく。
僕は彼女の華奢な背中と揺れる金色の髪を眺めながら、彼女の数歩後ろを騎士のように付いて歩く。いつも通り僕らの間に会話は特にない。
いつもの普遍的な光景、いつもの彼女のお気に入りの帰宅コース。
僕は彼女の家がどこにあるかは知らない。でも彼女が歩いているこの道の先にきっとあるのだろう。
今日も彼女は橋のたもとで立ち止まった。
僕らは両岸を渡す橋のたもとで立ち止まり、少しの時間だけ他愛もない会話をしてから別れる。
彼女との距離を数歩残して立ち止ると彼女は振り返った。
西日が彼女の瞳を細めて側めさせた。儚い夕日の茜色が幻想的な彼女の美しさをより際立たせる。
「その後はどうなったんですか?」
穏やかに流れる川を眺めながら彼女は、そう呟いた。
聴こえていたけど僕は聞こえなかったフリをして聴き返す。
「ん?」
「さっきのエロゲの話です……、その先輩の異能に堕ちた私は、先輩と……、せ……、せ、せ、性交……したのですか?」
「気になる?」
「あくまで先輩の妄想上の話ですが、自分が登場人物となれば気になってしまいます。一切の他意はありません」
強がる彼女の頬は燃えるように紅くなっていた。
これでも心の内を上手く隠しているつもりなのだろう。解りやすい子だなと僕は思う。
「……してないよ。あの後、僕は君を眠らせて夢を見せたんだ」
その答えに彼女は不思議そうに僕を見つめた。
「なんでそんなことをするのですか? 展開からすれば行為に及ぶのが当然かと思いますが……」
「不思議なことに僕はある種の罪悪感に駆られたんだよ。正直、やり過ぎたとも思った。今まで一度足りともそんなことを思ったり感じたりしたことはなかったけど、君に対してはそういう気持ちを抱いたんだ。それは僕にとってすごく衝撃的な出来事だったんだ。だから僕は困惑して、どうしていいか分からず君を眠らせた」
「眠らせてどうしたのですか?」
「家に連れて帰った」
「結局犯すルートじゃないですか……」
「いやいや、違うよ。僕は君を助けるために家に連れて帰ったんだ。自分でやっておいて助けるってのも変なんだけど、君は既に重度の麻薬中毒患者と同じくらい僕の異能に浸かってしまっていた。正常に戻すにはそれを取り除かなければいけなかった」
「……取り除くってどうやるんですか?」
「簡単に言えば記憶を消去するんだ。君の潜在意識と同期して、徐々に僕から受けた異能に関する体験を削除していく。でもこれはすごく繊細な作業が必要でね、ファストフードみたいにパッとすぐにできるモノじゃないんだよ。大雑把にやると後遺症が残ったり障害が出たりしてしまう。だから時間を掛けて少しずつ少しずつ、僕に関する記憶を消去していかなければならなかった。今では君の症状はかなり良くなって来ている。最初の頃はこっちの世界でも君は僕を求めてきたんだよ」
彼女は訝し気に眉をひそめる。
「あの……、先輩、さっきから何言っているのですか? これは先輩の妄想の話であって……、でも、まるで先輩の話ぶりは現実のことを話しているような……」
彼女の問いに一呼吸置いてから僕は答えた。
「胡蝶の夢って知っている?」
「え……ええ、まさか先輩はここが夢の世界で、先輩の話していた妄想が現実だとでも言うのですか?」
僕は首を縦に振る。
「もちろん夢の世界にいる君は現実世界のことを覚えていないし、現実世界の君は夢の世界のことを覚えてはいない」
彼女の表情には呆れと苛立ち、そして僅かな動揺が入り混じっていた。だけど、僕は臆することなく続ける。
「三か月だよ」
「?」
「僕は三か月間、君と一緒に暮らしている」
数秒間だけ茫然と僕の顔を見つめていた彼女は乾いた笑いを漏らしていた。
「アハハ……、それが事実なら世間は行方不明事件で大騒ぎでしょうね。それによく私も逃げ出さないものです」
「現実世界の君は僕に従順だから絶対逆らったりしないよ」
「それはきっと異能のせいですね」
きっぱりと彼女は言った。
「そうだね、僕に従うのは僕に異能があるからだ」
「まったく……、いい加減にしないと私も怒りますよ。いま観ているのが夢なら現実世界では先輩と私が裸で抱き合いながら寝ているとでも言うんですか?」
「お、良く分かったね」
虚を付かれた返事に彼女の顔が瞬時に沸騰する。
「だんだん現実と夢がリンクし始めているのかもしれない。ああ、それと心配しなくても大丈夫だよ。裸で抱き合って寝ているだけで手は出したりしてないから、誓ってもいい。君は処女のままだ。ただ、さっきも言ったけど記憶の操作や消去は繊細な作業でね。正確精密にやるには互いの距離が近く障害物がない方がいいんだ。虫歯の治療をするように少しずつ削っていくんだよ。でも、もう異能の影響は心配ないだろう。君が不自然に快楽を求めることもないはず。あとは君の中にある僕への想いを消すだけだ」
「……私が先輩のことを好きだとでも言うんですか?」
「好きは好きでも意味が違う。それは植え付けられたモノなんだ。本物じゃない。本当の君は僕に対してなんの感情も持っていない。他人以上でも以下でもない存在なんだ。今の君は性的な刺激による欲求を恋心に転換しているんだよ。言わば勘違いだ」
「……勝手なこと言わないでください」
彼女は少し俯いた。
ここが僕らの〝想い〟を断ち切るには良い機会だろう。
だから嘘偽りのない真実を口にする。
「僕は君の名前すら知らないんだよ」
彼女はハッと顔を上げて僕を見つめた。息を詰まらせる彼女はとても悲しそうな顔をしていた。溢れる〝何か〟を必死に堪えている様にも思えた。そして彼女の表情は怒りに変わっていった。
「もう結構です! 私のことが嫌いなら嫌いだってそう言えばいいじゃないですか! なんでそんな遠回しに……、私だって傷付きます……」
彼女は拳を握り締めて俯く。
僕は彼女を傷付けている。それでも僕は進まなくてはならない。
「……君のことは嫌いじゃないよ。たぶん、好きなんだと思う」
彼女に反応はない。ずっと俯いたままだ。
「僕は今まで誰かを好きになったことがないから分からないけど、これがきっと好きだっていう気持ちなんだと思う。だから僕は自分の異能に負けたくないんだ。もう一度やり直して、君に僕を好きになってもらいたい……」
「虫の良い話ですね」
切り捨てるように彼女は言った。まったくその通りだ。僕はただ彼女の罵りを受け入れるしかない。
それからしばらく二人の間に沈黙が続いた。
「なーんて冗談だよ。全部冗談さ、あれ? ひょっとしたら信じちゃった? そんな訳ないじゃないか、SFじゃないんだからさぁ、あはははっ……はは……」
僕を睨んだ彼女は何も言わずに踵を返して歩き始め、数歩進んだところで立ち止った。だけど振り返らなかった。
そして前を向いたまま、
「先ほどから私が先輩のことを好きだという前提で話していますけど、先輩なんか……、大嫌いですから」
「あ、あはは……、ごめんよ、ちょっとイタズラしたくなっちゃったんだ」
「さようなら。……それから……また、明日……」
彼女は再び歩き始める。
夕日を背中に浴びるその姿が小さくなって見えなくなるまで僕は彼女を見送っていた。
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