6 / 41
第6話
しおりを挟む
「まずは、ソフィアのお腹を満たすか?」
フィンレーは、手を腰に当てて、
にぎわう噴水の前で街の中をぐるりと見渡すと、
様々な店が並んでいた。
奥の方から道具屋、武器・防具屋、金物屋、
教会、図書館、スキルアップ塾、街の集会所、
PUBにその隣には
大きなホテルがあった。
さらに奥には、お城の中に入れる
大きな可動橋があった。
今の時間は閉じている。
「あの、ホテルなら、立派だし
おいしいものが食べられるんじゃないか?」
「え、本当だ。
でも、かなり高級なホテルじゃない?
プールとか、温泉とかあるみたいだし、
私、そんなにお金持ってないわよ?」
ポケットから寂しく
ガマ口の財布を見るスカーレット。
フィンレーは、
武器を新調していたためか、
黒い長財布をさかさまにすると
スカッスカだった。
モンスターともそんなに戦ってないし、
そうなったら、街を出て、レベル上げを
しつつ、お金を貯めようかと思った
2人だった。
そんな時、黙っていたソフィアは、何も言わずに
2人の間をすたすたと進んで、
豪華なホテル入り口に入って行く。
値段を気にしてないのか、お腹が減りすぎて
どうでもよくなったのかはわからない。
顔を見合わせた2人は、方向転換をして、
慌てて、よだれを垂らしたソフィアの
後ろを着いていく。
受付カウンターについてすぐに、
小さなバックから、想像を絶するくらいの
お金をどさっと置いた。
しっかりと白い束が巻いてある。
ソフィアは、白いフードをかぶり、
ホテルマンには顔を絶対に見せなかった。
「いらっしゃいませ。
ご利用ありがとうございます。
お客様には、当ホテルの
スイートルームをご案内いたします。
ご利用人数は何名様でいらっしゃいますか?」
ソフィアは、カウンターの下から
指を3本をマジックのように出していた。
一切話そうとしない。
「お客様?
3名様でよろしいのでしょうか??」
そこへ、フィンレーは助け舟のように
脇から声を出す。
「はい!!そうです。
3名です。
よろしくお願いします。」
「かしこまりました。
3名様ですと、
一泊150万フォンとなりますが、
よろしいですか?
こちらのキャッシュですと
あと50万フォン足りませんが…。」
ソフィアは慌てて、
バックから足りなかった
もう50フォンを取り出した。
彼女のバックはいくらでも
お金が出てくる
魔法のバックのようだった。
「ちょうどお預かりいたします。
ただいま、ルームキーをお持ちしますので
もう少々お待ちくださいませ。」
背の高いホテルマンは、奥の部屋から
スイートルームのカギを取りに行った。
「ソフィア、そんなにお金…どうしたんだ?」
「………。」
絶対に目を合わせようとしない。
言葉も何も話さなかった。
「お待たせいたしました。
こちらが222号室のスイートルームでございます。
どうぞごゆっくりお過ごしください。
ただいま、スタッフがお荷物をお持ちいたします。」
ホテルマンが、丁寧に挨拶してくれた。
玄関に立っていたポーターが気づいて、
ソフィアの荷物をささっと持ち上げた。
特に小さなショルダーバックしかなかったが、
ポーターに持ってもらったのは、魔法の杖くらいで、
後ろの2人の荷物の方が多かった。
武器に、防具など、騎士の方が何かと荷物が増える。
(貧相な恰好しているのに、なんであんなに
お金持ちなんだ?)
腕を組んで考えても答えが出ないが、
聞くに聞けない雰囲気でもあった。
豪華スイートルームに案内されて、
3人は心底喜んだ。
ふかふかのキングベッドが4つもあって、
まるで高級なお家にいるような食卓。
映画鑑賞ができそうなふかふかのソファ。
窓の外を見ると、高いところから
とても綺麗な街並みが
一望できる。
「おおー--、すげー---。」
窓にべったりと顔をつけるフィンレー。
スカーレットもソファに座って景色を楽しむ。
ソフィアといえば、ルームサービス係に
食事を次々と頼んでいた。
景色のことなんて、全然気にしていない。
よほど、お腹が空いていたようだ。
外を眺めたあと、ソフィアの行動が、
本当に記憶喪失になったのか怪しくなってきた。
少し冷静になって、ベッドの上に座った。
「なぁ、聞きたいんだけど、
ソフィア、どこから来たんだ?」
「……え?」
「確かにそうね。
私も気になったわ。
こんなに高級なホテルに
泊まれるなんて普通に生活してて
ありえないもの。」
ソフィアは、
唾をごくんと飲み込んで、
振り返った。
2人はじっとソフィアを見つめる。
フィンレーは、手を腰に当てて、
にぎわう噴水の前で街の中をぐるりと見渡すと、
様々な店が並んでいた。
奥の方から道具屋、武器・防具屋、金物屋、
教会、図書館、スキルアップ塾、街の集会所、
PUBにその隣には
大きなホテルがあった。
さらに奥には、お城の中に入れる
大きな可動橋があった。
今の時間は閉じている。
「あの、ホテルなら、立派だし
おいしいものが食べられるんじゃないか?」
「え、本当だ。
でも、かなり高級なホテルじゃない?
プールとか、温泉とかあるみたいだし、
私、そんなにお金持ってないわよ?」
ポケットから寂しく
ガマ口の財布を見るスカーレット。
フィンレーは、
武器を新調していたためか、
黒い長財布をさかさまにすると
スカッスカだった。
モンスターともそんなに戦ってないし、
そうなったら、街を出て、レベル上げを
しつつ、お金を貯めようかと思った
2人だった。
そんな時、黙っていたソフィアは、何も言わずに
2人の間をすたすたと進んで、
豪華なホテル入り口に入って行く。
値段を気にしてないのか、お腹が減りすぎて
どうでもよくなったのかはわからない。
顔を見合わせた2人は、方向転換をして、
慌てて、よだれを垂らしたソフィアの
後ろを着いていく。
受付カウンターについてすぐに、
小さなバックから、想像を絶するくらいの
お金をどさっと置いた。
しっかりと白い束が巻いてある。
ソフィアは、白いフードをかぶり、
ホテルマンには顔を絶対に見せなかった。
「いらっしゃいませ。
ご利用ありがとうございます。
お客様には、当ホテルの
スイートルームをご案内いたします。
ご利用人数は何名様でいらっしゃいますか?」
ソフィアは、カウンターの下から
指を3本をマジックのように出していた。
一切話そうとしない。
「お客様?
3名様でよろしいのでしょうか??」
そこへ、フィンレーは助け舟のように
脇から声を出す。
「はい!!そうです。
3名です。
よろしくお願いします。」
「かしこまりました。
3名様ですと、
一泊150万フォンとなりますが、
よろしいですか?
こちらのキャッシュですと
あと50万フォン足りませんが…。」
ソフィアは慌てて、
バックから足りなかった
もう50フォンを取り出した。
彼女のバックはいくらでも
お金が出てくる
魔法のバックのようだった。
「ちょうどお預かりいたします。
ただいま、ルームキーをお持ちしますので
もう少々お待ちくださいませ。」
背の高いホテルマンは、奥の部屋から
スイートルームのカギを取りに行った。
「ソフィア、そんなにお金…どうしたんだ?」
「………。」
絶対に目を合わせようとしない。
言葉も何も話さなかった。
「お待たせいたしました。
こちらが222号室のスイートルームでございます。
どうぞごゆっくりお過ごしください。
ただいま、スタッフがお荷物をお持ちいたします。」
ホテルマンが、丁寧に挨拶してくれた。
玄関に立っていたポーターが気づいて、
ソフィアの荷物をささっと持ち上げた。
特に小さなショルダーバックしかなかったが、
ポーターに持ってもらったのは、魔法の杖くらいで、
後ろの2人の荷物の方が多かった。
武器に、防具など、騎士の方が何かと荷物が増える。
(貧相な恰好しているのに、なんであんなに
お金持ちなんだ?)
腕を組んで考えても答えが出ないが、
聞くに聞けない雰囲気でもあった。
豪華スイートルームに案内されて、
3人は心底喜んだ。
ふかふかのキングベッドが4つもあって、
まるで高級なお家にいるような食卓。
映画鑑賞ができそうなふかふかのソファ。
窓の外を見ると、高いところから
とても綺麗な街並みが
一望できる。
「おおー--、すげー---。」
窓にべったりと顔をつけるフィンレー。
スカーレットもソファに座って景色を楽しむ。
ソフィアといえば、ルームサービス係に
食事を次々と頼んでいた。
景色のことなんて、全然気にしていない。
よほど、お腹が空いていたようだ。
外を眺めたあと、ソフィアの行動が、
本当に記憶喪失になったのか怪しくなってきた。
少し冷静になって、ベッドの上に座った。
「なぁ、聞きたいんだけど、
ソフィア、どこから来たんだ?」
「……え?」
「確かにそうね。
私も気になったわ。
こんなに高級なホテルに
泊まれるなんて普通に生活してて
ありえないもの。」
ソフィアは、
唾をごくんと飲み込んで、
振り返った。
2人はじっとソフィアを見つめる。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ZOID・of the・DUNGEON〜外れ者の楽園〜
黒木箱 末宝
ファンタジー
これは、はみ出し者の物語。
現代の地球のとある県のある市に、社会に適合できず、その力と才能を腐らせた男が居た。
彼の名は山城 大器(やましろ たいき)。
今年でニート四年目の、見てくれだけは立派な二七歳の男である。
そんな社会からはみ出た大器が、現代に突如出現した上位存在の侵略施設である迷宮回廊──ダンジョンで自身の存在意義を見出だし、荒ぶり、溺れて染まるまでの物語。
【ハーメル】にも投稿しています。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる