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13話 襲撃――Assault
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「なんだ⁉」
響き渡るアラームのような音に、ガタンと音を立てて殿下がイスから立ち上がる。
ビィィィ、ビィィィ、と鳴り続ける音は、いっこうにやむ気配がない。
「殿下、わたし、人を呼んで……」
「いや、カンナはここに、」
『緊急警報発令! 緊急警報発令! 南の浜辺より、数百単位の【デス】の侵攻を確認! 王都、及び南の都にいる者は、速やかに避難を開始しなさい!
繰り返します――』
目を見開き、息を呑んだ。口の中がかわいて、言葉を発することができない。
今、もしかして……【デス】が攻めてきたって、そう言ったの?
硬直していた殿下が不意に、壁にかけてある騎士団の隊服のコートを羽織り、たてかけてあった剣を持って、部屋を出ようとする。
「アルベルト殿下!」
わたしが立ち上がったその時、行く手を阻むように扉が開いた。
そして、驚いている彼の前に、使用人たち……メイドさんや執事さんが立ちふさがる。
「殿下、どうかお留まりください!」
「世継ぎであるあなたにもし何かあったら、この国は終わりです!」
「オレは王子であると同時に、王立魔法騎士団の一人だ。第一部隊にいるあいだは、オレは第一王子アルベルトじゃない!」
「ですが!」
なおも言い募ろうとした執事さんが肩をつかむ手を、彼はどけて言う。
「……国の一大事に一人安全なところにいる王なんて、そもそも王じゃない」
どけ、と低い声で命じる殿下に、使用人の人達はそろってあとずさった。
冷たくて、でも燃えるような怒りを宿す青い瞳。
誰よりも【デス】を憎む彼が、ここで妥協なんてするはずがない。
さっそうと部屋を出ていってしまった殿下を、呆然とした表情で見送る執事さんたち。
……でもわたしは、呆然としてるばかりじゃいられない。わたしは彼の家庭教師なんだから。
「あ、あの、隊長さ……ユリウス様は、どこにいますか⁉」
「ユリウス様は、もうすでに第一線に……。我々がお止めする暇も、」
「そうですか! ありがとうございます!」
本をかかえて、扉に向かって歩き出す。
わたしも、この本が……ひいおばあちゃんの【鍵】があれば、魔法が使える。
騎士の人達の手助けくらいはできるはずだ。
「な、カンナ様! いったいどちらへ⁉」
「大丈夫です! わたしが殿下を必ずお守りしますから!」
安心して待っていてください!
そうさけぶように残すと、わたしも殿下の後を追うように、部屋を飛び出した。
*
王宮から出ると、門のそばには数頭の馬と、それに乗った騎士たちの姿があった。
隊服の徽章には見覚えがある。それに、見慣れた金髪の少年もいる。
……第一部隊だ。
「み、みなさん……っ、わたしも、連れていってください!」
「カンナ嬢⁉ どうしてこんなところに! 危険だぞ、早く王宮に戻って」
みんなのもとに駆け寄って、荒い息をととのえる。
そして顔を上げて、わたしはきっぱりと言い切った。
「わ、わたしは、聖人の血を引く、アルベルト殿下の家庭教師です! わたしだけこのまま、王宮に残ることなんてできません!」
……ここはわたしの国じゃないけど、ひいおばあちゃんの大切な故郷だ。
そしてこの国の人々は、ひいおばあちゃんがいたヴェーネレ家の人達が、必死になって守ろうとしたものなんだ。
わたしだって、この国の力になりたい。
「カンナ嬢、」
「……でもっ! わたし、馬に乗れないんです! だから誰か連れて行ってくださいっ!」
「「「ウソ⁉」」」
思わずというように声を上げた第一部隊のみんなが、いっせいに笑い出す。
な、なんで笑われてるの……? まさかこの国の貴族は、馬に乗れないのっておかしいの?
それはまずい、と顔を青くしたその時、誰かが笑いながら言った。
「っはは……悪いカンナ嬢、意外すぎて。……『天才』っつっても、万能なわけじゃないんだな。そりゃそうだよな、人間だもんな」
「確かにそういや、昨日も疲れで魔法失敗してたっけ」
「意外と抜けてるとこもあるんだな、ちょっと安心したよ」
「十三歳の女の子に遅れをとってる騎士って、なんかかっこ悪いもんなー」
(こ、これって……ほめられてるの?)
わたしが微妙な表情でいると、大きめの黒い馬に乗っていた騎士さんが、わたしに手を差し出してくれた。
「一緒に来るんだろ? 俺の馬に乗れよ。コイツはけっこうでかいから、カンナ嬢一人増えたって、大したことないぜ」
「い、いいんですか……⁉」
「ああ。ほら、一刻を争う事態なんだ、早く乗れ!」
「は、はいっ!」
差し出された手を掴んで、黒い馬にまたがる。馬に乗るのは二回目だけど、意外な高さにはまだ慣れなくて、少し怖い。
「殿下。いいですよね、わたしも行っても!」
同じように馬にまたがったまま、苦い顔でこちらを見ていた殿下に、問いかける。
すると、彼はため息をついて一言、
「好きにしろ」
とだけ言った。
言質をとった、とわたしが小さくガッツポーズをしたのと同時に、副隊長であるランスロットさんが剣を空に突き上げてさけんだ。
「王立魔法騎士団の名にかけて、【デス】を王都に行かせるな!」
「おお!」
*
南の浜辺といえば、わたしが【鍵】によって飛ばされてきて、初めてたどり着いた場所であり、【スザク】を追い払った場所だ。
つまり【デス】は、同じようなところから侵入してきたことになる。おそらく、同じもろくなった箇所から入ってきたのだ。
わたしたちは、周りの【デス】を排除しつつ、その箇所を修復・補強しなくてはならない。
まず第一にもろいところを塞がなくては、次から次へと【デス】の侵攻を許してしまうことになるからだ。
「見えてきたぞ、カンナ嬢。氷の結界だ」
ランスロットさんが、わたしを振り返りながら森の向こうを指差す。
……かすかに見える、黒いもやのようなもの。
ここからはそのもやが一つか二つに見えるけど、あれはきっと【デス】の大群が、一ヶ所に集まっているのだ。
(お、多い……!)
「副隊長! 早く隊長と合流しましょう。前衛のオレたちが遅れれば、【デス】が王都にたどりつく可能性が高くなってしまいます!」
「ああ。いつまでも隊長に負担をかけてばっかりのわけにはいかないな!」
飛ばすぞ! と、彼が手綱を握った……その刹那。
――ぶわり、と腕に鳥肌が立ったかと思うと、次の瞬間には何故か、ランスロットさんが馬から落ちてしまっていた。
「え……!?」
……一瞬、何が起きたかわからなかった。
黒い影が素早く目の前を横切ったことだけはわかった。
ドサリ、と力なく地面に落ちてしまったランスロットさんを見て、殿下が呆然として「副隊長」とつぶやく。
「……っ、アル、落ち着け! 副隊長の『耐性』が弱くて【呪い】にかかっただけだ! 魔力を奪われて死んだわけじゃない!」
「それでも、やられたのにかわりない!」
勢いよく抜剣し、殿下はぎろりと頭上を睨み上げた。
……その視線の先にいたのは、三体の【デス】。
ランスロットさんを襲ったのは、その中でも特に大きな個体。うねる触手のようなものを使って【呪い】をかけ、彼を馬上から突き落としたのだ。
(でも、だめだよ! ここで殿下が戦ったら、部隊全体が混乱しちゃう……!)
いくら自分で『騎士団にいるあいだは、王子じゃない』なんて言ってみたって、彼が世継ぎの王子であることは紛れもない事実なんだ。
余計な危険はおかさないでいい、彼が倒すのは……【スザク】だけでいい。
他を蹴散らすのは、わたしたちだ!
