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第4部 彼の笑顔を取り戻すため
125.アルフリードの視点 その5
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「ほ~れ、グランディナ。これは良質な素材で出来た紙だからな。よく味わって食べるのだぞ」
皇城のプライベート庭園。
そこに広がる芝生の上で立ち止まっている白い愛馬の手綱を取りながら、軍服姿のソフィアナは面白そうにバリバリとその紙が飲み込まれていく様を見届けていた。
「こ、こら、ソフィアナ! それはまさか……アルフリードとの婚約証ではないのか!?」
ソフィアナはパンパンと両手をはたくと、鋭い目つきで渡り廊下から駆けてきた陛下の事をみやった。
「はぁ、そうですが。何か?」
「何か? では無いだろう! せっかくジョナスンが、適した相手のいなくなったお前たちの仲を取り持つというのだから、言うことを聞かぬか!」
庭園に植わっている木の幹に背を預け、芝の上に腰掛けながら休憩中だった僕はそんな彼らの様子をぼーっと眺めていた。
もうすでに帝国内には婚約が発表されてるというのに……昔、皇太子殿下がキャルン国へ人質へ行くことが決まった時みたいに、陛下はその事実をソフィアナに告げることができないでいた。
何とか無理やりあの紙にサインをさせようとしているが、これでもう何枚目だろう。
一向にアレが無事にソフィアナの手から離れた所を見たことがない。
「まだ、エルは死んだと決まった訳ではない。それがハッキリするまでは、誰の元へも嫁ぐ気はない」
ソフィアナはフンッと、どこかの姫みたいに鼻を鳴らして陛下からソッポを向くと、グランディナの手綱を引いて向こうの方へ歩き出した。
「待て、待ちなさい! ソフィアナ……ソフィアナちゃん、お願いだからパパとお兄ちゃんの言うことを聞いて……」
2人が離れた方へ行ってしまうと、頭の後ろで腕を組んで、白い雲が散れぢれに漂っている青い空を見上げた。
あれから、半年がたった。
ガンブレッドにまたがった途端に、後ろも振り向かずに一気に加速をつけて、小川の流れる草むらを駆け抜けた時、耳には彼女の泣き叫ぶ声がコダマしていた。
ひたすら何処へともなく走る中、“しまった”と思った。
手にはめていた黒い手袋。
彼女から贈られた最初で最後のそれを返しそびれてしまっていたから……
次の日、もう2度と姿を見せないでくれと告げたものの、皇城で彼女と顔を合わせるかもしれない事に憂鬱で、邸宅から出るのをためらっていた。
そんな中、出勤を促す殿下からの使いが現れ、仕方なく皇城へ赴いた訳だが、そこに彼女の姿はなかった。
あれが彼女と顔を合わせる最後になるとは思いもよらなかったが、正直なところホッとしている自分がいた。
もう心が乱されることもないし、仕事にも、公爵子息として屋敷の中のことにも集中できるだろう。そう思った。
そして、程なくしてウチにはひっきりなしに縁談状が舞い込むようになった。
公爵家の跡取りとして為すべき事の最大の1つは、婚姻してその血を受け継いでいくことだ。
その相手探しは社交界にデビューした時からずっとやってきた訳だから、彼女に出会う前に戻るだけ。
そうして、家に届いた縁談状の相手1人1人と食事に行ったり、舞踏会に出席する日々を再び繰り返すことになった。
しかし、それと同時に以前も感じていた、義務的で形式的で心が湧き立つようなものが何も無い時間を、また過ごすことになったのだ。
「アルフリード様は、クールなお方なのですね……とても凛々しくて素敵だと思いますわ」
食事の帰りに帝都を散歩がてら歩いていた令嬢から、そんな事を言われた。
エスニョーラ家のあの彼女と出会う前は、そんな事を言われた事は一度もなかった。
あの頃はソフィアナとエルラルゴから愛想良くしろと言われて、そうしていたからだったな。
あれから彼女に会って、そんな事をしても1番手に入れたいものは入らないと学んだ。
「それは、どうも。光栄です」
一応、褒め言葉と受け取って隣にいる令嬢に礼を言っておくと、突然、その娘は僕の胸に飛び込んできた。
「これで、お会いするのは3度目になります……私、もう耐えられません! アルフリード様……」
そう言って、その令嬢は顔を見上げて目をつむった。
それを見ても正直なところ全く何も感じなかったが、僕はもう気づいていた。
相手が誰であっても”同じ”だってことに。
どうせ皆んな同じだったら、早くそういう仲になって、結婚してしまえばいい。
その令嬢の両肩を掴むと、顔を下ろして口紅の塗られている口元に顔を落とそうとした。
その時ーー
『アルフリード!』
亜麻色のウェーブがかった長い髪の少女が満面の笑みをたたえながら、もう何十回、何百回もそうしてきたように、その愛しい姿がまぶたを閉じながら目の前に近づいてきたのだ。
次の瞬間、掴んでいた肩を突き放すようにして、顔を合わせていた令嬢から身を引いていた。
怯えたように表情を歪ませたその令嬢は、逃げるようにその場を立ち去って行った。
呆然と立ち尽くしながら、これじゃあいけない、そう自分に言い聞かせてキツく目をつぶっていた。
それから、他の令嬢とも無理にでも口づけをしようと何回も試みた。
しかし、そのたびに目の前には彼女の幻影しか見えなくなり、そのたびに縁談は消滅していった。
そんな自分に嫌気がさしてきた頃、足を運んだのは帝都の酒屋だった。
その身を滅ぼすことは分かっていても、この気分を晴らすにはもうこの方法しか思い浮かばなかった。
邸宅ではどこで騎士団員達が目を光らせているか分からないから、宿屋街の1つを選んでそこで好き勝手に飲み明かそうと決めた。
いざ、ベッドの脇に座ってそばに置いたテーブルに乗せたグラスに酒瓶の中身を注ぐ。
この世に何の楽しみも見出せないような男の顔が水面に写っている。
グラスのふちに口を当て、飲み干そうと喉元を上げると、一気に鼻腔を突くアルコールの香りが充満してきた。
そしてまたーー
『ダメだよアルフリード』
こうして酒を欲しようとしていた時に、そこから意識を完全に脱却させる、唇の感触がフラッシュバックしてきた。
頼ろうとしていた液体がこぼれるくらいテーブルの上にグラスを強く置いて戻すと、ベッドの上にバタンと仰向けに寝転んだ。
顔を片腕で塞ぎながら、ただただ激しい後悔の念に晒されていた。
例え自分がどんなに苦しい思いをしていたとしても、戻ってきてくれたエミリアを決して手放したりするべきじゃなかったんだと……
寒さもだいぶ和らいで、草木が芽吹き始めた頃。
「おおー、見事命中!」
少し薄暗い木々が覆う茂みの中、矢が放たれて実が落ちると、数人の感嘆の声があがった。
狩猟祭で一緒だったメンバーと、今日は皇太子殿下も交えて皇家の狩り場を訪れていた。
日頃の忙しさを発散するように、参加メンバーがひとしきり腕を奮ってそれぞれの馬に乗って森を引き揚げる中、そこから程近いエスニョーラ邸の敷地を通り過ぎることになった。
皇太子殿下とソフィアナの側近を務めていたエスニョーラ家の2人は、今はもう側近からは外れて以前の職務に完全復帰していた。
時折、皇城で顔を合わせる事はあるものの、以前ほど共に職場で過ごすような事はなくなっていた。
そして、エミリアがソフィアナの女騎士から外された日から、彼らはそんな令嬢が家族の内にいた事などまるで無かったかのように、氷のような無機質な表情で日々の職務を糸も簡単そうにこなしていた。
それはエミリアが現れる前は通常の光景だったので、むしろ彼女との縁談によって、あそこまで彼らと懇意に接するようになっていたことの方が嘘のように感じられた。
また別の日。
向こう側からは見えにくいが、あの邸宅を象徴する鉄格子の門から屋敷まで一直線に伸びる並木道が少し見える位置にガンブレッドと共につい訪れてしまっていた。
以前は門衛くらいしか見張りはいなかったのに、今では敷地を囲む背の高い塀の周りに、等間隔で槍を肩に寄っ掛からせた騎士達が、そこを厚く護っていた。
遠く感じるようになってしまったこの場所に、君はいるんだな。
2年間、僕に最高の幸せの時を与えてくれながらも、死ぬほどの苦しみを与えて、最後には僕に傷つけられてまた隠されてしまった。
きっともう、これに懲りた侯爵様が君を表に出すことは二度とないんだろう。
そうだとしたら、君が誰かのものになる事も無いはず。
それだけが唯一の救いだよ。
一緒に過ごしたどんな日々も、僕にとっては心の奥底でずっと綺麗なままの姿で生き続けることになるだろう。
だけど……もう一度だけ……一度だけでいいから。
エミリア……また君に会いたい。
皇城のプライベート庭園。
そこに広がる芝生の上で立ち止まっている白い愛馬の手綱を取りながら、軍服姿のソフィアナは面白そうにバリバリとその紙が飲み込まれていく様を見届けていた。
「こ、こら、ソフィアナ! それはまさか……アルフリードとの婚約証ではないのか!?」
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ソフィアナはフンッと、どこかの姫みたいに鼻を鳴らして陛下からソッポを向くと、グランディナの手綱を引いて向こうの方へ歩き出した。
「待て、待ちなさい! ソフィアナ……ソフィアナちゃん、お願いだからパパとお兄ちゃんの言うことを聞いて……」
2人が離れた方へ行ってしまうと、頭の後ろで腕を組んで、白い雲が散れぢれに漂っている青い空を見上げた。
あれから、半年がたった。
ガンブレッドにまたがった途端に、後ろも振り向かずに一気に加速をつけて、小川の流れる草むらを駆け抜けた時、耳には彼女の泣き叫ぶ声がコダマしていた。
ひたすら何処へともなく走る中、“しまった”と思った。
手にはめていた黒い手袋。
彼女から贈られた最初で最後のそれを返しそびれてしまっていたから……
次の日、もう2度と姿を見せないでくれと告げたものの、皇城で彼女と顔を合わせるかもしれない事に憂鬱で、邸宅から出るのをためらっていた。
そんな中、出勤を促す殿下からの使いが現れ、仕方なく皇城へ赴いた訳だが、そこに彼女の姿はなかった。
あれが彼女と顔を合わせる最後になるとは思いもよらなかったが、正直なところホッとしている自分がいた。
もう心が乱されることもないし、仕事にも、公爵子息として屋敷の中のことにも集中できるだろう。そう思った。
そして、程なくしてウチにはひっきりなしに縁談状が舞い込むようになった。
公爵家の跡取りとして為すべき事の最大の1つは、婚姻してその血を受け継いでいくことだ。
その相手探しは社交界にデビューした時からずっとやってきた訳だから、彼女に出会う前に戻るだけ。
そうして、家に届いた縁談状の相手1人1人と食事に行ったり、舞踏会に出席する日々を再び繰り返すことになった。
しかし、それと同時に以前も感じていた、義務的で形式的で心が湧き立つようなものが何も無い時間を、また過ごすことになったのだ。
「アルフリード様は、クールなお方なのですね……とても凛々しくて素敵だと思いますわ」
食事の帰りに帝都を散歩がてら歩いていた令嬢から、そんな事を言われた。
エスニョーラ家のあの彼女と出会う前は、そんな事を言われた事は一度もなかった。
あの頃はソフィアナとエルラルゴから愛想良くしろと言われて、そうしていたからだったな。
あれから彼女に会って、そんな事をしても1番手に入れたいものは入らないと学んだ。
「それは、どうも。光栄です」
一応、褒め言葉と受け取って隣にいる令嬢に礼を言っておくと、突然、その娘は僕の胸に飛び込んできた。
「これで、お会いするのは3度目になります……私、もう耐えられません! アルフリード様……」
そう言って、その令嬢は顔を見上げて目をつむった。
それを見ても正直なところ全く何も感じなかったが、僕はもう気づいていた。
相手が誰であっても”同じ”だってことに。
