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第41話 大切な親友
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「咲夜、授業、もうすぐ始まるよ?
翼もどうした?」
今から音楽の授業なのかリコーダーを持った
悠が2人の前を通り過ぎようとしていた。
「悠、次、移動教室なの?」
「あ、うん。そうだけど、どうした?
2人して、辛気臭い顔してるよ」
翼は苦笑いをしていた。
咲夜はパンと拍手して、気持ちを切り替えた。
「よし、この話いったん終わりしよう。
あとで、もっと詳しく聴くから。ね?」
「あ、うん。わかった、そうしようか」
「え?2人の話?
それって、私も聞いていいものかな?」
悠が言うとすぐとチャイムが鳴った。
「もう。時間だね、またあとで教えるよ!」
咲夜は、悠に手を振って、翼の背中を
ぽんと優しく触れた。
「え、仲間外れ?」
「そんなことないよ、ラインするから、ね!」
咲夜は手をもう一度振って別れた。
翼は申し訳なさそうに教室に足を進めた。
◇◇◇
授業終わりの放課後、咲夜は、翼の机に近づき、
声をかけた。隣の席に座る。
「翼、部活行く前にちょっとだけいい?」
ざわつく教室内で咲夜は、翼に話し始めた。
「うん。いいよ」
「私、翼なら許すよ」
「え?どういうこと?」
「あ、ごめん、琉偉のことね」
「許すって、上から目線じゃん」
「え、そう聞こえる?
そんなつもりじゃなかったけどさ。
むしろ、琉偉のこと頼んでいいかな。
私、今は、悠と一緒にいたいって
気持ちがぶれないからさ。
琉偉って幼馴染なんだけど、恋愛対象じゃないって
最近、気づいたんだ」
腕を組んで話す。
翼は胸のつっかえが取れた気がした。
咲夜の本音が聞けてよかったと感じた。
「ライブチケットのことあったでしょう」
「え。うん、そうだね」
「私、咲夜誘ったら、負けるって思ってた」
「あー、琉偉が私のこと見るから?」
「うん」
「大丈夫、もう私は琉偉と付き合うってことは
しないって決定してたから」
「そうなの?!」
「うん、そう。で、でもさ、幼馴染でいろいろ知ってるわけじゃん。
こっちの方が琉偉のことは物知りだぞって勝ちたくなった」
「嘘、マジで?子どもじゃん」
「だよね。ごめんね、幼い考えでさ」
笑いながら話す咲夜は、翼のことで悩むことはないと安心した。
琉偉に対する思いは本物だと読み取った。
「でもさぁ、ライバル多いぞぉ~! 琉偉はモテるから」
「せ・ん・ぱ・いでしょ!!さっきからめっちゃ気になった」
「あーごめんごめん。琉偉先輩ね」
「わかってるよ、それくらい。
気持ちはもう虜にしてるつもりだから」
「あー、言うねぇ。ビックマウス??」
「ううん。ミニーマウス」
「受けるんですけど!」
手をたたいて笑いあった。
まさか数時間前までは翼とこんなに笑い合えるなんて考えてもいなかった。
女友達って一緒にいると本当に楽しくてうれしい。
寂しくもない。恋バナの話もできると思うと楽しみすぎてたまらなかった。
「翼、何か進展あったら、絶対教えてね」
「ちょっと待って、悠のこともぜったい教えてね」
「うん、ちょっとだけね」
指で小さく丸を作る。
「えー、やだ。んじゃ、私言わないよ」
「嘘嘘、冗談。相談するよ。
当たり前じゃん。私の親友なんだから」
「本当?ありがとう」
咲夜と翼は顔がほころんでいた。
教室の窓際、白カーテンがふわりと膨らんだ。
翼もどうした?」
今から音楽の授業なのかリコーダーを持った
悠が2人の前を通り過ぎようとしていた。
「悠、次、移動教室なの?」
「あ、うん。そうだけど、どうした?
2人して、辛気臭い顔してるよ」
翼は苦笑いをしていた。
咲夜はパンと拍手して、気持ちを切り替えた。
「よし、この話いったん終わりしよう。
あとで、もっと詳しく聴くから。ね?」
「あ、うん。わかった、そうしようか」
「え?2人の話?
それって、私も聞いていいものかな?」
悠が言うとすぐとチャイムが鳴った。
「もう。時間だね、またあとで教えるよ!」
咲夜は、悠に手を振って、翼の背中を
ぽんと優しく触れた。
「え、仲間外れ?」
「そんなことないよ、ラインするから、ね!」
咲夜は手をもう一度振って別れた。
翼は申し訳なさそうに教室に足を進めた。
◇◇◇
授業終わりの放課後、咲夜は、翼の机に近づき、
声をかけた。隣の席に座る。
「翼、部活行く前にちょっとだけいい?」
ざわつく教室内で咲夜は、翼に話し始めた。
「うん。いいよ」
「私、翼なら許すよ」
「え?どういうこと?」
「あ、ごめん、琉偉のことね」
「許すって、上から目線じゃん」
「え、そう聞こえる?
そんなつもりじゃなかったけどさ。
むしろ、琉偉のこと頼んでいいかな。
私、今は、悠と一緒にいたいって
気持ちがぶれないからさ。
琉偉って幼馴染なんだけど、恋愛対象じゃないって
最近、気づいたんだ」
腕を組んで話す。
翼は胸のつっかえが取れた気がした。
咲夜の本音が聞けてよかったと感じた。
「ライブチケットのことあったでしょう」
「え。うん、そうだね」
「私、咲夜誘ったら、負けるって思ってた」
「あー、琉偉が私のこと見るから?」
「うん」
「大丈夫、もう私は琉偉と付き合うってことは
しないって決定してたから」
「そうなの?!」
「うん、そう。で、でもさ、幼馴染でいろいろ知ってるわけじゃん。
こっちの方が琉偉のことは物知りだぞって勝ちたくなった」
「嘘、マジで?子どもじゃん」
「だよね。ごめんね、幼い考えでさ」
笑いながら話す咲夜は、翼のことで悩むことはないと安心した。
琉偉に対する思いは本物だと読み取った。
「でもさぁ、ライバル多いぞぉ~! 琉偉はモテるから」
「せ・ん・ぱ・いでしょ!!さっきからめっちゃ気になった」
「あーごめんごめん。琉偉先輩ね」
「わかってるよ、それくらい。
気持ちはもう虜にしてるつもりだから」
「あー、言うねぇ。ビックマウス??」
「ううん。ミニーマウス」
「受けるんですけど!」
手をたたいて笑いあった。
まさか数時間前までは翼とこんなに笑い合えるなんて考えてもいなかった。
女友達って一緒にいると本当に楽しくてうれしい。
寂しくもない。恋バナの話もできると思うと楽しみすぎてたまらなかった。
「翼、何か進展あったら、絶対教えてね」
「ちょっと待って、悠のこともぜったい教えてね」
「うん、ちょっとだけね」
指で小さく丸を作る。
「えー、やだ。んじゃ、私言わないよ」
「嘘嘘、冗談。相談するよ。
当たり前じゃん。私の親友なんだから」
「本当?ありがとう」
咲夜と翼は顔がほころんでいた。
教室の窓際、白カーテンがふわりと膨らんだ。
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