4 / 6
第4話
しおりを挟む
雨が降っていた。
今日は、本当は
広いフラワーガーデンに
行く予定だったが、
学校の遠足みたいに
何もしないのも
嫌だったため、
水族館に行くことにした。
お相手は、
四季問わず、
ワンピースが
好きな雫だった。
水色のドット柄ワンピースに
カーディガンを羽織って
彼女は待っていた。
自宅に直接迎えに行くよと
伝えていた。
車の免許を取って数ヶ月。
そろそろマイカーが欲しいなと
銀行で7年ローンを組んで
買った。
雫は助手席に乗ることを
楽しみにしていた。
車種は白いSUVだった。
助手席側の窓を開けて、
声をかける。
「乗って!」
「うん。」
ドアを開けてバタンと閉める。
シートベルトを閉めた。
「今日、水族館で良いんだよね。
天気予報が晴れだったけど、
雨強くなってきたもんね。」
「あー、うん。
雨だと、花畑も満足に見れないもんね。
水族館だと屋根あるから
雨でも楽しめる。
イルカショーも見れるもんね。」
「そうそう。
そうだと思って、
水族館って考えた。」
「楽しみ。」
「うん、あと紅茶、そこに置いてたから
飲んで.」
「え、私、紅茶だめだって言ったよね。
コーヒーなら良いけど。
誰と勘違いしている?」
「あ、ああー忘れてた。
ごめん、俺、それ飲むから。
買い直すね。」
「ちょっと、浮気してないよね。」
「ああ、もちろん。
するわけないだろ。」
「そ、そう。
ただの間違いならいいけど。」
悠は、車を水族館を目的地に
走らせた。
窓を外を見る雫。
勘違いの話から
ご機嫌斜めのようで
何も話さなくなった。
水族館に着いて、
チケットを購入したあと、
入場口に入った。
順路通りに行こうと
手を繋ごうとせずに
さっさと行ってしまう雫。
後ろを追いかけた。
説明書きもささっと見ては、
次々と淡水魚や、チンアナゴ、くらげ
海藻コーナーなど次々と
進む。
雫の目的は、
イルカショーだった。
悠は、何度も来たことが
ある場所だったため、
雫の行く通りに着いていくだけだった。
「悠!!
前の方、行かない?」
「前ってイルカに水かけられるよ?」
「あーそっか。
んじゃ、やめておこう。」
悠は、前の座席に座るお客さんが
濡れてしまうのを見たことがあった。
服が濡れるのは避けたい。
どこにするか決められなくて
結局は1番上の立ち見席に立った。
すると、どんどんお客さんが
集まってきて、
これからイルカショーが始まる放送も
流れた。
満員電車のように
押しつぶされそうな
混みくらいだった。
雫は、人混みが苦手だ。
なるべくだったら避けたいことだった。
でも、もう、手遅れだった。
呼吸が荒くなる。
酸素ばかり吸う。
「雫!」
悠は、雫の背中を撫でる。
立ってるのが耐えられなくて、
その場にしゃがみ込んだ。
これはよろしくないと
背中に雫を乗せた。
「待ってろ、今、空いてるところに
連れていくから。」
呼吸ができなくなってる。
手足がふるえる。
過呼吸を起こしていた。
生きた心地がしない。
人混みを避けるべきだった。
「雫、落ち着けー。
大丈夫だから。
深呼吸して。」
ベンチに横にさせた。
いつも持ち歩く
ペーパーバックを
雫のバックから
取り出した。
「ゆっくり吸って、吐いて。
そう、そうだよ。」
だんだんと落ち着いた。
涙が出てくる。
辛い。
悠は、雫の目から溢れる涙を拭った。
「悠、悠。」
起き上がって、悠に抱きついた。
背中をヨシヨシと撫でた。
「よしよし、落ち着いてきたな。
雫、イルカショー見るか?」
「……ねぇ、雫って誰?」
悠は、目を見開いた。
今日は、本当は
広いフラワーガーデンに
行く予定だったが、
学校の遠足みたいに
何もしないのも
嫌だったため、
水族館に行くことにした。
お相手は、
四季問わず、
ワンピースが
好きな雫だった。
水色のドット柄ワンピースに
カーディガンを羽織って
彼女は待っていた。
自宅に直接迎えに行くよと
伝えていた。
車の免許を取って数ヶ月。
そろそろマイカーが欲しいなと
銀行で7年ローンを組んで
買った。
雫は助手席に乗ることを
楽しみにしていた。
車種は白いSUVだった。
助手席側の窓を開けて、
声をかける。
「乗って!」
「うん。」
