最速の英雄ANY%~RTA走者がゲーム世界に異世界転移。攻略知識を生かして知識チート攻略していきます。~

貝竜

文字の大きさ
上 下
63 / 124

第63話 6つ目のフラグメント

しおりを挟む
――チュートリアルはカットで。
Jたちは小屋の外に出ると、Jは再びロージナに憑依し、残りのメンバーをドールハウスに入れる。
――ロージナは空中での体の制御がしやすく、ジャンプ距離がパーティ高く飛べる。世界樹を踏破するためにはロージナに頼ったほうが早い。
Jは外を飛んでいるドレイクや鷲型の大型モンスター『アリョール』にターゲットを合わせ、自分の足元に飛んできたアリョールに向かってダイブした。Jはアリョールと重なった瞬間、アリョールの右足首に向けてフックを投げる。足首に命中したフックはガチャリとアリョールの足首に固定され、アリョールは悲鳴を上げる。Jを振り払おうと暴れるが、Jはロージナの体を利用して魔力をフックに込める。するとアリョールはおとなしくなり、Jの念じた方向に進むようになった。
――ちなみにロージナがモンスターを少し操れるっていうのは伏線になってる。
Jはロージナの体を経由してアリョールを操り上昇していく。上昇途中、フックが赤く点滅し始める。
――チュートリアルで説明を受けるはずだけど、フックが赤く光ると拘束限界に達する前触れだから、他のモンスターに乗り移ってくれっていうサインだ。
Jは点滅しているフックを外し、落下を始める。そして近くにいたドレイクに向かってフックを投げ再び魔力を注入、洗脳、上昇を始めた。
Jは前方真上に上昇するのではなく、世界樹の幹に沿って前方へ進みながら上昇していく。すると、上昇していく進行方向から、樹皮が 崩れて落下してくる。Jはそれをドレイクを操作して躱していく。そして拘束限界まで達したら再び他の飛翔モンスターに向かってフックをかける。世界樹を上昇していくにつれ、だんだんと飛翔モンスターの数が少なく、上方から落下してくる樹皮の塊が増えてくる。Jは途中で上昇をやめ、近くにもう1匹のドレイクがいるのを確認してからドールハウスからタラサを呼び出す。タラサはドールハウスから出てくるとすぐにフックを隣のドレイクにかけJと同じ位置に滞空する。
――横にドレイクがいないとどうなるの?
――2人までなら操作キャラの足にしがみつく。それ以降は、ドールハウスから出るのを拒否される。
Jはすぐ横にある今にも崩れそうな樹皮に向かってターゲットを取り、タラサに爆砕玉を発射させる。爆砕玉が着弾した樹皮が爆発し崩れ落ちる。その向こう側は空洞になっており、その中心に水晶の結晶のようなフラグメントが床から離れて浮遊している。
Jはタラサをドールハウスに戻し、ドレイクをその空洞に向かって移動させ空洞内に飛び移った。そしてフラグメントに触れると、目の前が暗転し、目の前に映像記録が映し出される。
「亀井ディレクターちょっといいかしら」
目の前には以前「沖兎月音」と呼ばれた、眼鏡をかけ魔法陣のような首飾りに、黒のタートルネックの縦セーターに白衣を来た黒髪のロングヘア―の地味子が後ろに向かって話しかける。場面は以前男性職員とウィルス対決をしようとしていたどこかの会社のオフィスのようだ。月音の後ろには以前の男性職員ではなく、以前「亀井日葉」と呼ばれた金髪で日に焼けた褐色の肌が白衣と白いライダースーツとのコントラストを際立たせる。ギャル子が月音の横に膝立ちで座りこちらをのぞかせている。月音はこちらの左側を指さしながら日葉に話しかける。
「メインキャラクターは一通りこんな感じになったわ。」
「おおー!いいじゃんいいじゃん!アタシ的にはこの〇〇〇〇、」
――聞こえない
「もっと筋肉質でシルエット的に歴戦の古強者って感じが出るとなお良しだけど……うん、これでプロデューサーチェックも通りそう。というか通さないとスケジュールマジやばいし!」
「私的にはこの○○○○がお気に入り。」
「おぉーさすがはショタ好きの月音じゃん。性癖全開だねー!」
「ち……違う!そういうのじゃない!」
「あははっごめんごめん。起こらせるつもりはなかったよ。」
「日葉もディレクターの仕事が板についてきたんじゃない?」
「そうだね。まさかアンチウィルスソフトを作ってた私たちがゲームを作ることになるなんてね。夢にも思わなかったよ。」
「でもこれで私たちの夢が叶う。」
「そうだね。ねぇ、ゲーム内にこの子を隠しキャラとして出しちゃわない?」
「だめ、この子は私たちのオリジナルだから、私達だけで作ったやつに入れるべき。」
「うん、月音ならそういうと思った。じゃあメインキャラのデータ私のPCに送っておいて。」
「了解。じゃあ私は現時点でのバグチェックと修正しているから。」
月音はそのままこちらを見てキーボードのタイピングし始める。日葉は机の上にあるファイルを持って席を立つ。日葉はこちらを見ながら手を振り、笑顔を見せる。
「じゃあね。ヘルツ、月音、行ってくるね。」
「いい会議報告期待してる。」
そして日葉は左手奥に見える扉から外に出る。
「ヘルツ、あなたもゲームに出たい?でももうちょっとで待っててね。私と日葉の子だものね。このゲームに組み込むわけにはいかない……」
映像記録はここで途切れ、Jの視界は再び暗転し、世界樹の洞に視界が明転する。
――どうやらこのゲームの開発者だったみたいだな。確かにディレクターは『亀井日葉』で『沖兎月音』はメインプログラマー兼メインデザイナーだったはずだ。
――謎が解き明かされてきたわね。
――ああ、仕事中の録画が何らかの理由でこのゲームにはいってしまったと考えるのが自然だな。他のフラグメントも道中にあるものは取っておこう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

超文明日本

点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。 そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。 異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。

処理中です...