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第63話 6つ目のフラグメント
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――チュートリアルはカットで。
Jたちは小屋の外に出ると、Jは再びロージナに憑依し、残りのメンバーをドールハウスに入れる。
――ロージナは空中での体の制御がしやすく、ジャンプ距離がパーティ高く飛べる。世界樹を踏破するためにはロージナに頼ったほうが早い。
Jは外を飛んでいるドレイクや鷲型の大型モンスター『アリョール』にターゲットを合わせ、自分の足元に飛んできたアリョールに向かってダイブした。Jはアリョールと重なった瞬間、アリョールの右足首に向けてフックを投げる。足首に命中したフックはガチャリとアリョールの足首に固定され、アリョールは悲鳴を上げる。Jを振り払おうと暴れるが、Jはロージナの体を利用して魔力をフックに込める。するとアリョールはおとなしくなり、Jの念じた方向に進むようになった。
――ちなみにロージナがモンスターを少し操れるっていうのは伏線になってる。
Jはロージナの体を経由してアリョールを操り上昇していく。上昇途中、フックが赤く点滅し始める。
――チュートリアルで説明を受けるはずだけど、フックが赤く光ると拘束限界に達する前触れだから、他のモンスターに乗り移ってくれっていうサインだ。
Jは点滅しているフックを外し、落下を始める。そして近くにいたドレイクに向かってフックを投げ再び魔力を注入、洗脳、上昇を始めた。
Jは前方真上に上昇するのではなく、世界樹の幹に沿って前方へ進みながら上昇していく。すると、上昇していく進行方向から、樹皮が 崩れて落下してくる。Jはそれをドレイクを操作して躱していく。そして拘束限界まで達したら再び他の飛翔モンスターに向かってフックをかける。世界樹を上昇していくにつれ、だんだんと飛翔モンスターの数が少なく、上方から落下してくる樹皮の塊が増えてくる。Jは途中で上昇をやめ、近くにもう1匹のドレイクがいるのを確認してからドールハウスからタラサを呼び出す。タラサはドールハウスから出てくるとすぐにフックを隣のドレイクにかけJと同じ位置に滞空する。
――横にドレイクがいないとどうなるの?
――2人までなら操作キャラの足にしがみつく。それ以降は、ドールハウスから出るのを拒否される。
Jはすぐ横にある今にも崩れそうな樹皮に向かってターゲットを取り、タラサに爆砕玉を発射させる。爆砕玉が着弾した樹皮が爆発し崩れ落ちる。その向こう側は空洞になっており、その中心に水晶の結晶のようなフラグメントが床から離れて浮遊している。
Jはタラサをドールハウスに戻し、ドレイクをその空洞に向かって移動させ空洞内に飛び移った。そしてフラグメントに触れると、目の前が暗転し、目の前に映像記録が映し出される。
「亀井ディレクターちょっといいかしら」
目の前には以前「沖兎月音」と呼ばれた、眼鏡をかけ魔法陣のような首飾りに、黒のタートルネックの縦セーターに白衣を来た黒髪のロングヘア―の地味子が後ろに向かって話しかける。場面は以前男性職員とウィルス対決をしようとしていたどこかの会社のオフィスのようだ。月音の後ろには以前の男性職員ではなく、以前「亀井日葉」と呼ばれた金髪で日に焼けた褐色の肌が白衣と白いライダースーツとのコントラストを際立たせる。ギャル子が月音の横に膝立ちで座りこちらをのぞかせている。月音はこちらの左側を指さしながら日葉に話しかける。
「メインキャラクターは一通りこんな感じになったわ。」
「おおー!いいじゃんいいじゃん!アタシ的にはこの〇〇〇〇、」
――聞こえない
「もっと筋肉質でシルエット的に歴戦の古強者って感じが出るとなお良しだけど……うん、これでプロデューサーチェックも通りそう。というか通さないとスケジュールマジやばいし!」
「私的にはこの○○○○がお気に入り。」
「おぉーさすがはショタ好きの月音じゃん。性癖全開だねー!」
「ち……違う!そういうのじゃない!」
「あははっごめんごめん。起こらせるつもりはなかったよ。」
「日葉もディレクターの仕事が板についてきたんじゃない?」
「そうだね。まさかアンチウィルスソフトを作ってた私たちがゲームを作ることになるなんてね。夢にも思わなかったよ。」
「でもこれで私たちの夢が叶う。」
「そうだね。ねぇ、ゲーム内にこの子を隠しキャラとして出しちゃわない?」
「だめ、この子は私たちのオリジナルだから、私達だけで作ったやつに入れるべき。」
「うん、月音ならそういうと思った。じゃあメインキャラのデータ私のPCに送っておいて。」
「了解。じゃあ私は現時点でのバグチェックと修正しているから。」
月音はそのままこちらを見てキーボードのタイピングし始める。日葉は机の上にあるファイルを持って席を立つ。日葉はこちらを見ながら手を振り、笑顔を見せる。
「じゃあね。ヘルツ、月音、行ってくるね。」
「いい会議報告期待してる。」
そして日葉は左手奥に見える扉から外に出る。
「ヘルツ、あなたもゲームに出たい?でももうちょっとで待っててね。私と日葉の子だものね。このゲームに組み込むわけにはいかない……」
映像記録はここで途切れ、Jの視界は再び暗転し、世界樹の洞に視界が明転する。
――どうやらこのゲームの開発者だったみたいだな。確かにディレクターは『亀井日葉』で『沖兎月音』はメインプログラマー兼メインデザイナーだったはずだ。
――謎が解き明かされてきたわね。
――ああ、仕事中の録画が何らかの理由でこのゲームにはいってしまったと考えるのが自然だな。他のフラグメントも道中にあるものは取っておこう。
Jたちは小屋の外に出ると、Jは再びロージナに憑依し、残りのメンバーをドールハウスに入れる。
――ロージナは空中での体の制御がしやすく、ジャンプ距離がパーティ高く飛べる。世界樹を踏破するためにはロージナに頼ったほうが早い。
Jは外を飛んでいるドレイクや鷲型の大型モンスター『アリョール』にターゲットを合わせ、自分の足元に飛んできたアリョールに向かってダイブした。Jはアリョールと重なった瞬間、アリョールの右足首に向けてフックを投げる。足首に命中したフックはガチャリとアリョールの足首に固定され、アリョールは悲鳴を上げる。Jを振り払おうと暴れるが、Jはロージナの体を利用して魔力をフックに込める。するとアリョールはおとなしくなり、Jの念じた方向に進むようになった。
――ちなみにロージナがモンスターを少し操れるっていうのは伏線になってる。
Jはロージナの体を経由してアリョールを操り上昇していく。上昇途中、フックが赤く点滅し始める。
――チュートリアルで説明を受けるはずだけど、フックが赤く光ると拘束限界に達する前触れだから、他のモンスターに乗り移ってくれっていうサインだ。
Jは点滅しているフックを外し、落下を始める。そして近くにいたドレイクに向かってフックを投げ再び魔力を注入、洗脳、上昇を始めた。
Jは前方真上に上昇するのではなく、世界樹の幹に沿って前方へ進みながら上昇していく。すると、上昇していく進行方向から、樹皮が 崩れて落下してくる。Jはそれをドレイクを操作して躱していく。そして拘束限界まで達したら再び他の飛翔モンスターに向かってフックをかける。世界樹を上昇していくにつれ、だんだんと飛翔モンスターの数が少なく、上方から落下してくる樹皮の塊が増えてくる。Jは途中で上昇をやめ、近くにもう1匹のドレイクがいるのを確認してからドールハウスからタラサを呼び出す。タラサはドールハウスから出てくるとすぐにフックを隣のドレイクにかけJと同じ位置に滞空する。
――横にドレイクがいないとどうなるの?
――2人までなら操作キャラの足にしがみつく。それ以降は、ドールハウスから出るのを拒否される。
Jはすぐ横にある今にも崩れそうな樹皮に向かってターゲットを取り、タラサに爆砕玉を発射させる。爆砕玉が着弾した樹皮が爆発し崩れ落ちる。その向こう側は空洞になっており、その中心に水晶の結晶のようなフラグメントが床から離れて浮遊している。
Jはタラサをドールハウスに戻し、ドレイクをその空洞に向かって移動させ空洞内に飛び移った。そしてフラグメントに触れると、目の前が暗転し、目の前に映像記録が映し出される。
「亀井ディレクターちょっといいかしら」
目の前には以前「沖兎月音」と呼ばれた、眼鏡をかけ魔法陣のような首飾りに、黒のタートルネックの縦セーターに白衣を来た黒髪のロングヘア―の地味子が後ろに向かって話しかける。場面は以前男性職員とウィルス対決をしようとしていたどこかの会社のオフィスのようだ。月音の後ろには以前の男性職員ではなく、以前「亀井日葉」と呼ばれた金髪で日に焼けた褐色の肌が白衣と白いライダースーツとのコントラストを際立たせる。ギャル子が月音の横に膝立ちで座りこちらをのぞかせている。月音はこちらの左側を指さしながら日葉に話しかける。
「メインキャラクターは一通りこんな感じになったわ。」
「おおー!いいじゃんいいじゃん!アタシ的にはこの〇〇〇〇、」
――聞こえない
「もっと筋肉質でシルエット的に歴戦の古強者って感じが出るとなお良しだけど……うん、これでプロデューサーチェックも通りそう。というか通さないとスケジュールマジやばいし!」
「私的にはこの○○○○がお気に入り。」
「おぉーさすがはショタ好きの月音じゃん。性癖全開だねー!」
「ち……違う!そういうのじゃない!」
「あははっごめんごめん。起こらせるつもりはなかったよ。」
「日葉もディレクターの仕事が板についてきたんじゃない?」
「そうだね。まさかアンチウィルスソフトを作ってた私たちがゲームを作ることになるなんてね。夢にも思わなかったよ。」
「でもこれで私たちの夢が叶う。」
「そうだね。ねぇ、ゲーム内にこの子を隠しキャラとして出しちゃわない?」
「だめ、この子は私たちのオリジナルだから、私達だけで作ったやつに入れるべき。」
「うん、月音ならそういうと思った。じゃあメインキャラのデータ私のPCに送っておいて。」
「了解。じゃあ私は現時点でのバグチェックと修正しているから。」
月音はそのままこちらを見てキーボードのタイピングし始める。日葉は机の上にあるファイルを持って席を立つ。日葉はこちらを見ながら手を振り、笑顔を見せる。
「じゃあね。ヘルツ、月音、行ってくるね。」
「いい会議報告期待してる。」
そして日葉は左手奥に見える扉から外に出る。
「ヘルツ、あなたもゲームに出たい?でももうちょっとで待っててね。私と日葉の子だものね。このゲームに組み込むわけにはいかない……」
映像記録はここで途切れ、Jの視界は再び暗転し、世界樹の洞に視界が明転する。
――どうやらこのゲームの開発者だったみたいだな。確かにディレクターは『亀井日葉』で『沖兎月音』はメインプログラマー兼メインデザイナーだったはずだ。
――謎が解き明かされてきたわね。
――ああ、仕事中の録画が何らかの理由でこのゲームにはいってしまったと考えるのが自然だな。他のフラグメントも道中にあるものは取っておこう。
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