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見られたくなかったこと
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カフェ ラグドールは12月25日のクリスマスとあってか賑わいを見せていた。
お店の窓ガラスにはクリスマスツリーを形どった青いイルミネーション。店の中には、大きなもみの木に飾られたサンタの人形や、星の飾り、トナカイの人形などカラフルに彩っていた。
テーブルの真ん中には、可愛い雪だるまのスノードームが置かれていた。それぞれの座席にはアロマキャンドルが置かれていた。
「可愛い。もう、なんか、これ見てるだけで満足。」
美嘉はお店の端っこに家族3人でクリスマスディナーを楽しんでいた。
「美嘉、楽しみにしていたメインディッシュのローストチキンがもうすぐだぞ。」
父の森本正敏は、高校生の娘と一緒にクリスマスディナーを食べられるなんて思っても見なかったため、喜んでいた。母の森本夕貴も、若い頃を思い出すようにクリスマスを楽しんでした。
「本当、何年ぶりかしら、クリスマスに外食なんて、お父さんと独身の頃にデートした以来かしらね。」
「何か、私も嬉しい。」
美嘉も心躍っていた。
メインディッシュに運ばれてきたお皿を拓人と洸が順番に置いていく。
「お待たせいたしました。メインディッシュの当店自家製のローストチキンです。」
「わぁー美味しそう。」
「美嘉、どの人なの?」
「え? あぁ。」
美嘉は立ち去ろうとする洸を引き止めて、エプロンを引っ張った。
「この人です。ほら!」
突然だったが、洸は状況を読み、臨機応変に対応した。
「あ、はじめまして、ご挨拶が遅れました。美嘉さんとお付き合いさせていただいております宮島 洸と申します。よろしくお願いします。本日はご予約とご来店いただきまして、ありがとうございます。」
深々とおじきをする洸。
美嘉の両親は礼儀正しい人だと感心した。
(美嘉の両親が来るなんて聞いてないし、なんで突然こうなるんだ。)
冷や汗が止まらない。
「あらぁ、そうなのね。美嘉の母の夕貴と言います。大学生って聞いてたけど、何年生なの?」
「えー、今年、3年目になります。」
「ほう、そうなのか? T大学の経済学部と聞いていたが、将来は社長にでもなるのかな?」
父の正敏は淡々と話す。
「そうですね。今、このバイトで学んでいるんですが、将来はカフェやレストラン経営をしたいと考えておりました。いずれ、調理師免許も取得する予定でいます。」
「へぇ、若いのに、しっかりとした夢を持っていていいね。感心したよ。仕事の邪魔をしてすまないね。」
「いえ、大丈夫です。ご配慮感謝します。それでは失礼いたします。」
真面目に切り抜けようと考えていた。頭の中ではまるで面接をしているかのようだった。
「お父さん!仕事中なのに、いろいろ聞きすぎだよ!」
「あぁ。ごめんごめん。さぁ、食べようか。」
「なかなか良い人そうじゃない?今度、家に連れて来なさいよ、美嘉。」
「…そうかな。そのうちね。」
ちょっと嬉しいそうな美嘉は口元が緩んできた。
その頃、紬は、たくさんの汚れた皿やコップなどの洗い物に追われていた。
食器乾燥機にコップを入れる際にツルッと手が滑り、ガシャンと音を立てて、シンクにコップが落ちた。
鋭い割れたコップに手が当たり、つーと左手から血が出てきた。
そのままじーと眺める。
「失礼しました!」
ガシャンという音がお店中に広がったため、代わりに洸が叫んでくれた。
「って、おい!ぼーとしてないで、水で流して……ちょっとこっち来て!」
洸はキッチンペーパーで簡易的におさえて、紬の腕を引っ張り、店の休憩室へ連れて行こうとする。
「お、大丈夫か?」
遼平が声をかける。
「何か、けがしちゃったみたいなんで、処置して来ます。」
「あ、そうなの?悪い。頼んだわ。」
「はい。大丈夫っす。」
洸は慌てて、紬を連れていく。
ぼんやりしていて何も考えていない紬。なすがままに進んでいく。
「ほら、そこ座って、今、救急箱出すから。」
「……。」
巻いていたキッチンペーパーに血が滲み出る。
「あ、あった。消毒してから、脱脂綿でだな…。」
テキパキと洸は、救急箱の中から、必要なものを出し、順序よくこなしていく。
「しみるから我慢して。」
ピンセットでポンポンと脱脂綿につけた消毒液を患部に浸した。
その後、ガーゼを乗せて、包帯でぐるぐると巻く。
幾分、出血は止まってきた。
「…何とか、これで大丈夫だな。ったく、気をつけなよ。」
「あ、ありがとう。」
「まぁ、それくらい簡単だから気にすんなって。俺もガキの頃、しょっちゅうけがしてはそうやっておばちゃんに包帯巻いてもらってたのよ。だから、やり方知ってるって感じ。」
「ナースマンだ。」
「看護師にはならないけどな。」
「分かってますけども…。」
救急箱を元の棚に戻している間、沈黙が訪れた。
「あ、あの。この際だから、言ってしまうんだけど、あの…昨日のこと…。怒っているよね?」
「へッ…?」
「ご、ごめんなさい。何か、突然いなくなったし、せっかく誘ってくれたのに申し訳なかったなぁと思って。でも、どうすればいいか分からなくて…。」
「…それってどう言う意味? よく分からないよ。俺はどうすれば言い訳?」
「えっと、なんていえば良いのかな。うまく伝わらないな。うーん。つまりは、私、洸さんとはお付き合いできません。ごめんなさい。忘れられない人がいるから。自分に嘘つきたくない。」
「……最初からそうだろうなとは思っていたけどね。ハッキリそう言われちゃうと、心臓には良くないかも。」
「わ、わ、ごめんなさい。でも、私にはどうすることもできないです。」
「良いよ、何もしなくて、そのままで。陸斗とお幸せにね。俺は、美嘉と真剣に向き合うことに決めたからさ。2人の邪魔するのも、もう、やめるから。なっ。」
洸は紬の頭をポンポンと撫でた。
「ほら、持ち場戻るぞ。しばらくは洗い物は避けて、違う仕事しな。」
「はい。そうします。」
紬と洸は仲睦まじい雰囲気でキッチンに向かった。
そんな様子を美嘉は会計のレジ近くから見えていた。
2人がキッチンとホールに分かれて、行き来する姿が、何だか必要以上に近い距離であったこと、自分より仲良く過ごしんでいるんじゃないかという嫉妬が芽生えた。
紬はそんなことも知らずに美嘉がこちらを見ていることに気づくと笑顔で手を振った。
美嘉も気持ちを切り替えて、笑って手を振った。
内心複雑な表情を浮かべながら。
それぞれ持ち場に戻った。
森本家族は食事を終えて、お会計をするところだった。
美嘉のご両親は、終始満足のようでにこにこ笑顔で帰られた。美嘉だけは何ともいえない表情をしていた。
(もしかして、もう1人の彼女って紬じゃないよね。でも陸斗先輩いるし。まさかそんなわけないなぁ。たまたまかな。)
少し疑いの思いを寄せながら、お店を後にした。
「拓人、姉ちゃん、手、けがしてるから、洗い物代わってやって。」
「え、あ、了解っす。あと、佐々木さんにホールの方を任して良いですか?」
「ああ。いいよ。ほら、行って。」
洸は、今、拓人がやっていたテーブルの片付けの仕事を代わって、誘導した。
拓人はもう1人のアルバイトの佐々木に業務をキッチンに移動することを話した。
佐々木は、親指を立てて、了承した。
拓人は休憩室からキッチン用の帽子をとってきて、紬の仕事を代わった。
洸自身が変わっても良かった。
まだ気持ちが整ってないことを実感し、拓人に頼んだ。
姉弟喧嘩が勃発する。
「ちょっと、そこに食器置かないで。」
「なんで? 良いから、姉ちゃんはメニュー出しやりなよ。」
「やっているからに決まっているでしょう。」
「おいおい、喧嘩するなよ。」
遼平が声をかける。
「はーい。ほら、拓人言われてるよ。」
「姉ちゃんこそ。」
遼平とくるみはため息をつく。
「洸くんが、中に入った方良かったんじゃない?」
「いや、良いよ。もう、あっちも忙しいから。ホールで喧嘩するよりマシだわ。」
結局は喧嘩をしながらの仕事となっていた。
姉弟というものは、どんな場所でもやめろ言われてもやめられない喧嘩が続くのだろう。
お店の窓ガラスにはクリスマスツリーを形どった青いイルミネーション。店の中には、大きなもみの木に飾られたサンタの人形や、星の飾り、トナカイの人形などカラフルに彩っていた。
テーブルの真ん中には、可愛い雪だるまのスノードームが置かれていた。それぞれの座席にはアロマキャンドルが置かれていた。
「可愛い。もう、なんか、これ見てるだけで満足。」
美嘉はお店の端っこに家族3人でクリスマスディナーを楽しんでいた。
「美嘉、楽しみにしていたメインディッシュのローストチキンがもうすぐだぞ。」
父の森本正敏は、高校生の娘と一緒にクリスマスディナーを食べられるなんて思っても見なかったため、喜んでいた。母の森本夕貴も、若い頃を思い出すようにクリスマスを楽しんでした。
「本当、何年ぶりかしら、クリスマスに外食なんて、お父さんと独身の頃にデートした以来かしらね。」
「何か、私も嬉しい。」
美嘉も心躍っていた。
メインディッシュに運ばれてきたお皿を拓人と洸が順番に置いていく。
「お待たせいたしました。メインディッシュの当店自家製のローストチキンです。」
「わぁー美味しそう。」
「美嘉、どの人なの?」
「え? あぁ。」
美嘉は立ち去ろうとする洸を引き止めて、エプロンを引っ張った。
「この人です。ほら!」
突然だったが、洸は状況を読み、臨機応変に対応した。
「あ、はじめまして、ご挨拶が遅れました。美嘉さんとお付き合いさせていただいております宮島 洸と申します。よろしくお願いします。本日はご予約とご来店いただきまして、ありがとうございます。」
深々とおじきをする洸。
美嘉の両親は礼儀正しい人だと感心した。
(美嘉の両親が来るなんて聞いてないし、なんで突然こうなるんだ。)
冷や汗が止まらない。
「あらぁ、そうなのね。美嘉の母の夕貴と言います。大学生って聞いてたけど、何年生なの?」
「えー、今年、3年目になります。」
「ほう、そうなのか? T大学の経済学部と聞いていたが、将来は社長にでもなるのかな?」
父の正敏は淡々と話す。
「そうですね。今、このバイトで学んでいるんですが、将来はカフェやレストラン経営をしたいと考えておりました。いずれ、調理師免許も取得する予定でいます。」
「へぇ、若いのに、しっかりとした夢を持っていていいね。感心したよ。仕事の邪魔をしてすまないね。」
「いえ、大丈夫です。ご配慮感謝します。それでは失礼いたします。」
真面目に切り抜けようと考えていた。頭の中ではまるで面接をしているかのようだった。
「お父さん!仕事中なのに、いろいろ聞きすぎだよ!」
「あぁ。ごめんごめん。さぁ、食べようか。」
「なかなか良い人そうじゃない?今度、家に連れて来なさいよ、美嘉。」
「…そうかな。そのうちね。」
ちょっと嬉しいそうな美嘉は口元が緩んできた。
その頃、紬は、たくさんの汚れた皿やコップなどの洗い物に追われていた。
食器乾燥機にコップを入れる際にツルッと手が滑り、ガシャンと音を立てて、シンクにコップが落ちた。
鋭い割れたコップに手が当たり、つーと左手から血が出てきた。
そのままじーと眺める。
「失礼しました!」
ガシャンという音がお店中に広がったため、代わりに洸が叫んでくれた。
「って、おい!ぼーとしてないで、水で流して……ちょっとこっち来て!」
洸はキッチンペーパーで簡易的におさえて、紬の腕を引っ張り、店の休憩室へ連れて行こうとする。
「お、大丈夫か?」
遼平が声をかける。
「何か、けがしちゃったみたいなんで、処置して来ます。」
「あ、そうなの?悪い。頼んだわ。」
「はい。大丈夫っす。」
洸は慌てて、紬を連れていく。
ぼんやりしていて何も考えていない紬。なすがままに進んでいく。
「ほら、そこ座って、今、救急箱出すから。」
「……。」
巻いていたキッチンペーパーに血が滲み出る。
「あ、あった。消毒してから、脱脂綿でだな…。」
