11 / 205
「気だてのいい女」①
しおりを挟む
弘化二(一八四六)年 冬
初の一周忌の法要が試衛館で行われていた。
さくらはお経を聞く気にはなれず、屋根の上で空をぼんやり眺めていた。うっすらした雲がところどころに浮かぶ以外は、どこまでも青い空。
今の気持ちとは裏腹に澄み切った空を見て、さくらは目を閉じた。
――この空は、母上のところに繋がってるんだろうか…
そんなことを考えていると、屋根にかけてあった梯子がガタンと音を立てた。
驚いて屋根の下を覗きこむと、源三郎がこちらを見上げていた。
「ここにいたのか。まったく、娘が法要にも出ないでこんなところで…まぁ、娘だからか」
葬儀には行けなかったから、と源三郎は日野からはるばる試衛館に来ていたのだった。
「上がっていいか?」
さくらはこくりと頷いた。
「天然理心流、入門したんだってな」
「ああ」さくらはポツリと話し始めた。
「私が心身ともに未熟だったのだ。私がしっかり逃げていたら母上は…」
さくらはフッと息をついた。
「わかってる。死んだ人は返ってこないのだからな。だから、今はただ稽古する。稽古している間は全て忘れられるし、強くなれる。一石二鳥というものだろう?」
源三郎は驚いたような眼差しでさくらを見た。
「お前、なんか変わったな…しゃべり方とか」
さくらはニッと笑った。
「これか?この一年、大人の男としかしゃべってないから、女っぽいしゃべり方を忘れてしまったのだ」
さくらはボケたつもりであったが源三郎が突っ込まないので続けた。
「…というのは冗談だが。この方がナメられない気がするのだ。私が生まれる前からいる門人以外は、やはり女子が剣術なんて…と思っているみたいでな。私ももう、『女子のくせに』と言われていちいち喚いたりはしない。悔しいが、やはり剣術をやる女子などそうそういないからな。だからこそ」
さくらはごろんと屋根に寝そべった。
「いつかどんな男よりも強くなる。女のくせにっていう奴に『じゃあお前は私に勝てるのか?』って言ってやるのだ」
次の日、さくらは道場にいた。
一年経った今でも、初の死から完全に立ち直れたかと聞かれれば、自信を持って首を縦に振れるかわからない。
――母上は、私を庇って死んだ。あの時、足がすくんで動けないなどというヘマをやらかさなければ、母上は死なずに済んだのだ。
後悔という二文字を振り払うようにさくらは木刀を振った。いくら気合いを入れたところで、男と女には身体的な差がある。女はちょっとやそっとでは筋骨隆々にはなれない。それでも、強くならなければいけない。
だからさくらは、ひたすら木刀を振るのだった。
***
初の死から約二年半が経ち、さくらも周助も二人暮らしに慣れたころ、門人の一人である小島という人物がある話を持ち込んだ。近藤家の一室で、周助と小島は向き合い、一枚の書状を見ていた。
「縁談?俺にか?」周助は驚いて言った。
「ええ、やはり、天然理心流という一流の宗家さまが、いつまでも男やもめというのは……」
「構わねえよ。それに、後妻なんてさくらが受け入れるかどうか……」
「大丈夫ですよ。気だてのいい美人だと、評判だそうですから」
美人、という言葉に周助の耳はピクリと動いた。
「まあ、会うだけ会うか」
周助の縁談話を聞いたさくらの第一声は。
「父上は、母上のことをお忘れになってしまったのですか!?」
予想通りだ、と、周助はさくらの反応にため息をついた。こうなることを恐れて、周助はさくらに内緒で見合い相手に会っていた。そして、とんとん拍子に話は進み、縁談を承諾してしまった。
「初のことも大好きだったさ。もちろん今もだ。だが、それとこれとは話が違うんだ。一流の宗家たるもの、新造が必要なんだ。わかるか?」
「わかりません」
「お前もきっと気に入るさ。気だてのいい女だから」
かくして、「気だてのいい女」キチが近藤家にやってきた。
さくらはずっと会いたくないの一点張りだったが、祝言を数日後に控え、観念してキチに会うことを承諾した。
「初めまして。さくらさんですね?お話は伺っております」
キチはさくらに向かって深々と頭を下げた。会ってみると、さくらの中にあったもやもやした気持ちはいくぶん和らいだ。キチは本当に気だてが良さそうな女で、笑った顔は初のそれに少し似ていた。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」さくらも頭を下げた。しかし、やはりまだ今日会ったばかりの女を母上とは呼べなかった。
そして、祝言も滞りなく終わり、近藤家の新しい日常が始まった。周助は、もうすっかりキチのことを気に入ったらしく、食事に何が出ようが褒めてばかりいた。さくらも、キチの料理の腕は確かだと思い、母上と呼べるように努力しようと思い始めていた。
「よし、さくら、稽古だ」
「はいっ」
ある日の食事のあと、食べ終わるなり立ち上がった二人に、キチは目を丸くした。
「今日は道場はお休みではないのですか?」
「他の奴らはな。だが、さくらに休みはねぇ。な!」周助が少し自慢気に言った。
「はい!」
さくらは近頃、天然理心流の目録をもらい、稽古が楽しくてしょうがない時期だった。
にこにこしながら道場に向かう周助とさくらを、キチはただじっと見つめていた。
数日後、キチが井戸で水を汲んでいると、稽古を終えた門人たちがわらわらとやってきた。
「あらみなさん、お疲れ様です」キチはにこりと微笑んだ。
「さくらさんは?一緒に稽古していたのでは?」
すると、その集団の中にいた小島がにこやかに答えた。
「残って一人で稽古してますよ。さすがは近藤先生の娘御だ。人一倍稽古しないと男の筋力には追い付かないからって、がんばってるんです。本当に感心しますよ」
「さくらさんは、そんなに一生懸命稽古をしてどうするのです?」
今度は小太りの門人が、苦々しい顔をして答えた。
「どうやら、本気で天然理心流を継ぐ気みたいですよ」
キチは二の句を継げずに小島たちを見た。周助に初めて会った時のことを思い出した。
『私には一人娘がいましてね。目の前で母親を亡くして、もう二度とこんな目に会いたくないと言って、剣術の稽古を始めたんです。だから、俺も持ってる技は全部あいつに伝授しようと思ってまして』
それがまさか、天然理心流の宗家を継ぐという意味だとは、つゆほども思わなかった。
「それは本当なのですか?」キチは表情を変えないようにしながら尋ねた。
「ええ、近藤先生も、血のつながった跡継ぎがいいらしくて」小島が答えた。
「しかし…さくらさんがお強いのも、人一倍稽古をがんばっていることもわかりますが…女子ですよ?」小太りの方が言った。
「だからどうした。さくらさんこそ、腕もあるし、天然理心流を継ぐにふさわしい方なんだ」
「小島さんは古株だからそんなことが言えるんですよ。正直、新参者の我々にとっては、いささか受け入れがたいというか……」
「なんだと?」
「我々にだって、矜持というものがあります。女子の下で剣術稽古なんて……みなさんだって、そう思ってるんでしょう?」
小太りの門人が振り返った。他の門人たちは、ゆっくりとうなずいた。小島だけが、苦い顔でそれを見ていた。
「奥様、必ずや、男の跡継ぎをお願いします」別の門人がキチをじっと見た。
「おい、失礼だぞ」小島が叱った。
このやり取りを黙って見つめていたキチは、にこりと微笑んだ。
「私は、この道場と近藤家が豊かで幸せになれば、それで構いませんわ」
初の一周忌の法要が試衛館で行われていた。
さくらはお経を聞く気にはなれず、屋根の上で空をぼんやり眺めていた。うっすらした雲がところどころに浮かぶ以外は、どこまでも青い空。
今の気持ちとは裏腹に澄み切った空を見て、さくらは目を閉じた。
――この空は、母上のところに繋がってるんだろうか…
そんなことを考えていると、屋根にかけてあった梯子がガタンと音を立てた。
驚いて屋根の下を覗きこむと、源三郎がこちらを見上げていた。
「ここにいたのか。まったく、娘が法要にも出ないでこんなところで…まぁ、娘だからか」
葬儀には行けなかったから、と源三郎は日野からはるばる試衛館に来ていたのだった。
「上がっていいか?」
さくらはこくりと頷いた。
「天然理心流、入門したんだってな」
「ああ」さくらはポツリと話し始めた。
「私が心身ともに未熟だったのだ。私がしっかり逃げていたら母上は…」
さくらはフッと息をついた。
「わかってる。死んだ人は返ってこないのだからな。だから、今はただ稽古する。稽古している間は全て忘れられるし、強くなれる。一石二鳥というものだろう?」
源三郎は驚いたような眼差しでさくらを見た。
「お前、なんか変わったな…しゃべり方とか」
さくらはニッと笑った。
「これか?この一年、大人の男としかしゃべってないから、女っぽいしゃべり方を忘れてしまったのだ」
さくらはボケたつもりであったが源三郎が突っ込まないので続けた。
「…というのは冗談だが。この方がナメられない気がするのだ。私が生まれる前からいる門人以外は、やはり女子が剣術なんて…と思っているみたいでな。私ももう、『女子のくせに』と言われていちいち喚いたりはしない。悔しいが、やはり剣術をやる女子などそうそういないからな。だからこそ」
