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第34話 好きなパン
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翼はドキドキしながら、琉偉に話す。
「もしご迷惑でなければ、
連絡先交換していただいても
いいですか?」
翼は、スマホを取り出して、
アピールした。
やけに積極的だった。
拍子抜けして驚いた琉偉は笑いながら、
ズボンのポケットからスマホを
取り出した。
「いいよ、きみ、めっちゃ面白いね」
「え?そ、そうですか?
QRコード出しますね」
連絡先を交換しながら言う。
「はい、これでいいね。
てか、さっき真剣な顔して
何するんのかなって思ってさ。
想像と違っていて面白かった」
「そ、想像?
え、いや、別に連絡先の交換……」
「愛の告白でもするのかと思ったわけ!
違うっしょ。
ハハハ、んじゃ、咲夜によろしく」
鈍感な琉偉は、翼の口を閉ざした。
何も言えなくなってしまったのだ。
ごくんとつばをのむ。
琉偉は鼻歌を歌いながら立ち去っていく。
▫︎▫︎▫︎
昼休みの購買部にて、
咲夜は笑顔で仲良く
悠と隣同士買い物をしていた。
「悠、何買うの?」
「そうだなぁ、焼きそばパンかな。
炭水化物ばかりだけどさ」
「美味しいもん。いいじゃん。
そうだなぁ、
私は…ピーナッツコロネか
クリームコロネ…
チョココロネが売り切れてるし…。
悔しいなぁ。もう少し早く来れば
買えたかもしれないのに……」
咲夜はぐったりとうなだれて悔しがった。
「え、咲夜、チョココロネ好きなの?」
「うん、下から少しずつ食べるのが
楽しいじゃん。
悠は好きじゃない?」
「うーん、そうだな。
食べられるけど、
そこまで好きじゃないかな。
食べるなら、上からパクッと
行く派だから」
「そうなんだ……。あ」
適当にたまごハムサンドイッチを買って
買い物を終えた2人は渡り廊下を
歩いているとすれ違いにチョココロネを
簡単にくわえて立ち去る琉偉がいた。
「あーーー」
「は?」
琉偉が咲夜に気づいた。
「ずるい!!私の1番好きなパン。
琉偉、知ってて買ったでしょう」
「はぁ?! 俺だって、
1番好きなパンだっつーの。
出た出た自意識過剰~~~~」
「むっきーー腹立つぅ」
「まぁまぁ、
相手にしちゃだめだよ、咲夜」
通り過ぎていく琉偉がいる。
悠は咲夜の背中を撫でてあげた。
「咲夜のこといじたくて仕方ないんだね。
琉偉先輩」
「あんな奴大嫌いだよ。
絶交。最悪だし」
「んじゃぁさ、
今度チョココロネ1番に来て
買っておくから。
それで機嫌なおしてよ」
「嘘、悠、そこまでしてくれるの?
もしかして、神?!」
「うん。咲夜の喜ぶ顔が見たいからさ。
そうそう崇めなさい。
悠様を」
「ははーーー」
咲夜は冗談で悠にお辞儀をしてみせた。
悠といると安心できて、楽しいことが
たくさん起こりそうだとワクワクして
きた。
ーーーーその頃の翼は
琉偉からもらった
ライブチケットのことをどうしようか
迷って、ずっとトイレの個室の中、
ため息をついて、悩んでいた。
悠にこのライブのことを知られたら、
やきもちやくだろうなと考えていた。
持っているチケットは2枚だけ。
最終的には、
1枚だけで自分1人でライブを
見に行こうと決断した。
余計なトラブルになることを
避けるためだ。
手を洗おうとして、蛇口が勢い出しすぎて、
少し制服の袖口がびしょ濡れになった。
「あーもう!」
ハンカチで濡れたところを拭いて
どうにかやり過ごした。
「もしご迷惑でなければ、
連絡先交換していただいても
いいですか?」
翼は、スマホを取り出して、
アピールした。
やけに積極的だった。
拍子抜けして驚いた琉偉は笑いながら、
ズボンのポケットからスマホを
取り出した。
「いいよ、きみ、めっちゃ面白いね」
「え?そ、そうですか?
QRコード出しますね」
連絡先を交換しながら言う。
「はい、これでいいね。
てか、さっき真剣な顔して
何するんのかなって思ってさ。
想像と違っていて面白かった」
「そ、想像?
え、いや、別に連絡先の交換……」
「愛の告白でもするのかと思ったわけ!
違うっしょ。
ハハハ、んじゃ、咲夜によろしく」
鈍感な琉偉は、翼の口を閉ざした。
何も言えなくなってしまったのだ。
ごくんとつばをのむ。
琉偉は鼻歌を歌いながら立ち去っていく。
▫︎▫︎▫︎
昼休みの購買部にて、
咲夜は笑顔で仲良く
悠と隣同士買い物をしていた。
「悠、何買うの?」
「そうだなぁ、焼きそばパンかな。
炭水化物ばかりだけどさ」
「美味しいもん。いいじゃん。
そうだなぁ、
私は…ピーナッツコロネか
クリームコロネ…
チョココロネが売り切れてるし…。
悔しいなぁ。もう少し早く来れば
買えたかもしれないのに……」
咲夜はぐったりとうなだれて悔しがった。
「え、咲夜、チョココロネ好きなの?」
「うん、下から少しずつ食べるのが
楽しいじゃん。
悠は好きじゃない?」
「うーん、そうだな。
食べられるけど、
そこまで好きじゃないかな。
食べるなら、上からパクッと
行く派だから」
「そうなんだ……。あ」
適当にたまごハムサンドイッチを買って
買い物を終えた2人は渡り廊下を
歩いているとすれ違いにチョココロネを
簡単にくわえて立ち去る琉偉がいた。
「あーーー」
「は?」
琉偉が咲夜に気づいた。
「ずるい!!私の1番好きなパン。
琉偉、知ってて買ったでしょう」
「はぁ?! 俺だって、
1番好きなパンだっつーの。
出た出た自意識過剰~~~~」
「むっきーー腹立つぅ」
「まぁまぁ、
相手にしちゃだめだよ、咲夜」
通り過ぎていく琉偉がいる。
悠は咲夜の背中を撫でてあげた。
「咲夜のこといじたくて仕方ないんだね。
琉偉先輩」
「あんな奴大嫌いだよ。
絶交。最悪だし」
「んじゃぁさ、
今度チョココロネ1番に来て
買っておくから。
それで機嫌なおしてよ」
「嘘、悠、そこまでしてくれるの?
もしかして、神?!」
「うん。咲夜の喜ぶ顔が見たいからさ。
そうそう崇めなさい。
悠様を」
「ははーーー」
咲夜は冗談で悠にお辞儀をしてみせた。
悠といると安心できて、楽しいことが
たくさん起こりそうだとワクワクして
きた。
ーーーーその頃の翼は
琉偉からもらった
ライブチケットのことをどうしようか
迷って、ずっとトイレの個室の中、
ため息をついて、悩んでいた。
悠にこのライブのことを知られたら、
やきもちやくだろうなと考えていた。
持っているチケットは2枚だけ。
最終的には、
1枚だけで自分1人でライブを
見に行こうと決断した。
余計なトラブルになることを
避けるためだ。
手を洗おうとして、蛇口が勢い出しすぎて、
少し制服の袖口がびしょ濡れになった。
「あーもう!」
ハンカチで濡れたところを拭いて
どうにかやり過ごした。
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