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第21話 翼とのお昼ごはん
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昼休みの時間。
お弁当を食べていた。
今日の卵焼きにはとろけるチーズが
入っていて美味しかった。
教室はあちこちでおしゃべりしていて
賑わっていた。
よく晴れた外ではスリーオンスリーの
バスケットをしている男子たちがいた。
カーテンが揺れて、風が教室に入ってくる。
冬だというのに今日は暖かかった。
翼がじっと咲夜の顔を見る。
「な、何?」
「どうなった?」
「え?」
「何か、咲夜の顔に書いてあるから。
言いたいこと、私にあるでしょう」
「んー、どうでしょう」
「なにそれ。
昔の野球の監督のまね?古くない?」
「え?翼、知ってるの?
長嶋監督。巨人の監督だった人だよ」
「いやいや、面白いけど。
話そらさないで。
琉偉先輩と悠の話。
そのあと、どうなったの?」
「わかったよ。
仕方ないなぁ。
翼には話しておかないとね。
実は……」
机を向かい合わせに重ね合わせた
翼の耳にそっと話す。
翼は口を塞いで興奮した。
「嘘嘘、そうなの?!
やだぁ、咲夜。
良かったじゃん。
で?悠は喜んでた??」
2人きりの寒空の公園で
ラブラブだったということを説明した。
「う、うん」
顔を真っ赤にして、下を向く。
「咲夜は冬だけどすごい暑いね。
うちわ欲しいくらい。
ごちそうさまです!」
「えー、えー?」
「いいなぁ、羨ましい」
翼は頬杖をついて咲夜を見る。
すると廊下から手招きをする悠がいた。
「あれ、悠」
「ちょっと、咲夜に会いたくなって…。
翼、久しぶりだね。
元気だった?」
「もう、全然私のこと忘れてたでしょう
咲夜にやきもちやくよ」
「ごめんごめん。
いや、だってねぇ」
「えへへへ」
「いや、そこ照れるな」
翼は体ごと咲夜にツッコミを入れた。
体制が崩れてもニコニコ笑う咲夜だった。
もう、悠にメロメロの咲夜だった。
その様子を見て、悠もご機嫌に
なっていた。
「もう、誰が見てもカップルやね」
「えーそうかな。
あ、ねぇ、悠。
それって、ズボン?」
咲夜は、足元を見ると、悠の格好が
スカートからズボンに変わっていた。
「あー、そうそう。
保健の先生に相談したら、
今更だけど、ここの学校、
希望があれば女子でもズボン
履けるんだってさ」
「えーそうだったの?
でも、これってオーダーメイドだよね。
時間かかったんじゃない?
しかも高いよね」
咲夜は悠の茶色チェック柄の制服ズボンを
ぐるぐると見た。
「うん、そう。
お母さんに無理言って、
作ってもらったんだ。
ほら、だからクリスマスも
バイトのシフト入れてさ」
「なんだ、そういうことだったんだね。
一緒にいられないのは残念だけど、
でもズボンなら……。
悠、かっこいいね」
咲夜は背中に手を組んでジャンプして
喜んだ。
咲夜のかわいい笑顔が見れて嬉しかった。
ズボンをはいたところを早く見せたかった
悠だった。
「それは来た甲斐があったよ。
んじゃ、そろそろ昼休み終わるから」
悠は満足そうな顔をして帰って行った。
後ろ姿をパシャリとスマホのカメラで
撮影した。
本物の男子と引け目をとらず、
背筋がピンっとしていて、背も高い。
女子とは思えないほどかっこよかった。
悠が他の教室を通り過ぎるたびに
目がハートになる女子生徒たちを見ると、
なぜかモヤモヤとする咲夜だった。
お弁当を食べていた。
今日の卵焼きにはとろけるチーズが
入っていて美味しかった。
教室はあちこちでおしゃべりしていて
賑わっていた。
よく晴れた外ではスリーオンスリーの
バスケットをしている男子たちがいた。
カーテンが揺れて、風が教室に入ってくる。
冬だというのに今日は暖かかった。
翼がじっと咲夜の顔を見る。
「な、何?」
「どうなった?」
「え?」
「何か、咲夜の顔に書いてあるから。
言いたいこと、私にあるでしょう」
「んー、どうでしょう」
「なにそれ。
昔の野球の監督のまね?古くない?」
「え?翼、知ってるの?
長嶋監督。巨人の監督だった人だよ」
「いやいや、面白いけど。
話そらさないで。
琉偉先輩と悠の話。
そのあと、どうなったの?」
「わかったよ。
仕方ないなぁ。
翼には話しておかないとね。
実は……」
机を向かい合わせに重ね合わせた
翼の耳にそっと話す。
翼は口を塞いで興奮した。
「嘘嘘、そうなの?!
やだぁ、咲夜。
良かったじゃん。
で?悠は喜んでた??」
2人きりの寒空の公園で
ラブラブだったということを説明した。
「う、うん」
顔を真っ赤にして、下を向く。
「咲夜は冬だけどすごい暑いね。
うちわ欲しいくらい。
ごちそうさまです!」
「えー、えー?」
「いいなぁ、羨ましい」
翼は頬杖をついて咲夜を見る。
すると廊下から手招きをする悠がいた。
「あれ、悠」
「ちょっと、咲夜に会いたくなって…。
翼、久しぶりだね。
元気だった?」
「もう、全然私のこと忘れてたでしょう
咲夜にやきもちやくよ」
「ごめんごめん。
いや、だってねぇ」
「えへへへ」
「いや、そこ照れるな」
翼は体ごと咲夜にツッコミを入れた。
体制が崩れてもニコニコ笑う咲夜だった。
もう、悠にメロメロの咲夜だった。
その様子を見て、悠もご機嫌に
なっていた。
「もう、誰が見てもカップルやね」
「えーそうかな。
あ、ねぇ、悠。
それって、ズボン?」
咲夜は、足元を見ると、悠の格好が
スカートからズボンに変わっていた。
「あー、そうそう。
保健の先生に相談したら、
今更だけど、ここの学校、
希望があれば女子でもズボン
履けるんだってさ」
「えーそうだったの?
でも、これってオーダーメイドだよね。
時間かかったんじゃない?
しかも高いよね」
咲夜は悠の茶色チェック柄の制服ズボンを
ぐるぐると見た。
「うん、そう。
お母さんに無理言って、
作ってもらったんだ。
ほら、だからクリスマスも
バイトのシフト入れてさ」
「なんだ、そういうことだったんだね。
一緒にいられないのは残念だけど、
でもズボンなら……。
悠、かっこいいね」
咲夜は背中に手を組んでジャンプして
喜んだ。
咲夜のかわいい笑顔が見れて嬉しかった。
ズボンをはいたところを早く見せたかった
悠だった。
「それは来た甲斐があったよ。
んじゃ、そろそろ昼休み終わるから」
悠は満足そうな顔をして帰って行った。
後ろ姿をパシャリとスマホのカメラで
撮影した。
本物の男子と引け目をとらず、
背筋がピンっとしていて、背も高い。
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悠が他の教室を通り過ぎるたびに
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