30 / 74
原始・古代
【自分】を出してみる
しおりを挟むおぉ、久しぶりの白い世界。
墨汁の匂いもそのまんまだ。多神さんはボールペンやシャーペンは使わないんだろうか。
折角なのでこちらから話し掛けてみる。
「お財布の中をしっかり確認しました。ありがとうございます。わざわざ聞く程の質問は持ち合わせていないんですけど、もしかして今日日本史をやらなかったことを咎めるための呼び出しですか……?」
呼び出しは小中高1度も無かった気がする。
いや、もしかしたらあったかもしれないけど、思い出は美しくなりがちですから。
「……確認するのが遅い。そして毎日やる必要は無い。寧ろ、休まずやろうとしていた事に驚くわ!」
うちは、多神さんの声がどんどん大きくなっていく事に驚きましたわ。楽譜のクレッシェンドの記号が鮮明に思い出せる程に。
何か込み上げてくるものがあったんですか?
「【継続は力なり】は最早廃れるべき言葉なんですね。で、うちに用があるんですよね?」
受験の時に受験生がこぞって使用していたご利益のある鉛筆にも、【継続は力なり】って確か書いてあった気がするけどなー。
効率重視の時代の流れには勝てないのかな。ちなみに、うちは【自信は努力から】の鉛筆が好きだった。
「え?………ゴホンっ!勉強を継続するのは良いが、無理して毎日まとめる必要は無いってことだ。あと、用があるのは余では無く汝の方では無いのか?」
「はへ?」
とりあえず最初の『え?』って完全に素でしたよね?
そしてとうとう言葉の中に、(ちゃんと丁寧に言わないと分からないのか…この馬鹿は)ってニュアンスを隠しもしなくなりましたね。唯一無二の親友っぽくなってきましたな。
でも、用があるのお前の方だろって言われても……むむーん………んんっ!
「そうだ!烏に目を付けられたかもしれないんですが、うちはこの町から去らないとヤバいですか!?あ、あとその烏にめっちゃ話し掛けられた気がするんですけど、頭ヤバいですか!?」
本当に聞きたい事あったわ。
多神さんはうちの潜在意識までお見通しなんですか?なら、【神界のフロイト】ってこれからは呼ばないと。
それにしても日本史どころじゃなくなる事件があったばかりなのに、すっぽり頭から抜けていた自分の神経の図太さに驚き。うっかり八兵衛も吃驚だわ。
「た……烏様は大丈夫だ。汝が恐れているような事は起きない。それよりも何かいつもとは違った事が無かったか?」
烏様とは。
多神さんは鳥信仰なんですか?
確かに賢い生き物だけど、どのあたりに神秘を感じるんだろう?真っ黒具合?裁判官の法服と同じで、[何物にも染まらない黒]ってところに価値を見出だしているんですか?
「ヤバい人間にならずに済むのなら烏についてはもう良いです。うーん…いつもと違ったのは、双子って短時間で2回もバレた事くらいですかね?また似てきちゃったとか?」
ずっと同じレベルで似ている訳では無くて、凄く似ている期間とあまり似ていない期間が周期的に来るんだよね。
一緒に暮らし始めたし、同じ環境がそうさせるのだろうか。人類の神秘。
「近からず遠からずの回答だな…。その話し掛けてきた2人だが、実はー……がふっ!」
バタンッ!
……え?
がふって言った?
「えぇっ!?突然の吐血ですか!?多神さん大丈夫ですかっ!?もしもーし!」
事件です。
多神さんがお話し中に「がふっ!」ってなって倒れました。
このままだとうちが容疑者になっちゃう…。会話しているだけで吐血させる人間だってみーちにレッテルを貼られてしまう。
「うぅっ……様どう…て……ですか?」
「多神さん!大丈夫ですかっ!?誰かそこに居るんですか!?何か言って下さーい!」
多神さんよりも上の身分の人が一緒に居るのだろうか?
