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車から見る夜景は綺麗だった
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部活動を終えて、それぞれに帰宅しようとした頃、陸斗達は父のさとしを待っていた。
久しぶりに恩師と会ったさとしとの話が途切れなかった。
思い出話に花を咲かせていた。
陸斗と康範と紬は、さとしの車がある駐車場で待っていた。
「かっこよかったな。あれ、練習すれば次、絶対勝てるって。」
「やらないよぉ。俺はお試し体験だから。父さんがどうしても親子対決してみたいって言ってたから付き合っただけだって…。」
かなり遠慮がちの陸斗。
康範は紬に聞いてみた。
話せなかった紬は、慌ててスマホのメモを取り出して、タップした。
『すごいかっこよかった! 試合してるところもっと見たい!』
「ほら、紬ちゃんもこう言ってるよ。陸斗、やってみればいいじゃん。お父さんに負けたままで悔しくないの?」
「え…何、その意外に興味ある感じ。確かに負けたままは悔しいけど…。俺、バイトあるし、受験勉強もしなきゃないんだけど。」
話してる時に後ろから父が肩に腕を回した。
「何を消極的になってんだよ。俺だって受験勉強しながら剣道してたっつぅの。バイトはしてなかったけど…。」
「父さん。バイトしながら、部活はきついよ。体が持たない。そう言いつつも、勉強はある程度カバーできるけど…。父さんより馬鹿じゃないし。」
「何を?! 言うね、陸斗。高校くらいだぞ、部活に専念できるのは。若いウチにやれることはやっておけば良いって、時間は止まらないんだぞ。バイト?お金が足りないんなら、3年のうちくらいは小遣い渡すから。」
「ちょっと待ってよ。父さんは俺と剣道したいから念押して言うんでしょ。お金の問題じゃないってバイトだって代わりにする人少ないだから。責任あるんだよ、急に辞められないでしょう。」
荷物をトランクに積みながらさとしは話す。陸斗は横で話し込む。
康範と紬は後ろで見守っていた。
「陸斗…そのバイト俺が代わろうか?どこでバイトしてんの?」
「コンビニと新聞配達。コンビニのバイトは週3日、夜6時から9時までだし、新聞配達は週2日で朝の3時から6時まででだけど…康範できるの?単発バイトも時々シフト入れてたけどさ。」
「なんで、そんなに稼ぐの? お父さん、高校生、働かせすぎでしょ?」
「いや、陸斗が自分で決めたことだから。俺は何も言ってないのよ。大学行くのにお金かかるって話はしたんだけどね。親としても、逆に辞めたらって思うけど…。」
頭をポリポリかき始める。
陸斗は鼻息を荒くした。
「俺が夜の週3日行くだけで、パートおばちゃんやフリーターの人に喜ばれるし、店長にも辞めないでって言われるんだよ。みんな少しでも休みたいってことなんだろうけど。」
求人を出してもすぐ辞める世の中、短い時間でも、長く働いてくれる陸斗は重宝されていた。
情報処理の帰宅部でもバイトで充実している感じだった。
話が納得できないまま、3人は車にそれぞれ乗り込む。
康範は助手席に、紬と陸斗は後部座席に乗った。
さとしは運転席に座ってエンジンをかけた。
「ま、やるやらないは、自分で決めなよ。働くのは大学生活の間でもできるけど、高校の試合は今しかできないからな。多少の小遣いくらいならやるからそれを考えて決めなよ。」
ルームミラーを見ながら話す。
「大丈夫、いざとなれば康範くんがバイトかわるって!な?」
さとしは康範の肩をポンと叩く。
「え?マジっすか。やめてくださいよー、勝手に決めるの。俺、OK言ってないっす。」
「だって、暇でしょ?帰宅部でしょ? 君も進学するならバイトしときな。」
「そんな無茶苦茶な。それを言うなら勉強しなさいじゃないですか??俺、陸斗みたいに勉強できないっすよ。」
「大丈夫!! バイトも立派な社会勉強だ。な?陸斗。コンビニに可愛い大学生もいるんだろ?」
「あー、伊藤さんのこと?まーいるけど…。父さん、バイト先のコンビニでどこを見てるの?」
「マジっすか?! んじゃ、俺、やっぱ、バイトやろうかな…。誰に似てます?」
「そうだなぁ…。石原さとみと有村架純をミックスさせた感じ?」
「良いっすね。陸斗、すぐにでも代わっても良いぞ!連絡待ってるからな。」
そんなさとしと康範の盛り上がった話の中、後ろの2人はこっそり手を繋いでいた。
何だか悪いことをしているみたいで、変に緊張していた。
でも、何となく可愛い大学生という言葉に引っかかる紬。
そうこうしてるうちに車は数分で、康範の家に着いた。
さとしは、康範の親にご挨拶してくると康範と一緒に車を出た。
ほんの5分ほどだったが、陸斗と紬は2人きりの時間になった。
「ねえねえ、外見て!あっち、夜景綺麗だよ。」
陸斗はシートベルトを、外し、右側にいる紬の体の前を超えて、窓に指を差した。
近づいてきてドキッとした。
紬は言われた通りに外をのぞいた。
康範の家の庭から見える遠くの景色は確かに家々のライトや街の街灯でキラキラと輝いていた。
すでに外は真っ暗闇になってたため、空に見える星も綺麗に見えた。
「綺麗だ…ね。ん!」
左側を振り返るとともに陸斗はほんの一瞬のキスをした。
紬は言いかけて何も言えなくなった。
何事もなかったように 元の体勢に戻るとすぐに、さとしが運転席に戻ってきた。
ほんの数分の出来事で、2人の心臓の鼓動は勢いを増した。
親の前で恥ずかしくて知られたくない。
「ごめんごめん。お待たせ。行こうか。」
エンジンスタートのボタンを押し、ミラーが開いた。
座席を前に移動させて、シートベルトを閉めたさとしは、ふとルームミラーを見て、後ろを確認した。
後部座席に乗った2人が不自然に離れてそれぞれ窓の外を見ていた。
「ん?何、静かになってるの?…チューしてたりして? なんて冗談だけど。…って、陸斗、紬ちゃんの家教えてよ。」
さとしは冗談で発した言葉に2人はお猿のように真っ赤になって、煙が上がった。
陸斗は、朝できた寝癖がまた復活している。
「あ……。えっと、そこを右折して、八木山方向の山に進んでもらって…、あとはシュナイザーのカフェに行って貰えば、紬の家だから。」
陸斗はスマホのマップを表示させながら、行く道を説明した。
シュナイザーのの言葉を発した瞬間にさとしは運転席から後ろを振り返る。
「え?! 陸斗、紬ちゃんってシュナイザーの店長の子なの?」
大きな声で聞いた。
2人は突然大きな声で言うもので驚きを隠せない。
「…え、ああ。店長の子って多分。紬、生まれた時からあのカフェの住居で暮らしてるんでしょう?」
不思議そうな顔で紬は静かに頷いた。首を傾げる。
「紬ちゃん。お父さんの名前って谷口遼平でしょう??」
「?」
疑問符を浮かべながらこくんと頷く。
「そっか。やっぱり、そうなんだ。」
確認をして、スッキリしたのか、前を向く。陸斗は、意味がわからない。
「父さん、なんで、紬のお父さんのこと知ってるの?知り合い?」
「知ってるも何も、俺が経営してたかカフェの部下。…と言うか、紬ちゃんのお家の元の持ち主。昔、俺もそこに住んでたのよ。母さんと2人で。」
「え? どう言うこと? んじゃ、紬のお父さんと一緒に働いてたの?」
「そうそう。俺が谷口遼平の腕を磨いたものよ。遼平、懐かしいなあ。あいつもはじめはバイトから始まってたもんなあ~。」
「偶然にもこんな縁があるんだね。」
紬はニコニコしていた。繋がりがあって嬉しかったようだ。
「地図なんて見なくても分かるわ。前に住んでたところだからな。」
さとしは、シフトレバーをDにし、ハンドルを切ってアクセルを踏んだ。
昔、住んでいたカフェのシュナイザーに車を進めた。窓から見える街の光は走ってる間も光っていた。
運転席のさとしに見つからないようにそっとそれぞれの右小指と左小指を繋いで、体の後ろに隠した。
