【完結】ひとり焼肉が好きなひと。

もちっぱち

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ひとり焼肉 カルビ1枚目

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 ビルとビルの隙間から
 覗いて見える雲が
 ソフトクリームに見えてくる。

 今日も快晴。

 交差点の横断歩道をハイヒールを
 履いて
 颯爽と歩く。

 行き交う人は忙しくどこに
 向かっているんだろう。

 歩行者用信号機の音が青から赤に
 変わろうとする。

 慌てて走る。

 ビジネスバックが揺れた。

 遠くでクラクションが響いている。

 沢村瑞季《さわむら みずき》は、
 アスファルトの地面を見て
 ため息をつく。

 また靴擦れしてる。

 バックから絆創膏を取り出して、
 片足だけで歩き、歩道にある
 縁石に座って、足を確認した。

 今朝は、会社に遅刻ギリギリの時間に
 家を出てきたというのにこの有様。

 左踵を見ると、皮がむけていた。
 ストッキングを履いていたため、
 脱ぐ訳もいかず、とりあえず、
 応急処置として、上から絆創膏を
 貼った。

 これは1日のマイナスフラグだ。
 きっとここからプラスへ移行する。

 そう言い続けて、
 出勤する。
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