敬語で何か言ってた気がする。じゃあその神様が犯人?一大事過ぎる。
「おーい!多神さーんっ!聞こえてますかーっ?何を言いかけたんですか!?」
「………」
まずい。
だんだん身体が眠りから覚めていくのが分かる。
何でよりにもよって声だけなんだろう。
大事な話だったなら面と向かってすれば良かったじゃないですか。
なんで返事してくれないんですか。
心配しちゃうじゃないですか。
無事でいて下さいね、また明日質問しますから。
真っ白な世界から完全に離れる瞬間に、暖かい空気が肌を撫でるのを感じた。
ピッピピピピッ!ダンッ!
「なんかモヤモヤな目覚め……」
目覚ましを思いきり止めたから手が痛い。
凄く嫌な夢を見た気がするけど、良く覚えていない。
多神さんが夢に出てきたような……いや、出てきたらハッキリ覚えているか。
「ま、朝ごはん食べてから考えよう」
11月23日(金)勤労感謝の日 朝 晴れ
「あーち今日は目覚まし止めるの早かったねー。その意気だよ」
「うーん…」
切り込みを入れまくってバターをたっぷり染み込ませたトーストを食べながら、みーちがお褒めの言葉を投げ掛けてくれた。
毎朝朝食の内容を変えて楽しむ主婦の勤労に感謝。
「あのさ…なんか嫌な夢を見た気がするんだけど、モヤモヤって膜が張ったみたいに覚えてないんだよねー…」
お母さんに胸の内を吐露してみた。
「つまり、たいした内容じゃないって事でしょ。……それよりホット牛乳にグラノーラを入れて食べる方が本当に許せないわ」
「朝は体温が低いから」
うちの悩みは速攻でゴミ箱に捨てられた。
お母さんは忙しいから相談相手には適していないことが分かった。
「ま、大事な事だったら思い出すか」
「そうそう。ほら、早く食べて」
うんうん。
みーちに「これ言おう!」って決めていた事を電話をする度に忘れ、やっと言えたのが1週間後だったとかザラにあるもんね。最近は確か…「ショッピングモールのお気に入りのお店が潰れちゃったよ!」って言い忘れていたな。
それにしてもみーちは本来の今日(過去の11月23日)について覚えているのかな?何にも言ってこなかったら夜に教えてあげよう。
今はとりあえずお昼は昨日の白菜のうま煮で雑炊だと念を送っておこう。びびびびび。
*****
夕方 晴れ
「出来たたたたたたたたたった♪」
……ちっ!
え?舌打ちした?
違うよね?本を思いきり閉じた音だよね?
お昼にうちが作った雑炊の卵に火が入り過ぎたのを根に持ってないよね?
『うん。おいしい』って棒読みだったけど言ってくれたもんね。
「はい、チェックしますよー」
…いつの間にか距離を詰められていた。
【わたにほ】
《縄文時代part1》 ワイドショー風に読んでね♪
① 縄文文化を分ける!
土器の形式で6つに区分 ※もちろん、あくまでも目安
1. 草創期[約1万3千年前~約1万年前]
2. 早期[約1万年前~約6千年前]
3. 前期[約6千年前~約5千年前]
4. 中期[約5千年前~約4千年前]
5. 後期[約4千年前~約3千年前]
6. 晩期[約3千年前~約2千5百年前]
② では、なぜ『縄文』と呼ぶのか?
1877年(明治10年)にアメリカ人のモースが大森貝塚で土器を発掘したっ!
モースはこれを“Cord marked pottery”と呼び、日本語で「索紋土器」と訳されていた。
しかし!
1886年に弟子の白井が「縄紋土器」と訳し、時代の流れで「縄文」になり今日に至るのである。
……白井やったな。
③ 縄文を文化ごとに見てみる!
〔草創期ー約1万3千年前~約1万年前〕
□縄文時代の幕開け□
約1万3千年前の最終氷期の終わりによって、地球の気候が温暖化に転じると共に縄文時代は始まった!
<暮らし>
●住居:居所は洞窟や岩陰の利用が多いが、森を拓いた丘陵上の開拓遺跡もある。
だが!長期に渡る『定住』の段階までは、草創期はいかなかった。住居の数も数軒で、多くて10数人のグループであったと考えられる。
●食生活:温暖化によりクリやドングリなどの森が広がるのと同時に、海流が活性化したことによって[漁労]が可能に!
