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寝不足はフラフラする。✴︎
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数時間眠って、また寝ようとするとベッドに寝ているわけじゃないからか、寝付けなかった。椅子に座り、壁に横たわって、とりあえず目をつぶって瞑想してみる。病室内は真っ暗で空調の音が聞こえてくる。
時々、通る看護師や医師、スタッフの足音がカツカツと聞こえてくる。
個室で扉が厚くても聞こえてくるものだ。
ざわざわとスタッフ同士で話している声も聞こえていた。
カーテン越しに朝日が差しこんできた。もう夜が明けた。
特に具合悪いと訴えることもなく、紬は熟睡していた。点滴も2本打って、落ち着いて、肌の血色も良くなっている。
気持ちよさそうに眠っている。
こっちは目の下にクマを作って、全然眠れなかったというに羨ましい。
額付近とそっと撫でた。体温も平熱のようだった。寝言を言うように寝返りを打った。
まるで医療のお仕事で夜勤をしているようだ。寝付けないのも半ば仕事だと脳が錯覚しているのかもしれない。
全然、そんなことは思っていなく、寝れるものなら寝たかった。
でも、椅子に座って寝るなんて、自分には向いていないなと感じた。
紬の足付近を枕に寝ていた時は熟睡できたのに、重いと言って、拒否された。
電子タバコでも車に行って吸いに行こうかと、立ち上がった。
「おはようございます。掃除させていただきますね。」
ノックの後、清掃員であろうおばさんが中に入ってきた。行くタイミングを失った。
「あ、すいません。よろしくお願いします。」
「寝ているところでしたね。音は静かにやるので、大丈夫ですよ。」
小声で話しながら、通り過ぎて行く。
またノックが聞こえた。
「おはようございます。6時ですので、検温と血圧を測らせていただきますね。」
看護師の声に反応し、陸斗は紬を肩を揺すって起こした。
「ん?」
「紬、検温するって。起きて。」
「あ、ああ!おはようございます。起きるのギリギリですいません!」
「大丈夫ですよぉ。ちょうど優しい旦那さんがいてよかったですね。はい、体温計挟んでください。血圧測りますので、腕出してくださいね。」
テキパキとこなす。紬は圧倒された。
「平熱ですね。血圧も異常なし。体調は回復してるみたいですね。谷口さん、お腹の調子はどうですか?張りますか?」
「今のところ、特に問題なさそうです。時々、よだれつわりっていうのか、出てきますが、食欲は少し出てきましたが・・・。」
「すいません、ちょっとだけ、お腹触りますね。そうですね、今は、特に問題なさそうです。あとまた、回診の先生も来ますし、その時、何かありましたら、おっしゃってくださいね。」」
「はい。わかりました。」
看護師はバインダーに体温を記入して立ち去った。
陸斗は今がチャンスかと、紬に話そうとしたが、すぐにドアが開いて、回診の先生たちが病室内に入ってきた。
「おはようございます。谷口さん、調子はどうですか?」
「はい。おかげさまで、点滴して調子出てきました。」
「それは良かった。なかなか、つわり症状があると食事が取れないんですもんね。でも、吐いてでも、食事を取らないと赤ちゃんにも栄養が行きませんから。本当に食べたいものを食べられるだけこまめにとっていきましょう。少量でもいいのでね。水分補給は脱水の原因にもなりますから、気をつけてください。」
「はい! 気をつけます。」
「とりあえず、体調も戻ったことですし、夕方に退院で構いませんよ。また症状が出たら、当院の外来の方で診させていただくので、お電話ください。佐藤さん、退院の手続きお願いします。」
近くにいた看護師の佐藤に先生は声をかけた。
「はい。わかりました。朝と昼の食事は点滴では無くて良いんですよね。お粥ですか?」
「そうですね。そんな感じでいいんではないでしょうか。まだ回復したばかりで胃も弱っていることですし、お薬は吐き気止めと胃薬を出しておきましょう。つわり症状がおありなので…。谷口さん、念の為、お薬も出しておきますね。」
「ありがとうございます。」
「それでは失礼します。」
先生と看護師は素早く立ち去った。
陸斗は見送ってから、紬にやっと話しかけられる。
「あ、あのさ、ちょっと車に行ってきていい?」
「え、なんで?」
「これ、行きたいから。」
もうバレてるってわかっているからか隠すこともなく、電子タバコを見せた。
「あー、そっか。うん、どうぞ。あ、あと、陸斗の朝ごはんも病院内のコンビニで買っておいでよ。お腹空くでしょう。」
「あー、だよね。うん、買ってくる。何か食べたいものは?」
「そうだなぁ。レモン味の飴が欲しい。」
「了解。行ってくるから。」
体は寝不足でフラフラしていても、行かなきゃという意思はある。栄養ドリンクでも買ってこようかと悩んだ。
時々、通る看護師や医師、スタッフの足音がカツカツと聞こえてくる。
個室で扉が厚くても聞こえてくるものだ。
ざわざわとスタッフ同士で話している声も聞こえていた。
カーテン越しに朝日が差しこんできた。もう夜が明けた。
特に具合悪いと訴えることもなく、紬は熟睡していた。点滴も2本打って、落ち着いて、肌の血色も良くなっている。
気持ちよさそうに眠っている。
こっちは目の下にクマを作って、全然眠れなかったというに羨ましい。
額付近とそっと撫でた。体温も平熱のようだった。寝言を言うように寝返りを打った。
まるで医療のお仕事で夜勤をしているようだ。寝付けないのも半ば仕事だと脳が錯覚しているのかもしれない。
全然、そんなことは思っていなく、寝れるものなら寝たかった。
でも、椅子に座って寝るなんて、自分には向いていないなと感じた。
紬の足付近を枕に寝ていた時は熟睡できたのに、重いと言って、拒否された。
電子タバコでも車に行って吸いに行こうかと、立ち上がった。
「おはようございます。掃除させていただきますね。」
ノックの後、清掃員であろうおばさんが中に入ってきた。行くタイミングを失った。
「あ、すいません。よろしくお願いします。」
「寝ているところでしたね。音は静かにやるので、大丈夫ですよ。」
小声で話しながら、通り過ぎて行く。
またノックが聞こえた。
「おはようございます。6時ですので、検温と血圧を測らせていただきますね。」
看護師の声に反応し、陸斗は紬を肩を揺すって起こした。
「ん?」
「紬、検温するって。起きて。」
「あ、ああ!おはようございます。起きるのギリギリですいません!」
「大丈夫ですよぉ。ちょうど優しい旦那さんがいてよかったですね。はい、体温計挟んでください。血圧測りますので、腕出してくださいね。」
テキパキとこなす。紬は圧倒された。
「平熱ですね。血圧も異常なし。体調は回復してるみたいですね。谷口さん、お腹の調子はどうですか?張りますか?」
「今のところ、特に問題なさそうです。時々、よだれつわりっていうのか、出てきますが、食欲は少し出てきましたが・・・。」
「すいません、ちょっとだけ、お腹触りますね。そうですね、今は、特に問題なさそうです。あとまた、回診の先生も来ますし、その時、何かありましたら、おっしゃってくださいね。」」
「はい。わかりました。」
看護師はバインダーに体温を記入して立ち去った。
陸斗は今がチャンスかと、紬に話そうとしたが、すぐにドアが開いて、回診の先生たちが病室内に入ってきた。
「おはようございます。谷口さん、調子はどうですか?」
「はい。おかげさまで、点滴して調子出てきました。」
「それは良かった。なかなか、つわり症状があると食事が取れないんですもんね。でも、吐いてでも、食事を取らないと赤ちゃんにも栄養が行きませんから。本当に食べたいものを食べられるだけこまめにとっていきましょう。少量でもいいのでね。水分補給は脱水の原因にもなりますから、気をつけてください。」
「はい! 気をつけます。」
「とりあえず、体調も戻ったことですし、夕方に退院で構いませんよ。また症状が出たら、当院の外来の方で診させていただくので、お電話ください。佐藤さん、退院の手続きお願いします。」
近くにいた看護師の佐藤に先生は声をかけた。
「はい。わかりました。朝と昼の食事は点滴では無くて良いんですよね。お粥ですか?」
「そうですね。そんな感じでいいんではないでしょうか。まだ回復したばかりで胃も弱っていることですし、お薬は吐き気止めと胃薬を出しておきましょう。つわり症状がおありなので…。谷口さん、念の為、お薬も出しておきますね。」
「ありがとうございます。」
「それでは失礼します。」
先生と看護師は素早く立ち去った。
陸斗は見送ってから、紬にやっと話しかけられる。
「あ、あのさ、ちょっと車に行ってきていい?」
「え、なんで?」
「これ、行きたいから。」
もうバレてるってわかっているからか隠すこともなく、電子タバコを見せた。
「あー、そっか。うん、どうぞ。あ、あと、陸斗の朝ごはんも病院内のコンビニで買っておいでよ。お腹空くでしょう。」
「あー、だよね。うん、買ってくる。何か食べたいものは?」
「そうだなぁ。レモン味の飴が欲しい。」
「了解。行ってくるから。」
体は寝不足でフラフラしていても、行かなきゃという意思はある。栄養ドリンクでも買ってこようかと悩んだ。
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