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第38話 ダンジョン マオスの屋敷
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「キャナリちゃん……悔しいかもしれないが、諦めるんだ。キャナリちゃんもあのお屋敷に行っちゃいけないよ。」
「うぅ……ぐすっ……」
住民たちはキャナリといわれる少女から離れ解散した。Jは馬から降り、キャナリに近づき話しかける。
『何があった?』
「旅人さん?変な恰好……えっとね、お父さんがおかしくなっちゃったの。」
シェロとタラサは前かがみになり腰を落とし少女と視線を合わせ、少女をなだめる。
「おかしくなった……というのは?」
「ちょっとお姉ちゃんたちに言ってくごらん。」
「えっとね、ここだと話しづらいからおうちでもいい?あっちの青い屋根の白い壁のおうち。」
するとキャナリは指定した家の方へ歩いていく。Jたちはその後をついていき、家の中に入る。家の中は家具や食器が散らかっており、何かが暴れたような形跡がある。
奥に見える扉はガタガタと揺れ、扉の向こう側で何かが暴れているようだ。
「どうぞ、ちらかってますけど、すわってください。わたし、キャナリっていいます。あ、おきゃくさまがきたらおちゃをださなきゃ……」
「いいよ。キャナリちゃん。それより何があったの?」
「えっとね、このまちのはずれにおやしきがあるの。そこにおとうさんが『ちょうさ』にいって、かえってきたらおかしくなってたの。」
キャナリは揺れる扉をゆびさす。
「このまちにはね、むかし『マオス』っていうきぞくがいて、おとうさんがいったのはそのおやしきなの。おやしきにいったひとがかえってこなくなるじけんがあったんだって。それでまちのひとたちはおやしきの『ちょうさ』」に行ったんだけど、ほとんどかえってこなくて、かえってきたひともあたまがおかしくなっちゃてたんだって。それでね、おとうさんがいうには、あのおやしきでなにか『じけん』がおきたんじゃないかって、いってしらべればきえたひとやあたまがおかしくなったひとが、もとにもどせるんじゃないかってでていったの。そしたら……」
キャナリは顔をふせ涙ぐむ。タラサはキャナリに近づきぎゅっと抱きしめる。きゃなりは声を振り絞り泣き出すように言葉を吐き出した。
「おとうさんおかしくなっちゃったぁあああああ……」
「そうだね……大変だったんだね……いいよ、お姉ちゃんの胸の中でいっぱい泣いていいんだよ……」
しばらくの間、キャナリはタラサの体に顔を押し付け泣き続けた。そしてだんだん泣き声が小さくなっていき、寝息を立てて寝始めた。
タラサはそっとキャナリを椅子に座らせ、床に落ちていた毛布を体に被せる。
「ねぇJ、シェロ。そのお屋敷に行ってみようよ!アタシこの子を何とかしてあげたいの!」
「僕は賛成だが、助けるかどうかはJに任せるよ。」
『ああ、助けよう』
『だめだ、他にやることがある。』
Jは1番目の選択肢を選んだ
「ああ、助けよう」
――助けると何か見返りがあるの?
――攻略上のほぼ必須アイテムである『憑依の髑髏水晶』が手に入る。これは操作キャラをタラサやシェロとか見方キャラと変更できる特殊アイテムで、そのキャラと精神を入れ替えるアイテムだ。特にシェロを操作してアイテムを盗んだり、2段ジャンプしたり、どんな壁も登ったりするのに必要になる。
――そのついでにこの子を助けるのね
――そんな身もふたもない……
Jたちは椅子から立ち上がり、家を出る。
――町の人から話を聞いてそのあと屋敷に行くのが通常ルートだ。帰ってきた人間は、首から水晶どくろの顎部の首飾りを下げていて、それを外そうとすると暴れだして手に負えないとかの情報を手に入れられる。
――それが原因って分かるのね。
――ちなみにさっきのキャナリの家の横の窓の立て付けられた板の隙間から父親の姿を確認出来るけど、父親もその首飾りをしている。
Jたちは家を出て街の奥にある荒れ果てた街道への横の森林に進む。
――普通に街道に行くと、後ろから声をかけられて、危険だと通せんぼされるから、横の森林を屈んで進む必要がある。
――街人の善意をスルーしていくスタイル。
――これができるのプチ伏線な。
森林の途中から荒れ果てた街道へ移動し、少し進むと、荒れ果てた館が姿を現した。
――3連続館がダンジョンなのね。館多くない?
――ここ数回が特殊なだけだけだから……
Jは洋館内に正面から入っていく。重苦しい扉が埃を上げながら開いていく。
洋館内は薄暗く、緑色や紫色の炎を放つランタンが周囲を怪しげに照らしている。Jたちが洋館から中に入ると、突然上方からJたちを包むかのように檻が降って来た。突然のことにタラサもシェロも反応できず、檻に閉じ込められる。すると檻の上から、先端が人間の手になっている大量の触手が現れ、その触手掌がラッパ上の物体を持ちJたちを囲む。
「なになにこれ!めっちゃキモいんだけど!」
「いやな予感がするね……」
突如、触手掌が持っているラッパ上の物体からピンク色のガスが噴き出す。
「吸い込むとマズイ!毒ガスだ!」
Jたちはとっさに口を覆い吸い込まないように手で口を覆う。だが、遅かった。J達の視界が歪み、目の前の天地が入れ替わる。バタンと地面に頭を打つ音が聞こえ、他の2人も倒れていると分かる。次第に目の前が暗転していき、意識を失った。
うっすらと眼が明くと頭部が肥大化した人の姿に、イソギンチャクのようなものが背中から生え、そこから大量の触手掌がJ自身、シェロ、タラサを担ぎ上げ、残りの手で地面を這うように館の通路を移動している。
そして周りに落果遺物にチューブが付いた機械のような物体モンスターが檻に閉じ込められており、また別の壁は1面がまるごと巨大なモニターになっている部屋に入り、両手を天井から鎖で繋がれた。天井は格子が迷路のように入り組んでいる。部屋の一角には落果遺物の宝箱が鎮座している。モンスターが閉じ込められている檻には、邪悪な笑みを浮かべてこちらをニタニタと見ている不気味なモンスターがいた。
――拘束されたようだけど、他の入り口から入るとどうなるの?
――他の入り口はふさがってるし、バグで屋敷内に侵入してもどの場所からでも同じように拘束されるイベントになる。
「ぅん……くひゃ……っ」
タラサが目を覚まし、次いでシェロが目を覚ます。
「うぅ……ぐすっ……」
住民たちはキャナリといわれる少女から離れ解散した。Jは馬から降り、キャナリに近づき話しかける。
『何があった?』
「旅人さん?変な恰好……えっとね、お父さんがおかしくなっちゃったの。」
シェロとタラサは前かがみになり腰を落とし少女と視線を合わせ、少女をなだめる。
「おかしくなった……というのは?」
「ちょっとお姉ちゃんたちに言ってくごらん。」
「えっとね、ここだと話しづらいからおうちでもいい?あっちの青い屋根の白い壁のおうち。」
するとキャナリは指定した家の方へ歩いていく。Jたちはその後をついていき、家の中に入る。家の中は家具や食器が散らかっており、何かが暴れたような形跡がある。
奥に見える扉はガタガタと揺れ、扉の向こう側で何かが暴れているようだ。
「どうぞ、ちらかってますけど、すわってください。わたし、キャナリっていいます。あ、おきゃくさまがきたらおちゃをださなきゃ……」
「いいよ。キャナリちゃん。それより何があったの?」
「えっとね、このまちのはずれにおやしきがあるの。そこにおとうさんが『ちょうさ』にいって、かえってきたらおかしくなってたの。」
キャナリは揺れる扉をゆびさす。
「このまちにはね、むかし『マオス』っていうきぞくがいて、おとうさんがいったのはそのおやしきなの。おやしきにいったひとがかえってこなくなるじけんがあったんだって。それでまちのひとたちはおやしきの『ちょうさ』」に行ったんだけど、ほとんどかえってこなくて、かえってきたひともあたまがおかしくなっちゃてたんだって。それでね、おとうさんがいうには、あのおやしきでなにか『じけん』がおきたんじゃないかって、いってしらべればきえたひとやあたまがおかしくなったひとが、もとにもどせるんじゃないかってでていったの。そしたら……」
キャナリは顔をふせ涙ぐむ。タラサはキャナリに近づきぎゅっと抱きしめる。きゃなりは声を振り絞り泣き出すように言葉を吐き出した。
「おとうさんおかしくなっちゃったぁあああああ……」
「そうだね……大変だったんだね……いいよ、お姉ちゃんの胸の中でいっぱい泣いていいんだよ……」
しばらくの間、キャナリはタラサの体に顔を押し付け泣き続けた。そしてだんだん泣き声が小さくなっていき、寝息を立てて寝始めた。
タラサはそっとキャナリを椅子に座らせ、床に落ちていた毛布を体に被せる。
「ねぇJ、シェロ。そのお屋敷に行ってみようよ!アタシこの子を何とかしてあげたいの!」
「僕は賛成だが、助けるかどうかはJに任せるよ。」
『ああ、助けよう』
『だめだ、他にやることがある。』
Jは1番目の選択肢を選んだ
「ああ、助けよう」
――助けると何か見返りがあるの?
――攻略上のほぼ必須アイテムである『憑依の髑髏水晶』が手に入る。これは操作キャラをタラサやシェロとか見方キャラと変更できる特殊アイテムで、そのキャラと精神を入れ替えるアイテムだ。特にシェロを操作してアイテムを盗んだり、2段ジャンプしたり、どんな壁も登ったりするのに必要になる。
――そのついでにこの子を助けるのね
――そんな身もふたもない……
Jたちは椅子から立ち上がり、家を出る。
――町の人から話を聞いてそのあと屋敷に行くのが通常ルートだ。帰ってきた人間は、首から水晶どくろの顎部の首飾りを下げていて、それを外そうとすると暴れだして手に負えないとかの情報を手に入れられる。
――それが原因って分かるのね。
――ちなみにさっきのキャナリの家の横の窓の立て付けられた板の隙間から父親の姿を確認出来るけど、父親もその首飾りをしている。
Jたちは家を出て街の奥にある荒れ果てた街道への横の森林に進む。
――普通に街道に行くと、後ろから声をかけられて、危険だと通せんぼされるから、横の森林を屈んで進む必要がある。
――街人の善意をスルーしていくスタイル。
――これができるのプチ伏線な。
森林の途中から荒れ果てた街道へ移動し、少し進むと、荒れ果てた館が姿を現した。
――3連続館がダンジョンなのね。館多くない?
――ここ数回が特殊なだけだけだから……
Jは洋館内に正面から入っていく。重苦しい扉が埃を上げながら開いていく。
洋館内は薄暗く、緑色や紫色の炎を放つランタンが周囲を怪しげに照らしている。Jたちが洋館から中に入ると、突然上方からJたちを包むかのように檻が降って来た。突然のことにタラサもシェロも反応できず、檻に閉じ込められる。すると檻の上から、先端が人間の手になっている大量の触手が現れ、その触手掌がラッパ上の物体を持ちJたちを囲む。
「なになにこれ!めっちゃキモいんだけど!」
「いやな予感がするね……」
突如、触手掌が持っているラッパ上の物体からピンク色のガスが噴き出す。
「吸い込むとマズイ!毒ガスだ!」
Jたちはとっさに口を覆い吸い込まないように手で口を覆う。だが、遅かった。J達の視界が歪み、目の前の天地が入れ替わる。バタンと地面に頭を打つ音が聞こえ、他の2人も倒れていると分かる。次第に目の前が暗転していき、意識を失った。
うっすらと眼が明くと頭部が肥大化した人の姿に、イソギンチャクのようなものが背中から生え、そこから大量の触手掌がJ自身、シェロ、タラサを担ぎ上げ、残りの手で地面を這うように館の通路を移動している。
そして周りに落果遺物にチューブが付いた機械のような物体モンスターが檻に閉じ込められており、また別の壁は1面がまるごと巨大なモニターになっている部屋に入り、両手を天井から鎖で繋がれた。天井は格子が迷路のように入り組んでいる。部屋の一角には落果遺物の宝箱が鎮座している。モンスターが閉じ込められている檻には、邪悪な笑みを浮かべてこちらをニタニタと見ている不気味なモンスターがいた。
――拘束されたようだけど、他の入り口から入るとどうなるの?
――他の入り口はふさがってるし、バグで屋敷内に侵入してもどの場所からでも同じように拘束されるイベントになる。
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