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学校編
九十七期生の写真
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「それがきっかけでベグテクタとオードの関係は悪化します。ここまでインデッセで神の存在が露見してから七年経ちました。ベグテクタは神の存在が知られる一年前に王の娘マヤ姫をインデッセへ嫁がせていたこともあり関係は良好でした。ベグテクタはインデッセにオードを神の力で抑え込んで欲しいと頼みます。インデッセは最初それを断っていましたがその神を見つけたのがマヤ姫だったということをベグテクタに知られ、断れない状況になります」
ますますせこいな、ベグテクタ。
「インデッセは重い腰を上げて、神の力を使おうとしますが制御することができず予想以上の力を出させてしまい、オードは火の海になります。それを理由にオードはベグテクタとインデッセに宣戦布告します。アベンチュレも神の恐ろしさを感じオードと手を組みます。それから五年間戦争をしました。五年経っても収束しない戦争に、どの国も危機感を得ます。そして行動を初めに起こしたのがベグテクタでした。ベグテクタは戦争が始まった四年目に王を病で亡くし、ルリ姫の弟君が王位を継承しました。ベグテクタはオードに神を使ったことを謝罪、銀山を譲ることで戦争を収束させて欲しいと願い出ました」
やるな、王子とシズは思った。
「オードはそれを承諾しましたが、インデッセに神がいることを懸念します。そしてオード、ベグテクタ、カサヌも加わりインデッセに神を殺すように頼みます。終わりの見えない戦争、多くの犠牲者。それらを踏まえインデッセはそれを了承し、戦争は終わりました」
神様可哀想だな。勝手に利用されて勝手に殺されて。シズは歴史に同情する。
「そしてペタで行われた講和会議でできたのが皆さんが知っているように四ヵ国条約がです。生産物の面でも四国は支え合うようになりできる限り、持ちつ持たれつを保っています」
神様がいない平和な世界。なんか皮肉ぽいなとシズは思った。
授業が終わるサンス教官はお知らせがあると生徒達が教室を出るのを止めた。
「入学式に撮った写真が二階の渡り廊下に飾られています。良かったら見に行ってくださいね」
興味ないと席を立ち、シズは教室を出た。
「見に行かないの?」
みんなと逆方向に行くとリゴに呼び止められた。
「私はいいや」
「なんだよ。行こうぜ。つれねぇな」
突然現れたリョークがシズの肩に腕を回した。
「そうよ。こういうのは行くものなのよ」
「バリミアまで。アシスは?」
辺りを見渡すが姿が見えない。帰ったなようだった。
「ローズがいなくても俺がいる」
まあ見るくらいならいいかとシズも行くことにした。
写真の前は人だかりができていた。
「めっちゃ人多いな」
見ずに帰ろうか、とシズはやはり思った。
「割り込むか? 」
「やめときなよ」
リョークをリゴが咎める。
「他の写真見て待とうよ。歴代の飾ってるよ。ほら、この間話した九十七期生の写真あるよ」
リゴがシズに教えた。
「あ、カザン」
リョークが名前を呼ぶとカザンはこっちを見た。カザンは九十七期生の写真の前にいた。
「クド君」
「お前自分の写真は見たのか?」
「いえ、ちょっと悲劇の九十七期生に興味があって」
「へえ」
リョークがぐいっと写真を見入った。
「わあ。天才な顔ばっかりだな」
「適当だな、お前」
リゴが呆れる。けれど興味があるみたいでリョークの横で同じように眺めた。写真は過去十五年分飾られているようだった。縦からアオ・キイロ・アカクラスごとに飾られている。
「あれ? 」
リゴが呟いた。
「どうした? リゴ」
リョークに返事をせず、リゴはシズの顔を見た。そしてまた写真を見て、シズを見た。
「カンダがいる」
「え」
リョークをよけ、シズは写真を見る。
「おい、なにすんだ!」
「どこ?」
リョークを無視してシズが聞けば、リゴは九十七期生のアオクラスの写真を指さした。
そこにはシズと同じ顔をした男がしっかりと写っていた。
ますますせこいな、ベグテクタ。
「インデッセは重い腰を上げて、神の力を使おうとしますが制御することができず予想以上の力を出させてしまい、オードは火の海になります。それを理由にオードはベグテクタとインデッセに宣戦布告します。アベンチュレも神の恐ろしさを感じオードと手を組みます。それから五年間戦争をしました。五年経っても収束しない戦争に、どの国も危機感を得ます。そして行動を初めに起こしたのがベグテクタでした。ベグテクタは戦争が始まった四年目に王を病で亡くし、ルリ姫の弟君が王位を継承しました。ベグテクタはオードに神を使ったことを謝罪、銀山を譲ることで戦争を収束させて欲しいと願い出ました」
やるな、王子とシズは思った。
「オードはそれを承諾しましたが、インデッセに神がいることを懸念します。そしてオード、ベグテクタ、カサヌも加わりインデッセに神を殺すように頼みます。終わりの見えない戦争、多くの犠牲者。それらを踏まえインデッセはそれを了承し、戦争は終わりました」
神様可哀想だな。勝手に利用されて勝手に殺されて。シズは歴史に同情する。
「そしてペタで行われた講和会議でできたのが皆さんが知っているように四ヵ国条約がです。生産物の面でも四国は支え合うようになりできる限り、持ちつ持たれつを保っています」
神様がいない平和な世界。なんか皮肉ぽいなとシズは思った。
授業が終わるサンス教官はお知らせがあると生徒達が教室を出るのを止めた。
「入学式に撮った写真が二階の渡り廊下に飾られています。良かったら見に行ってくださいね」
興味ないと席を立ち、シズは教室を出た。
「見に行かないの?」
みんなと逆方向に行くとリゴに呼び止められた。
「私はいいや」
「なんだよ。行こうぜ。つれねぇな」
突然現れたリョークがシズの肩に腕を回した。
「そうよ。こういうのは行くものなのよ」
「バリミアまで。アシスは?」
辺りを見渡すが姿が見えない。帰ったなようだった。
「ローズがいなくても俺がいる」
まあ見るくらいならいいかとシズも行くことにした。
写真の前は人だかりができていた。
「めっちゃ人多いな」
見ずに帰ろうか、とシズはやはり思った。
「割り込むか? 」
「やめときなよ」
リョークをリゴが咎める。
「他の写真見て待とうよ。歴代の飾ってるよ。ほら、この間話した九十七期生の写真あるよ」
リゴがシズに教えた。
「あ、カザン」
リョークが名前を呼ぶとカザンはこっちを見た。カザンは九十七期生の写真の前にいた。
「クド君」
「お前自分の写真は見たのか?」
「いえ、ちょっと悲劇の九十七期生に興味があって」
「へえ」
リョークがぐいっと写真を見入った。
「わあ。天才な顔ばっかりだな」
「適当だな、お前」
リゴが呆れる。けれど興味があるみたいでリョークの横で同じように眺めた。写真は過去十五年分飾られているようだった。縦からアオ・キイロ・アカクラスごとに飾られている。
「あれ? 」
リゴが呟いた。
「どうした? リゴ」
リョークに返事をせず、リゴはシズの顔を見た。そしてまた写真を見て、シズを見た。
「カンダがいる」
「え」
リョークをよけ、シズは写真を見る。
「おい、なにすんだ!」
「どこ?」
リョークを無視してシズが聞けば、リゴは九十七期生のアオクラスの写真を指さした。
そこにはシズと同じ顔をした男がしっかりと写っていた。
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