食料資源の[採集]によって食の選択肢が広がったのである。
そして、手に入れた木の実は、上面に凹みのある鏡餅のような形の[石皿]の凹みのところにのせて、円いこぶしのような[すり石]ですり潰して食べた。
●道具と生活の知恵:森の中でのシカやイノシシなどの狩りは、[弓矢]やダーツ(投げ矢)が適しているため、それらの道具類も発展していった。
さらに!
[落とし穴猟]もさかんに行われた。穴の底に尖った杭を立てるなど、確実に獲物を捕獲出来るように工夫がされているものも発見!
<草創期の土器はコレっ!>
煮炊き用の深鉢型で、平底・丸底のものが多いのがポイント。
・隆起線文土器:土器の表面に粘土紐を貼り付けたもの。紐は徐々に太いものから細いものへと年数とともに変化。
・爪形文土器:表面に貝殻で文様をつけたもの。
<代表的な遺跡はコレっ!>
◎上黒岩岩陰遺跡 @愛媛県
・高さ20mの屏風状に切り立った石灰岩の岩脈の先端にある。
・ニホンオオカミやオオヤマネコといった絶滅種も出土!
・長さ4.5㎝の石に上半分は乳房を、下半分の線は草を編んだスカートを推測させるものが出土した。これは日本人が衣服を着ていたことが伺える最古の資料とされ、また豊穣を祈った石製品と考えられている!
〔早期ー約1万年前~約6千年前〕
□温暖化がさらに進み、西日本一帯には落葉広葉樹の森が広がった。暖かさの到来によって植物性食料や漁労に依存する生活が色濃くなり、ひとつの土地に『定住』する傾向が強くなってきた時期!
□約7千年前は現在よりも2~3℃平均気温が高く、海面の高さも3~5mほど高かった!そのため、現在の海岸線よりも内陸深くまで海が入り込んでいたのである!これを[縄文海進]と呼ぶ。*1
ちなみに、早期における日本列島全体での人口は、2万人前後であったと考えられている。*2
<早期の土器はコレっ!>
形・文様ともにしっかりと作った深鉢の円形丸底や尖底のものが多いのがポイント。
・撚糸文土器:撚糸やそれを巻いた棒を転がして文様をつける。関東圏のもの。
・押型文土器:彫刻した棒を転がして文様をつける。中部・近畿圏のもの。
<代表的な遺跡はコレっ!>
◎上野原遺跡 @鹿児島県
・日本最古、最大規模の定住集落!
・52軒の竪穴住居を発見。これらは4時期に渡って建て替えられた跡があり、[定住]を裏付ける。
・貯蔵や墓として利用されたと思われる土杭や、燻製を作ったと考えられる煙道付炉穴も出土。←肉を燻製にして保存がきくようにするなんて……やるな。
・板状の土板に乳房のような突起や手足を付けたような、初期の土偶のようなものも見付かっている!
■この時世界では…■
紀元前約6500年前(約8500年前)に長江流域で稲作が始まっていた!
○まとめ○ 草創期~早期
縄文時代の開始とともに、各地域でそれぞれの環境に適した新しい生業や文化が始まった。
四季の変化に対応し、集団での協働や分業といった社会システムも出現した!
まさに縄文時代の事前準備期間であった…。
*1:現在の平均気温は16.8℃(2018年の東京)
*2:人口2万人は埼玉県の滑川町とほぼ同じ。東京都で言うと日の出町の人口よりちょっと多いよ!
(1844字)
☆諸説あり!
☆あくまで個人の意見です!
To be continued…
「長かったでしょー?縄文は3部作にする予定だよ」
「うん……」
毎日読書漬けな上に、うちの日本史まで読んでくれるみーちは確実に活字中毒に片足を突っ込んでいると思う。
でも99%は終わっているし、あと1%の辛抱だからね。ふぁいと。
「では、質問をお願いします」
みーちはゆっくりと瞼を閉じ、「ふーっ」と思いきり身体中の空気を出し切ってから目を開けた。
心なしか怒っているような…?
「やってくれたな……」
「はひ?」
なんか知らぬ間にしでかしたかな?
まさか読んでもらっている間、みーちの足をずっと踏んでたとか?だとしたらスリッパの底が厚いから分からなかったよ。
「ついにナレーションの声の指定に飽きたらず、文章もいじってきたか……。いったいあーちはどの立場でモノを言っているの?」
「ふへ?ワイドショーでMCに情報を伝える進行役だよ?リポーター的な」
臨場感がいまひとつ足りなかったってことなのかな?