ドアを開けてバタンと閉める。
シートベルトを閉めた。
「今日、水族館で良いんだよね。
天気予報が晴れだったけど、
雨強くなってきたもんね。」
「あー、うん。
雨だと、花畑も満足に見れないもんね。
水族館だと屋根あるから
雨でも楽しめる。
イルカショーも見れるもんね。」
「そうそう。
そうだと思って、
水族館って考えた。」
「楽しみ。」
「うん、あと紅茶、そこに置いてたから
飲んで.」
「え、私、紅茶だめだって言ったよね。
コーヒーなら良いけど。
誰と勘違いしている?」
「あ、ああー忘れてた。
ごめん、俺、それ飲むから。
買い直すね。」
「ちょっと、浮気してないよね。」
「ああ、もちろん。
するわけないだろ。」
「そ、そう。
ただの間違いならいいけど。」
悠は、車を水族館を目的地に
走らせた。
窓を外を見る雫。
勘違いの話から
ご機嫌斜めのようで
何も話さなくなった。
水族館に着いて、
チケットを購入したあと、
入場口に入った。
順路通りに行こうと
手を繋ごうとせずに
さっさと行ってしまう雫。
後ろを追いかけた。
説明書きもささっと見ては、
次々と淡水魚や、チンアナゴ、くらげ
海藻コーナーなど次々と
進む。
雫の目的は、
イルカショーだった。
悠は、何度も来たことが
ある場所だったため、
雫の行く通りに着いていくだけだった。
「悠!!
前の方、行かない?」
「前ってイルカに水かけられるよ?」
「あーそっか。
んじゃ、やめておこう。」
悠は、前の座席に座るお客さんが
濡れてしまうのを見たことがあった。
服が濡れるのは避けたい。
どこにするか決められなくて
結局は1番上の立ち見席に立った。
すると、どんどんお客さんが
集まってきて、
これからイルカショーが始まる放送も
流れた。
満員電車のように
押しつぶされそうな
混みくらいだった。
雫は、人混みが苦手だ。
なるべくだったら避けたいことだった。
でも、もう、手遅れだった。
呼吸が荒くなる。
酸素ばかり吸う。
「雫!」
悠は、雫の背中を撫でる。
立ってるのが耐えられなくて、
その場にしゃがみ込んだ。
これはよろしくないと
背中に雫を乗せた。
「待ってろ、今、空いてるところに
連れていくから。」
呼吸ができなくなってる。
手足がふるえる。
過呼吸を起こしていた。
生きた心地がしない。
人混みを避けるべきだった。
「雫、落ち着けー。
大丈夫だから。
深呼吸して。」
ベンチに横にさせた。
いつも持ち歩く
ペーパーバックを
雫のバックから
取り出した。
「ゆっくり吸って、吐いて。
そう、そうだよ。」
だんだんと落ち着いた。
涙が出てくる。
辛い。
悠は、雫の目から溢れる涙を拭った。
「悠、悠。」
起き上がって、悠に抱きついた。
背中をヨシヨシと撫でた。
「よしよし、落ち着いてきたな。
雫、イルカショー見るか?」
「……ねぇ、雫って誰?」
悠は、目を見開いた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ドS御曹司の花嫁候補
槇原まき
恋愛
大手化粧品メーカーで研究員として働く、二十九歳の華子。研究一筋で生きてきた彼女は、恋とは無縁ながら充実した毎日を送っていた。ところがある日、将来を案じた母親から結婚の催促をされてしまう。かくして華子は、結婚相談所に登録したのだけれど――マッチングされたお相手は、勤務先の社長子息!? 人生イージーモードだった御曹司サマが 、独占欲を剥き出しにして無自覚な子羊を捕食する! とびきり濃厚なマリッジ・ロマンス。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。

嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
腹黒宰相との白い結婚
黎
恋愛
大嫌いな腹黒宰相ロイドと結婚する羽目になったランメリアは、条件をつきつけた――これは白い結婚であること。代わりに側妻を娶るも愛人を作るも好きにすればいい。そう決めたはずだったのだが、なぜか、周囲が全力で溝を埋めてくる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる