18 / 67
第18話
しおりを挟む
翔子先輩からの秘密を聞いてから、
部活では通常な気持ちで見られなくなった。
顧問の佐々木先生と翔子先輩のやり取りが
先生と生徒じゃないかと思うと
ドキドキが止まらない星矢だ。
「先生、来週の演奏会なんですけど、
現地集合ですか?
それとも学校からバス出します?」
「ああ、それは、バス手配できそうだから
学校集合にしてもらえるかな。」
「わかりました。
みんなに周知しておきますね。
グループラインで連絡しますよ。」
「ああ、頼むよ。」
音楽室の隅の方、
星矢は吹いていたフルートを机に置いた。
何だか、先生と翔子先輩が話す様子を
遠くから見て微笑ましかった。
いつもの先輩じゃないみたいで、
ちょっと女の子らしい
雰囲気が時々見え隠れする。
佐々木先生が部活終わりに先に職員室へ行くと翔子先輩が追いかけて、言いかけたことがあったようだ。
「先生、来週、いいですか?」
「あ、ああ。
あと、ラインで送っておいて。」
星矢はきっと2人だけの秘密の会話なんだろうと想像してしまう。
羨ましいなと思ってしまう。
「星矢くん!
今日は鍵どうするの?」
戻ってきた翔子先輩が
こちらに声をかける。
「あ、はい。
自主練します!!」
慌てて、鍵を受け取りに行く。
ちょっとニヤニヤさせていると、
翔子先輩は照れていた。
「見た?」
「はい、バッチリ。」
「言わなきゃよかったって思うわ。」
「いやいや、聞いててよかったです。
微笑ましいですよ。本当。」
「きゃーーー、言わないで。」
翔子先輩は星矢の髪をワシャワシャと
無茶苦茶にした。
「先輩、ひどいなぁ。
これでもセットしてきたんですよ。
水でちゃちゃっと。」
「え、水だけ?
それって寝癖直しじゃん。
ワックスつけてないの?」
「僕にそんなシャレっけあると
思いますか?」
「亮はワックスするって言ってるよ。」
「え、え?
亮?誰ですか。それ。」
「あ、ごめん。
佐々木先生ね。」
「あ、すいません、本名知りませんでした。
佐々木亮介先生でしたっけ。」
「そう。普通に言っちゃった。
誰も聞いてないよね。」
「僕しっかり聞いちゃいましたよ。」
「星矢くんは良いのよ。
ほら、早く練習しないと、
翔太来ちゃうよ。」
「あ、そうでした。」
「んじゃね。また明日。」
「はい。お疲れ様です。」
翔子先輩は、そそくさと立ち去っていく。
星矢は、仕切り直して、
フルートを吹き始めた。
翔太先輩の好きなモーツァルトの曲だ。
何度も吹いているためが
かなり上達してきた。
ピアノも弾けるが、フルートもいいなと
思い始めた。
翔太は部活終わり、
荷物を持ちながら、いつもの駐車場の
花壇の淵で星矢のフルートを静かに
聴いていた。
雲ひとつない空には、
キラキラと輝く星たちが輝いていた。
部活では通常な気持ちで見られなくなった。
顧問の佐々木先生と翔子先輩のやり取りが
先生と生徒じゃないかと思うと
ドキドキが止まらない星矢だ。
「先生、来週の演奏会なんですけど、
現地集合ですか?
それとも学校からバス出します?」
「ああ、それは、バス手配できそうだから
学校集合にしてもらえるかな。」
「わかりました。
みんなに周知しておきますね。
グループラインで連絡しますよ。」
「ああ、頼むよ。」
音楽室の隅の方、
星矢は吹いていたフルートを机に置いた。
何だか、先生と翔子先輩が話す様子を
遠くから見て微笑ましかった。
いつもの先輩じゃないみたいで、
ちょっと女の子らしい
雰囲気が時々見え隠れする。
佐々木先生が部活終わりに先に職員室へ行くと翔子先輩が追いかけて、言いかけたことがあったようだ。
「先生、来週、いいですか?」
「あ、ああ。
あと、ラインで送っておいて。」
星矢はきっと2人だけの秘密の会話なんだろうと想像してしまう。
羨ましいなと思ってしまう。
「星矢くん!
今日は鍵どうするの?」
戻ってきた翔子先輩が
こちらに声をかける。
「あ、はい。
自主練します!!」
慌てて、鍵を受け取りに行く。
ちょっとニヤニヤさせていると、
翔子先輩は照れていた。
「見た?」
「はい、バッチリ。」
「言わなきゃよかったって思うわ。」
「いやいや、聞いててよかったです。
微笑ましいですよ。本当。」
「きゃーーー、言わないで。」
翔子先輩は星矢の髪をワシャワシャと
無茶苦茶にした。
「先輩、ひどいなぁ。
これでもセットしてきたんですよ。
水でちゃちゃっと。」
「え、水だけ?
それって寝癖直しじゃん。
ワックスつけてないの?」
「僕にそんなシャレっけあると
思いますか?」
「亮はワックスするって言ってるよ。」
「え、え?
亮?誰ですか。それ。」
「あ、ごめん。
佐々木先生ね。」
「あ、すいません、本名知りませんでした。
佐々木亮介先生でしたっけ。」
「そう。普通に言っちゃった。
誰も聞いてないよね。」
「僕しっかり聞いちゃいましたよ。」
「星矢くんは良いのよ。
ほら、早く練習しないと、
翔太来ちゃうよ。」
「あ、そうでした。」
「んじゃね。また明日。」
「はい。お疲れ様です。」
翔子先輩は、そそくさと立ち去っていく。
星矢は、仕切り直して、
フルートを吹き始めた。
翔太先輩の好きなモーツァルトの曲だ。
何度も吹いているためが
かなり上達してきた。
ピアノも弾けるが、フルートもいいなと
思い始めた。
翔太は部活終わり、
荷物を持ちながら、いつもの駐車場の
花壇の淵で星矢のフルートを静かに
聴いていた。
雲ひとつない空には、
キラキラと輝く星たちが輝いていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる