203 / 254
№203 集団パニック
しおりを挟む
――布枝さんは高校生の時に同級生から虐めに遭っていた。
あの頃、学校に行っても酷い目に遭うだけなんで、できるだけサボっていたんですけど、理解してくれない親が無理矢理登校させて、やっぱり虐められて、休んで・・・・・・の、繰り返しで神経がすり減っていきました。
ある日、私はお昼頃に登校しました。皆思い思いのことをしていて、私のことなんて誰も気にしていませんでした。私の席を虐めの中心になっている3人の女子生徒が囲っていました。3人はニヤニヤと私の机を指さしていました。覗き込むとこっくりさんの用紙がありました。
「こっくりさん、こっくりさん、布枝は死にましたか?」
一人がそう言って皆でケラケラ声を出して笑うんです。また私をネタにして面白がっている、と思いました。わざわざ私が来るのを見てやり始めたんでしょう。
「布枝は無駄死にですか?」
悔しさと、怒りで感情がぐちゃぐちゃになりました。こんなことを教室の真ん中でやっているのを無視しているクラスメイトにも腹が立ちました。
「布枝は・・・・・・」
もう一人が言い始めた所で私は10円玉に指を置いて思い切り勢いを付けて動かしました。「し」と「ね」をなぞろうとしたら、力を入れすぎて二文字の間がビーッと破れました。
3人がその瞬間発狂しました。それが私が無理矢理参加して驚いたとか、紙を破いて怒っているとかではなく、訳が分からない言葉をわめき始めたんです。それを見たクラスメイトたちもパニックを起こし、さらに混乱が大きくなり、こっくりさんをしていた一人は泡を吹いて倒れました。
そこで目を覚ましました。祖母が私の手を握って泣いていました。話しかけようとしても声が出ません。なんでだろうと考えていたら、徐々に記憶が戻ってきました。
私は学校で首をつって自殺を図っていたんです。あの3人に暴行されて、ボロボロにされて、家に帰れなくて、そのまま教室で・・・・・・。下校途中で忘れ物を思い出したクラスメイトが戻ってきて発見したそうです。
目を覚ます前に私が見た光景は、実際前日にあのクラスで起こったことでした。こっくりさんをしていた3人はパニックを起こして失神したそうです。どうして私があの惨事を覚えているのかわかりません。でも、もしかしたら、死にかけて幽体離脱したのかもしれません。もしくはこっくりさんで呼ばれちゃったとか?
ああ、あのクラスは結局私が登校し出すと、バラバラと不登校が増えて、卒業式はほとんど欠席でしたね。あの3人の顔はあれ以来見てません。
あの頃、学校に行っても酷い目に遭うだけなんで、できるだけサボっていたんですけど、理解してくれない親が無理矢理登校させて、やっぱり虐められて、休んで・・・・・・の、繰り返しで神経がすり減っていきました。
ある日、私はお昼頃に登校しました。皆思い思いのことをしていて、私のことなんて誰も気にしていませんでした。私の席を虐めの中心になっている3人の女子生徒が囲っていました。3人はニヤニヤと私の机を指さしていました。覗き込むとこっくりさんの用紙がありました。
「こっくりさん、こっくりさん、布枝は死にましたか?」
一人がそう言って皆でケラケラ声を出して笑うんです。また私をネタにして面白がっている、と思いました。わざわざ私が来るのを見てやり始めたんでしょう。
「布枝は無駄死にですか?」
悔しさと、怒りで感情がぐちゃぐちゃになりました。こんなことを教室の真ん中でやっているのを無視しているクラスメイトにも腹が立ちました。
「布枝は・・・・・・」
もう一人が言い始めた所で私は10円玉に指を置いて思い切り勢いを付けて動かしました。「し」と「ね」をなぞろうとしたら、力を入れすぎて二文字の間がビーッと破れました。
3人がその瞬間発狂しました。それが私が無理矢理参加して驚いたとか、紙を破いて怒っているとかではなく、訳が分からない言葉をわめき始めたんです。それを見たクラスメイトたちもパニックを起こし、さらに混乱が大きくなり、こっくりさんをしていた一人は泡を吹いて倒れました。
そこで目を覚ましました。祖母が私の手を握って泣いていました。話しかけようとしても声が出ません。なんでだろうと考えていたら、徐々に記憶が戻ってきました。
私は学校で首をつって自殺を図っていたんです。あの3人に暴行されて、ボロボロにされて、家に帰れなくて、そのまま教室で・・・・・・。下校途中で忘れ物を思い出したクラスメイトが戻ってきて発見したそうです。
目を覚ます前に私が見た光景は、実際前日にあのクラスで起こったことでした。こっくりさんをしていた3人はパニックを起こして失神したそうです。どうして私があの惨事を覚えているのかわかりません。でも、もしかしたら、死にかけて幽体離脱したのかもしれません。もしくはこっくりさんで呼ばれちゃったとか?
ああ、あのクラスは結局私が登校し出すと、バラバラと不登校が増えて、卒業式はほとんど欠席でしたね。あの3人の顔はあれ以来見てません。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる