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マコトの野望⑥
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「あー、ショーゴちゃん、ハヤタ君。元気そうねー。
もーさっきから皆さんがアタシの事お母さん、お母さんって。おばあちゃんよって言ってるのに誰も本気にしてくれないのよ。」
声の主はやはり先輩のお祖母さん、スミコさんだった。
「僕も本気にしてません。」
マコトのやつ相変わらずフォローが上手くて素早い。
「織田マコトです。暑い中ありがとうございます。」
「マコトは新チームの主将なんだ。」
「知ってるわぁ。
やっぱり野球部員ちゃんは礼儀正しいわね。
そうだわ、今までショーゴちゃんがお世話になりました。
後輩の皆さんのお陰でいい夏だったわ。
今日は感謝を込めてウチの畑からスイカを持ってきました。
後ママ達がオシャレなお料理にしてくれたのもウチの新鮮お野菜もよ。」
わー、スイカ!(一同礼&拍手)
「ありがとう。
アニキが明日来るからスミコさんも明日で良かったのに。
畑大丈夫なの?」
「うん、ジイジがいるし隣のヒロちゃんに頼んで来たから大丈夫よ。今日はサクラの所に泊まるからまた明日も来られるわよ。夜はBBQでしょ。」
(隣の幼馴染みのおじさんヒロちゃんか)
「あ、ほらいつまでも話てないで食べましょう。」
喋ってるのはほぼスミコさんだけどね。
いつもは男子学生ばっかりの学食が父母会のお手伝いのお陰で賑やかだ。
「食後はスイカよ。みんなお塩かけて食べなさいね。
汗かいた後は塩分よ。」
一昨日見た光景だけど懐かしい。
今年は合宿をサボるつもりだったのになんだかんだ巻き込まれて抱き込まれて思っていたのと真逆な夏休みになってしまった。
思えば中3の夏休みは野球なんて2度とやるものか!と完全にふて腐っていた。
声をかけてくれる高校もなかったので落ち込んでもいたし。
注目されていると思っていたけどみんなマコトの視察に来ていたんだ。
バッテリーを組んでいたので自分にも関心を示している所はあると確信していたのに。
自意識過剰のお笑いぐさだ。
だから余計に野球がイヤになった。
違うな、イヤになったのは一流だと勘違いしてスカウトに良い所を見せようと意識していた自分だ。
今考えると恥ずかしくて過去の自分を消し去りたい。
だけど消してはいけないユウスケと言う存在がある。
そう言えばユウスケ何処に引越したんだろう。
今弱小から少しづつ脱却しようとしているこの野球部が自分の中身の丈に合っている。
そう思うと傷つけてしまった友達に無性に会いたくなった。
ユウスケは僕の事まだ友達と思ってくれてるのかな…
「ハヤタ、スイカの手、止まってるよ。」
目の前に塩の瓶を持って微笑んでいるショーゴ先輩がいた。
もーさっきから皆さんがアタシの事お母さん、お母さんって。おばあちゃんよって言ってるのに誰も本気にしてくれないのよ。」
声の主はやはり先輩のお祖母さん、スミコさんだった。
「僕も本気にしてません。」
マコトのやつ相変わらずフォローが上手くて素早い。
「織田マコトです。暑い中ありがとうございます。」
「マコトは新チームの主将なんだ。」
「知ってるわぁ。
やっぱり野球部員ちゃんは礼儀正しいわね。
そうだわ、今までショーゴちゃんがお世話になりました。
後輩の皆さんのお陰でいい夏だったわ。
今日は感謝を込めてウチの畑からスイカを持ってきました。
後ママ達がオシャレなお料理にしてくれたのもウチの新鮮お野菜もよ。」
わー、スイカ!(一同礼&拍手)
「ありがとう。
アニキが明日来るからスミコさんも明日で良かったのに。
畑大丈夫なの?」
「うん、ジイジがいるし隣のヒロちゃんに頼んで来たから大丈夫よ。今日はサクラの所に泊まるからまた明日も来られるわよ。夜はBBQでしょ。」
(隣の幼馴染みのおじさんヒロちゃんか)
「あ、ほらいつまでも話てないで食べましょう。」
喋ってるのはほぼスミコさんだけどね。
いつもは男子学生ばっかりの学食が父母会のお手伝いのお陰で賑やかだ。
「食後はスイカよ。みんなお塩かけて食べなさいね。
汗かいた後は塩分よ。」
一昨日見た光景だけど懐かしい。
今年は合宿をサボるつもりだったのになんだかんだ巻き込まれて抱き込まれて思っていたのと真逆な夏休みになってしまった。
思えば中3の夏休みは野球なんて2度とやるものか!と完全にふて腐っていた。
声をかけてくれる高校もなかったので落ち込んでもいたし。
注目されていると思っていたけどみんなマコトの視察に来ていたんだ。
バッテリーを組んでいたので自分にも関心を示している所はあると確信していたのに。
自意識過剰のお笑いぐさだ。
だから余計に野球がイヤになった。
違うな、イヤになったのは一流だと勘違いしてスカウトに良い所を見せようと意識していた自分だ。
今考えると恥ずかしくて過去の自分を消し去りたい。
だけど消してはいけないユウスケと言う存在がある。
そう言えばユウスケ何処に引越したんだろう。
今弱小から少しづつ脱却しようとしているこの野球部が自分の中身の丈に合っている。
そう思うと傷つけてしまった友達に無性に会いたくなった。
ユウスケは僕の事まだ友達と思ってくれてるのかな…
「ハヤタ、スイカの手、止まってるよ。」
目の前に塩の瓶を持って微笑んでいるショーゴ先輩がいた。
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