多神さんが『自分らしさを出してみろ』って言ったから実践してみたんだけど。如何せん文字だけだから難しさもあるよね。
うちがイラストでも書けたら良かったんだけど、技術ゼロで絵心しか持ち合わせていないからね。あしからず。
みーちはうちの顔と画面をチラチラ見て、今度は苦笑しながら「はぁ…」と軽く息をはいた。
幸せのストックがもう無くなってしまうよ?
「まぁこれも追々考えていこうか…。で、質問ね。アメリカ人のモースはどうして日本で採掘してるの?土器の紐が細くなっていくのは手先が器用になってる証拠?」
「お、おおう……」
まとめ方もタイトルと一緒で要検討なんだ…。
一児の母である一色ディレクターからのOKを勝ち取るのは楽な道程では無いんだね。そして質問もばっちりあった。やり手な成人女性だった。
「モースは東京大学で生物学を教えるために来日して、横浜から東京に行く汽車の中から貝塚を発見したの。で、後日掘ってみたら縄文土器が出てきたよって話。……でさ、今気付いたんだけど1877年って[西南戦争]があった年だよね。歴史的な発見と戦争ってなんだか温度差感じるよねー」
「知らんがな」
……冷たいがな。
うちの中では心臓が少し早く鼓動を奏でちゃうレベルの嬉しい気付きだったのに。
それにしても、明治をまとめている時はいったい何月になっているんだろうね。来年の夏かな?秋だったら色々と終わりだな。間に合わなくて神隠しだわ…。
「で、土器の撚糸文様が細くなっていくのは、技術の向上ももちろんあるけど、[凝り]が出てきたのもあるんじゃないかって論文にあったよ。これはうちの考えが強いけど、温暖化で食料を求めていろんな所に行く必要が減って、今いる<場>に留まる時間が出来たってのもあるんじゃないかなー」
ほら、暖かくなると何だか活動的になるし。
4月になると「なんか新しい趣味でも始めようかな」ってなったりするし。
縄文の皆さんも暖かいし時間も出来たしで心の余裕が生まれて、「ちょっと土器作りに本気を出してみるか!」ってなったのかも。
……うん、それは無いか。
「ふーん。じゃあいつから縄文とか紀元前の調査を日本は始めたの?」
「……知らんがな」
うちのまとめを読んだだけで、その疑問が出てくるのは何故?
それに、それを知っていたら多分書いてるよ。
てか、教科書に沿った内容をまとめているだけだよ?気付いて。麻来は歴史学者を目指してはおりません。
「まぁ、頑張って読み手が飽きないようにまとめようとしたあーちの気持ちは伝わったよ。夕飯は何が良い?」
「勤労感謝の日だから、今日もうちが作ー……」
「あーちは明日の構想でも考えてな!で、何食べるの!?」
「鯖でお願いします」
日本史のまとめに対する気持ちは伝わってるのに、なんで感謝の心は断られたのだろうか。
じっとしておくのが、お母さんは1番助かるの?
でも、ちょっとは手伝いましょう。
「お米を研ぐのと、大根おろしますよー」
11/23(Fri)
朝はなんか頭がボーっとした。決して寝過ぎたわけでは無いと思う。寝返りで何度か起きたし。
今日から縄文時代。
ワイドショー風と言ったけど、実のところは高校の自分の日本史のノートがベースになっていたりする。でもそれをみーちに言ったら、「うわー…イターい」とか言ってきそうだから黙っておく。
大根おろしを大量に作り過ぎたから、明日のお昼はおろしうどんになるでしょう。
そしてもち麦をこっそり入れて炊いたから、案の定みーちが「食感の邪魔者はいらない!」と怒った。しばらくは無垢な白米を堪能することになりそうです。
あ、そう言えば「みーち!今日は何の日だったと思う?」って聞き忘れたし、みーちも言ってこなかった。
アレなのかな?向こうは[あーちが言ってくるのを待つ]ってスタンスだったのかしら。明日の朝に忘れずに聞かねば。
おわり
[字数 3396+1844=5240]
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる