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第4章

第5話 振り分け

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 数時間かけ、忌蟲の森の端――調査村付近に到着した。
 調査村の位置は、森の中のやや高い丘の様な場所にある。
 草原から森の中に続く道を進めば、長く時間がかからずに到着出来る様だ。
 俺は、調査村の方向に向けて〝魔力感知〟の範囲を広げてみるが、村を中心に無数の魔力が混じり合っている。その為、状況を把握する事は困難だった。

 冒険者達が、戦闘の準備を整えていると各冒険者パーティーの代表が招集される。

「早速で悪いが、小隊の振り分けを発表する」

 バルザックは、3つの部隊に冒険者を割り振る。
 
 魔物と正面から衝突する事が想定される部隊――正面から攻める戦闘部隊は、白金プラチナ級クラス以上の冒険者や魔物戦闘が得意な冒険者達が配置された。
 逆に、敵の撹乱と生存者の救出を主に行う遊撃部隊――村の裏口から侵入する部隊は、忌蟲の森での戦闘に慣れた冒険者や身軽な冒険者が多く配置されている。
 裏口から侵入する部隊は、生存者の救出も目的とされている。その為、重装備や年配のベテラン冒険者よりも、身軽で若い冒険者が割合として多い。
 
 最後の後方で状況に応じて投入される部隊――支援部隊は、忌蟲の森での戦闘経験が少ない冒険者や特殊なスキルや魔法を取得している者が配属されている。
 俺達のパーティーも支援部隊に配属された。

「支援部隊の冒険者達は、この場で待機だ。君達の臨機応変な対応に期待している」

 バルザックの編成に、文句はない。
 だが、不安要素は幾つかある。
 特に目立つのは、遊撃部隊だ。
 若手が多く配置されている事から、勢いはあるのだろうが、精神的支柱が揺らいだ後の立て直しには時間が掛かる。
 アーク辺境伯領の冒険者達は、若くとも実力があり、魔物との戦闘経験も多い。それでも、胆力や気概は、実力と比例する物ではない上に、積み重ねた経験からしか得られない物だ。

 他にも、支援部隊には、こういった戦場に慣れているようには見えない冒険者も多く見受けられる。支援部隊とは名ばかりで、突然のトラブルに対して迅速な動きが出来るか、不安は拭えない。

「雪」

 小声でカシムから話しかけられた。

「俺が組合長に頼んで、部隊を変えて貰うか?」

 カシムは、村の裏口から攻める遊撃部隊に配置されている。

「いや、大丈夫だ」

 俺の言葉に表情を僅かに曇らせるが、「分かった」とカシムは頷く。
 説明を続けるバルザックへと視線を戻す。
 
 
 バルザックの話が終わる頃に、隠密系のスキルを持った数名の冒険者――斥候が村へと向かう。
 斥候が戻るまでは、休息を取ることになる。

 ヴィルヘルム達に、配属部隊を報告した。
 3人とも部隊の配置に不満はなく、各々で残された時間を過ごす。
 
 俺は、調査村の方向に向けて広げていた魔力感知の範囲を狭め体を休める。
 俺の魔力感知能力は異常らしく、集中すれば半径100メートルの範囲は朧げではあるが、魔力を持った生物の動きを捉える事が出来る。その上、邪魔が入らなければ、感知した魔力から、種族の特定出来るのだ。
 魔力感知による種族の特定は、完全な才能の領域らしく、実戦使用出来る精度を持つ人間は、俺は自分以外に知らない。
 
 だが、魔力感知を続けると、脳に負担がかかってしまう。そして、精神的な疲労にも繋がる為、範囲を狭めたり、切って置く様にしている。
 今は敵が近くにいる可能性もあるので、魔力感知を切る事は出来ないが、範囲を最低限に狭めて様子を見る事にした。

「偵察に行っていた冒険者が、戻って来た様だ」

 ヴィルヘルムの言葉に、バルザックに報告を行っている身軽そうな冒険者数名に視線を向ける。そして、その後直ぐに冒険者達の代表が再度集められた。

「遊撃部隊は、ある程度村の付近まで近付いたら合図を出してくれ。それを確認した後、正面の戦闘部隊が攻め込む。支援部隊は、この場で待機し、状況により増援、怪我人の治療を行って貰う」
「幾つか、質問をしても良いか?」