テキパキと洸は、救急箱の中から、必要なものを出し、順序よくこなしていく。
「しみるから我慢して。」
ピンセットでポンポンと脱脂綿につけた消毒液を患部に浸した。
その後、ガーゼを乗せて、包帯でぐるぐると巻く。
幾分、出血は止まってきた。
「…何とか、これで大丈夫だな。ったく、気をつけなよ。」
「あ、ありがとう。」
「まぁ、それくらい簡単だから気にすんなって。俺もガキの頃、しょっちゅうけがしてはそうやっておばちゃんに包帯巻いてもらってたのよ。だから、やり方知ってるって感じ。」
「ナースマンだ。」
「看護師にはならないけどな。」
「分かってますけども…。」
救急箱を元の棚に戻している間、沈黙が訪れた。
「あ、あの。この際だから、言ってしまうんだけど、あの…昨日のこと…。怒っているよね?」
「へッ…?」
「ご、ごめんなさい。何か、突然いなくなったし、せっかく誘ってくれたのに申し訳なかったなぁと思って。でも、どうすればいいか分からなくて…。」
「…それってどう言う意味? よく分からないよ。俺はどうすれば言い訳?」
「えっと、なんていえば良いのかな。うまく伝わらないな。うーん。つまりは、私、洸さんとはお付き合いできません。ごめんなさい。忘れられない人がいるから。自分に嘘つきたくない。」
「……最初からそうだろうなとは思っていたけどね。ハッキリそう言われちゃうと、心臓には良くないかも。」
「わ、わ、ごめんなさい。でも、私にはどうすることもできないです。」
「良いよ、何もしなくて、そのままで。陸斗とお幸せにね。俺は、美嘉と真剣に向き合うことに決めたからさ。2人の邪魔するのも、もう、やめるから。なっ。」
洸は紬の頭をポンポンと撫でた。
「ほら、持ち場戻るぞ。しばらくは洗い物は避けて、違う仕事しな。」
「はい。そうします。」
紬と洸は仲睦まじい雰囲気でキッチンに向かった。
そんな様子を美嘉は会計のレジ近くから見えていた。
2人がキッチンとホールに分かれて、行き来する姿が、何だか必要以上に近い距離であったこと、自分より仲良く過ごしんでいるんじゃないかという嫉妬が芽生えた。
紬はそんなことも知らずに美嘉がこちらを見ていることに気づくと笑顔で手を振った。
美嘉も気持ちを切り替えて、笑って手を振った。
内心複雑な表情を浮かべながら。
それぞれ持ち場に戻った。
森本家族は食事を終えて、お会計をするところだった。
美嘉のご両親は、終始満足のようでにこにこ笑顔で帰られた。美嘉だけは何ともいえない表情をしていた。
(もしかして、もう1人の彼女って紬じゃないよね。でも陸斗先輩いるし。まさかそんなわけないなぁ。たまたまかな。)
少し疑いの思いを寄せながら、お店を後にした。
「拓人、姉ちゃん、手、けがしてるから、洗い物代わってやって。」
「え、あ、了解っす。あと、佐々木さんにホールの方を任して良いですか?」
「ああ。いいよ。ほら、行って。」
洸は、今、拓人がやっていたテーブルの片付けの仕事を代わって、誘導した。
拓人はもう1人のアルバイトの佐々木に業務をキッチンに移動することを話した。
佐々木は、親指を立てて、了承した。
拓人は休憩室からキッチン用の帽子をとってきて、紬の仕事を代わった。
洸自身が変わっても良かった。
まだ気持ちが整ってないことを実感し、拓人に頼んだ。
姉弟喧嘩が勃発する。
「ちょっと、そこに食器置かないで。」
「なんで? 良いから、姉ちゃんはメニュー出しやりなよ。」
「やっているからに決まっているでしょう。」
「おいおい、喧嘩するなよ。」
遼平が声をかける。
「はーい。ほら、拓人言われてるよ。」
「姉ちゃんこそ。」
遼平とくるみはため息をつく。
「洸くんが、中に入った方良かったんじゃない?」
「いや、良いよ。もう、あっちも忙しいから。ホールで喧嘩するよりマシだわ。」
結局は喧嘩をしながらの仕事となっていた。
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