さくらはごろんと屋根に寝そべった。
「いつかどんな男よりも強くなる。女のくせにっていう奴に『じゃあお前は私に勝てるのか?』って言ってやるのだ」
次の日、さくらは道場にいた。
一年経った今でも、初の死から完全に立ち直れたかと聞かれれば、自信を持って首を縦に振れるかわからない。
――母上は、私を庇って死んだ。あの時、足がすくんで動けないなどというヘマをやらかさなければ、母上は死なずに済んだのだ。
後悔という二文字を振り払うようにさくらは木刀を振った。いくら気合いを入れたところで、男と女には身体的な差がある。女はちょっとやそっとでは筋骨隆々にはなれない。それでも、強くならなければいけない。
だからさくらは、ひたすら木刀を振るのだった。
***
初の死から約二年半が経ち、さくらも周助も二人暮らしに慣れたころ、門人の一人である小島という人物がある話を持ち込んだ。近藤家の一室で、周助と小島は向き合い、一枚の書状を見ていた。
「縁談?俺にか?」周助は驚いて言った。
「ええ、やはり、天然理心流という一流の宗家さまが、いつまでも男やもめというのは……」
「構わねえよ。それに、後妻なんてさくらが受け入れるかどうか……」
「大丈夫ですよ。気だてのいい美人だと、評判だそうですから」
美人、という言葉に周助の耳はピクリと動いた。
「まあ、会うだけ会うか」
周助の縁談話を聞いたさくらの第一声は。
「父上は、母上のことをお忘れになってしまったのですか!?」
予想通りだ、と、周助はさくらの反応にため息をついた。こうなることを恐れて、周助はさくらに内緒で見合い相手に会っていた。そして、とんとん拍子に話は進み、縁談を承諾してしまった。
「初のことも大好きだったさ。もちろん今もだ。だが、それとこれとは話が違うんだ。一流の宗家たるもの、新造が必要なんだ。わかるか?」
「わかりません」
「お前もきっと気に入るさ。気だてのいい女だから」
かくして、「気だてのいい女」キチが近藤家にやってきた。
さくらはずっと会いたくないの一点張りだったが、祝言を数日後に控え、観念してキチに会うことを承諾した。
「初めまして。さくらさんですね?お話は伺っております」
キチはさくらに向かって深々と頭を下げた。会ってみると、さくらの中にあったもやもやした気持ちはいくぶん和らいだ。キチは本当に気だてが良さそうな女で、笑った顔は初のそれに少し似ていた。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」さくらも頭を下げた。しかし、やはりまだ今日会ったばかりの女を母上とは呼べなかった。
そして、祝言も滞りなく終わり、近藤家の新しい日常が始まった。周助は、もうすっかりキチのことを気に入ったらしく、食事に何が出ようが褒めてばかりいた。さくらも、キチの料理の腕は確かだと思い、母上と呼べるように努力しようと思い始めていた。
「よし、さくら、稽古だ」
「はいっ」
ある日の食事のあと、食べ終わるなり立ち上がった二人に、キチは目を丸くした。
「今日は道場はお休みではないのですか?」
「他の奴らはな。だが、さくらに休みはねぇ。な!」周助が少し自慢気に言った。
「はい!」
さくらは近頃、天然理心流の目録をもらい、稽古が楽しくてしょうがない時期だった。
にこにこしながら道場に向かう周助とさくらを、キチはただじっと見つめていた。
数日後、キチが井戸で水を汲んでいると、稽古を終えた門人たちがわらわらとやってきた。
「あらみなさん、お疲れ様です」キチはにこりと微笑んだ。
「さくらさんは?一緒に稽古していたのでは?」
すると、その集団の中にいた小島がにこやかに答えた。
「残って一人で稽古してますよ。さすがは近藤先生の娘御だ。人一倍稽古しないと男の筋力には追い付かないからって、がんばってるんです。本当に感心しますよ」
「さくらさんは、そんなに一生懸命稽古をしてどうするのです?」
今度は小太りの門人が、苦々しい顔をして答えた。
「どうやら、本気で天然理心流を継ぐ気みたいですよ」
キチは二の句を継げずに小島たちを見た。周助に初めて会った時のことを思い出した。
『私には一人娘がいましてね。目の前で母親を亡くして、もう二度とこんな目に会いたくないと言って、剣術の稽古を始めたんです。だから、俺も持ってる技は全部あいつに伝授しようと思ってまして』
