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テレクベリー(前編)

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口テレクベリー



ランド=ダデム
白金の渚亭。昼下がり。
季節は冬。
窓から刺す木漏れ日の、陽光を切るように、ブラインドが下ろされている。
縞となる、店内は、少し薄暗い。
こんこんと薪ストーブが焚かれているが寒い。
カールはカウンター横から上がった二階の、掲示板を伺い見ている。


「エディブ、なんだいこの張り紙は?」
「ああ、その張り紙は、昨日きたやつ」

張り紙。
「ランド=エスオゴ、アルフレド=エクサ=アリエル国王曰く、息子レトを探して欲しい。
事件に巻き込まれているらしい。報酬は払うと。800000G」

カールのそばに、行くソフィア。
レト。
たしか、この間。
ええ。
捜索人のミッションね。


なんか、怪しい話だな。
たしか、レトは命を狙われているとか。
たしかに。
でも、報酬が。
報酬の額の桁が多い。
国庫金からのお金だから、払えるのかな?
どうする?
俺は、もう一回、ヤツの顔が見たい。
よし、わしも、重い腰をあげるか。
OK! 決まりね。


「決まったかい? お姫さまたち」
「これは、冒険者の宿からの、サービス情報なんだが、昨日から、冒険者の間で噂になっていて、
レトを、金融の街、ビッグシティ。ランド=ゴードーで見たものがいるとか」
「ワシも、若ければ、ビッグマネーのミッション、行ってみたかったぁ」
「あと、耳にタコだが、報酬の1割、ギルドに預けること」
「800000Gの?!」
「返金はするから。なにとぞ、ご贔屓を」
「ガハハ」
「フフフ」






エディブ、ちょっと、電話借りるわね。
どうぞ、お姫さま。

シティーでの装備。ミッション。黒電話。
電話の掛け方。
電話の掛け方の練習。アラゴーからカールへ。
受話器を耳にあて、マイクに息を入れないで、話す。
電話を切る時は、受話器を置く台、フックを指で押して切る。
電話は手短に、要件だけを話す。
何処そこで、何時。目印、着ている服。
電話で世間話はしない。
ど田舎の場合は、しても良い。
以上。
では。ためしに。
ビジネスホテルがいいわね。
ためしに、今日、泊まるホテルの予約を取ってみて。
ビジネスホテルには、フロントがあり、チェックインとチェックアウト時間がある。
電話番号案内。
まず、自分の名前を名乗ってから、要件を言う。
「もしもし、カールです。今夜泊まれる、ビジネスホテルを探しているのですが」
「予算は、いかほどのホテルですか?」
「100~200G」
「たくさんありますが、宿泊だけなら、ホテル、アバンドン。キャストオフ。ランナウェイ。が該当します」
「アバンドン、たしかモーテルチェーンの」
「そこ、お願いします」
「アバンドン、個室、おひとり様120Gになります、何名様のご利用ですか?」
「3名」
「では、ご予約、取っておきますので。ご利用ありがとうございました」
フックを指で切る、カール。
「ふぅぅー」
「とりあえず、上出来ね」
「よっこらしょっと」



かくして、冒険の旅に出発する、一行。
果たして、どうなることやら。



ミッションスタート
キャスト
人間    カール=ザルツバーグ
エルフ   ソフィア=ゴールドバーク
ドワーフ  アラゴー=マブ=ライルデン










アラゴー
「カール」
「わしは、飛び道具は、ダメじゃが、人間には、シティーように、人間専用の武器があるぞい」
「へえー」
「ガンじゃ」
「ゴードーに着いたら、行ってみるか?」
「ああ」


ここからは、ガンの世界だ。
電話とホテル。電話とホテル。
地下シューティング場。
現れる、黒服。


「ここが、ゴードーか」
馬鹿高い高層ビルが立ち並んでいる。
通りは、4車線の道路があり、車が走っている。
街路を、歩く、冒険者一行。
キョロキョロするエルフ。
吐く息は白い。
「コートにネクタイ。ハンサムな人が多いわね」
「今流行りの、ビジネスマンね」
ホテルに着く、冒険者。
玄関で、お客におじぎをするフロントマン。
フロントマンを見て驚く。
「レトそっくり」
「ホテルマンも、ハンサムな人が多いわね」
「&%$#~」