 カシムが、バルザックを見ながら口を開く。 
 バルザックは頷き、カシムの質問を了承する。

「生存者はいたのか?」
「斥候の話では、村内部には魔物の姿しかなかった様だ」

 バルザックの言葉に、場の空気が重くなる。

「今の所、全滅した確証はない。遊撃部隊には、事前に言っていた通り、生存者の捜索と救助を行って貰う」
「分かった。次に、魔物の数と種類は?」
「数は流石に不明だ。魔物の種類は、ワイルド・ホッパー、ムルカデ、ウォータル・スパイダー、ショット・スパイダー、毒蛾、幻粉蝶。情報通り、蟲系の魔物ばかりだ」

 見事に蟲だらけだ。
 それも、魔法の使えない冒険者には厄介な魔物もいる。
 本来なら、火属性の魔法で、村ごと焼いてしまうのが効率的だが、住人の救出が依頼条件に組み込まれているので難しい。それに、火に驚いた魔物が四方に散っても厄介な事になる。

「話はここまでだ。遊撃部隊が位置に付いたら、作戦を開始する」

 バルザックの言葉に、冒険者はお互いを鼓舞し、仲間の元に向かう。

 その後、直ぐに遊撃部隊が出発した。
 突発的な問題が起きた様な様子もなく、遊撃部隊が目的としていた位置に到着した様だ。

 何かを打ち上げた様な様子がない事から、通信を行える能力――情報系統のスキルを持つ者が部隊の中にいるのだろう。
 
 バルザックが、戦闘部隊に合図を送る。その後直ぐに、爆発音が森の中から響き渡る。

 残された冒険者達は、調査村から視覚になっている位置――拠点から戦場のある森の方を眺めていた。

「始まったか」

 俺の横で、腕を組みながら仁王立ちをしているヴィルヘルムの耳がピクピク動いている。

「主、村の皆さんは大丈夫でしょうか?」

 まるで、天使のような愛らしいメデルに、周囲にいた冒険者達は揃って破顔する。

「村には、まだ多くの人が残されている様ですが」

 ここで大抵の人なら、『きっと大丈夫だ』『冒険者達おれたちに任せろ』と、何の根拠もない事を言うだろう。
 だが、絶望的な状況で、淡い期待を持つ事は猛毒になる事がある。

「殆ど死んでるんじゃないか」
「そんな……」

 悲しそうな表情になったメデル。
 周りの冒険者達からも、非難の視線が向けられる。少し離れているが、バルザックからの視線もあった。
 だが、俺達の話を純粋な興味から耳を傾けている連中もいる。

「メデル、もし村を襲ったのがオークなどの亜人種だったら、少なくとも女は生かされている。理由は分かるな?」

 一瞬、表情を顰めたメデルだったが、しっかりと頷いた。

「他種族で繁殖する為ですね」
「そうだ。だが、今回村を襲ったのは蟲系の魔物だ。おそらく目的は、食料か巣を作る事だ」

 俺達の会話を聞いていた若手の冒険者達数名が、顔色が悪くしている。

「でも、普通食べるなら質を保つ為に、生かしておくんじゃないですか?」
「その可能性もあるが、蟻や雀蜂はどうやって食料を保管するか知ってるか?」
「確か……」
「蟻は、集団で獲物の肉を食いちぎり巣へと運び、雀蜂は、獲物の肉をミンチ状に丸めて巣へと持ち帰る。そうだろ?」

 ヴィルヘルムの言葉に頷く。
 その時、「おぇ」と言う音が聞こえた。
 視線を向けるまでもなく、誰かが吐くのを我慢した声だろう。
 確かに想像するだけで気持ちが悪い。

「まぁ、メデルの言う通り、飼われている可能性もある」

 メデルは自分の中で感情や情報を整理し理解した上で、しっかりと頷く。

 メデルとの会話を終え、再度門の方に視線を向ける。そこでは、村の内部に攻めあぐねている冒険者達が見えた。

「?」
 
 だが、単に苦戦している訳ではない。
 仲間の冒険者が急に暴れ出したり、冒険者が別の冒険者に襲い掛かっている姿も見える。

 時間をかけて冒険者を襲う人々を観察していると、体の何処かに30~50cm程度の長さの蛇の様な生物が絡み付いているのに気付く。

「組合長大変です!!」
「状況を報告してくれ」
 
 慌て出す若い冒険者をバルザックは、冷静な一言で落ち着かせる。

「あれは、ポイズン・リーチだ」

 ポイズン・リーチとは、特殊な毒を寄生した宿主に流し込んで操る魔物だ。地域によって、『毒蛭』と呼ばれている。
 地球の蛭の多くは、水中や水辺の周辺に生息しているが、この世界では陸地の魔物に寄生する生物も多い。

「ポイズン・リーチは、吸血と同時に毒を相手の体に注入し操る魔物だ。今直ぐ、ポイズン・リーチを冒険者から引き剥がせ!」

 連絡役の冒険者に指示を出したバルザックは、支援部隊の方に視線を向ける。そして、幾つかの冒険者とそのパーティー達を集めた。

「ポイズン・リーチを安全に剥がすには、火や光属性魔法が必要だが、今は時間がない。怪我人の治療の為にも、早速だが、支援に向かってくれ」

 バルザックの有無を言わせない圧力に、若い冒険者達は悲鳴に似た「はいっ」と返事をして、駆け出した。
 駆け出した冒険者達の中には、支援部隊にいた数少ないベテラン冒険者がおり、彼等への指示やフォローを行うのだろう。

 バルザックの判断は、適切の様に思える。
 戦況も完全な優勢という訳ではないが、前線が崩れる程ではない。

 だが、奇襲をかけたにしては、敵の被害が少な過ぎる様に思える。それに、調査村まで襲われずに辿り着けている事も不自然だ。

 敵が、冒険者から襲撃を受ける事に気付き、何かしらの指示のもとで動いているとすれば、幾つかの疑問が解決する。
 実際、占領した村――巣の一部を破壊されたのにも関わらず、魔物の動きが緩慢だ。

「何か変だ」
「……」
「確かに、魔物の数が少なくないか?」

 俺以外にも、何人かの冒険者達が魔物の動きに疑問を感じ始める。

「他の魔物は、村の中か?」
「もしかしたら、こっち攻めて来てるかも……」

 拠点内の士気が徐々に下がり、冒険者達の表情からも焦り始めているのが分かる。

「落ち着け。ここは、戦場だ。最初から、安全な場所などない」

 バルザックは、ギロリと残された冒険者達を睨む。

「それとも、遊びのつもりでこの場に来たのか?」

 たったその一言で、冒険者達が静まり返る。
 
「相手は、未知の敵だ。こちらの作戦が筒抜けだろうと、罠に嵌められようと、最早関係ない」
「……」
「食い破るのみだ」

 ヴィルヘルムは、バルザックの姿を真剣な表情で見つめていた。

 その時、2発の火球が空に上がった。
 それは、遊撃部隊に対処困難な出来事が起こった事を知らせる合図だ。

「組合長!遊撃部隊から報告です!」
「話せ!」

 そう言ったバルザックの表情は険しい。
 
「大量の魔物に囲まれた。任務の続行は、不可能。撤退は困難。救援を求める、とのこと」
「っ!」

 バルザックは、苦悶の表情を浮かべる。
 支援部隊の誰かを送るにも、何分距離が開いており、位置の特定も難しい。その上、敵の情報も数以外は、何一つ分からない状況だ。
 元々支援部隊にいる冒険者の殆どは、既に行動している部隊の冒険者よりも戦闘能力が劣っている、と判断されている。それ以外では、俺達の様に冒険者組合に登録して日が浅く、周囲との連携に難あり、と考えられている冒険者だろう。

「俺達が行く」

 バルザックは、驚いてヴィルヘルムを見る。
 だが、直ぐに冷静さを取り戻す。
 
「簡単な事じゃないぞ?」
「部隊の位置なら、雪が分かる。治療は、メデルがいれば充分だ」
「……待て。流石に4人は少な過ぎる」
「なら、後から追いかけて来れば良い。俺達4人は、先に行く」

 バルザックが止める間もなく、ヴィルヘルムは駆け出した。
 残された俺達は、頷き合うとバルザックの判断を聞く前に、ヴィルヘルムを追って駆け出す。
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