それがまさか、天然理心流の宗家を継ぐという意味だとは、つゆほども思わなかった。
「それは本当なのですか?」キチは表情を変えないようにしながら尋ねた。
「ええ、近藤先生も、血のつながった跡継ぎがいいらしくて」小島が答えた。
「しかし…さくらさんがお強いのも、人一倍稽古をがんばっていることもわかりますが…女子ですよ?」小太りの方が言った。
「だからどうした。さくらさんこそ、腕もあるし、天然理心流を継ぐにふさわしい方なんだ」
「小島さんは古株だからそんなことが言えるんですよ。正直、新参者の我々にとっては、いささか受け入れがたいというか……」
「なんだと?」
「我々にだって、矜持というものがあります。女子の下で剣術稽古なんて……みなさんだって、そう思ってるんでしょう?」
小太りの門人が振り返った。他の門人たちは、ゆっくりとうなずいた。小島だけが、苦い顔でそれを見ていた。
「奥様、必ずや、男の跡継ぎをお願いします」別の門人がキチをじっと見た。
「おい、失礼だぞ」小島が叱った。
このやり取りを黙って見つめていたキチは、にこりと微笑んだ。
「私は、この道場と近藤家が豊かで幸せになれば、それで構いませんわ」
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
紫苑の誠
卯月さくら
歴史・時代
あなたの生きる理由になりたい。
これは、心を閉ざし復讐に生きる一人の少女と、誠の旗印のもと、自分の信念を最後まで貫いて散っていった幕末の志士の物語。
※外部サイト「エブリスタ」で自身が投稿した小説を独自に加筆修正したものを投稿しています。
庚申待ちの夜
ビター
歴史・時代
江戸、両国界隈で商いをする者たち。今宵は庚申講で寄り合いがある。
乾物屋の跡継ぎの紀一郎は、同席者に高麗物屋の長子・伊織がいることを苦々しく思う。
伊織には不可思議な噂と、ある二つ名があった。
第7回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞しました。
ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/history.png?id=c54a38c2a36c3510c993)
新撰組のものがたり
琉莉派
歴史・時代
近藤・土方ら試衛館一門は、もともと尊王攘夷の志を胸に京へ上った。
ところが京の政治状況に巻き込まれ、翻弄され、いつしか尊王攘夷派から敵対視される立場に追いやられる。
近藤は弱気に陥り、何度も「新撰組をやめたい」とお上に申し出るが、聞き入れてもらえない――。
町田市小野路町の小島邸に残る近藤勇が出した手紙の数々には、一般に鬼の局長として知られる近藤の姿とは真逆の、弱々しい一面が克明にあらわれている。
近藤はずっと、新撰組を解散して多摩に帰りたいと思っていたのだ。
最新の歴史研究で明らかになった新撰組の実相を、真正面から描きます。
主人公は土方歳三。
彼の恋と戦いの日々がメインとなります。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/history.png?id=c54a38c2a36c3510c993)
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
北武の寅 <幕末さいたま志士伝>
海野 次朗
歴史・時代
タイトルは『北武の寅』(ほくぶのとら)と読みます。
幕末の埼玉人にスポットをあてた作品です。主人公は熊谷北郊出身の吉田寅之助という青年です。他に渋沢栄一(尾高兄弟含む)、根岸友山、清水卯三郎、斎藤健次郎などが登場します。さらにベルギー系フランス人のモンブランやフランスお政、五代才助(友厚)、松木弘安(寺島宗則)、伊藤俊輔(博文)なども登場します。
根岸友山が出る関係から新選組や清河八郎の話もあります。また、渋沢栄一やモンブランが出る関係からパリ万博などパリを舞台とした場面が何回かあります。
前作の『伊藤とサトウ』と違って今作は史実重視というよりも、より「小説」に近い形になっているはずです。ただしキャラクターや時代背景はかなり重複しております。『伊藤とサトウ』でやれなかった事件を深掘りしているつもりですので、その点はご了承ください。
(※この作品は「NOVEL DAYS」「小説家になろう」「カクヨム」にも転載してます)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる