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マコトの野望③
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「なるほどねー、いきなり紅白戦を持って来たのはそう言う事か。」
端から見たらマコトと僕がガツンとやりそうだったのか
血相を変えて掛け寄って来た先輩に事情を説明する事になってしまったが、掻い摘まんだ説明でも僕が今まで投手を避けて来た理由を察してくれて
僕をエースに据えるマコトの方針の支持者にまわった。
先輩に逆らう気なんてさらさら無いし
「イヤだ」
とは言えない。
マコトの言う
「時期」
とやらに従う決断をした。
何より先輩に
「頑張れよ。お前なら出来る!」
と正面から両肩をガシッと掴まれて
それで終わるかと思ったら
ぐっと抱き寄せられて頭をポンポンされたらやらない理由が見付からない。
投げる気になっただけでこんなお持てなしなら、もしも大会で投げきって勝ったらどんなご褒美が待っているんだろう。
意識が飛びそうになるのを必死に堪えた。
さて、紅白戦が始まるとマコトの言う通り1年の成長に目を見張る。
そもそも硬式野球経験者が入部してくる事自体が今までは奇跡みたいなものだったので
キャッチボールをしていて
「ごめーん」
と言わない光景に引退した先輩達が感動するのも無理はない。
守備は形になっている。
僕も練習用グランドであってもマウンドに立つのは中3の夏以来なので久しぶりの投球に力は入ったけれども筋肉の使い方は体がキッチリ覚えていた。
野球を
「楽しい」
と思った事に一瞬後ろめたさを感じたけれどマコトのミットに投げ込む音に次第に熱くなって行く自分には抗えない。
(ユウスケに会いたいな)
「エースはハヤタでイケるでしょ。監督。」
「そうだな。さすが強豪シニア経験者だな。
今まで投げされて来なかったのがもったいないけど大会が楽しみだな。」
「はい、対戦校にはハヤタのデーターはないですしね。
後は抽選会で楽なブロックに入れればいい所まで行けますよ。
そしたら来年の春はスーパー1年生がゴッソリ入って来てウチも大所帯になって、来年の夏は本気で県大会優勝狙いに行きますんで。
監督も優勝インタビューの練習しといて下さい。」
「さすがに~それは荷が重いな。」
「後、甲子園に行く事になったら寄付金の働き掛けもお願いしますね。
あー、それにしても強豪の仲間入りするなら早く共学にしてチア作っておげばよかったなー。
って職員室でもっぱらの噂…なんてないですかね。」
「それはないけど。いいな甲子園。」
端から見たらマコトと僕がガツンとやりそうだったのか
血相を変えて掛け寄って来た先輩に事情を説明する事になってしまったが、掻い摘まんだ説明でも僕が今まで投手を避けて来た理由を察してくれて
僕をエースに据えるマコトの方針の支持者にまわった。
先輩に逆らう気なんてさらさら無いし
「イヤだ」
とは言えない。
マコトの言う
「時期」
とやらに従う決断をした。
何より先輩に
「頑張れよ。お前なら出来る!」
と正面から両肩をガシッと掴まれて
それで終わるかと思ったら
ぐっと抱き寄せられて頭をポンポンされたらやらない理由が見付からない。
投げる気になっただけでこんなお持てなしなら、もしも大会で投げきって勝ったらどんなご褒美が待っているんだろう。
意識が飛びそうになるのを必死に堪えた。
さて、紅白戦が始まるとマコトの言う通り1年の成長に目を見張る。
そもそも硬式野球経験者が入部してくる事自体が今までは奇跡みたいなものだったので
キャッチボールをしていて
「ごめーん」
と言わない光景に引退した先輩達が感動するのも無理はない。
守備は形になっている。
僕も練習用グランドであってもマウンドに立つのは中3の夏以来なので久しぶりの投球に力は入ったけれども筋肉の使い方は体がキッチリ覚えていた。
野球を
「楽しい」
と思った事に一瞬後ろめたさを感じたけれどマコトのミットに投げ込む音に次第に熱くなって行く自分には抗えない。
(ユウスケに会いたいな)
「エースはハヤタでイケるでしょ。監督。」
「そうだな。さすが強豪シニア経験者だな。
今まで投げされて来なかったのがもったいないけど大会が楽しみだな。」
「はい、対戦校にはハヤタのデーターはないですしね。
後は抽選会で楽なブロックに入れればいい所まで行けますよ。
そしたら来年の春はスーパー1年生がゴッソリ入って来てウチも大所帯になって、来年の夏は本気で県大会優勝狙いに行きますんで。
監督も優勝インタビューの練習しといて下さい。」
「さすがに~それは荷が重いな。」
「後、甲子園に行く事になったら寄付金の働き掛けもお願いしますね。
あー、それにしても強豪の仲間入りするなら早く共学にしてチア作っておげばよかったなー。
って職員室でもっぱらの噂…なんてないですかね。」
「それはないけど。いいな甲子園。」
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