「殿下、みなさん、下がってください! わたしがやります!」
突然の襲撃に、みんなが馬を止めた。これは馬に慣れていないわたしにとって、チャンスだ。
急いで抱えた本のページをめくり、【デス】を見上げる。
「カンナ!」
「大丈夫です!」
金色に輝き出す魔法陣。
わたしは息を吸い込むと、ありったけの声で叫んだ。
「我誓う、【至高の記憶】――ビー・ストラック・バイ・ライジング!」
響き渡るアラームのような音に、ガタンと音を立てて殿下がイスから立ち上がる。
ビィィィ、ビィィィ、と鳴り続ける音は、いっこうにやむ気配がない。
「殿下、わたし、人を呼んで……」
「いや、カンナはここに、」
『緊急警報発令! 緊急警報発令! 南の浜辺より、数百単位の【デス】の侵攻を確認! 王都、及び南の都にいる者は、速やかに避難を開始しなさい!
繰り返します――』
目を見開き、息を呑んだ。口の中がかわいて、言葉を発することができない。
今、もしかして……【デス】が攻めてきたって、そう言ったの?
硬直していた殿下が不意に、壁にかけてある騎士団の隊服のコートを羽織り、たてかけてあった剣を持って、部屋を出ようとする。
「アルベルト殿下!」
わたしが立ち上がったその時、行く手を阻むように扉が開いた。
そして、驚いている彼の前に、使用人たち……メイドさんや執事さんが立ちふさがる。
「殿下、どうかお留まりください!」
「世継ぎであるあなたにもし何かあったら、この国は終わりです!」
「オレは王子であると同時に、王立魔法騎士団の一人だ。第一部隊にいるあいだは、オレは第一王子アルベルトじゃない!」
「ですが!」
なおも言い募ろうとした執事さんが肩をつかむ手を、彼はどけて言う。
「……国の一大事に一人安全なところにいる王なんて、そもそも王じゃない」
どけ、と低い声で命じる殿下に、使用人の人達はそろってあとずさった。
冷たくて、でも燃えるような怒りを宿す青い瞳。
誰よりも【デス】を憎む彼が、ここで妥協なんてするはずがない。
さっそうと部屋を出ていってしまった殿下を、呆然とした表情で見送る執事さんたち。
……でもわたしは、呆然としてるばかりじゃいられない。わたしは彼の家庭教師なんだから。
「あ、あの、隊長さ……ユリウス様は、どこにいますか⁉」
「ユリウス様は、もうすでに第一線に……。我々がお止めする暇も、」
「そうですか! ありがとうございます!」
本をかかえて、扉に向かって歩き出す。
わたしも、この本が……ひいおばあちゃんの【鍵】があれば、魔法が使える。
騎士の人達の手助けくらいはできるはずだ。
「な、カンナ様! いったいどちらへ⁉」
「大丈夫です! わたしが殿下を必ずお守りしますから!」
安心して待っていてください!
そうさけぶように残すと、わたしも殿下の後を追うように、部屋を飛び出した。
*
王宮から出ると、門のそばには数頭の馬と、それに乗った騎士たちの姿があった。
隊服の徽章には見覚えがある。それに、見慣れた金髪の少年もいる。
……第一部隊だ。
「み、みなさん……っ、わたしも、連れていってください!」
「カンナ嬢⁉ どうしてこんなところに! 危険だぞ、早く王宮に戻って」
みんなのもとに駆け寄って、荒い息をととのえる。
そして顔を上げて、わたしはきっぱりと言い切った。
「わ、わたしは、聖人の血を引く、アルベルト殿下の家庭教師です! わたしだけこのまま、王宮に残ることなんてできません!」
……ここはわたしの国じゃないけど、ひいおばあちゃんの大切な故郷だ。
そしてこの国の人々は、ひいおばあちゃんがいたヴェーネレ家の人達が、必死になって守ろうとしたものなんだ。
わたしだって、この国の力になりたい。
「カンナ嬢、」
「……でもっ! わたし、馬に乗れないんです! だから誰か連れて行ってくださいっ!」
「「「ウソ⁉」」」
思わずというように声を上げた第一部隊のみんなが、いっせいに笑い出す。
な、なんで笑われてるの……? まさかこの国の貴族は、馬に乗れないのっておかしいの?
それはまずい、と顔を青くしたその時、誰かが笑いながら言った。
「っはは……悪いカンナ嬢、意外すぎて。……『天才』っつっても、万能なわけじゃないんだな。そりゃそうだよな、人間だもんな」
「確かにそういや、昨日も疲れで魔法失敗してたっけ」
「意外と抜けてるとこもあるんだな、ちょっと安心したよ」
「十三歳の女の子に遅れをとってる騎士って、なんかかっこ悪いもんなー」
(こ、これって……ほめられてるの?)
わたしが微妙な表情でいると、大きめの黒い馬に乗っていた騎士さんが、わたしに手を差し出してくれた。
「一緒に来るんだろ? 俺の馬に乗れよ。コイツはけっこうでかいから、カンナ嬢一人増えたって、大したことないぜ」
「い、いいんですか……⁉」
「ああ。ほら、一刻を争う事態なんだ、早く乗れ!」
「は、はいっ!」
差し出された手を掴んで、黒い馬にまたがる。馬に乗るのは二回目だけど、意外な高さにはまだ慣れなくて、少し怖い。
「殿下。いいですよね、わたしも行っても!」
同じように馬にまたがったまま、苦い顔でこちらを見ていた殿下に、問いかける。
すると、彼はため息をついて一言、
「好きにしろ」
とだけ言った。
言質をとった、とわたしが小さくガッツポーズをしたのと同時に、副隊長であるランスロットさんが剣を空に突き上げてさけんだ。
「王立魔法騎士団の名にかけて、【デス】を王都に行かせるな!」
「おお!」
*
南の浜辺といえば、わたしが【鍵】によって飛ばされてきて、初めてたどり着いた場所であり、【スザク】を追い払った場所だ。
つまり【デス】は、同じようなところから侵入してきたことになる。おそらく、同じもろくなった箇所から入ってきたのだ。
わたしたちは、周りの【デス】を排除しつつ、その箇所を修復・補強しなくてはならない。
まず第一にもろいところを塞がなくては、次から次へと【デス】の侵攻を許してしまうことになるからだ。
「見えてきたぞ、カンナ嬢。氷の結界だ」
ランスロットさんが、わたしを振り返りながら森の向こうを指差す。
……かすかに見える、黒いもやのようなもの。
ここからはそのもやが一つか二つに見えるけど、あれはきっと【デス】の大群が、一ヶ所に集まっているのだ。
(お、多い……!)
「副隊長! 早く隊長と合流しましょう。前衛のオレたちが遅れれば、【デス】が王都にたどりつく可能性が高くなってしまいます!」
「ああ。いつまでも隊長に負担をかけてばっかりのわけにはいかないな!」
飛ばすぞ! と、彼が手綱を握った……その刹那。
――ぶわり、と腕に鳥肌が立ったかと思うと、次の瞬間には何故か、ランスロットさんが馬から落ちてしまっていた。
「え……!?」
……一瞬、何が起きたかわからなかった。
黒い影が素早く目の前を横切ったことだけはわかった。
ドサリ、と力なく地面に落ちてしまったランスロットさんを見て、殿下が呆然として「副隊長」とつぶやく。
「……っ、アル、落ち着け! 副隊長の『耐性』が弱くて【呪い】にかかっただけだ! 魔力を奪われて死んだわけじゃない!」
「それでも、やられたのにかわりない!」
勢いよく抜剣し、殿下はぎろりと頭上を睨み上げた。
……その視線の先にいたのは、三体の【デス】。
ランスロットさんを襲ったのは、その中でも特に大きな個体。うねる触手のようなものを使って【呪い】をかけ、彼を馬上から突き落としたのだ。
(でも、だめだよ! ここで殿下が戦ったら、部隊全体が混乱しちゃう……!)
いくら自分で『騎士団にいるあいだは、王子じゃない』なんて言ってみたって、彼が世継ぎの王子であることは紛れもない事実なんだ。
余計な危険はおかさないでいい、彼が倒すのは……【スザク】だけでいい。
他を蹴散らすのは、わたしたちだ!
「殿下、みなさん、下がってください! わたしがやります!」
突然の襲撃に、みんなが馬を止めた。これは馬に慣れていないわたしにとって、チャンスだ。
急いで抱えた本のページをめくり、【デス】を見上げる。
「カンナ!」
「大丈夫です!」
金色に輝き出す魔法陣。
わたしは息を吸い込むと、ありったけの声で叫んだ。
「我誓う、【至高の記憶】――ビー・ストラック・バイ・ライジング!」
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