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第68話 犬型ケッツァー
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「ケッツァーは人並みの知能を持っているから、今みたいに先に気づかれて裏を取られることもあるかもね。気を付けて進もう。」
Jとロージナは戦闘の行われた事務室のような部屋を右手の扉から出る。すると、上の階と同じような崩れ方をしている吹き抜けの大部屋に出る。もともとの小部屋が繋がっている名残で一部のかべが残っている。そのもともと個室であろう場所に1体ずつ人型ケッツァーがある。が、一部ケッツァーはコアがなくなり壁にもたれかかったり床に突っ伏して倒れている。この階のコアを持ったケッツァーは全部で4体のようだった。
「このケッツァー達はここに入院していた人のお世話をしていたんだろうね。」
Jはまず一番手前にいるケッツァーを散乱したベッドの影に引きずり込み、コアを引き抜く。上階で行ったのと同じように、物陰に隠れながら1体ずつケッツァーのコアを奪いっとっていき、物の十数秒で大部屋となった部屋の端から端まで移動し、4体の人型ケッツァーを行動不能にしていった。
――お見事。
――それほどでも。
Jはコアをバックパックに入れ、来た道を引き返す。そしてラミア型との戦闘があった部屋までもどり、ラミア型の残骸をわき目に部屋を出て、さらに下の階へ進む階段を下りていく。階段を下りて進んだ先はシャッターが下りて通行不可となっていた。
「ありゃ、ここまできて通行止め?なんとかして通れないかな……?あ、J君あれ見て。」
そのシャッターの横には8つ球体を嵌める窪みがあり、そのうち1つにはヒビの入った。ケッツァーのコアがはめ込まれている。
「多分このシャッターを動かすための魔力が足りてないんだ。さっき手に入れたケッツァーのコアを嵌めてみようよ。」
Jはバックパックからコアを7つ全て取り出し、窪みに球体を嵌めていく。全部の球体を嵌めたが、シャッターは動く様子はない。
「もしかして……ちょっと待って。」
ロージナはヒビの入ったコアに右手をかざし。
「んっ……」
と魔力を込めてみた。
するとガシャンとシャッターが勢いよく開く。
「やったね!」
ロージナは右手を胸の前でぐっと握りガッツポーズを行う。と、ガシャンと勢いよくシャッターが閉じてしまった。
「ありゃ。私がここにいないとダメかー。J君。この先で魔力源になりそうなケッツァーのコアを探してきてくれない?」
『ああ、待っていてくれ』
Jは空いたシャッターの先に向かう。
Jはシャッターの先の扉を開くと、犬型のケッツァーが徘徊している。コアは心臓部分にあるようだ。そのケッツァーはこちらに向くと、ビクッと足をピンと伸ばし一目散に逃げだした。Jは逃がすまいと走り出し、犬型ケッツァーとの追いかけっこが始まる。
犬型ケッツァーは机の下に滑り込みJからどんどん離れようと瓦礫の下を走って逃げる。Jは犬型ケッツァーにターゲットを合わせ、反時計回りに回り込むように瓦礫の上を走る。
Jは犬型ケッツァーを追いかけながら、棚を動かし壁を塞ぎながらつかず離れずの距離を保って近づいていく。吹き抜けとなった小部屋を反時計回りに回りながら、犬型ケッツァーはJから15メートルほど離れるとJをおちょくるようにしっぽを振り挑発する。Jはその挑発には乗らずに、棚を動かし机を傾け、犬型ケッツァーの逃げるルートを限定的にしていく。そして走って近づき、J自ら作った袋小路に犬を走って追いやり、逃げ場の失った犬型ケッツァーにタックルをかまして捕まえた。犬型ケッツァーの胸部に腕を突っ込み、コアを掴んで引きずり出す。Jはコアをバックパックに入れると、すぐにロージナの下へ向かう。Jが作った袋小路は、シャッターに隣接する扉の前で、すぐにロージナのもとへ行けるように作ってあった。
Jはロージナにどいてもらうとシャッターがガシャンと閉まった。そしてひびの入ったコアをはずし、犬型ケッツァーからはぎ取ったコアをはめ込む。するとシャッターが開いたままになり、先に進めるようになる。
Jとロージナはシャッターを潜り抜け、Jと犬が追いかけっこをしていた通路を進む。その先には上下に進む階段があるが、上の階へ行く階段は瓦礫の山が邪魔をしており、下にしか進めない状態となっている。
Jとロージナは下へ進むと、左右にガラスのような透明な壁が一面に張られており、正面はシャッターが幾層にも重なりゆく手を塞いでいる。そのガラスのような壁は床から1メートルほどは通常の壁になっていて、右側には人型ケッツァーが4体ほど徘徊していて、左側はベルトコンベアーのような機械が動きを止めている。そのコンベアーの上には試験官や何かの薬品の瓶などが詰まった箱があり、作った薬を配送するための施設のようだった。
Jはまず右側に行き、人型ケッツァーからコアを回収しようと物陰に潜伏する。既に何度も同じ工程をくりかえしてきたJ。もはや呼吸をするのと同じように、物陰からの強襲で手早く人型ケッツァー4体からコアを回収すると、部屋を後にした。
Jは続いて左側のベルトコンベアーがある部屋へ移動する。そこはベルトコンベアーのオペレーションルームのような部屋になっており、配送ルートが壁に表示されている。その手前にはコントロールパネルになっておりコンベアーの配送ルートの変更が出来るようだ。
Jとロージナは戦闘の行われた事務室のような部屋を右手の扉から出る。すると、上の階と同じような崩れ方をしている吹き抜けの大部屋に出る。もともとの小部屋が繋がっている名残で一部のかべが残っている。そのもともと個室であろう場所に1体ずつ人型ケッツァーがある。が、一部ケッツァーはコアがなくなり壁にもたれかかったり床に突っ伏して倒れている。この階のコアを持ったケッツァーは全部で4体のようだった。
「このケッツァー達はここに入院していた人のお世話をしていたんだろうね。」
Jはまず一番手前にいるケッツァーを散乱したベッドの影に引きずり込み、コアを引き抜く。上階で行ったのと同じように、物陰に隠れながら1体ずつケッツァーのコアを奪いっとっていき、物の十数秒で大部屋となった部屋の端から端まで移動し、4体の人型ケッツァーを行動不能にしていった。
――お見事。
――それほどでも。
Jはコアをバックパックに入れ、来た道を引き返す。そしてラミア型との戦闘があった部屋までもどり、ラミア型の残骸をわき目に部屋を出て、さらに下の階へ進む階段を下りていく。階段を下りて進んだ先はシャッターが下りて通行不可となっていた。
「ありゃ、ここまできて通行止め?なんとかして通れないかな……?あ、J君あれ見て。」
そのシャッターの横には8つ球体を嵌める窪みがあり、そのうち1つにはヒビの入った。ケッツァーのコアがはめ込まれている。
「多分このシャッターを動かすための魔力が足りてないんだ。さっき手に入れたケッツァーのコアを嵌めてみようよ。」
Jはバックパックからコアを7つ全て取り出し、窪みに球体を嵌めていく。全部の球体を嵌めたが、シャッターは動く様子はない。
「もしかして……ちょっと待って。」
ロージナはヒビの入ったコアに右手をかざし。
「んっ……」
と魔力を込めてみた。
するとガシャンとシャッターが勢いよく開く。
「やったね!」
ロージナは右手を胸の前でぐっと握りガッツポーズを行う。と、ガシャンと勢いよくシャッターが閉じてしまった。
「ありゃ。私がここにいないとダメかー。J君。この先で魔力源になりそうなケッツァーのコアを探してきてくれない?」
『ああ、待っていてくれ』
Jは空いたシャッターの先に向かう。
Jはシャッターの先の扉を開くと、犬型のケッツァーが徘徊している。コアは心臓部分にあるようだ。そのケッツァーはこちらに向くと、ビクッと足をピンと伸ばし一目散に逃げだした。Jは逃がすまいと走り出し、犬型ケッツァーとの追いかけっこが始まる。
犬型ケッツァーは机の下に滑り込みJからどんどん離れようと瓦礫の下を走って逃げる。Jは犬型ケッツァーにターゲットを合わせ、反時計回りに回り込むように瓦礫の上を走る。
Jは犬型ケッツァーを追いかけながら、棚を動かし壁を塞ぎながらつかず離れずの距離を保って近づいていく。吹き抜けとなった小部屋を反時計回りに回りながら、犬型ケッツァーはJから15メートルほど離れるとJをおちょくるようにしっぽを振り挑発する。Jはその挑発には乗らずに、棚を動かし机を傾け、犬型ケッツァーの逃げるルートを限定的にしていく。そして走って近づき、J自ら作った袋小路に犬を走って追いやり、逃げ場の失った犬型ケッツァーにタックルをかまして捕まえた。犬型ケッツァーの胸部に腕を突っ込み、コアを掴んで引きずり出す。Jはコアをバックパックに入れると、すぐにロージナの下へ向かう。Jが作った袋小路は、シャッターに隣接する扉の前で、すぐにロージナのもとへ行けるように作ってあった。
Jはロージナにどいてもらうとシャッターがガシャンと閉まった。そしてひびの入ったコアをはずし、犬型ケッツァーからはぎ取ったコアをはめ込む。するとシャッターが開いたままになり、先に進めるようになる。
Jとロージナはシャッターを潜り抜け、Jと犬が追いかけっこをしていた通路を進む。その先には上下に進む階段があるが、上の階へ行く階段は瓦礫の山が邪魔をしており、下にしか進めない状態となっている。
Jとロージナは下へ進むと、左右にガラスのような透明な壁が一面に張られており、正面はシャッターが幾層にも重なりゆく手を塞いでいる。そのガラスのような壁は床から1メートルほどは通常の壁になっていて、右側には人型ケッツァーが4体ほど徘徊していて、左側はベルトコンベアーのような機械が動きを止めている。そのコンベアーの上には試験官や何かの薬品の瓶などが詰まった箱があり、作った薬を配送するための施設のようだった。
Jはまず右側に行き、人型ケッツァーからコアを回収しようと物陰に潜伏する。既に何度も同じ工程をくりかえしてきたJ。もはや呼吸をするのと同じように、物陰からの強襲で手早く人型ケッツァー4体からコアを回収すると、部屋を後にした。
Jは続いて左側のベルトコンベアーがある部屋へ移動する。そこはベルトコンベアーのオペレーションルームのような部屋になっており、配送ルートが壁に表示されている。その手前にはコントロールパネルになっておりコンベアーの配送ルートの変更が出来るようだ。
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