Outsider  ~こうして俺は、美少女と死体を担ぐことになった~

梅月矢乃

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#005

宮之阪の作戦2

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 宮之阪が考えた作戦とはいっても難しくはなく、俺にも理解出来るようなものだった。

 駅までの道中、宮之阪は俺の話を整理した上でこう述べた。

「わざわざ生かしてまで例のKは人間と組んだんでしょ?それは確かにそうせざるを得ない状況にあったのかもしれないけど、存在を隠すために殺すよりも良い手段があるとは私には思えない。無理にでも殺すべきだと普通なら考えるよ。だって、死人には口がないからね。逆に、その人間にはリスクをおかしてまで組むほどの有益な何かがあったんじゃないかな」

 例えば、と宮之阪は丸眼鏡をクイっと持ち上げて、

「誰にも見られないような殺す場所を簡単に整えられる、とか」

 もし宮之阪の言う通りであれば、ペテン師Xはかなり絞られる事になるが。

「まぁ、想像でしかないけど。でも、推理ってこうやって想像から可能性を潰していく事だからね」

 その上で、宮之阪は誰にでも思い付きそうで、思い付かないような提案をした。

「手紙を書くの。ペテン師X君だと思わしき人間宛に。君だけじゃないよって。私達は味方だよって。Kにバレないように、でも、ペテン師X君が気付いてくれるように」

 宮之阪は言った。ペテン師Xが寝返る手伝いをすると。

「重要なのはKを知っているのは君だけじゃないと伝えること。ペテン師X君にはまず間違いなく味方がいない。だから戦えないし、殺されるのを恐れて動けない」

 必要なのは一歩を踏み出す為、その背を押す味方の存在だ。

「全部で五通。まずは生徒会役員に配ろうと思う。またロッカーにでも入れてね」

「ちなみにだが、何て書くつもりなんだ?」

 俺がそう聞くと、宮之阪は少年マンガの主人公のような爽やかな笑顔で言った―――。
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