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第65話 樹上世界
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Jはウィレナ、タラサ、マウガンをドールハウスに入れ、先に進み青いワープホールに入る。
ワープホールを進んだ先の洞は世界樹の外に繋がっており、Jはそのまま世界樹の外へ出る。
世界樹の外は、大量の蔦に落果遺物が絡んでおり、Jはそれを足場にして上方へ登っていく。そうしてしばらく落果遺物と蔦の道をよじ登っていくと、天井が近づいてきて、土のにおいを感じ始める。世界樹への横穴が現れ、Jは中に入る。そこはドーム状に広がっていた。中央手前には石碑が鎮座されており、そこの石碑には『世界樹最高高度』と書かれている。石碑の後ろ側、ドームの中心には円盤状の者がピラミッド状に5段で3メートルほどの高さに積み重なっているオブジェクトがある。また、他には落果遺物が壁の壁面に埋め込まれており、一部の落果遺物は表面に青い光の線を走らせまだ動きそうだ。ウィレナ、タラサ、マウガン、シェロ、ロージナがドールハウスから出てくる。
ウィレナがあたりを調べて口を開く。
「王家に伝わる伝承では、世界樹の最も高いところに樹上人がたどり着くと、天上世界への道が開く……とあるけど、どう?J。何か感じない?」
『いや、何も違和感はないな。』
シェロは外を調べてみたいと外に出てていく。そしてしばらく皆でドーム状の内部を調べることになった。タラサは周囲の落果遺物を弄り、ウィレナは石板に何か秘密があるのではと石板を調べる。マウガンはタラサに指示され、埋め込まれた落果遺物を取り出そうとしていた。ロージナはどこからともなく手帳を取り出し、何かをメモしている。しばらくしてシェロが外から帰ってくる。
「外の天井を少し掘ってみようとしたけどダメだね。」
「こっちも特に壁にめり込んでる落果遺物に何か特別なものがあるわけじゃないみたい。ね。マウガン。」タラサはマウガンに同意を求める。
「ええ、タラサと一緒に調べましたがティーアの城下町の落果遺物屋にあるようなものと大差ないようです。」
「石碑事態に魔力を注いでみたけど特に何もないみたい。J、あなたも調べてくれる?」
Jは操作が再開されると、真っ先にピラミッドを登り始める。そしてピラミッドの頂点に達した時に、それは起こった。
ピラミッドの頂点から麓にかけて青い光の線が走っていき、その青い線はピラミッドだけにとどまらず世界樹のドーム内を駆け巡る。唯一の入り口はまるでシャッターのような落果遺物によって閉じられ、ゴゴゴゴという轟音とともにドーム全体が揺れ下に体全体が下に押し付けられるような力を感じる。
「アタシ、この感覚知ってる!昇降機で上に昇るときのやつだ!」
「と言うことは今私たちは上に昇っているの!?」
「ウィレナ様!石板におつかまり下さい!危のうございます!」
しばらくの間揺れを感じながら転ばないように体勢を屈める。ウィレナは石板に、シェロは中腰に、マウガンは両手を膝に乗せ中腰に、タラサはマウガンに抱き着くように、ロージナは片膝を床についてそれぞれ揺れに耐えていた。
そして揺れがだんだんおさまっていき、やがてピタリと止まる。
「どうやら上昇が止まったようだね。」
「J!あれ見て!」
タラサが入って来た入り口を指さす。シャッター上の落果遺物が開き外の景色から光が入ってくる。
『外に出てみよう。』
Jたちはドーム状の世界樹の部屋から外に出る。
外を見回すと、そこは一面雪景色のような雲の上で、雲の隙間からところどころ巨大な葉っぱが顔をのぞかせている。雪雲の層が薄い部分の下には土の大地があるようだ。雲は期待でなく粉雪のようにふわふわとした弾力だが、突き抜けることはない。Jはいつか行った雪国の景色を思い出す。雪雲からは虹色の反射光をプリズムのようにまき散らす巨大な魔力水晶があたりに突き出している。高所な場所にあるだけあって気温は低く、口から吐く息は白い霧となって霧散する。
「ぐっ……むぅ……!」
Jの横でマウガンが膝をつく。続けてタラサはぺたんと座り込み、シェロはバタンと倒れた。
「どうしたの!?」
「タラサ!?大丈夫かメェ!?」
と、ウィレナは3人に向かって心配そうに声をかけ、倒れたシェロに肩を貸すように担ぎ上げる。シェロは息も絶え絶えな様子でJに向かって報告する。
「J……すまない。いように気分が悪いんだ。頭痛と吐き気が酷くて平衡感覚も狂ってしまっている……君とウィレナとロージナは平気なのかい……?」
ロージナは3人を一目見た後、周囲を見回す。そして口を開いた。
「きっと魔力が濃すぎてそれに当てられてるっぽいね。そこに小屋があるみたい。」
「ロージナ?分かるの?」
「詳しい話はあと、ひとまずあの小屋まで行って休ませましょう。世界樹の教会の兵士の屯所になってるはずだわ。」
『ひとまずあそこまで行こう。』
Jはマウガンを、ウィレナはシェロを、ロージナはタラサに肩を貸しながら指定された小屋まで赴く。小屋はコンクリートのような溶けた土を固めた壁で出来ており、下の世界のバルバロ共和国で見た土づくりの家に似ているが、それよりも頑強そうな佇まいだ。