シティーと言ったらガンだ。
ヒューマン族の使う、最新の武器だ。

武器屋で、お金(現金)で、ガンを購入する。

所狭しと、並べられたガンは、綺麗にディスプレイされている。
「これが、武器?」
「ああ、先の方から、弓のように、弾がでるんじゃ」
「へぇー」
「初心者ですね」
店の主人が、話かけてくる。
「ああ、はい」
「これ、なんかが、オススメですよ」
一つ銃をディスプレイから、取り上げてくれる、主人。
「これは?」
「コルト。コルトガバメント」
「非常に使いやすい銃です」
「装弾数。7。カートリッジの交換で、また撃てます」
「へぇー」
「目が欲しそうにしているぞ、カール。これにするか?」
「おお」
「追加、カートリッジ2本」
「まいど」


冒険者が出て行ったあと、電話をかける店主。
「もしもし」


早速、地下シューティング場へ向かう一行。
「初めてのガンだ」
「どうやって、使うんだろ」


「ロックを外し、トリガーを引くだけよ」
手元が狂い、アラゴーの方に発砲してしまう、カール。
擬音「パン」
アラゴー「うお、こっちを撃っちゃいかん」
アラゴー「トルソーのターゲットを狙うんじゃ」
ターゲットを狙うカール。
擬音「パン」
銃弾は、ターゲットの中心に見事、命中する。
「えっ?」
「まぐれか?」
続けざまに発砲するカール。
擬音「パン、パン」
またもや、ターゲットの中心に命中する。
アラゴー「うむぅー、人間族に向いている武器だと聞いてはいたが‥」
エルフ「正解ね」
職員がやってくる。
「お見事!」
「この武器は、フルプレートを着た騎士や、ドラゴンには、あまり役に立ちませんが」
「スーツを着用する、シティーでは、有効な武器となります」
アラゴー「さすがに、街では、重い鎧は、ホテルに置いて動かないと」

「必要なものは揃えたし」
「さあ、行くか、情報収集へ」





レトがタクシーに乗っていたと言う情報が。
タクシー会社を、あたってみる。
タクシーの乗務員によると、ロードホテルまで行ったらしい。

ロードホテルに入るには、身分証明書が必要。
銀行の通帳は、1000Gで作れる。
通帳とカードを持って、パブリックオフィスで、住んでいる住所など申請する。
手早く、申請を済ませて、ゴードーのオフィシャルカードを手に入れる冒険者たち。
ロードホテルへ、行く冒険者。
ホテルでフロントに頼んでみる。
降りてくるレト。
いつぞやの冒険者さん。
「レト、何か事件に巻き込まれているのか?!
 アルフレド父王が探している、帰ってほしい。多額の報奨金がかかっている」と
話を聞くと、一目散に逃げるレト。
待ってくれ。
タクシーに乗り込むレト。
あのタクシーを追ってくれ。
乗り込む冒険者たち。
レトの乗り込んだ、タクシーを追う、冒険者のタクシー。
「んっマズイ」
「ふせて」
前方のタクシーの窓から、手を出して、発泡してくるレト。
「いきなり、発砲してきたぞ」
タクシーは、車線を変更し、後続車につく。
信号待ち。
レトは、タクシーを降り、逃げていく。
「俺たちも追おう!」
タクシーを降り、道へ向かう瞬間。
カールは足を捻らす。
「うわっ!!」
転がるカール。
ガンが滑って落ちる。
通行人、数名のSPをつけた、貴婦人。
「きゃーー、銃よー」
「逃げるぞ!」
「大丈夫ですか?お待ちになって」
カールの銃を拾い、届けてくれる、美しい貴婦人。
「いてぇー」
貴婦人は、自分のスカートを裂き、応急処置してくれる。
美しい貴婦人を前に、言葉を詰まらせるカール。
「あ、ああ、ありがとう」
「先を急ぎますので」
「ありがとうございました」

去っていく貴婦人を見送る、冒険者たち。

「なんか、ソフィアに似てなかったか?」
「今の、貴婦人が?!」
「たしかに、都会の貴婦人ね」
「気をつけるのよ」
「?!」
「&%$#~」
「ガハハ」



撒かれる冒険者。
○○ホテルに帰ってくる。冒険者。
ホテル代がまだと、困るフロント。
レトの知り合いですと、レトの泊まっていたホテルの一室を調べさせて欲しいと。
見つかるてががり、三角形のブロックと、ホンヨ行きの、旅行計画書とチケット。
「ずいぶん遠いな。ホンヨか」
冒険者がホテル代をたてかえる。





「なんじゃ、この見出しは?」
駅のキオスクで、新聞を購入するアラゴー。
新聞を読む、アラゴー。
「なになに、最近、きつねつきの症状で、病院に担ぎ込まれる事件が続発している?」
「ふむぅー」
「なんだか、気味の悪い事件ね」
「精霊操作かしら」
「近頃では、新興株式結社の台頭で、金融と精霊の関係が調べられているらしい」
「ふむ、どういうことじゃ?」
「株式経済には、失敗すると、多額の借金が残ったりするの」
「で?」
「株主を替えたり、あ、取り巻きをかえることね」
「場の精霊のことか?」
「たぶん、違うとおもうの」
「会社が潰れるから、からの、精霊研究かな」
「たしかに、この紙面では、高額所得のお嬢様、お坊っちゃまたちが担ぎ込まれるとると」
「?!」
「カールは関係ないわい」
「フフフ」
「ほかには、記事はないの?」
「近頃、経済界の、動向で、古の、ホーリーアイテム、コンピューターが、復活しつつあると言う」
「コンピュータ?」
「うむ」
「わたしも、昔、得意だったの」
「えっ?」
「ホーリーアイテムを?」
「うん」
「&%$#~、どんな家系だったんだろう」
「どうじゃ、すごいじゃろう」
「どんな、アイテムだと、思う?」
「そりゃ、料理とか‥」
「ガハハ」
「少し、正解!」
「当時、コンピューターが開発された頃には、なんでもできる魔法の箱と、銘を売っとった」
「えっ、そんなに、すごいアイテム」
「うむ」
「良い箱は、なかなか、入手が困難での」
「箱というのは、コンピューターのことね」
「なんでもできるかー」
「ガハハ」
「フフフ」
「この間の、ヤパベル=ドゲッテの、ブレインも大型のスーパーコンピューターね」
「あ、あれが」
「記事にこう書いてある」
「なになに」
「現在、開発予定しているのは、超小型コンピューターらしい」
「へぇー」
「超小型なんて、どのくらい小さいんだろう?」
「パームトップくらいかしら」
「パーム?」
「手のひらサイズ」
「うむぅー、実際の、大きさまでは書いとらんのう」
「やっぱり、現代時流の、お金を集める、株式結社ありきね」
「うむぅー」
「なんでも、勉強ね」
「今は、まだ、わからんじゃろう」
「たしかに、ちんぷんかんぷんだ」
「そのうち、解るようになるわ」
「求めれば、知は開けるじゃ」
「ガハハ」


冬光を反射する、高層ビル。
高層ビルの一室。
キーボードをタイプする手。

高層ビルを見上げる、ぼさぼさの少年。


エルフ「カール、結婚して」
「あれ、いま、なんで言ったんだろう?」
「えっ?」
冒険者の帰り途中の路上である。
「おおっ」
「おかしい、おかしいな」
「どうした、カール?」
「よかったじゃないか」
「?」
「まさか、今日の婦人?」
「えっ、いや」
「バカモン」
「あんなに、ソフィアの事を言っていたじゃないか!」
「夢で、うなされとった時」
「!!」
「待って、きつねつきかも」
「カール聞いてくれ、実は、ソフィアはプリンセスなんじゃ」
「ああー」
「?!」
「アラゴー」
「すまん、言ってしまった」
「プ プリンセス!?」
「わ、わしは、そのプリンセスを守る騎士じゃ」
「えっ?アラゴーは冒険者の宿で、てっきり、知り合ったと」
「まだ、話せんことが、色々あるんじゃ」
「訳あって、冒険の旅をしているのです」
「うーん」
目を回す、カール。
「ひとまず、アバンドンに帰ろう」



所は変わって


町外れの森林の中の研究所。
狼に育てられた子供。
狼ミルクを飲み、肉を食べていた。
言葉が話せない。
サファリドクターに引き取られる。
直感的に、敵と味方を見分けられる、能力。
言語を勉強したのちは、嘘がわかる能力。
研究所で、大切に育てられる。コードネーム。ダグ。
過去からの少年だ。


いづれ、冒険者と、出会うことになろうとは、
まだ、誰も、考えつかなかっただろう。







おまけ。

 隣に座っていた家族連れ男。最初、SFヤクザ風の声、のち、TVのぼそぼそ声。で話していた。スマートフォンを使っていた。
SP.は、大衆関数では、隣の席の人の声も、計算に入れて置く。
エルフ「いまの、聞いた?」
カール「えっ?」
ブブー
カールは見事、SP試験を落ちてしまった。
どうなるカール?がんばれカール!
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