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第25話 裏の顔
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咲夜は家に着いてから
悠の着信履歴を確認した。
着信だけじゃなく、
ラインのスタンプも連投されていた。
文字とともに可愛いクマのイラストが
絵が描かれていた。
《お疲れさま》
《今どこ?》
《家着いた?》
《返事なくてさびしい》
《ぷんぷん》
と最後は怒っているイラストになっていた。
勉強机にバックを置いて、
スマホをじっと見つめる。
既読さえもできず、ずっと電車で琉偉と
夢中でおしゃべりしていた。
咲夜はため息をついて、
改めて、悠に電話をかけた。
その頃、悠は、息を荒くして
家に着いて着ていた真っ黒い服の
ファスナーをおろして、部屋着に
着替えようとした。
ズボンのポケットに入れていた
スマホを取り出すと咲夜名前が
表示されていた。
嬉しくてすぐにスワイプした。
「咲夜?家にいる?」
『悠、今家にいたよ。
ごめんね、
着信もラインも気づかなくて今見たの。
あと一緒に帰れなくてごめんね。』
フェイスタオルで汗をかいた顔を
拭きながら悠は答えた。
「ううん。大丈夫。
部活あるって
教えてくれてたでしょう。
それは構いないから。
気にしないで。」
『本当、悠という人がいるのに
私は、着信に気づかないなんて
酷い人だよね…。
ごめん。』
「そ、そんなに謝らないで。
大丈夫だって。
でも、今日、帰り暗い時
だったんじゃない?
そっちの方が心配だよ。」
『あ、そうなのよ。
いつの間にか外が
真っ暗になっちゃって、
怖かったよ。
悠と一緒に帰りたかったぁ。』
「えーいつでも一緒じゃん。」
『え?』
「だから、心配だったから
後ろから着いていこうと
したんだけど…。」
『………。』
悠の言葉に咲夜は息を飲んだ。
しばし、沈黙が続く。
怖い思いをしたのは、
悠が追いかけてきてたからなのかと
帰り道を思い出す。
『悠、今日,私の後ろ着いてきてた?』
「うん、そうだよ。」
平気なトーンで返事をする悠に
寒気がした。
追いかけてきたのなら、
なんで声をかけて
くれなかったんだろうと不思議だった。
『ちょっと、待って。
今日、部活は?』
「今日、部活休みだった。
制服、休みだったけど、部室で
私服に着替えた。ズボン汚れててさ。
洗ってるから、スカートから
早くズボンに着替えたかったんだ。」
『真っ黒な服?』
「うん、そう。
今、その服脱いでたよ。
想像しちゃだめだよぉ。」
悠のテンションについていけなかった。
あんなに怖い思いをしたのは初めてだ。
なんだか、悠は別な一面があるのだと
感じた咲夜だった。
ひやっと恐怖を感じた咲夜に
悠が話し出す。
「ねぇ、咲夜。
琉偉先輩のこと好きなの?」
悠の声のトーンが急に低くなった。
怒っているのではないかという殺気だった
空気だ。
「え……。す、好きなわけないじゃん。」
今はその言葉をいうことしか
できなかった。
「そ、そうだよね。
私の予想違いだったわ。
それが聞けて安心した。」
かなりテンション高めで返事をする悠に
咲夜はなんとも言えない気持ちになった。
琉偉と行動をともにするのは
しばらく控えようと決めた。
電話を終えた咲夜は、
制服姿のままベッドの上に寝転んで、
体は疲れているはずなのに
何度も寝返りをうつが、
悠のことがあって眠ることが
できなかった。
悠の着信履歴を確認した。
着信だけじゃなく、
ラインのスタンプも連投されていた。
文字とともに可愛いクマのイラストが
絵が描かれていた。
《お疲れさま》
《今どこ?》
《家着いた?》
《返事なくてさびしい》
《ぷんぷん》
と最後は怒っているイラストになっていた。
勉強机にバックを置いて、
スマホをじっと見つめる。
既読さえもできず、ずっと電車で琉偉と
夢中でおしゃべりしていた。
咲夜はため息をついて、
改めて、悠に電話をかけた。
その頃、悠は、息を荒くして
家に着いて着ていた真っ黒い服の
ファスナーをおろして、部屋着に
着替えようとした。
ズボンのポケットに入れていた
スマホを取り出すと咲夜名前が
表示されていた。
嬉しくてすぐにスワイプした。
「咲夜?家にいる?」
『悠、今家にいたよ。
ごめんね、
着信もラインも気づかなくて今見たの。
あと一緒に帰れなくてごめんね。』
フェイスタオルで汗をかいた顔を
拭きながら悠は答えた。
「ううん。大丈夫。
部活あるって
教えてくれてたでしょう。
それは構いないから。
気にしないで。」
『本当、悠という人がいるのに
私は、着信に気づかないなんて
酷い人だよね…。
ごめん。』
「そ、そんなに謝らないで。
大丈夫だって。
でも、今日、帰り暗い時
だったんじゃない?
そっちの方が心配だよ。」
『あ、そうなのよ。
いつの間にか外が
真っ暗になっちゃって、
怖かったよ。
悠と一緒に帰りたかったぁ。』
「えーいつでも一緒じゃん。」
『え?』
「だから、心配だったから
後ろから着いていこうと
したんだけど…。」
『………。』
悠の言葉に咲夜は息を飲んだ。
しばし、沈黙が続く。
怖い思いをしたのは、
悠が追いかけてきてたからなのかと
帰り道を思い出す。
『悠、今日,私の後ろ着いてきてた?』
「うん、そうだよ。」
平気なトーンで返事をする悠に
寒気がした。
追いかけてきたのなら、
なんで声をかけて
くれなかったんだろうと不思議だった。
『ちょっと、待って。
今日、部活は?』
「今日、部活休みだった。
制服、休みだったけど、部室で
私服に着替えた。ズボン汚れててさ。
洗ってるから、スカートから
早くズボンに着替えたかったんだ。」
『真っ黒な服?』
「うん、そう。
今、その服脱いでたよ。
想像しちゃだめだよぉ。」
悠のテンションについていけなかった。
あんなに怖い思いをしたのは初めてだ。
なんだか、悠は別な一面があるのだと
感じた咲夜だった。
ひやっと恐怖を感じた咲夜に
悠が話し出す。
「ねぇ、咲夜。
琉偉先輩のこと好きなの?」
悠の声のトーンが急に低くなった。
怒っているのではないかという殺気だった
空気だ。
「え……。す、好きなわけないじゃん。」
今はその言葉をいうことしか
できなかった。
「そ、そうだよね。
私の予想違いだったわ。
それが聞けて安心した。」
かなりテンション高めで返事をする悠に
咲夜はなんとも言えない気持ちになった。
琉偉と行動をともにするのは
しばらく控えようと決めた。
電話を終えた咲夜は、
制服姿のままベッドの上に寝転んで、
体は疲れているはずなのに
何度も寝返りをうつが、
悠のことがあって眠ることが
できなかった。
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