どうせ皆んな同じだったら、早くそういう仲になって、結婚してしまえばいい。
その令嬢の両肩を掴むと、顔を下ろして口紅の塗られている口元に顔を落とそうとした。
その時ーー
『アルフリード!』
亜麻色のウェーブがかった長い髪の少女が満面の笑みをたたえながら、もう何十回、何百回もそうしてきたように、その愛しい姿がまぶたを閉じながら目の前に近づいてきたのだ。
次の瞬間、掴んでいた肩を突き放すようにして、顔を合わせていた令嬢から身を引いていた。
怯えたように表情を歪ませたその令嬢は、逃げるようにその場を立ち去って行った。
呆然と立ち尽くしながら、これじゃあいけない、そう自分に言い聞かせてキツく目をつぶっていた。
それから、他の令嬢とも無理にでも口づけをしようと何回も試みた。
しかし、そのたびに目の前には彼女の幻影しか見えなくなり、そのたびに縁談は消滅していった。
そんな自分に嫌気がさしてきた頃、足を運んだのは帝都の酒屋だった。
その身を滅ぼすことは分かっていても、この気分を晴らすにはもうこの方法しか思い浮かばなかった。
邸宅ではどこで騎士団員達が目を光らせているか分からないから、宿屋街の1つを選んでそこで好き勝手に飲み明かそうと決めた。
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そしてまたーー
『ダメだよアルフリード』
こうして酒を欲しようとしていた時に、そこから意識を完全に脱却させる、唇の感触がフラッシュバックしてきた。
頼ろうとしていた液体がこぼれるくらいテーブルの上にグラスを強く置いて戻すと、ベッドの上にバタンと仰向けに寝転んだ。
顔を片腕で塞ぎながら、ただただ激しい後悔の念に晒されていた。
例え自分がどんなに苦しい思いをしていたとしても、戻ってきてくれたエミリアを決して手放したりするべきじゃなかったんだと……
寒さもだいぶ和らいで、草木が芽吹き始めた頃。
「おおー、見事命中!」
少し薄暗い木々が覆う茂みの中、矢が放たれて実が落ちると、数人の感嘆の声があがった。
狩猟祭で一緒だったメンバーと、今日は皇太子殿下も交えて皇家の狩り場を訪れていた。
日頃の忙しさを発散するように、参加メンバーがひとしきり腕を奮ってそれぞれの馬に乗って森を引き揚げる中、そこから程近いエスニョーラ邸の敷地を通り過ぎることになった。
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時折、皇城で顔を合わせる事はあるものの、以前ほど共に職場で過ごすような事はなくなっていた。
そして、エミリアがソフィアナの女騎士から外された日から、彼らはそんな令嬢が家族の内にいた事などまるで無かったかのように、氷のような無機質な表情で日々の職務を糸も簡単そうにこなしていた。
それはエミリアが現れる前は通常の光景だったので、むしろ彼女との縁談によって、あそこまで彼らと懇意に接するようになっていたことの方が嘘のように感じられた。
また別の日。
向こう側からは見えにくいが、あの邸宅を象徴する鉄格子の門から屋敷まで一直線に伸びる並木道が少し見える位置にガンブレッドと共につい訪れてしまっていた。
以前は門衛くらいしか見張りはいなかったのに、今では敷地を囲む背の高い塀の周りに、等間隔で槍を肩に寄っ掛からせた騎士達が、そこを厚く護っていた。
遠く感じるようになってしまったこの場所に、君はいるんだな。
2年間、僕に最高の幸せの時を与えてくれながらも、死ぬほどの苦しみを与えて、最後には僕に傷つけられてまた隠されてしまった。
きっともう、これに懲りた侯爵様が君を表に出すことは二度とないんだろう。
そうだとしたら、君が誰かのものになる事も無いはず。
それだけが唯一の救いだよ。
一緒に過ごしたどんな日々も、僕にとっては心の奥底でずっと綺麗なままの姿で生き続けることになるだろう。
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