家に着くまで窓の外を見ていた。
ラジオの音が車の中に流れていた。
このまま、時間が止まってしまえばいいのにとふわふわしてあたたかい気持ちになった。
久しぶりに恩師と会ったさとしとの話が途切れなかった。
思い出話に花を咲かせていた。
陸斗と康範と紬は、さとしの車がある駐車場で待っていた。
「かっこよかったな。あれ、練習すれば次、絶対勝てるって。」
「やらないよぉ。俺はお試し体験だから。父さんがどうしても親子対決してみたいって言ってたから付き合っただけだって…。」
かなり遠慮がちの陸斗。
康範は紬に聞いてみた。
話せなかった紬は、慌ててスマホのメモを取り出して、タップした。
『すごいかっこよかった! 試合してるところもっと見たい!』
「ほら、紬ちゃんもこう言ってるよ。陸斗、やってみればいいじゃん。お父さんに負けたままで悔しくないの?」
「え…何、その意外に興味ある感じ。確かに負けたままは悔しいけど…。俺、バイトあるし、受験勉強もしなきゃないんだけど。」
話してる時に後ろから父が肩に腕を回した。
「何を消極的になってんだよ。俺だって受験勉強しながら剣道してたっつぅの。バイトはしてなかったけど…。」
「父さん。バイトしながら、部活はきついよ。体が持たない。そう言いつつも、勉強はある程度カバーできるけど…。父さんより馬鹿じゃないし。」
「何を?! 言うね、陸斗。高校くらいだぞ、部活に専念できるのは。若いウチにやれることはやっておけば良いって、時間は止まらないんだぞ。バイト?お金が足りないんなら、3年のうちくらいは小遣い渡すから。」
「ちょっと待ってよ。父さんは俺と剣道したいから念押して言うんでしょ。お金の問題じゃないってバイトだって代わりにする人少ないだから。責任あるんだよ、急に辞められないでしょう。」
荷物をトランクに積みながらさとしは話す。陸斗は横で話し込む。
康範と紬は後ろで見守っていた。
「陸斗…そのバイト俺が代わろうか?どこでバイトしてんの?」
「コンビニと新聞配達。コンビニのバイトは週3日、夜6時から9時までだし、新聞配達は週2日で朝の3時から6時まででだけど…康範できるの?単発バイトも時々シフト入れてたけどさ。」
「なんで、そんなに稼ぐの? お父さん、高校生、働かせすぎでしょ?」
「いや、陸斗が自分で決めたことだから。俺は何も言ってないのよ。大学行くのにお金かかるって話はしたんだけどね。親としても、逆に辞めたらって思うけど…。」
頭をポリポリかき始める。
陸斗は鼻息を荒くした。
「俺が夜の週3日行くだけで、パートおばちゃんやフリーターの人に喜ばれるし、店長にも辞めないでって言われるんだよ。みんな少しでも休みたいってことなんだろうけど。」
求人を出してもすぐ辞める世の中、短い時間でも、長く働いてくれる陸斗は重宝されていた。
情報処理の帰宅部でもバイトで充実している感じだった。
話が納得できないまま、3人は車にそれぞれ乗り込む。
康範は助手席に、紬と陸斗は後部座席に乗った。
さとしは運転席に座ってエンジンをかけた。
「ま、やるやらないは、自分で決めなよ。働くのは大学生活の間でもできるけど、高校の試合は今しかできないからな。多少の小遣いくらいならやるからそれを考えて決めなよ。」
ルームミラーを見ながら話す。
「大丈夫、いざとなれば康範くんがバイトかわるって!な?」
さとしは康範の肩をポンと叩く。
「え?マジっすか。やめてくださいよー、勝手に決めるの。俺、OK言ってないっす。」
「だって、暇でしょ?帰宅部でしょ? 君も進学するならバイトしときな。」
「そんな無茶苦茶な。それを言うなら勉強しなさいじゃないですか??俺、陸斗みたいに勉強できないっすよ。」
「大丈夫!! バイトも立派な社会勉強だ。な?陸斗。コンビニに可愛い大学生もいるんだろ?」
「あー、伊藤さんのこと?まーいるけど…。父さん、バイト先のコンビニでどこを見てるの?」
「マジっすか?! んじゃ、俺、やっぱ、バイトやろうかな…。誰に似てます?」
「そうだなぁ…。石原さとみと有村架純をミックスさせた感じ?」
「良いっすね。陸斗、すぐにでも代わっても良いぞ!連絡待ってるからな。」
そんなさとしと康範の盛り上がった話の中、後ろの2人はこっそり手を繋いでいた。
何だか悪いことをしているみたいで、変に緊張していた。
でも、何となく可愛い大学生という言葉に引っかかる紬。
そうこうしてるうちに車は数分で、康範の家に着いた。
さとしは、康範の親にご挨拶してくると康範と一緒に車を出た。
ほんの5分ほどだったが、陸斗と紬は2人きりの時間になった。
「ねえねえ、外見て!あっち、夜景綺麗だよ。」
陸斗はシートベルトを、外し、右側にいる紬の体の前を超えて、窓に指を差した。
近づいてきてドキッとした。
紬は言われた通りに外をのぞいた。
康範の家の庭から見える遠くの景色は確かに家々のライトや街の街灯でキラキラと輝いていた。
すでに外は真っ暗闇になってたため、空に見える星も綺麗に見えた。
「綺麗だ…ね。ん!」
左側を振り返るとともに陸斗はほんの一瞬のキスをした。
紬は言いかけて何も言えなくなった。
何事もなかったように 元の体勢に戻るとすぐに、さとしが運転席に戻ってきた。
ほんの数分の出来事で、2人の心臓の鼓動は勢いを増した。
親の前で恥ずかしくて知られたくない。
「ごめんごめん。お待たせ。行こうか。」
エンジンスタートのボタンを押し、ミラーが開いた。
座席を前に移動させて、シートベルトを閉めたさとしは、ふとルームミラーを見て、後ろを確認した。
後部座席に乗った2人が不自然に離れてそれぞれ窓の外を見ていた。
「ん?何、静かになってるの?…チューしてたりして? なんて冗談だけど。…って、陸斗、紬ちゃんの家教えてよ。」
さとしは冗談で発した言葉に2人はお猿のように真っ赤になって、煙が上がった。
陸斗は、朝できた寝癖がまた復活している。
「あ……。えっと、そこを右折して、八木山方向の山に進んでもらって…、あとはシュナイザーのカフェに行って貰えば、紬の家だから。」
陸斗はスマホのマップを表示させながら、行く道を説明した。
シュナイザーのの言葉を発した瞬間にさとしは運転席から後ろを振り返る。
「え?! 陸斗、紬ちゃんってシュナイザーの店長の子なの?」
大きな声で聞いた。
2人は突然大きな声で言うもので驚きを隠せない。
「…え、ああ。店長の子って多分。紬、生まれた時からあのカフェの住居で暮らしてるんでしょう?」
不思議そうな顔で紬は静かに頷いた。首を傾げる。
「紬ちゃん。お父さんの名前って谷口遼平でしょう??」
「?」
疑問符を浮かべながらこくんと頷く。
「そっか。やっぱり、そうなんだ。」
確認をして、スッキリしたのか、前を向く。陸斗は、意味がわからない。
「父さん、なんで、紬のお父さんのこと知ってるの?知り合い?」
「知ってるも何も、俺が経営してたかカフェの部下。…と言うか、紬ちゃんのお家の元の持ち主。昔、俺もそこに住んでたのよ。母さんと2人で。」
「え? どう言うこと? んじゃ、紬のお父さんと一緒に働いてたの?」
「そうそう。俺が谷口遼平の腕を磨いたものよ。遼平、懐かしいなあ。あいつもはじめはバイトから始まってたもんなあ~。」
「偶然にもこんな縁があるんだね。」
紬はニコニコしていた。繋がりがあって嬉しかったようだ。
「地図なんて見なくても分かるわ。前に住んでたところだからな。」
さとしは、シフトレバーをDにし、ハンドルを切ってアクセルを踏んだ。
昔、住んでいたカフェのシュナイザーに車を進めた。窓から見える街の光は走ってる間も光っていた。
運転席のさとしに見つからないようにそっとそれぞれの右小指と左小指を繋いで、体の後ろに隠した。
家に着くまで窓の外を見ていた。
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