ワープホールを進んだ先の洞は世界樹の外に繋がっており、Jはそのまま世界樹の外へ出る。
世界樹の外は、大量の蔦に落果遺物が絡んでおり、Jはそれを足場にして上方へ登っていく。そうしてしばらく落果遺物と蔦の道をよじ登っていくと、天井が近づいてきて、土のにおいを感じ始める。世界樹への横穴が現れ、Jは中に入る。そこはドーム状に広がっていた。中央手前には石碑が鎮座されており、そこの石碑には『世界樹最高高度』と書かれている。石碑の後ろ側、ドームの中心には円盤状の者がピラミッド状に5段で3メートルほどの高さに積み重なっているオブジェクトがある。また、他には落果遺物が壁の壁面に埋め込まれており、一部の落果遺物は表面に青い光の線を走らせまだ動きそうだ。ウィレナ、タラサ、マウガン、シェロ、ロージナがドールハウスから出てくる。
ウィレナがあたりを調べて口を開く。
「王家に伝わる伝承では、世界樹の最も高いところに樹上人がたどり着くと、天上世界への道が開く……とあるけど、どう?J。何か感じない?」
『いや、何も違和感はないな。』
シェロは外を調べてみたいと外に出てていく。そしてしばらく皆でドーム状の内部を調べることになった。タラサは周囲の落果遺物を弄り、ウィレナは石板に何か秘密があるのではと石板を調べる。マウガンはタラサに指示され、埋め込まれた落果遺物を取り出そうとしていた。ロージナはどこからともなく手帳を取り出し、何かをメモしている。しばらくしてシェロが外から帰ってくる。
「外の天井を少し掘ってみようとしたけどダメだね。」
「こっちも特に壁にめり込んでる落果遺物に何か特別なものがあるわけじゃないみたい。ね。マウガン。」タラサはマウガンに同意を求める。
「ええ、タラサと一緒に調べましたがティーアの城下町の落果遺物屋にあるようなものと大差ないようです。」
「石碑事態に魔力を注いでみたけど特に何もないみたい。J、あなたも調べてくれる?」
Jは操作が再開されると、真っ先にピラミッドを登り始める。そしてピラミッドの頂点に達した時に、それは起こった。
ピラミッドの頂点から麓にかけて青い光の線が走っていき、その青い線はピラミッドだけにとどまらず世界樹のドーム内を駆け巡る。唯一の入り口はまるでシャッターのような落果遺物によって閉じられ、ゴゴゴゴという轟音とともにドーム全体が揺れ下に体全体が下に押し付けられるような力を感じる。
「アタシ、この感覚知ってる!昇降機で上に昇るときのやつだ!」
「と言うことは今私たちは上に昇っているの!?」
「ウィレナ様!石板におつかまり下さい!危のうございます!」
しばらくの間揺れを感じながら転ばないように体勢を屈める。ウィレナは石板に、シェロは中腰に、マウガンは両手を膝に乗せ中腰に、タラサはマウガンに抱き着くように、ロージナは片膝を床についてそれぞれ揺れに耐えていた。
そして揺れがだんだんおさまっていき、やがてピタリと止まる。
「どうやら上昇が止まったようだね。」
「J!あれ見て!」
タラサが入って来た入り口を指さす。シャッター上の落果遺物が開き外の景色から光が入ってくる。
『外に出てみよう。』
Jたちはドーム状の世界樹の部屋から外に出る。
外を見回すと、そこは一面雪景色のような雲の上で、雲の隙間からところどころ巨大な葉っぱが顔をのぞかせている。雪雲の層が薄い部分の下には土の大地があるようだ。雲は期待でなく粉雪のようにふわふわとした弾力だが、突き抜けることはない。Jはいつか行った雪国の景色を思い出す。雪雲からは虹色の反射光をプリズムのようにまき散らす巨大な魔力水晶があたりに突き出している。高所な場所にあるだけあって気温は低く、口から吐く息は白い霧となって霧散する。
「ぐっ……むぅ……!」
Jの横でマウガンが膝をつく。続けてタラサはぺたんと座り込み、シェロはバタンと倒れた。
「どうしたの!?」
「タラサ!?大丈夫かメェ!?」
と、ウィレナは3人に向かって心配そうに声をかけ、倒れたシェロに肩を貸すように担ぎ上げる。シェロは息も絶え絶えな様子でJに向かって報告する。
「J……すまない。いように気分が悪いんだ。頭痛と吐き気が酷くて平衡感覚も狂ってしまっている……君とウィレナとロージナは平気なのかい……?」
ロージナは3人を一目見た後、周囲を見回す。そして口を開いた。
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「ロージナ?分かるの?」
「詳しい話はあと、ひとまずあの小屋まで行って休ませましょう。世界樹の教会の兵士の屯所になってるはずだわ。」
『ひとまずあそこまで行こう。』
Jはマウガンを、ウィレナはシェロを、ロージナはタラサに肩を貸しながら指定された小屋まで赴く。小屋はコンクリートのような溶けた土を固めた壁で出来ており、下の世界のバルバロ共和国で見た土づくりの家に似ているが、それよりも頑強そうな佇まいだ。
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