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猫にカツオ節
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このお話の登場人物(猫)
ジャッキー
柄 白×黒の鉢割れ
産まれたのはだいぶ昔
黒くてツヤツヤの長いシッポが自慢の男の子
~~~~~~~~~~~~~~~
私が中学生の時に友だちの
はるちゃん(仮)の家で仔猫が産まれました。
何匹か産まれたうちの1匹を私が貰う事になったのですが
その経緯は褒められたものではありませんでした。
その日はお酒が過ぎたのか
はるちゃんのお父さんは
いがいしく仔猫の世話をしている母猫から仔猫を取り上げると
猫の親子を見守っていた
はるちゃんとはるちゃんのお姉さんに向かってこう言ったのです。
「明日までに貰い手を見付けて来なかった捨てちまうぞ!」
翌日登校すると
昨日の出来事を話す
はるちゃんの目は
涙でいっぱいでした。
動物虐待!
子供へのモラハラだし訴えてやるー!
猫好きとしては怒り心頭
黙っていられない案件ですが
とにかく仔猫の一大事です。
放課後家には寄らず一目散で
はるちゃんの家に向かうとお父さんは不在でした。
「そんな事を言っているとバチが当たってあなたも将来捨てられちゃいますよ」
お父さんに会ったらそんなニュアンスの事を言ってしまいそう
だったので対面しなくて良かったですが。
家にはお母さんが居て
「仔猫を貰いに来ました」
と告げると昨日娘さん達が
大泣きしたのに何事も無かったかの様に快く
母猫と仔猫の元へ案内してくれました。
娘が学校帰りに仔猫引き取り希望の友達を連れて来たとなれば
(昨日の騒動はお友達に
知れ渡っているはずだわ)
と推測して夫の悪行に付いて少しは弁解らしい事でも言うのかしら
と、推測の推測をしていたのに
そんな素振りは一切見せずに
いつもの笑顔で接してきます。
(あんなに娘達を追い込んでおいて
これが大人の対応なのか~?
飲み過ぎ夫にも慣れっこって事なのか?)
私が中二病になった瞬間でした。
はるちゃんの話に寄ると仔猫のうちの何匹かはご近所さんで
貰い手が決まったそうで
はるちゃんの家でも1匹は残して良いとの事なので
私は元気いっぱいな
白黒の鉢割れ柄の長い尻尾の
男の子を貰う事にしました。
と、そこで
「あ、うちの許可を得ていない…」
と気付きましたが
ウチの家族構成は
両親と父方の祖父母と弟がひとり。
全員動物好きで当時犬もいましたし
自分で言うのもなんですが
祖父母と父は私に甘々で
弟は私に従属していましたから
攻略するとしたら母だけですが
こんな可哀想な身の上の仔猫を助けないのは子供の情操教育によろしくない!
そうだ、これで押し切ろう!
そう決めて前向きな将来しか考えずに仔猫を抱いて帰りました。
帰り掛けにはるちゃんのお母さんが
「猫を貰ってもらう時にはカツオ節を付けるって決まりだから」
と言って
カツオ節のフレッシュパックを持たせてくれました。
今思うと本当にそんな風習があったのかは定かではありませんが
「これからこの子がお世話になります」
と言うお母さんの猫愛の表れだったのか。
だとするとはるちゃんのお母さんの事を
スンした大人…なんて思ってしまって申し訳なかったと反省して私の中二病は完治しました。
さて、仔猫を抱いて帰宅した私は
「皆さん!仔猫を貰って来たのでよろしく!」
(満場一致で)
「了解です!」
と言う訳にも行かないのでこれまでの経緯を説明しましたが
強敵と思われた母にも
「あら、カツオ節まで頂いて。
悪いわね。」
肩透かしを喰らう程あっさりと許可を得て
ウチの飼い猫になった仔猫に私が
「ジャッキー」
と名付けスクスクと成長して行く様を見守りました。
しかし自由に外へ
出掛けて行く時代の
飼い猫には数々の試練が
待ち受けていたのでした。
それはまた別のお話で。
ジャッキー
柄 白×黒の鉢割れ
産まれたのはだいぶ昔
黒くてツヤツヤの長いシッポが自慢の男の子
~~~~~~~~~~~~~~~
私が中学生の時に友だちの
はるちゃん(仮)の家で仔猫が産まれました。
何匹か産まれたうちの1匹を私が貰う事になったのですが
その経緯は褒められたものではありませんでした。
その日はお酒が過ぎたのか
はるちゃんのお父さんは
いがいしく仔猫の世話をしている母猫から仔猫を取り上げると
猫の親子を見守っていた
はるちゃんとはるちゃんのお姉さんに向かってこう言ったのです。
「明日までに貰い手を見付けて来なかった捨てちまうぞ!」
翌日登校すると
昨日の出来事を話す
はるちゃんの目は
涙でいっぱいでした。
動物虐待!
子供へのモラハラだし訴えてやるー!
猫好きとしては怒り心頭
黙っていられない案件ですが
とにかく仔猫の一大事です。
放課後家には寄らず一目散で
はるちゃんの家に向かうとお父さんは不在でした。
「そんな事を言っているとバチが当たってあなたも将来捨てられちゃいますよ」
お父さんに会ったらそんなニュアンスの事を言ってしまいそう
だったので対面しなくて良かったですが。
家にはお母さんが居て
「仔猫を貰いに来ました」
と告げると昨日娘さん達が
大泣きしたのに何事も無かったかの様に快く
母猫と仔猫の元へ案内してくれました。
娘が学校帰りに仔猫引き取り希望の友達を連れて来たとなれば
(昨日の騒動はお友達に
知れ渡っているはずだわ)
と推測して夫の悪行に付いて少しは弁解らしい事でも言うのかしら
と、推測の推測をしていたのに
そんな素振りは一切見せずに
いつもの笑顔で接してきます。
(あんなに娘達を追い込んでおいて
これが大人の対応なのか~?
飲み過ぎ夫にも慣れっこって事なのか?)
私が中二病になった瞬間でした。
はるちゃんの話に寄ると仔猫のうちの何匹かはご近所さんで
貰い手が決まったそうで
はるちゃんの家でも1匹は残して良いとの事なので
私は元気いっぱいな
白黒の鉢割れ柄の長い尻尾の
男の子を貰う事にしました。
と、そこで
「あ、うちの許可を得ていない…」
と気付きましたが
ウチの家族構成は
両親と父方の祖父母と弟がひとり。
全員動物好きで当時犬もいましたし
自分で言うのもなんですが
祖父母と父は私に甘々で
弟は私に従属していましたから
攻略するとしたら母だけですが
こんな可哀想な身の上の仔猫を助けないのは子供の情操教育によろしくない!
そうだ、これで押し切ろう!
そう決めて前向きな将来しか考えずに仔猫を抱いて帰りました。
帰り掛けにはるちゃんのお母さんが
「猫を貰ってもらう時にはカツオ節を付けるって決まりだから」
と言って
カツオ節のフレッシュパックを持たせてくれました。
今思うと本当にそんな風習があったのかは定かではありませんが
「これからこの子がお世話になります」
と言うお母さんの猫愛の表れだったのか。
だとするとはるちゃんのお母さんの事を
スンした大人…なんて思ってしまって申し訳なかったと反省して私の中二病は完治しました。
さて、仔猫を抱いて帰宅した私は
「皆さん!仔猫を貰って来たのでよろしく!」
(満場一致で)
「了解です!」
と言う訳にも行かないのでこれまでの経緯を説明しましたが
強敵と思われた母にも
「あら、カツオ節まで頂いて。
悪いわね。」
肩透かしを喰らう程あっさりと許可を得て
ウチの飼い猫になった仔猫に私が
「ジャッキー」
と名付けスクスクと成長して行く様を見守りました。
しかし自由に外へ
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飼い猫には数々の試練が
待ち受けていたのでした。
それはまた別のお話で。
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